我々は教育で世界を変える。世界中の子どもたちの”生きる力”を育てたい。

株式会社スマートエデュケーション代表取締役社長 池谷大吾氏

スマートフォンやタブレット型端末を親子が一緒に操作して音楽や絵本を楽しむ。

このような特徴を持った乳幼児向け「知育」アプリケーションの開発を手掛け成長しているベンチャー企業のスマートエデュケーション。

「小さい子どもにこそ、良質のものを提供したい」という想いから、プロ歌手やプロナレーターを起用したり、本物の楽器を使用したりするなど「本物」にこだわったコンテンツを開発しています。

「子ども達の“生きる力”を育てたい」、そう語る池谷大吾社長に迫りました。

池谷大吾氏

代表取締役社長
池谷大吾氏

明治大学大学院理工学研究科修士課程修了
2000年4月 日本ヒューレットパッカード株式会社入社。システムコンサルタントとして大手携帯キャリアの基幹システムの開発プロジェクトに従事。
2004年8月に株式会社シーエー・モバイルに入社。公式課金サイト、SNSサイト、ソーシャルアプリといった数多くのモバイルメディアの企画開発に従事。2006年12月に同社執行役員、2008年12月に同社取締役に就任。
2007年7月には同社のSNSサイト、ソーシャルアプリ事業を手掛ける100%子会社株式会社ixenの代表取締役に就任。
2011年6月に株式会社スマートエデュケーションを創業。代表取締役に就任し、現在に至る。

株式会社スマートエデュケーション

株式会社スマートエデュケーション
http://www.smarteducation.jp/

設立
2011年06月
社員数
正社員18名(合計35名 契約社員等含む)*2013年6月時

《 Mission 》
我々は教育で世界を変える。世界中の子どもたちの“いきる力”を育てたい。
《 事業分野 》
教育・Edtech
《 事業内容 》
乳幼児向け「知育」アプリケーションの企画・開発・販売

サイバーエージェントの藤田さんのように自らの手で市場を切り拓きたい

アマテラス:

スマートエデュケーションを起業するまでの背景を教えてください。

株式会社スマートエデュケーション 代表取締役社長 池谷大吾氏(以下敬称略):

私は2000年に大学院を卒業し、日本ヒューレットパッカード(以下HP)に入社しました。やりたいことがはっきりと決まっていたわけではなく、「最初は大企業で働いた方がいいかな」という気持ちで入社しました。入社後は一生懸命に働いて、やりがいも感じていましたし、しっかりとした評価を頂いていたのですが、4年半ほど過ごした頃、ふと「本当にこのままで良いのかな…」という思いにかられました。というのも、当時は色々なITベンチャーが立ち上がって来た頃で、その代表格であるサイバーエージェント創業者の藤田晋さんは、自分とあまり年が変わらないのに経営者として活躍され、東証マザーズへの上場まで果たしていました。

「自分と比べて、なんてすごいことをしているんだろう」と思うと、いてもたってもいられなくなり、CAモバイルに転職していたHPの同期に、「社長に会わせてよ」と無理やりお願いしました(笑)。そこで社長ではないのですが、創業メンバーの小野さんにお会いすることになったのです。

小野さんは私と同い年なのですが、役員として活躍されていて、会社もしっかりと利益を出し、社会に影響を与える評判の良いサービスを提供していました。非常に感銘を受けて、お会いしたその日にCAモバイルへの転職を決めました。そこから7年間のCAモバイル人生が始まり、最終的には役員まで務めました。一方で、いつかは自分の力で会社を興してみたいという気持ちもあり、2010年の12月に起業を決意しました。

当社は最初から今のビジネスモデルにたどり着いていたわけではありません。私の場合は何をするかを考える前に起業を決めたのですが、妻子もいますし、手っ取り早く稼げた方がいいだろうということで、最初はゲームを開発することを考えました。

当時、ソーシャルゲームが急成長し始めていた頃で、その波にのることが成功への近道ではないかと思ったわけです。でも、2日後にはその考えを捨てていました。なぜ役員にまでなった会社を辞めて起業したかというと、お金のためではなくて、サイバーエージェントの藤田さんや楽天の三木谷さん、ソフトバンクの孫さんのように、本当に自らの手で市場を切り拓いていきたいと思ったからなんですよね。
ゼロからイチを作っていくような市場創造に挑戦しないと、自分の人生のモヤモヤが解決しないような気がしました。
ただ、そうは言っても、「何をしたらよいのか?」についてはとても悩みました。そのときはまだ教育というテーマも決まっていませんでした。

