CEO INTERVIEWS

起業家インタビュー

Vol.77
2017年11月27日
株式会社AIメディカルサービス | 代表取締役会長CEO  多田 智裕氏/代表取締役社長COO山内 善行氏/取締役CTO青山 和玄氏

株式会社AIメディカルサービス
代表取締役会長CEO 多田 智裕氏/代表取締役社長COO山内 善行氏/取締役CTO青山 和玄氏

「内視鏡×AI」は日本が世界をリードしている分野。
世界最先端領域でのAI競争にチャレンジしてみませんか?

はじめに

AIメディカルサービス株式会社は、唯一日本が、世界をリードしている医療分野「内視鏡」と、最近の進化が目覚ましい「AI(人工知能)」を組み合わせることにより、全世界におけるがん見逃しゼロの実現を目指して2017年9月に誕生したばかりのベンチャーです。
今回は、CEO多田智裕氏、COO山内善行氏、CTO青山和玄氏にお話を伺いました。
起業に至る思いや、最先端の分野を研究し新たな道を切り拓く面白さ、内視鏡検査での見逃しゼロに向けたビジョン等、三者それぞれの視点から魅力あふれるお話を伺うことができました。

株式会社AIメディカルサービス
代表取締役会長CEO 多田 智裕氏/代表取締役社長COO山内 善行氏/取締役CTO青山 和玄氏

【経営者略歴】
代表取締役会長CEO 多田 智裕氏
1971年生まれ。東京大学医学部ならびに大学院卒。東京大学医学部付属病院、虎ノ門病院、多摩老人医療センター、三楽病院、日立戸塚総合病院、東葛辻仲病院などで勤務。2006年にただともひろ胃腸科肛門科を開業し院長就任。2012年より東京大学医学部大腸肛門外科学講座客員講師。浦和医師会胃がん検診読影委員。日本外科学会専門医、日本消化器学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本大腸肛門病学会専門医。著書『患者に優しい“無痛”大腸内視鏡挿入法』など。

代表取締役社長COO山内 善行氏
1965年生まれ。東京大学工学部卒。米国の都市計画会社に勤務後、1994年に株式会社カレン創業。ネットマーケティングのコンサルで社員100名規模に。2006年に株式会社QLife創業。日本最大級の病院検索・医療情報サイト運営や製薬会社支援業務を行うほか、日本最多数規模の診療所向けサービスを複数展開。その後、同社をエムスリー株式会社に売却。シリアルアントレプレナー。

取締役CTO青山 和玄氏
1972年生まれ。横浜市立大学文理学部ならびに山形大学大学院卒。NECソフトウェア東北株式会社に勤務後、独立。ソニーの画像認識技術開発に携わった他、官公庁システム、指紋認証システム、ビデオ会議システム、カーナビシステム、デジタルサイネージ、カメラ/サウンドドライバなどの設計・開発を行う。2011年に山形大学非常勤講師、2013年にイディ株式会社を創業し代表取締役に就任。

  • MISSION

    世界の患者を救う-内視鏡AIでがん見逃しゼロへ-

  • 事業分野

    AI・ロボティクス・VR

  • 事業内容

    内視鏡の画像診断支援AI(人工知能)の開発

  • 設立

    2017年9月

  • 社員数

    4名+外部医師・パートタイマー20名

  • 企業URL

    https://www.ai-ms.com/

起業家紹介

多田 智裕氏/代表取締役社長COO山内 善行氏/取締役CTO青山 和玄氏
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トップレベルの環境での切磋琢磨を目指し東京大学に進学し、大腸がんのエキスパートを志し外科に

アマテラス:早速ですが、自己紹介及び現在携わっていらっしゃる役割を教えて下さい。

多田氏:AIメディカルサービス株式会社のCEOの多田と申します。山内や青山と一緒に、この9月に創業しました。

山内氏:COOの山内です。多田とは私が以前に創業したQLife(医療情報サービス会社)時代からの付き合いで、多田がAIにチャレンジしていると聞いたのがきっかけで参画することになりました。

青山氏:CTOの青山です。以前の会社で多田から仕事を請け負った縁が発展して、一緒に世のためになるビジネスをしたいと参画しました。

アマテラス:まずはCEO多田さんにお伺いします。医師を志した背景や、その後の進路についてのお話をお聞かせ下さい。

多田氏:東京大学に入学したのはトップレベルの環境で自身を研鑽したかったからです。大学では遺伝子の研究に取り組んでいました。

卒業後の専門分野は外科を選択しました。公益財団法人がん研有明病院の名誉院長でもある武藤徹一郎先生から、今後大腸がんが増えることや、それを専門でできる人がいないという話を伺い、ぜひ取り組みたいと考えたのが理由です。

