Vol.110

KPIで会社の成長スピードを上げ、日本経済にイノベーションを起こす

株式会社ビーワンカレッジ
代表取締役 広瀬好伸氏
寄稿者:片山真紀
日本の企業経営の生産性を10倍にするために、株式会社ビーワンカレッジは独自の経営マネジメント理論「Scale Model」に基づいたクラウド型マネジメントシステム「Scale Cloud」を提供しています。「Scale Cloud」はKPIを全社的に管理・共有することにより個人や組織の壁を越えたコミュニケーションやコラボレーションを実現し、自律自走型でデータドリブンに最速な課題解決と最適な意思決定を可能にする事業共創プラットフォームです。

今回は代表取締役 広瀬好伸氏にお話を伺いました。公認会計士としてキャリアをスタートし、そこからビーワンカレッジ起業に至るまでの経緯や人生の転機となった大きな出来事、そこから感じた生きる意味やこれからの目標など、広瀬さんの強い思いが伝わって来る大変貴重なお話を伺うことができました。
代表取締役
広瀬好伸氏
2002年あずさ監査法人に入社し、主に銀行監査やIPO準備に従事。2007年起業後は、公認会計士・税理士として、上場企業役員、IPO/M&A/企業コンサルティング、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。社外役員やコンサルタントとして計4社のIPOに関与、現在も上場企業の社外役員を務める。KPIマネジメントのスペシャリストとして、「事業全体で最適な意思決定を可能にする科学的経営」を提唱。KPIマネジメントのコンサルティングやクラウドシステム「Scale Cloud」(特許取得済)の開発・提供に注力している。
株式会社ビーワンカレッジ
https://beonecollege.co.jp/
設立
2018年11月
社員数
10人以下
《 Mission 》
「All ××」
人と人、チームとチーム、会社と会社が、つながりをより強め、コミュニケーションをより円滑にし、コラボレーションを促進させることで、一緒に素晴らしいこと、より多くのことを成し遂げる。
《 事業分野 》
Webサービス・メディア
《 事業内容 》
「Team Brain  <チームの脳>」
情報のサイロ化を取り払い、すべてのチームのすべてのメンバーが、信頼できる情報源を共有し、重要な会話や決定を導き、同じ目的に向かって協力しあって行動するためのビジネスインフラを提供する。
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小・中学時代に大病や母の死という大きな出来を経験

アマテラス:はじめに、広瀬さんの生い立ちから伺わせてください。

広瀬氏:
兵庫県姫路市で生まれました。子どもの頃は身体が弱く、小学2年生のときに血小板減少性紫斑病という大病を患い、それから数年間は長い休みの都度、入院生活を送っていました。脊髄に注射を打ったときの痛みは今でも鮮明に覚えています。

病気を克服し入学した中学では、ヤンキーが学校を牛耳り、多くの授業がなくなるという刺激的な日々が待っていました。運動場ではバイクが走り回り、3階からパイプ椅子が落ちて来る。窓ガラスは割られ、校舎の壁には大きな落書き。挙句の果てには兵庫県警のパトカーが校内に常駐するようになりました。そんな中、中学1年で将来の進路を考えるようになり、「姫路西高校から京都大学に進学し、公認会計士になる」と決めました。

14歳の時に、母の他界という私の人生における最大の事件が起こりました。想像もしていなかった身近な人の死という事実をうまく受け止められないまま、2歳下の弟もいたので兄として通夜も葬式も涙を流すまいと必死に堪えていたのを覚えています。それ以降、「自分のことは自分でしなさい」と言われて育った気がします。

姫路西高校→京都大学進学、公認会計士試験合格の目標を達成

広瀬氏:
高校受験直前には阪神淡路大震災が起きましたが、無事に目標としていた兵庫県立姫路西高等学校に進学することができました。高校ではバドミントンを始め、それは今も続いている趣味となっています。2年生からは京都大学入学へのロードマップを引き、それに沿って受験勉強を始めました。得たい目標を明確にしてそこから逆算し、その進捗を管理しながら、目標に向かって地道に愚直に進むという習慣は、このときに身に付いた気がします。