「教育」というテーマとの出会いは、意外にも身近なところにありました。会社を辞めるまでは忙しくて、育児は妻に任せっきりだったのですが、そんなこんなで家でちょっとした浪人生活を送っているときに、たまたま息子が自分のiPhoneを触る様子が目につきまして…。私が操作している様子を観察していたようで、何回パスワードを変えても、全部見破って、いつの間にか自由に遊んでいるんです(笑)。確かに、スマートフォンは難しいことがわからなくても直感的に操作できるので、子どもにとっては最高の遊び道具になるだろうな、と思いました。これまでITに縁遠かった子どもやお年寄りが、簡単にIT技術を楽しむことができる素晴らしいツールだな、と…。

そこでふと、「スマートフォンやタブレットを使った子ども向けの教育サービスをやってみたら面白いのではないだろうか」というアイディアが頭をよぎったわけです。

この時代、一旦社会に出るとインターネットやITに触れずに生活するということはほぼ不可能です。それなのに、教育現場は基本的にITに対してネガティブな姿勢で、いまだにアナログ中心です。このギャップにこそ起業のチャンス・有望性があるのではないか、と思いました。

子ども向けの教育サービス市場を調べても、決して小さくはありませんでした。
「今後世界的に市場が伸びていくことが間違いないスマートフォンやタブレットなどのツールと自分たちの技術力で、教育を変えることができるのではないか」――この思いが現在のサービスへの第一歩となりました。

もっと色々な夢を持つ子供が増えてほしい

アマテラス:

創業時の想いについて、教えてください。

池谷大吾:

「世界中の子どもたちの“生きる力”を育てたい」というのが当社の理念です。子どもたちがスマートフォンやタブレットというツールを通して、色々な体験をしたり、新しい情報を得たりする橋渡しをすることで、子どもたちの将来の夢や目標を広げていきたいと思っています。

日本の義務教育は世界のなかでは非常にレベルが高いといわれていますが、教室という空間のなかだけで得られる情報というのはやはり限られていると思います。今の小学生に「将来何になりたい?」と聞くと「サッカー選手」と答える子が多いと思うのですが、もしかしたら子どもたちがもっと身近にインターネットを使えるようになって、世界中の人とコミュニケーションを取れるようになったり、社会のことや地球のことを知ることができるようになると、もっと色々な夢を持つ子どもが増えてくるかもしれませんよね。
「我々が良質なアプリケーションを作ることで、教室と社会との情報のギャップを埋め、子どもたちにより多くの気づきを提供していきたい、そして世界を変える一歩にしたい」というのが起業時の想いです。

アマテラス:

創業当初の運転資金などは、どのようにされていたのですか?

池谷大吾:

起業にあたっては先行投資が必要となるわけですが、創業メンバー5人は思ったよりもお金を持っていませんでした(笑)。これではまずいと思って、まず最初に資金調達に取り組みました。
これまでに築いた人脈をとにかくフル活用し、出資してくれそうな方に片っ端からあたりました。アイディアだけの事業計画書をもって「起業することにしました」と…。

結局4人のエンジェル(個人投資家)から約3000万円投資していただくのですが、驚くことに一人として事業計画書を開きませんでしたね。皆さん私の目しか見ていませんでした。
細かいことは聞かずに「やってみたらいいじゃない!」と背中を押して下さって。「教育×IT」というテーマに共感してもらえたことも、とても嬉しかったですね。

最終的には創業メンバーの資金約2000万円と合計して、5000万円くらいの創業資金を集めることができました。

アマテラス:

資金は集まりました。次はどうやって事業を立ち上げていかれたのですか?