その後勤務した辻仲病院は、当時肛門外科で国内トップの症例数を誇っていた病院です。辻仲康伸先生には1年間マンツーマンで指導を受け、開業の際も支援をいただきました。

起業の背景を語るCEO多田氏(右)

日本最大級の医療モールで胃腸・肛門科を開業

アマテラス:“ただともひろ胃腸科肛門科”開業の経緯についても教えて下さい。

多田氏:さいたま市で日本最大の医療モールを作る計画があり、胃腸科の医師を探しているということだったので、そちらで胃腸・肛門科を開業しました。ちょうど私の側も開業地を探していた時でした。

アマテラス:ご自身の病院でいまも現役の医師業をしながらAIメディカルサービス社の経営をしているということですね。

多田氏:はい、開業してから約11年です。その現場体験で困ったことがあったからこそ、当社を創業することになりました。

困りごとは大きく2つあり、1つは内視鏡医としてがんを見落とす怖さと常に隣り合わせで過ごしているということ、2つめは胃のバリウム検査が内視鏡による検診に切り替わることに伴いチェックする画像の枚数が大幅に増え、業務負担が増大したことです。

アマテラス:臨床現場に問題意識の根源があったのですね。

多田氏:はい。さいたま市のがん検診ではバリウムが胃カメラに置き換わり、以前はバリウム:胃カメラが9:1だったのが今では2:8にまでなってきました。

撮影された画像の枚数も人間では処理しきれないほどに増えてきました。
私が所属する浦和医師会だけでダブルチェック業務で診る画像は年間200万枚以上に及びます。多い時には担当医師が1時間で3000枚以上も目を通すことがあります。
この作業を1時間以上続けるのは正直無理。人間はそれ以上集中力が続きません。まして、専門医の少ない地域の先生方は健診現場で本当に苦慮しています。

その悩みを感じていた時に、AI研究における権威である、東京大学の松尾豊先生の講演を聞く機会がありました。「動物が目を持つように、人工知能が目を持った。人工知能の画像認識能力が人間を上回りはじめた。」という話でしたが、私の中でピンと来ました。
“これで現場の苦しみを解決できる!医療現場で人がさばききれない画像は人工知能にやってもらうべきではないか?”と。

ビジネスは何かと何かの組み合わせかと思いますが、AIと内視鏡の話が結びついたのです。

参考:胃の内視鏡検査画像。左にはがん病変はなく、右には一か所、早期がんがある。実際の検査時はカメラも胃の内壁も動いているので、リアルタイムで見つけることはさらに難しい

医師の技術格差で24%がガン見逃しの実態

多田氏:がんの早期発見、早期治療を阻む「壁」の一つは、医師による病変の“見逃し”の問題です。
大腸ポリープ、大腸がんの海外の研究報告例でいうと、「前がん状態」と言われる腺腫性ポリープの見逃し率は24%にのぼるそうです。これは、肉眼で見分けにくい病変や発生部位があるため、および医師に技術格差があるためです。

また、別の研究では、大腸内視鏡検査をうけていたにもかかわらず、後に大腸がんに至るケースが6%もあり、その原因の58%が「内視鏡検査時の見逃し」だと報告されています。

AIを活用した「リアルタイム内視鏡診断サポートシステム」が実現すれば、大腸がんの見逃し防止の有望な選択肢となるかもしれません。
参考として、こちらの報道映像を参照してください。

多田氏:AIが瞬時に病変を検出し、「ガンがここにあります」と場所まで特定してくれます。
「顔認証技術」や「病理画像解析」の技術を応用して、深層学習(ディープラーニング)により病変かそうでないかの見分けがつくようになりつつあります。

アマテラス:先にAIありきではなかったのですね。

多田氏:もし誰かがやっていたなら私がやる必要はなかったのですが、調べてみたら誰もやっていません。
内視鏡自体が日本で開発された医療機器ということもあり、海外でも研究は遅れているようでした。

「それなら自分でやってみよう」とエンジニアの青山と一緒に取り組みを開始しました。
試行錯誤するうち比較的短期間で充分な精度が出てきましたので、よし、本格的にビジネス化していこうと、山内に声を掛けた次第です。