センター試験は大失敗してしまいE判定という結果が出たにもかかわらず、無謀にもどこにも併願を出さず京都大学経済学部だけを受験しました。当日の感触も良くなかったので合格発表も見に行きませんでしたが、代わりに見に行った父から「合格だった」と電話が入り、思わず高踊りしてしまいました。

京都大学に入学当初は次の目標である公認会計士合格に向け勉強を始めたものの、受験勉強で燃え尽きてしまいやる気が出ませんでした。専門学校にも早々に行かなくなり、サークルでバドミントンに明け暮れていました。結局会計士の勉強を本格的に再開したのは4回生の秋で、初めは専門学校の授業にも全くついて行けませんでしたが、誰よりも勉強しようと決め、目標から逆算しながら、朝から晩まで猛勉強の末、一発で合格することができました。

あずさ監査法人に入社、25歳で人生観を変える大きな出来事を経験する

アマテラス:卒業後はどのようなキャリアを積まれたのでしょうか。

広瀬氏:
大学卒業後は、あずさ監査法人に入社しました。同社では銀行を担当する機会が多かったため、銀行の融資における審査基準や金利等の条件を決めるプロセス、融資先の評価方法などを現場で知ることができました。また、担当させていただいた企業のIPOという、とても刺激的で嬉しい経験をすることもできました。

25歳のとき、私の人生における2番目の重大事件が起こります。今度は私自身が本当に死にかけたという体験です。
出張先で体調を崩し、インフルエンザと診断されました。帰宅後に近所の病院で再度検査を受け、そこで薬剤を注射で投与された瞬間にアナフィラキシーショックを起こし、心肺停止状態となりました。意識を失う直前「父さんごめん」と心の中でつぶやいたことを覚えています。すぐに大病院に救急搬送され、次に目が開いたのは翌朝でした。担当医師には「もう少し遅かったら死んでいましたよ」と言われました。

この体験を機に死生観と言うのでしょうか、自分の生きている意味や使命を強く意識するようになりました。人っていつ死んでもおかしくないし、もしかしたら今日がその日になるかもしれない。じゃあ、死ぬときにどういう状態になっていたら笑って死ねるだろうかと常に考えるようになりました。
特に起業してからは、自分が周りに生かされていると感じることが多くなり、目に見えないものにも感謝すると共に、ビジネスを通じて恩返ししたい、そして次世代に恩送りしたいと考えています。
たとえば私たちのKPIのビジネスが次の世代に繋がり発展していくようなシーズ(Seeds)を私が生きているうちに生み出し、自分たちがビジネスを通してやってきたことが遺り、そして次の世代に続いていくと、きっと笑って死ねると思います。

28歳、コンサルタントとして起業

広瀬氏:
あずさ監査法人に約5年お世話になった後、28歳でコンサルタントとして起業することにしました。主に上場準備やM&A、企業再生などのコンサルティングを行っていましたが、監査法人時代の経験がバックボーンとなり、さらに1人での起業だったので私個人のスキルをどんどん高めることもできました。

アマテラス:起業当初はどのようなご苦労がありましたか? どんな壁にぶつかり、どのようにそれを越えられたのでしょうか。

広瀬氏:
初めは1人だったので仲間集めの苦労もなく、また赤字になるようなビジネスでもないのでお金の苦労もありませんでした。また、私が個人で活動している限りは信頼を得てお仕事もいただけていたので、人・お金・信用の苦労は特に感じることはありませんでしたが、唯一事業拡大については1人であくせくやっている限りスケールはしないと思いました。

その頃にロバート・キヨサキの『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んだのですが、今の自分の状態はずっと働き続けないといけない、彼の言うダメな領域にいるなと感じました。そこから抜け出すために、自分がいなくても会社が回る経営者になろうと考え税理士法人を始めました。それまでのコンサルティングと比較すると、税務業務は必要な知識や経験が限定されるので、仕組み化すれば私以外の人にも対応できると考えたのですが、実際はここから色々な壁に突き当たることになりました。