池谷大吾:

当時、私達がやろうとしていた未就学児、子ども向けのアプリではヒットしているものが全くありませんでしたので、せっかく集めた資金を全て子ども向けのアプリに投入すると即会社が潰れる可能性も考えられました。
創業メンバーとは「死亡推定時刻」という非常に残酷な言葉を使って、自分達があとどれくらいもつだろうかという話をよくしていましたね。

一つの事業に資金を全てつぎ込んで即失敗というのは避けたかったので、大人向けの英会話学習アプリ事業も同時に立ち上げることにして、私以外の4人はそちらの事業を担当しました。彼らが「俺達が会社を守るから、好きなようにやってくれ」と言ってくれたのが、とても心強かったのを覚えています。

そんな中、「リズムえほん」という幼児向けアプリを開発しました。それが思ったよりも出来がよくて、周りのママ達に聞いてみると、良質な子ども向けアプリへのニーズがとても高いことを知りました。
2011年の11月頃だったのですが、このアプリをきっかけに、やはり「知育」という分野に事業を集中すべきではないかと思うようになり、仲間と三日三晩徹夜して今後の方向性を議論しました。

大人向け英会話アプリのリリース直前だったのですが、議論の末、そのアプリのリリースは取り下げて、知育事業に一本化することを決めました。もちろん最初は反対意見もありましたが色々な議論を重ねて、最終的にはみんな心から納得して理解してくれました。株主のベンチャーキャピタルさんも未就学児ビジネスに非常に大きな可能性を感じていて、色々とアドバイスを下さったので、思い切って知育アプリに特化することにしました。

子供にとって親子のコミュニケーションが一番大切

アマテラス:

具体的にどんな知育アプリを開発しているのでしょうか? またそれがヒットした理由は?

池谷大吾:

当社のアプリの大きな特徴は「親子が一緒に遊べる」ということです。先ほどお話した3日間の議論の中で「教育とはなにか?」、「子ども向けの知育アプリが提供できる最も大きな付加価値はなにか?」を徹底的に話し合いました。その結果、やはり一番大切なのは「コミュニケーション」、とくに小さな子どもたちにとっては親子のコミュニケーションが一番大切なのではないか、というのが我々の共通の価値観でした。
そこで、当社のコンテンツは子どもが一人で遊ぶためのものではなく、「親子で一緒に楽しめる」ことをコンセプトにしようと決めました。

当社の「リズムえほん」というアプリは親が子どもを膝の上に置いて、一台のスマートフォンで、二人で協力して一曲を弾くというゲームなのですが、このアイデアも議論のなかで生まれました。
実際、「子どもを膝の上に乗せて、一緒に遊んでください」というメッセージに対する親御さんたちの反響は非常に大きく、大変喜んで頂いています。ユーザーの皆さんの満足が売上にもつながっているのだと感じています。

子どもから、おじいちゃんおばあちゃんまで、誰でも直感的に使えるというのがスマートデバイスの良さであり、今後こういったデバイスが更に普及していくことは間違いないでしょう。その上で、良いアプリを作って家族や友達同士のコミュニケーションに、ちょっとしたイノベーションを起こし、感動を与えたいというのが当社の想いです。

アマテラス:

創業メンバーの5人から、どうやってここまで仲間を増やしてきたのですか?

池谷大吾:

現在、正社員は18人です。正社員以外で100%コミットしてくれている人を加えると、30人くらいのメンバーが当社の事業を支えてくれています。当社は「ものづくり」をする企業ですので、優秀なエンジニアが必要です。最初は知名度のない会社なのでなかなか採用が難しかったのですが、色々な工夫をして採用につなげてきました。

労働時間や働く場所にはこだわらず、プロジェクト毎に仲間と相談して働き方を決めています。スキルと情熱があってネットでつながることができれば、労働時間や環境を拘束すべてきはない、というのが当社の考え方です。
今当社でトップエンジニアとして活躍してくれているメンバーは、週に3,4回は顔を出してくれるのですが、基本的に自宅で働いています。彼は面白くて、毎晩夜9時に子どもと一緒に寝てしまうんです。ただ、午前3時に起きて働いています。彼が一番活動している時間は午前3時から7時。それでいて開発効率がすごくいいんですよね。

普段フリーで活躍しているエンジニアの方も多く、業務委託やプロジェクトベースでの契約など、契約形態も柔軟です。お子さんがいるエンジニアさんは、開発しているものを子どもに見せて、楽しんで遊んでくれるのをみるのが嬉しいと言って下さいます。そういったところも魅力なのかもしれません。

アマテラス:

エンジニア以外の人材はどのように採用されていますか?

池谷大吾:

ここはなかなか苦労しています。今のところは友達紹介が中心です。当社のビジョンや事業の新規性、社会的意義に共感して参画して下さる方が多いですね。「優秀な人は、優秀な知り合いを連れてきてくれる」という法則があるような気がしています。

壁を壁とも感じない

アマテラス:

池谷さんが経営者として壁に突き当たったときにどのように考えるようにしていますか?

