CEO INTERVIEWS

起業家インタビュー

Vol.19
2013年08月07日
株式会社ビューティガレージ | 代表取締役社長  野村 秀輝 氏

株式会社ビューティガレージ
代表取締役社長 野村 秀輝 氏

”美容業界を変える。この業界のトップになる。
緻密に計算したら実現できるのは63歳だったかな(笑)”

はじめに

国内で約17万サロン(国内50万サロン中)が登録する美容業界向けの通販・ソリューションサービスを手掛ける株式会社ビューティガレージ。

2003年創業ながら、国内サロンの約1/3がビューティガレージに登録しており、2013年2月には東証マザーズ上場も果たしたまさに新進気鋭のベンチャー企業。

野村社長が目を付けたのは伝統的で巨大な“美容市場”。
非効率で高コストな業界構造を変えられないのか? そんな問題意識を持ち、ITを武器にユーザー目線でサービスを構築。

“美容業界を変える”
美容業界のドンキホーテ、ビューティガレージ野村社長に迫りました。

株式会社ビューティガレージ
代表取締役社長 野村 秀輝 氏
(のむら ひでき)

【経営者略歴】
1967年石川県生まれ
青山学院大学経済学部卒
中央宣興株式会社、株式会社マッキャンエリクソンを経て、2002年10月にマーケティングプランナーとして独立。
2003年4月 株式会社BEAUTY GARAGE(現:株式会社ビューティガレージ)設立、代表取締役に就任。

  • MISSION

    美容業界を変える

  • 事業分野

    web・アプリ

  • 事業内容

    ビューティマーケットでのプロ向けインターネット通販サイト ビューティサロンの開業・繁盛支援サービス 理美容、エステ、スパ、ネイルなどのビューティマーケット全域の商材・サービスの提供

  • 設立

    2003年4月

  • 社員数

    129名(グループ全体144名) *2013年4月末現在

  • 企業URL

    http://www.beautygarage.co.jp/

起業家紹介

野村 秀輝 氏

美容業界を自由競争のある、当たり前の市場にしたい

株式会社アマテラス:ビューティガレージを起業するまでの背景を教えてください

ビューティガレージ野村社長(以下敬称略):もともと起業しようと考えた時には美容業界をなんとかしたいとか、この業界でインターネットビジネスというものをやりたいと強く思ってたわけじゃなくて、何か事業がやりたいという発想だったんですよ。ずっと会社員、組織人としてやってきて、起業したいという思いがずーっと強くありました。ただサラリーマンとして長く勤めているうちにすごく快適な環境と条件と待遇の中で一歩足を踏み出す勇気がなかなか出ないわけですよね。それなりに快適だから。だけどやっぱりもう、34、35歳くらいになったときに、もう今がラストチャンスかなというのがあって、起業したわけですけど、何をやるかを決めて起業したのではなくて、とにかく一歩踏み出さないと前へ進まなくて、当時おにぎりのファストフード展開をやろうかなと思ったこともあるし、格安宅配ピザのチェーンをやろうとしたこともあるし、水がこれから来ると思ったので、ウォータービジネスやろうと思ったこともありますし、けっこう試行錯誤しながら飲食店もちょっとやったりもしましたし、銀座でバーをプロデュースしたりとか。

けっこう揺れ動いて迷っていた時期があって、そんな中で、たまたま縁があって、現COOの供田と出会いました。東京ビッグサイトで開催される「ベンチャーフェア」に出展する中古理美容器具販売・買取事業の事業計画作成の仕事を請け負ったのがきっかけです。結果的にはベンチャーフェアでは出資してくれる方はいなかったのですが、自分なりの判断としては、この事業は有望で大きなポテンシャルがある、このまま潰してしまうのはもったいないと思い、供田と彼を紹介してくれた弟を巻き込み、渋谷のワンルームマンションの一室でこの事業を立ち上げたというのがはじまりです。

だからもともと美容業界に対して何かすごい熱い理念とか思いがあったわけではなくて、どっちかというと、自分の事業意欲の具現化というか、そこからスタートしてるんですけれども、改めて理美容業界にまったく門外漢の私が参入して思ったことは、「なんだこの業界は?」ということなんですよ、実は。

だからこそ逆に参入するチャンスがあると思ったわけですけれども、そこを変えることが自分たちのテーマだなと強く思うようになったっていうのは起業してからですよ。それで、やってるうちに、うちはインターネットで最初中古品の販売をしていたわけですけれども、思いのほかお客様から支持をいただき、喜んでもらえたことに使命感のようなものを感じるようになったわけです。

もともと広告代理店に勤めていましたが、広告代理店ビジネスって虚業感がすごくあって。もちろんやりがいはあったんですけど、まあ何もモノはなく、企画とアイディアで勝負していくんですね。だからこそ面白かったというのはあるんですけれども、いざ売れても、喜ぶのはクライアント。
まぁ裏方ですよね。

