社員の約半数が外国人。スタート時からのグローバルカンパニー

八楽株式会社代表取締役社長 坂西優氏

機械翻訳と人間翻訳を組み合わせた高品質な多言語オンライン翻訳システム『ワールドジャンパー』を企業向けに提供している八楽。社員の約半数が外国人というグローバルな職場をマネジメントする八楽の社長坂西氏は次世代型経営者のロールモデルなのではないかと思われます。
今回のインタビューではそんな坂西社長に「ワールドジャンパー」の特徴や八楽の今後の展望などを熱く語ってもらいました。

坂西優氏

代表取締役社長
坂西優氏

福岡県出身。早稲田大学卒業後、渡米・独立。2010年、八楽をスタート。

八楽株式会社

八楽株式会社
https://www.yarakuzen.com/

設立
2009年08月
社員数
10名(2013.4月時)

《 Mission 》
グローバルコミュニケーションを楽しく。
《 事業分野 》
WEB・アプリ
《 事業内容 》
翻訳サービス『ワールドジャンパー』の構築、提供

『異文化コミュニケーションを世界中の人と楽しむ』

アマテラス:

御社の事業内容を教えてください

八楽株式会社 代表取締役社長 坂西優氏(以下敬称略):

機械翻訳と人間翻訳を組み合わせた高品質な多言語オンライン翻訳システム『ワールドジャンパー』を企業向けに提供しています。ウェブサイトに導入するだけで日本語のサイトを多言語に翻訳できるツールです。全てのサイトをクラウド上で行うため、従来の翻訳会社との手間のかかる打合せなどの手間を省略化し、更新も自動で差分だけを抽出して翻訳できます。

アマテラス:

『ワールドジャンパー』の特徴を教えてください。

坂西優:

主な特徴は、
1)誤訳の少なさ
2)値段のリーズナブルさ
3)納期の速さ
4)ウェブサイトの翻訳に特化

になります。

まず誤訳をほぼ100%防げる理由としては、『機械翻訳』と『人間翻訳』+『翻訳メモリ』という3つのプロセスを組み合わせる翻訳システムにあります。過去に翻訳者によって作成された文章・単語をデータベースとして蓄積し再利用し、さらに翻訳文の品質を自動評価します。それでも不十分であればプロの翻訳者がクラウド上で修正します。このように様々な技術を組み合わせた多言語翻訳システムは当社の特徴であり強みです。

『人間翻訳』は契約している約5000人の翻訳家が作業を行い、翻訳事例のデータベースは常に蓄積、アップデートされ翻訳精度を向上させています。

アマテラス:

翻訳対応している言語は?

坂西優:

現在は英語、中国語、韓国語ですが、今後は成長市場のアジアをターゲットにしており、ベトナム語、インドネシア語、タイ語などにも広げていく予定です。

アマテラス:

御社の強みはどこになるのでしょうか?

坂西優:

蓄積してきた『翻訳メモリ』の多さだと思います。既に数百万以上の翻訳文のセットを蓄積しています。このデータベースが集まれば集まるほど翻訳の精度、翻訳スピードが向上します。当社はウェブサイト翻訳に特化していますので、ウェブサイトでの特有の言い回しなどを知り尽くしていることも誤訳を防ぐことに貢献し、日々この精度を上げています。

アマテラス:

八楽起業の背景、きっかけは?

坂西優:

大学卒業後、ニューヨークで就職しました。独立志向の強い仲間といるうちに起業志向が芽生え、アメリカで起業。外国人を採用し事業に取り組む経験をしました。しばらくして日本に帰国し、外資系企業に就職したのですがそこで出会った仲間から刺激を受け、再度起業意欲が湧いてきました。
『異文化コミュニケーションを世界中の人と楽しむ』という夢の実現のために、多言語翻訳サービスを提供したいと思い2009年に八楽を立ち上げました。

アマテラス:

社員は国籍に富んでいてグローバルな雰囲気ですね。

坂西優:

社員は現在10名ですが約半数は外国人で、スウェーデン人、台湾人、インド人、インドネシア人など多岐に渡ります。社内のコミュニケーションは基本英語で行われています。

アマテラス:

初期メンバーはどのように集まったのですか?

坂西優:

インドなど海外旅行(放浪?)で知り合った仲間や大学時代の友達に声をかけるなどして参画してもらいました。インド人のエンジニアは本当にレベルが高いです。小さい時からエンジニアとしてのスキルを磨いてきているので、大学時代からプログラミングを始める一般の日本人エンジニアと比べると格段のレベルの違いを感じます。

アマテラス:

顧客企業はどのような会社?

坂西優:

幅広い企業とお付き合いしていますが、製造業が多いです。理由としては、グローバル展開している製造業は多く、ウェブサイトのグローバル言語化、およびアップデートが頻繁でスピーディな対応が求められており、そのようなニーズに当社『ワールドジャンパー』の特徴が活きるからだと考えています。

アマテラス:

今後の展開は?

坂西優:

今後は成長著しいアジア、特にインドネシアへの展開を考えています。シンガポール拠点の設立についても現在は具体的に考えているところです。

アマテラス:

八楽が求める人材は?

坂西優:

海外展開を行うにあたり事業推進できるような人材を求めています。シンガポール拠点設立も考えていますが拠点立上げから運営までできるような経験、気概を持った人がいれば嬉しいです。

また女性も強く求めています。当社はグローバル、多様性を唱えていながら社員が全員男となっています。本当の多様性を求めるなら女性が活躍できる職場でありたいと思っています。

コミュニケーションが活発で明るい雰囲気の社風でもあり暗い人は合わないと思います。

年齢、国籍など関係なく、実力重視の評価制度を取り入れていますので、実力主義に理解をいただくことも必要です。

アマテラス:

これまで八楽に入社した方が入社を決めた理由、魅力を感じている点は?

坂西優:

・外国人であれば日本で働けること。
・社内の基本言語が英語であること。
・人材の国籍多様性。

があると思います。当社は最初からグローバル企業として展開を考えており、大きなチャンスがある会社です。

アマテラス:

坂西さん、ありがとうございました!

この記事を書いた人

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藤岡 清高

株式会社アマテラス代表取締役社長。iU 情報経営イノベーション大学客員教授。 東京都立大学経済学部卒業後、新卒で住友銀行(現三井住友銀行)に入行。法人営業などに従事した後に退職し、慶應義塾大学大学院経営管理研究科を修了、MBAを取得。 2004年、株式会社ドリームインキュベータに参画し、スタートアップへの投資(ベンチャーキャピタル)、戦略構築、事業立ち上げ、実行支援、経営管理などに携わる。2011年に株式会社アマテラスを創業。 著書:『「一度きりの人生、今の会社で一生働いて終わるのかな?」と迷う人のスタートアップ「転職×副業」術』

八楽株式会社

八楽株式会社
https://www.yarakuzen.com/

設立
2009年08月
社員数
10名(2013.4月時)

《 Mission 》
グローバルコミュニケーションを楽しく。
《 事業分野 》
WEB・アプリ
《 事業内容 》
翻訳サービス『ワールドジャンパー』の構築、提供