池谷大吾:

性格が前向きすぎて、基本的にあまり困らないですし、壁を壁とも感じないんですよね(笑)。普通の人からしたら大事件でも、前向きに捉えていくような性格です。焦ってもしょうがないですしね。
起業した時にもみんなに「子どもがいるのに、給料下げてよく起業するね」と言われたんですが、私からしてみると、やりたいことをやらない方がリスクです。
家族にも話しているんですけど、万が一失敗したとしても稼げないということはないと思うんですよね。その気になれば、コンビニでレジ打ちもやりますし。
チャレンジできること自体が幸せだと思っているので、大変なことがあっても楽しいです。愚痴を言っていても明日は来るし、「へこんでいる暇があったら、もの作れよ」って思います。色々経験してきて、普通の痛みは感じない強靭な心になっている可能性もありますけどね(笑)。

子どもたちの”生きる力”を育てたい

アマテラス:

スマートエデュケーションと競合他社との違いは何ですか?

池谷大吾:

競合他社の多くは、既存の教育コンテンツをどうやってタブレットにのせるか、ということに目を向けられているように感じます。
よく、「タブレットを使うと算数が速く解けるようになるんですか?学習効果はどうなんですか?」というようなご質問を頂くんですが、私達が目指すゴールはそこではありません。解決しようとしている問題や目的意識が他社とは全く異なっているというところが、当社のサービスの大きな競争力となっているのではないかと思います。

では当社が何を目指しているのかというと、「早いうちからスマートデバイスに慣れ親しむことによって、より広い世界に触れて、大きな夢や目的を持ってほしい」、「スマートデバイスを活用して新しい情報を得たり、問題を解決したりできるような橋渡し役になりたい」というのが当社の目指すところです。

今の子どもたちにとってスマートデバイスは、これからの人生を切り拓いていく上での大きな武器になるものです。IT技術と上手につきあっていくスキルが身についているかどうかで、差が生まれてくるように思います。

子どもたちがIT機器を使用することについて、一般的には否定的な意見が多いようですが、インターネットそのものをブロックする必要はないと思っていますし、それよりも早く子どもたちが自分が見ていいもの、いけないものの判断ができるようになって、自分が得るべき情報をいち早く得られるようになる方がいいと思っています。

もちろんITが全てではありません。外でも遊ぶし、今まで通り紙の本を読んだり、教科書やノートで勉強もする。こういったもの全てを使って賢く生きていく姿を理想としています。
目先の知識ではなく、ITを使いこなすことを含めて大きな意味での「生きる力を育てたい」という思想が根本にあるというのが、他社との違いです。

また先程もお話したように当社のアプリは「親子」もキーワードになっています。アプリを通して親子の絆を深められること、アプリをきっかけに生まれる親子の会話から、子どもが色々なことを学ぶことができるという点も、当社のサービスに価値を感じて頂けている部分なのではないかと思います。

アマテラス:

収益モデルについて教えて頂けますか?

池谷大吾:

スマートエデュケーションのアプリは基本的に無料で、どのアプリにおいても、最初の一曲、一話は無料で提供されます。いわゆるフリーミアムモデル(*基本的なサービスを無料で提供し、追加の機能や付加サービスを課金するモデル)です。

音楽のアプリですと、「となりのトトロ」が無料でついてきます。「あまり面白くないものを無料で提供して、より面白いものを購入してもらう」というのではなく最初からトップコンテンツを無料で提供するというのが重要だと思っています。人気のコンテンツがついてくることで、最初から愛情をもって楽しんでもらえますよね。

本の流通に例えると、当社は出版社であり、書店でもあります。実際の出版業界では、出版社と書店は全く別ですよね。自分達でサプライチェーンの全ての役割を果たさなくてはならない分、全体で収益を上げるモデルを構築できるというのは、この業界のメリットでもあると思います。

アマテラス:

スマートエデュケーションがターゲットにしている市場規模の大きさは?