税理士法人で経営者としての壁にぶつかる

広瀬氏:
税理士法人で初めに突き当たったのは仲間集めの壁でした。そして、私が現場から離れて、社員を介して会社の信用を築いていくということにも困難を感じました。顧客のニーズに応えて信用を得るためには良いサービスを提供する必要がありますが、無尽蔵にサービスすれば信頼関係の代償として社員が潰れてしまいます。そこのバランスをどのあたりで取るべきかという判断が非常に難しかったです。

そこで、事業拡大とメンバー確保のために2回ほど他の税理士事務所を吸収合併したのですが、文化の全く違う事務所同士の合併だったことや、急に大きくなった会社を私が上手く回せなかったことで、社員がどんどん辞めてしまうという事態を招くことに。人材紹介会社などに依頼をして急遽採用しましたが、すぐに戦力になるわけもなく苦労しました。一番壁を感じたのは、経営者としての自分自身の壁でしたね。

アマテラス:一気に色々な壁が現れたわけですが、広瀬さんはどのようにそこを乗り越えていらしたのでしょうか?

広瀬氏:
離職率が下がったのは、今の流行りの言葉に置き換えると多様性を受け入れられるようになったことだと思います。振り返ると、私自身の「こうあるべき」という固定概念が強かったことで、社員に対しても価値観を押しつけている部分がありました。
でもよく考えれば、自分の知っていることなんて世の中から見ればミクロの世界です。固定概念の中で生きるというのは、そんなミクロの世界の中で生きていると言うことになります。

多様性を受け入れるというのは「自分の目に見えない世界や知らない世界をいかに信じられるか、受け入れられるか」ということで、そこを意識するようになってからだいぶ変わってきた気がします。特にコロナ禍で進んだテレワークでは、それぞれが今何をしているか見えない中で、お互いに信じて尊重し合うことは非常に大事だと感じています。

「ビーワンフード」、そして「ビーワンカレッジ」の創業

広瀬氏:
税理士法人の方は、最終的に私が辞めることになりました。吸収合併した事務所の税理士と、目指す方向性や価値観のすれ違いが顕著になってきて、やっぱり別々にやりましょうという結論に至りました。ミッション・ビジョン・バリューについて、しっかりと共通認識を持つことの重要性を痛感しました。

次に何をやるかと考えたとき、税務だけでなくもう少し付加価値の高いサービスを、仕組みとして提供したいと思いました。そこで起ち上げたのが、飲食業界特化型のCFOのコンサルティングサービス「ビーワンフード」です。採用やサービスのパッケージングが容易なので業種を絞りましたが、これを足がかりに他の業界に横展開しようと考え、今はクリニック業界向けも始めています。

アマテラス:そこからさらにビーワンカレッジを展開されるわけですが、そのあたりの経緯もお聞かせいただけますか?

広瀬氏:
公認会計士・税理士・コンサルタント・社外CFO・社外役員として、これまで600社以上のクライアントとお付き合いしてきましたが、スタートアップから大企業まで様々な企業に「ビジネス×数字」の分野で関わる中で、事実として成長スピードの速い会社とそうでない会社がありました。その差分を分析すると、成長スピードが速い会社は数字活用のレベルが高い、少なくとも数字が苦手でない会社が多いという共通項が見付かりました。

数字が苦手な経営者は大変多いです。簿記やBS/PL/キャッシュ・フローの財務三表などは分かりにくいものですし、そこまで熱心に勉強したいと思わない経営者が少なくないのも理解できます。私自身も数字のプロとして何とか読み解いてもらえるようにと努力しましたが、結局は無理だという結論に至りました。そこで、伸びている会社についてさらに掘り下げてみると、数字に強い会社は財務三表のみならずKPIを上手く活用していることに気が付いたのです。