参画の動機は世の役に立ちたいと考えたこと、世界のマーケットに直結するビジネスであること、そして魅力ある起業メンバーであったこと

アマテラス:では、青山さんと山内さんに伺います。AIメディカルサービス社に参画したきっかけや動機についてお聞かせいただけますか。

青山氏:知人経由で多田からの仕事を請け負ったのがきっかけで知り合い、そのときに作ったプロトタイプで内視鏡画像をピロリ菌陰性陽性のAI判定したところ、とても良好な結果が出ました。医師平均を上回るものでした。

自分のスキルが人の命を救うことに役立つと感じましたし、やるならすぐに取り組む必要があると考えたので、創業に至りました。

参画した経緯を語るCTO青山氏

山内氏:QLife時代から多田とは共通の友人を介して付き合いがあり、すでに信頼関係はありました。その人がAIにチャレンジしていると聞いて、興味を持ちました。

最終的にビジネスとして参画するに至った理由は2つあります。

1つは世界のマーケットに直結する高速道路が見えていたことです。
医療は国内市場でさえ日本企業のプレゼンスが年々狭まっています。
そんな中、内視鏡は出自がそもそも日本発であり、世界シェアも日本メーカーが7割を占めています。加えて、内視鏡を使っているドクターが海外より多いぶん、臨床の知見の厚みも世界で群を抜いています。
日本で実用化すれば、世界がすぐさま受け容れてくれる素地があるのです。

2つめは、多田と青山という2人の人間をみて、2人とも人を呼び寄せる人格があるなと思ったことです。
ベンチャーは人が全てです。「この人の為だったら」と集まってくる、そういう人がコアにいるかが大変重要です。
彼らと実際に会って何度か話すうち、人を惹きつける力があると確信しました。

アマテラス:山内さんに特にお伺いしたいのは、ご自身が創業されたQLife社をエムスリー社に売却されて余裕のある生活を送れるはずなのに、敢えてスタートアップのハードな環境に再び身を置かれたのはなぜですか?

山内氏:内視鏡の第二世代、「内視鏡2.0」を自分たちが作れるかもしれない、これはすごいことだという直感です。

内視鏡自体がそもそも大発明です。
昔から医師はカラダの中を目で確認したくて仕方なかったのですが、古くはX線が発見されて、これは第1回ノーベル物理学賞になりました。内視鏡も、消化管という私達のカラダのなかを通っている管の内側を、メスを使わずに見れるようにした画期的な技術です。

そして今、内視鏡の「眼」が精巧にデジタル化されつつあります。あるいはカプセル内視鏡といって、ゴクンと患者が飲み込めば、普通に生活をしていても勝手に大量の画像を撮影してくれるものが実用化されています。

デジタル解析する対象のデータが爆発的に増えており、これはAIの得意分野と合致しますから、まさに内視鏡の第2世代として革命的なことが起きるのです。世界中でコスト10分の1で内視鏡が大々的に利用されるようになり、病気をスクリーニングできるようになるでしょう。

1.0から2.0への不連続の階段を上ることに直接関わることができるなんて、千載一遇の大チャンスじゃありませんか。リタイアなんてしている場合じゃない!と焦りましたね、むしろ。

話に熱が入るCOO山内氏(右)

起業の壁は、資金よりも、技術面で世界初の一歩を踏み出せるかの見極めだった

アマテラス:多田さんにお伺いします。医療ベンチャーの立ち上げにあたってはいろいろな壁があったと思います。どのように乗り越えたのか教えて下さい。

多田氏:まず資金面ですが、クリニックを10年以上経営しており多少の蓄えができていたので、初期段階の研究は自己資金で工面しました。
当然ビジネス化の段階となると億単位の資金が必要になりますが、こちらも、ベンチャーキャピタルの皆さんから非常に高い評価をいただいており、すでに10社以上から大きな金額でラブコールをもらっているため、あまり心配はしていません。

むしろ技術的な壁の方が、起業にあたっては大きかったと思います。ピロリ菌や胃がんの検出をプロトタイプでどの精度まで出せるか、です。運もあったと思いますが、その壁を青山と研究チームの皆さんがよく乗り越えてくれました。

アマテラス:技術的な手ごたえがあったために、起業に踏み切れたということですね。

多田氏:はい、2017年1月に青山がプロトタイプ作成に着手しました。
最初はビジネス開発ではなく、あくまで普通の研究活動として、頑張って世界で初めてのことを実現しようぜという感覚でした。

進めるうち、幸いにも精度の高い検出率が出たものですから、全世界に通用する技術に育てられるぞという手応えを感じるようになりました。これなら臨床現場で使える、ビジネスにもできる、と。