池谷大吾:

市場規模を明確な数字で申し上げることはできません。スマートフォンやタブレットアプリは色々な市場をまたいでいて、例えば当社のアプリでの楽曲販売は、教育市場関連でもあり音楽市場関連でもあります。
どの市場で戦うかを考えると、既存の幼児向け教育サービス市場かもしれませんし、玩具市場かもしれませんが、実は我々が狙っていくべきなのは、「子どもや親の24時間の中からどれくらいの時間を当社のサービスが獲得できるか」ということだと思うんです。

例えば、大手のソーシャルゲームプロバイダーはスマートフォンを持っている大人の時間をかなり獲得していますが、当社としては、そのうちの何時間かを子どもと一緒に当社のアプリで遊ぶ時間に使ってもらいたいわけです。そう考えると、我々がターゲットとする市場というのは、かなり幅広いなと思っています。「グローバル展開」をかけ合わせると、狙うところは更に幅広くなりますね。当社は既に韓国や北米にも進出していますが、しっかりと仕組みを作れば、海外でも一気に市場は広がると思います。特にこれからのアジア圏の発展は楽しみですね。

アマテラス:

スマートエデュケーションの直近と中長期の経営課題を教えてください。

池谷大吾:

まずは人材採用です。中長期の課題というのはあまり考えていません。これからの半年から一年でどれだけ優秀な人材を採用して、どれだけ有意義な教材を作れるかが、中長期の課題にも関わってくると思うので、まずは「人」だと思っています。

アマテラス:

スマートエデュケーションが求める人材について教えてください。

池谷大吾:

「自らやるべきことを見つけられる人」、「的確な課題解決方法を考えだして、実行できる人」というのが、当社で活躍できる人の人物像です。あとは「自分の居場所を探せる人」ですね。
実際、今のメンバーの大半が、採用するときに想定していたことと違う分野で活躍しています。変化のスピードが非常に速いので、そういったなかでも自分の居場所、いわゆる課題を見つけて、実行する能力が求められます。もちろんエンジニアについては、高い技術力が必要です。

当社の採用ポリシーは「部下は採らない」ということです。手を動かすだけの人を採用する気持ちはありません。まだ社員も少ないですし、1人が多くの職務を担当している状況です。
私自身も社長というのは単なる役割で、開発もしていますし、ユーザーサポートもします。思った以上に「現場」で活躍中です(笑)。

アマテラス:

最後に池谷さんの夢を教えてください。

池谷大吾:

私は2000年にHPに入社して以来、ずっとIT業界を歩んできました。ITの力で何とか教育業界に名を刻みたいという想いはありますね。
スマートエデュケーションのアプリで遊んでくれた沢山の子どもたちが、自分の力で自分の夢をかなえられる大人に育ってほしいと想いますし、そういう大人を育てなくてはいけないという責任も感じています。彼らがふと子どもの頃を振り返ったときに、その思い出の中に当社のアプリがしっかりと残ってくれていたら嬉しいな、と思います。「学校の勉強はできなかったけど、あの教材だけは夢中になって遊んだよな。」というように…。

そしていつか、日本や世界を変えるような偉大な大人が誕生した時に、「小さい時、あの葉っぱのマークの教材が大好きでした」というようなことを言ってもらえたら、その時にやっと「自分の夢もかなった!」と思えるのかな、と想像しています。

アマテラス:

池谷さん、ありがとうございました!

この記事を書いた人

アバター画像


藤岡 清高

株式会社アマテラス代表取締役社長。iU 情報経営イノベーション大学客員教授。 東京都立大学経済学部卒業後、新卒で住友銀行(現三井住友銀行)に入行。法人営業などに従事した後に退職し、慶應義塾大学大学院経営管理研究科を修了、MBAを取得。 2004年、株式会社ドリームインキュベータに参画し、スタートアップへの投資(ベンチャーキャピタル)、戦略構築、事業立ち上げ、実行支援、経営管理などに携わる。2011年に株式会社アマテラスを創業。 著書:『「一度きりの人生、今の会社で一生働いて終わるのかな?」と迷う人のスタートアップ「転職×副業」術』

株式会社スマートエデュケーション

株式会社スマートエデュケーション
http://www.smarteducation.jp/

設立
2011年06月
社員数
正社員18名(合計35名 契約社員等含む)*2013年6月時

《 Mission 》
我々は教育で世界を変える。世界中の子どもたちの“いきる力”を育てたい。
《 事業分野 》
教育・Edtech
《 事業内容 》
乳幼児向け「知育」アプリケーションの企画・開発・販売