KPIと会計データを比較すると、KPIがその気になれば毎日でもデータを取り出すことができるのに対し、会計では今月のデータは翌月の中旬あたりにならないと出て来ません。12月の分析を1月中旬に行い、下旬や翌月から改善アクションを行うのでは成長スピードも鈍ります。KPIなら毎週データを取り出せば月に4回PDCAを回すことができます。成長スピードを加速させるためにはPDCAサイクルのスピードを上げることが重要で、そのPDCAサイクルのスピードを上げたいなら、今後活用すべきはKPIの一択だと思いました。そこで、正しくKPIを設定・管理する仕組みを作ることで日本企業のマネジメントスタイルに変革を起こし、新しい経営の常識を創造したいと考えるようになったのです。

勘定科目等のルールが明確な会計ソフトと違い、デフォルトのルールがないKPIは管理ツールを開発して提供するだけでは使いこなせる人はほとんどいません。私はこの何も無い(デフォルトという常識がない)状態に、一から新しいKPIのルール(新しいデフォルトという常識)創りをしたいと考えました。また、ツール提供だけでなくKPIの設計・運用のノウハウの提供も行うことで、競合優位性も確保できると判断しました。

アマテラス:ビーワンフードと兼務されていたのでしょうか。

広瀬氏:
はい。ビーワンフードの方もまだまだ手のかかる状態だったので、同時並行でずっと関わっていました。KPIをやろうと決めてから、まず2018年9月よりKPIの設計や運用などを企業の経営者や幹部向けにマンツーマントレーニングを通じて需要観測を行い、需要があると判断できたので11月にビーワンカレッジを創業しました。
その後、2019年1月からScale Cloudの開発に着手し、2020年春あたりにβ版として有償提供できる状態になりました。この頃に、私はビーワンカレッジに100%コミットできる状態になりました。

KPIマーケット開拓の壁が最大の難関

アマテラス:Scale Cloudについて少しご説明いただけますか?

広瀬氏:
Scale Cloudは、弊社が開発・提供する日本初(特許取得済)のKPIマネジメントSaaSで、KPIを全社で管理・共有することにより、自律自走型でデータドリブンに最速な課題解決と最適な意思決定を可能にする事業共創プラットフォームです。事業計画や予算の作成、全社員への共有、進捗管理や問題点の抽出などが容易に行え、会社として全体最適な次の一手を見付けることで生産性の向上を促す効果が期待できます。

ビジネスにおいて、戦国武将達が軍議を行う際に囲んで見ていた戦略図のような役割を果たすものだとイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。同じもの(戦略図)を見ているからこそ、全体戦略や、その中での自分達の果たすべき役割(個別戦略)や他のチームとの連携について、共通認識が持ちやすくなり、一致団結して目標達成に向けて進んでいきやすくなります。

広瀬氏:
最も導入のメリットが大きいと考えられるのはスタートアップや上場を目指している企業です。スタートアップでもKPI管理がサイロ化されているケースが結構ありますし、上場を考えている企業にとっては、証券会社や証券取引所の審査を通すには事業計画や予算管理、PDCAなどがKPIに紐付いて設計されていて、その設計・運用の精度が高いことが必須です。
例えば、結果指標だけでなく、そこに至るまでのプロセスの中で、今、どのチームのどのKPIに問題があるのかといった先行指標の状況を、いち早く掴んでスピーディーにPDCAを回していくことで、後手後手になることなく先手先手でコントロールすることができるので、自ずと事業計画や予算の達成度も上がってきます。

数字やKPIの重要性に気が付いていない、気が付いていてもまだ行動を起こしていない経営者もまだ多いと感じますが、たとえば株主などステークホルダーに経営状況の説明を求められたり、競合がKPIを取り入れて成功しているのを見たときなど、外部から必要性に気付かされ、取り組みを始めることもあるかと思います。Scale Cloudは、会社をもう一段階ステップアップさせる、そのような場面において強力なサポートができると考えています。

アマテラス:β版が出て1年半ほどになりますが、これまでの事業と比較してどのような壁を感じていますか?