GoogleやFacebookに勝てる唯一の分野で世界に挑む

アマテラス:AIメディカルサービス社にこの創業直後フェーズで参画する魅力を教えてください。

多田氏:いわゆる“GAFA”(Google・Apple・Facebook・Amazon)の4社に対して、いま太刀打ちできる日本企業はありません。でも内視鏡AIの分野ならチャンスがあります。

人工知能の開発においてはディープラーニングの教師データが極めて重要な役割を果たしますが、トップクラスの内視鏡医が揃っている日本が、データの蓄積量も精度も世界をリードしています。これからAIで世界と戦ってみたい方にとっては、唯一、勝てる可能性が高い分野にどっぷりはまることができます。

もう一つ、世界の最先端にいることを実感しながら毎日エキサイティングな仕事に取り組めることも魅力だと思います。
先だっても『EBioMedicine』という、『The Lancet(イギリスの医学誌。世界3大医学誌の1つ)』と『The Cell(世界3大科学誌の1つ)』の姉妹紙に、世界初のピロリ菌AI診断の論文が掲載されました。
論文を書いても海外の一流誌に掲載されることは、人生に一度あるかないかです。ワールドクラスで通用する仕事をしているという証明になります。

アマテラス:世界的にも注目されているということですね。

多田氏:はい。既存の延長線上にあるビジネスではありません。マーケットがゼロの所に切り込み、世の中のインフラやあり方自体を変えるチャレンジだと思っています。

アマテラス:世界的に認められるほどの成果が出たのは、たまたまではないのでしょうか。今後も続くのでしょうか。

多田氏:当社の大きな強みは、トップクラスの内視鏡医が多く協力してくれていることです。私自身、20年も内視鏡の最前線で携わっておりますので、優秀な内視鏡専門医の皆さんと繋がっています。
また医療機関としての協力でも、日本のがん治療の総本山である、がん研有明病院をはじめ、そうそうたる病院が名を連ねています。東大病院の内視鏡診療のトップ藤城教授も共同研究者です。

世界中の患者を救える希有なベンチャー、AIメディカルサービス社

アマテラス:青山さんと山内さんにも同じ質問をさせて下さい。おふたりがそれぞれの立場から感じるAIメディカルサービス社の魅力とは何ですか。

青山氏:直接的に人の命を救えるITというのはあまり多くないと思っています。
しかし、当社でなら、開発業務を通じて自分が作ったソフトウェアが世界中の患者を救うことにつながるのはモチベーションとして非常に大きいと思います。

また優秀なエンジニアが当社には集まりつつありますし、協力医師含めスピーディで優れた人が多いです。スキルアップして腕を磨くには理想的な環境だと思います。

山内氏:猫も杓子もAIという時代ですが、資産運用やゲームや防犯でAIを使うのではなく、人の命を救うためにAIを開発し、それを日々感じながら仕事をできるのは他社にはない魅力です。

また、ディープラーニングという新技術に集中的に携われるところも魅力です。
関連する技術リソースや開発環境は日々世界中でどんどん進化し、また多くが公開されますので、独自の天才的スキルの話ではなく、上手に組み合わせができるセンスとその素早さの勝負になりました。

とはいえ、それを活かすためには良質なデータが必須です。私たちには質量ともに優れたデータを収集できるネットワークがあります。

医療など科学分野は世界共通なので、一つのAIが世界中に通用します。つまり、2つ目3つ目は要りません。
そんな厳しい競争環境ですが、だからこそそこで働く人は世界最先端の知見を集中的に獲得することができます。

また、何故このタイミングが参画する方にとって良いかというお話をします。

「これから何か始めよう」というタイミングでは何も実績が出来ないというリスクがあります。
でも、当社は既に第一歩を踏みだしました。世界の一流誌で論文掲載されたことが証明です。特許出願もしています。だから、日本有数の病院が共同研究パートナーになってくれるのです。本物の技術が我々の足元に出来上がっているのです。

今はその技術をプロダクト化していこうという、ゼロがイチに化ける直前です。
青山がよく言うのですが、ゼロからイチになるタイミングに参画できるのは滅多にない機会です。ゼロイチを体感しながら毎日を過ごせる時期なんて、人生でそうそうありませんよ。

開封されたばかりの段ボールが置かれるまだできたてのオフィス。これからは成長あるのみ。

CEOが医師。臨床現場で実際に使いやすい商品開発力こそが、競合優位性

アマテラス:この分野は注目度が高いだけに、すでに競合会社も出ていますよね。

多田氏:そうです。私自身が医者として実務経験を20年近く持っており、今も現役の臨床医であり、その私がCEOとして最終責任をもって課題解決に取り組んでいることが圧倒的に他社とは違う点です。