それに比べて、ビューティガレージのビジネスはダイレクトにすごくお客さんからの喜びの声を聞けるじゃないですか。それがすごくうれしかったというのがやっぱり僕の中にはあって。そういうリアルな思いという部分と、プラス、美容の既存業界、メーカーさんとか流通さんとかから大バッシングを受けたので、そういうことに対するナニクソという思いも含めて、もう変な話、自分の人生で何かやるべきことを見つけたみたいな気持ちになって今やっているというのが、まあほんとのところですけどね。だからもう、なんか人生をかけてっていうか死ぬ気でやるという思いでやってます。 

株式会社アマテラス:ビューティガレージさんはどんな社会的課題を解決する会社でしょうか?

野村:美容業界では既得権を持った人たちが、すごく強くてですね、大手メーカー、大手問屋、さらにはいろんな組合とか協会とかいろんな団体があるんですけれども、そういうところがもう、すごく業界を牛耳ってしまって、言い方を変えると、すごく高い参入障壁ができてきていて、もう外の参入を拒むような仕組みを作り上げちゃっているんですね。実際商品の技術でも大手のメーカーさんがマーケットを寡占化し、その下に多くの問屋があって、ディーラーがあってという複雑な中間流通構造があって、値引き販売がご法度だったりとか、インターネットを使った販売がご法度だったりとかあって、ほんとにここは日本の資本主義の自由主義経済のマーケットなのか、っていうことを疑うぐらいのガチガチな流通で、結果何が起こっているかというと、もちろんいい面もね、あったのかもしれませんけど、ユーザーであるサロン側がすごく高いものを買わざるを得ないということが起こっています。ひいてはそれがサロンに行くお客さんにもかぶってくるわけです。

そういうすごくおかしな業界を変える、言い方を変えれば当たり前の業界にするというか、近代化するということをしていきたいと思っています。

もっと自由競争のある、当たり前の市場にするということがビューティガレージの取り組むテーマになると思うわけです。結果的に何が起こるかというと、ユーザーさんからすると、いろいろな選択肢があって、それは高額な新品だけじゃなくて、中古もあればアウトレットもあれば、あるいはもっとリーズナブルな新品もあれば、買う物としての選択肢がいっぱいあって、買う販路、経路としての選択肢もたくさんあって、というのは他の業界からしたら別に当たり前ですけれども、そういう適正化を行いたい。行うことが当然のこと、大きな命題かなと思っています。

壁を壁と思わない。反骨心は人一倍あるかもしれない。

株式会社アマテラス:いろんな壁に突き当たってきたと思いますが、野村さんの困難や壁に突き当たったときの考え方について教えて頂けますか?

野村:壁を壁と思わずやってきたのは正直あります。確かにいっぱい壁があったのですけど、この壁を乗り越えるのに本当に悩み苦しんで、死ぬ思いで突破したという感覚はないんですよ、実は。もちろん悩み苦しみはしたけど、楽しくてとかやりがいをもって取り組んできましたね。

まあ美容業界に反発する気持ちの方が強かったかもしれません。
では、どうやって対処しましたか? というと無視した、みたいな話になっちゃうでしょうね。(笑)

正直言えばね、最初にちゃんと業界のドンというかお偉いさん方にちゃんとごあいさつに回るとかしっかり仁義を切るというとか、やっていればこんなに苦労しなくても済んだのかもなということは今更ながら思いますよね。最初に血気盛んというか、ちょっともう、若かったんで、ちょっとムキになってしまったというところがあったので。そこはもうちょっとうまいやり方があったのかなと思います。

今は「追いつき、追い越したいと思っております」というようにちょっと言い方を変えております。“ビューティガレージ成功の7か条”というのが実は昔あって、そこには「既得権者をぶっつぶす」というのが最初に書いてあったんですけどね(笑)

それが多少学習していくなかで、日本社会においてはあんまりそういうスタイルってよろしくないなということが思うようになり、ホリエモンの件を含め、謙虚さが美徳というかね、あるじゃないですか、(楽天)三木谷さんスタイルというか。
戦略として、それが正しいかつ、勝つための戦略であれば、いいんじゃないかなということもあって、今ちょっとスタイルを変えて、少し控えるようにしています。

株式会社アマテラス:野村さんのその反骨心というかポジティブシンキングは昔からなのでしょうか?

野村:打たれると伸びるって実はサラリーマンの頃にも言われてたことですよ。それすごいイヤだったんですけど。だから上司とかから強く、厳しくされるんですよね、
伸ばすためにって言うんですが(笑)

確かに反骨心というのが人一倍あるのかもしれないですね。
経営者同士で集まって、というのも好きじゃなくてね。だから、ちょっとやれ一匹狼的なところはすごくあって、学生時代のサークルとかもすごく苦手で、あまり群れるの好きじゃないって感じですね。

既得権益者の壁、、部品の供給を止められ、メンテナンスを断られる

株式会社アマテラス:実際にビジネスをする中で美容業界の既得権者が作った壁とはどのようなものですか?