広瀬氏:
SaaSモデルは初めてということもあり、壁しかないと感じています。初めに資金面ですが、これまで赤字になるようなことはありませんでしたが、今はとにかく毎月赤字です。有償提供を始めた途端にコロナ禍で緊急事態宣言も出たので、特に2020年の春と夏はなかなか売れませんでした。

最大の問題は、まだ世の中であまり認知されていないKPIというマーケットに対して、どうやって認知を広げていくかという壁だと感じています。逆に言えば、そこに壁はあるものの、KPIというマーケットで第一想起を取れている会社はまだないので、そこを私たちが取りにいくことでソートリーダーシップを発揮できる状態をつくれると思います。具体的には、VCや銀行からの紹介、セミナーや展示会、SNSへの広告等のウェブマーケティング、テレアポ、メディア露出などあらゆる方法で認知拡大と営業活動をしていますが、光明は見えているものの、そこに向けての活動量が足りていない状況です。

KPIを理解していただくための伝え方にも試行錯誤しています。本来、KPIは予算管理や人事評価、採用など様々な活用シーンがあるのですが、そういった活用シーンを個社ごとに提案しプロダクトを導入していただくためには、相手がKPIを理解し、課題感がはっきりしていることが前提となります。問い合わせがあっても、まだKPI活用をしたことがない、または活用を始めたところという会社が多く、課題感もまだまだふわっとしている状態に対してソリューションの提案をする苦労があります。

アマテラス:マーケット開拓の壁ですね。乗り越えられそうですか?

広瀬氏:
まだまだですが、ようやく風向きが変わってきたのは2020年の秋口辺りで、上場企業や上場を目指すスタートアップ企業を中心に、少しずつ販売実績が上がってきました。契約していただいている会社さんの中でも、やはりきっちり使っていただいている会社さんとそうでない会社さんがいらっしゃるので、その差分を分析しながら、PMF達成に向けて私たちも試行錯誤、仮説検証を繰り返している最中です。

そもそも、壁は高ければ高いほど乗り越え甲斐がありますし、乗り越えさえすれば他社が到達できない領域に行けるので、ワクワクしながら日々前進しています。

現在は私たちがコンサルに入り、実際にKPIの情報を集めるところから関わらせていただくことが多いです。集めた情報をロジックツリーのフレームワークに落とし込み、全体像が見えるように整理して行くのですが、これらの作業を一緒に行い、運用から定着までしっかり伴走するというサポート体制は、私たちの差別化ポイントの一つになっていると思います。

採用の壁は間口の狭さ。プロダクトは80%までこぎ着ける

アマテラス:採用の壁はありましたか? 現在、広瀬さん以外は全員開発メンバーだと伺っています。

広瀬氏:
そうですね。これまでは開発メンバー中心の採用をして来ましたので、採用の壁についても開発メンバーの話になりますが、Scale CloudはTypeScriptとFirebaseを利用して開発しており、これらの実務経験がある開発者があまり多くありません。そこに経験年数まで条件に加えると一気に母数が減ってしまうので、採用の間口は非常に狭くなっているという印象はあります。
先ほどお話しした通り、これまでPMF達成に向けて仮説検証を繰り返す中で、今後の事業拡大に向けた戦略の解像度も上がってきましたので、今後のScale Cloudの進化と事業拡大に向け、これからは開発だけでなくビジネスサイドの採用も強化していきたいと考えています。

アマテラス:プロダクト開発についてはいかがでしたか?