当社の場合は、臨床現場での医師のリスク感覚やコスト感覚、そして何を面倒と感じて何に手間を厭わないのか、その本音と建て前を十分に理解したうえでシステムを作れます。
私自身が作り手でもあると同時に使い手でもあるので、現場の使い手に寄り添った商品開発ができるはずです。

技術者中心のベンチャーでは、浮世離れしたものへ突っ走ってしまうリスクを抱えます。
もしくは大きなメーカーの仕様指示に従って「AI部品」を作ったり、受託研究開発が中心にならざるを得ないでしょう。当社とは全く違う仕事環境だと思います。

求める人材の三大要件は「自律」「スピード」「現場志向」

アマテラス:AIメディカルサービス社が求める人物像について教えてください。

多田氏:やはり医療に関心を持っている方が望ましいです。
そして、世界で最先端の研究をしている当社で、新たなものにチャレンジしたいという方をお待ちしております。
また、人材気質としては「自律」と「スピード」を重視しております。

山内氏:「自律」と「スピード」は、当社に参画すれば自然と身に付くものかも知れません。
かなりの「自律」が求められますし、多田も青山も仕事の回し方が大変早いので「スピード」にも慣れるでしょう。
しかし、これらはベンチャーであれば当たり前の要素ともいえます。

もう1つ当社で重要なのは、「現場志向」です。
医療現場で働いているドクターが患者さんに接している時に役立つものが、我々に求められているプロダクト像です。
「自律」と「スピード」に加え、医療現場やそこで働いているドクター、苦しんでいる患者さんへの想像力がないとダメなのです。

当社CEOの多田は、病院でも診療所でも医師会の健診センターでも働いたことがある、現役の現場のドクターです。
もちろん、現場の常識や慣習にとらわれる怖さもありますが、当社では技術視点、事業視点も交えて頻繁に議論がされて、そうしたリスクを排除しています。

今後は基礎研究よりもプロダクト開発に比重を移していきますから、ますます現場に興味を持ち、医師の心理を想像するのが好きな人でなくてはなりません。
「面白いゲームを作りたい」とか、「人を驚かすロボットを作って自慢したい」という人ではダメで、「もしかしたら命を救えるかもしれない」という現場シーンにワクワクする人でなくては当社では活躍できないと思います。

地味な仕事をいとわず、人のためになりたいという意志が必要

青山氏:エンジニアの視点でいえば、最先端のことに取組みながらも、実際の仕事には地味な部分も多いのです。
格好良い仕事ばかりやりたいということではなく、根本に持っていて欲しいものは、山内も言った通りで「人のためになりたい」という意志です。

自分達が作っているプロダクトの検出精度が向上し、努力が数字になって現れるのは本当に喜びを感じます。
最近では、その水準が専門医のレベルに到達し始めました。今後どこまで伸びるかに期待しています。
基本的にAIの検出精度は上がることはあっても下がることはありません。どこまで行くのか、技術者として興味は尽きません。

アマテラス:エンジニアは地味な仕事も少なくないとのことでしたが、具体的にはどのような仕事内容でしょうか。

青山氏:例えばデータ整理です。AIに覚えさせる大量の画像は1枚1枚人間が手作業で仕分けしています。相応しくないものを省いていったり、ラベル付が正しいかをチェックしたりしています。

また、AIを学習させる際のパラメータに対して、この数字を入力すればどうなるか、やっぱりこちらの数字が良さそうだなどと、少しずつ変更してチューニングを繰り返します。これはAIが自動的にできるものでなく、人間が決める作業であり、突き詰めるほど精度が上がっていきます。こうした作業を地道に続けるのです。

内視鏡画像データの特性について説明するCTO青山氏

山内氏:青山にとっては子供を育てているのと同じです。
きちんとした食事を摂らせていると、子どもはきちんと育って、ある日「運動会で1番を取った」ということになるし、さらには世界で患者を救うような立派な青年になって大勢から感謝される。
こんな嬉しい仕事はないでしょう。

全世界でがんの見逃しゼロの実現を

多田氏:当社が目指す世界は、「AIを活用して、内視鏡検査におけるがんの見逃しをゼロにする」ことです。
我々の作っている技術を全世界の臨床現場に使ってもらいたい。それを通じて、「消化器の進行がんで命を落とす人はゼロになった」という社会の実現に繋げていきたいと思っています。

アマテラス:素敵なお話をありがとうございました。

CEO多田氏(左)とアマテラス藤岡(右)

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edited by 片山真紀、藤岡 清高

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