広瀬氏:
プロダクト開発は常に大変ですね。アジャイルでずっと開発してきていますが、この1年はリリースとバグの繰り返しという感じです。今の完成度は80%くらいで、細かい詰めがあと20%くらいと考えています。

Scale Cloudのその先 - 日本企業の収益性と生産性を10倍にするために

広瀬氏:
ただ、私が本当にやりたいのはScale Cloudを完成させることではなく、その先です。プロダクトを通じてKPIという武器を手に入れ、誰もが会社やビジネスの全体像を俯瞰できる状態を作ることにより各自が自分の役割を理解し、同じ目標に向かって一致団結して高速でPDCAを回しながら進んでいける環境づくりです。これが実現すれば、誰かしらが管理しなくても、社員一人一人がビジネス全体の数字やマネジメントに対するリテラシーが上がっている状態が作れると思うのです。

日本企業の収益性、生産性が低いと言われて久しいですが、そういったリテラシーを上げれば1人1人のパワーは1から3になるはずです。これまで2人合わせて1+1=2だったものが3+3=6になるわけです。リテラシーが上がることでコミュニケーションも円滑になります。そして、円滑にする秘訣は数字にあると考えます。数字を共通言語としてコミュニケーションやコラボレーションをしていくことで、3+3=20となり、1+1=2に比べて10倍の事業成長を実現することも可能になると考えています。

さらにその先には、個人の壁を越え、チームの壁を越え、会社の壁を越えて共創が生まれ、日本企業全体の生産性や収益性が10倍になることで日本経済が抱える多くの問題も解決できると信じているので、そういう次世代の経営インフラをScale Cloudが担っている状態を作りたい。その目標達成に向けてまだまだ改良を重ねて行くつもりです。

短期的にも中長期的にも、課題は人材

アマテラス:広瀬さんが目指していらっしゃる未来を実現するためには、現在どんな課題があるとお考えでしょうか。

広瀬氏:
短期的にも中長期的にも、最大の課題はとにかく人材の確保だと考えています。理由としては、私が目指しているプロダクトが過去にない未知の領域のプロダクトだということ。それを完成させるためには、様々な能力や視点を持った人に集まってもらい、一緒に創っていく必要があるからです。

具体的にお話しさせていただきます。現在、経営管理を行うSaaSのサービスが増えています。それらを分析すると、人事・労務・財務など、入口は別々でも、経営管理に関わる様々な機能を備えた、いわゆるERPのようなプロダクトを目指しているものが多く、目指しているのは経営管理の完成形という同じ頂上だという印象を受けます。

一方、我々は「経営管理の民主化」という発想で、経営管理の方々だけでなく事業サイドも含めた社員一人一人に役立つプロダクトを目指しています。ビジネス全体の数字を誰にでも理解できるよう民主化し、それぞれが自らのやるべきことを全体最適な視座で理解し、自律して各自が意思決定できる状態を作りたい。その際、与えられる情報は難しい会計情報ではなく、理解しやすいKPIの情報であるべきと考えています。

つまり、既存のSaaSプロダクトが主にバックオフィス向けであるのに対し、Scale Cloudはバックオフィスの人だけでなくフロントオフィスの人にも使ってもらえる、全チームにとって共有のプロダクトにしたいのです。現段階では私のバックボーンに近いところからスタートしているためScale Cloudも経営管理寄りですが、ここから先はフロントオフィスでも利用できるよう進化させて行きたいと考えています。その際は色々な人に集まってもらい、それぞれの視点からこのプロダクトの開発に関わってもらう必要があるのです。私が「とにかく人材が大きな課題」と申し上げているのは、後にも先にもビジネスは人次第ですし、多様な人材がコラボレーションすることで、歴史に残り次の世代にもつながっていくクリエイティブなプロダクトになると思うからです。目指すところは、iPhoneのように世界を変えるプロダクトを私たちの手で創り上げることです。

数字やKPI関連の経験がある人材が望ましい

アマテラス:2021年秋の段階で、ビーワンカレッジさんが求める人物像を教えて下さい。

広瀬氏:
まずは、ミッション・ビジョン・バリューに強く共感いただける方ですね。一方のスキル面については、数字に関する何かしらの経験を持っている方ですね。経験がないと、お客さんに対してうちのサービスについて自分の言葉で伝えるのが難しいかと思います。具体的には、例えばスタートアップでCOOやCFOをやってきていれば業務の中で事業横断的にKPIを見てきたはずですですし、または、営業、マーケティング、カスタマーサクセスといった部門においてKPIマネジメントをしてきた方であれば各領域におけるKPIの知見があるはずなので、今の我が社にベストマッチだと考えています。

フロントオフィス系かバックオフィス系かにこだわりはありません。フロントオフィス系の人であれば営業としてKPIの提案もできるでしょうし、バックオフィス系の人ならオンボーディングやその後のCSやコンサルティングができるはずですから、どちらの経験者も私としてはウェルカムです。

自由と自立の中で一から会社を作り上げる面白さを共に楽しんで

アマテラス:現在のビーワンカレッジさんは0→1→10フェーズだと思いますが、このタイミングで御社に参画する魅力はどこにあるとお考えでしょうか?

広瀬氏:
今の弊社は、プロダクトはあるものの開発以外のメンバーが全くいない状態なので、次に入社してくださる方は実質1人目の採用になります。ほぼ創業メンバーですから、ビジネスの立ち上げ期において、中長期の事業戦略/組織戦略の構想・実行までマルチに幅広い領域で携わっていただけます。 決められた枠組みはなく、自分たちで自由に創造的に挑戦し、裁量を持ってスピーディーに自分達で何かしらを創り上げたいというマインドを持っている方にはすごく面白いと感じていただけるはずです。逆にレールの敷かれた上をきちんと歩いて行くのが得意な方にとってはしんどいかもしれません。

先ほどもお話ししたとおり、私は過去の学びから「こうあらねばならない」という固定概念をできるだけ排除しようと考えていますので、自由と自立という社風に働き甲斐を感じられる方にとっては魅力ある職場を提供できると思っています。

また、成長企業の経営やビジネスモデルに深くタッチしているプロダクト/サービスだからこそ、経営や事業に興味がある方には他では得られない経験とノウハウが手に入ります。

少し話はずれますが、TKC全国会という会社をご存じでしょうか?会計や税務に関わるシステムとノウハウを蓄積しており、会員となっている1万人を超える公認会計士や税理士に対して、プロフェッショナルサービスや事務所経営などのさまざまな後方支援を行っています。先ほど「Scale Cloudの先」について少しお話ししましたが、私は将来的には、公認会計士や税理士のみならず、コンサルティング会社や金融機関などを含むプロフェッショナルに対して、KPIを起点としたプロフェッショナルサービスの後方支援を行う、Scale Cloud版の全国会のようなコンソーシアムが作れたらと考えています。そうすることでKPIを中心とした付加価値の高いプロフェッショナルサービスが全国各地に広がり地域貢献にもつながると思いますし、私たちとしても一気に全国展開できる可能性が高まります。

KPIを通じてそれぞれの会社が自らの強み弱みを正確に把握したときに、こういった組織があればお互いを補完し合えるマッチングや情報提供の場も創り出せ、より効果的な経営の課題解決が可能になります。KPIを起点に繋がりやコラボレーションが生まれることで、3+3を30にできるようなイノベーションを起こしたい。他に類を見ないプロダクト/サービスで世界を変える、その中心的な役割を果たしていただき、今後の経営のスタンダードを一緒に創り出す仲間を大募集しています。

アマテラス:本日は貴重なお話を、どうもありがとうございました。

寄稿者:片山真紀
株式会社ビーワンカレッジ
https://beonecollege.co.jp/
設立
2018年11月
社員数
10人以下
《 Mission 》
「All ××」
人と人、チームとチーム、会社と会社が、つながりをより強め、コミュニケーションをより円滑にし、コラボレーションを促進させることで、一緒に素晴らしいこと、より多くのことを成し遂げる。
《 事業分野 》
Webサービス・メディア
《 事業内容 》
「Team Brain  <チームの脳>」
情報のサイロ化を取り払い、すべてのチームのすべてのメンバーが、信頼できる情報源を共有し、重要な会話や決定を導き、同じ目的に向かって協力しあって行動するためのビジネスインフラを提供する。
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