野村:例えば最大のことでいうと、ビューティガレージは最初中古品のネット販売でスタートしてるじゃないですか。そうすると圧倒的に強い大手メーカーさんがあるので、そこの中古品を扱うのがメインになるわけなんですよ。クルマでいうとトヨタみたいなものですね。

商品の7、8割がそのメーカーのもの。で、中古ですから、部品の入手、修理とか。最初の1、2年はそのメーカーから買っていたんですよ。そのメーカーはビューティガレージが誰か知らないから対応してくれるわけですね。部品を買いたいって言われたら売ってくれてましたし、修理してと言ったら修理してくれた。

ですが、ビューティガレージが中古品販売を行う会社ってハッキリわかったときに、一切の取引停止になりまして、中古業者の生命線ともいえる部品の供給とかメンテナンスが一切やってもらえなくなったっていうのはありましたね。

社内はすごい動揺したんですよ。この会社どうなるんだ?みたいな勢いで。でも、結果それがあったから実は今があって。どうしたかというと、そういう事態があって、まず修理する能力を自ら身につけるという方法に動いたんですよ。メンテナンス力の強化をせざるを得なくなった。で、実際にパーツの供給に関しては他の中古品からの部品取りを行なったりして。いろいろやりましたよ、違うところに卸すメーカーさんを迂回して買うみたいな。でも見つかると止められるんですけど(笑)

株式会社アマテラス:いたちごっこですね。でもそういう背景があるからPB(プライベートブランド)商品の比率を増やしたんですか?

野村:そういうことなんですよ。だから修理に関して強くなったのですが、最大のポイントはメーカーさんが商品を卸してくれないことでした。そういうナニクソっていう思いから、もうだったら自分たちで商品を開発しようということになって、商品開発能力なんかゼロだったんですけど、自社でブランドを立ち上げて商品開発をするようになったんです。

いまのビューティガレージでは、中古販売の割合ってのは全体の1割以下です。9割以上は新品なんですよ、実は。新品の中の6割ぐらいがPB商品です。

株式会社アマテラス:ビューティガレージさんは立上げ期に資金繰りの苦労はされましたか?

野村:資金繰りにはまったく苦しまずに来たのが正直なところで、一度もなくて。まず、ビジネスモデル作るときに、資金繰りに苦しまないビジネスモデルにしたというところがあるんですよ。

在庫は持ちますが中古ということもありそもそも仕入れ値が安いんですね。原価率がとても低い。それを仕入れて売るんですけども、既存の流通の方ってのはみんな売掛販売なんですよ。で、長い売掛で数か月だったりします。しかもそれを小さな美容室から回収するのは大変なわけですよね。それで苦しんでるのがわかってたので前払いにしてもらいました。 一切売掛にはしないっていう形です。

そして、販売は現金またはカードか代引き。カードであれば取りっぱぐれがないですし。

株式会社アマテラス:このビジネスに対する大手の後発参入にはどう対応されたのですか?

野村:そうですね、最初の頃、最大の脅威に思っていたのは大手の参入でした。大手が参入してくる前に負けないだけの態勢を作ろうということが当時の最大の課題だったので、そういう意味で全国に買取のネットワークを作ろうってことで拠点を作り出したですよ。そのためには後発が来る前に、スピードが勝負という想いがありました。

中古の戦いって、結局は商品点数の勝負になるじゃないですか、商品を多く持つにはどうしたらいいのだろうというと考えました。そして、その答えは全国に買取拠点を作ることでした。買取ネットワークを作るのが急務でした。ただ、せっかくだったら買取をして、その場所をそのままショールームにすればいいんじゃないかって思いました。

当時三位一体という言い方をしてたんですけど、ローコストオペレーションの実現ということで、買取拠点、兼、販売拠点(ショールーム)、兼、物流拠点という発想で拠点作ってましたね。拠点開発のお金が必要だったので、資金繰りについては2005年1月にはVCからの出資を受け入れました。

会社作る前に3か年の事業計画書作ってたんですけど、実際にビジネスを始めると反響がよく想定以上に伸び続けました。売上もあがり資金調達も順調でした。

『このビジネスは絶対ペイしない』と言われた。

株式会社アマテラス:なぜこれまでにビューティガレージと同じことをする会社が出てこなかったのでしょうか? 私が通っている美容室でビューティガレージのお話をしたら、御社にとても感謝していました。いまや御社は業界では当たり前の存在になりつつあります。

野村:既存のルールを知ってるとなかなか足を踏み出せないっていうのがあって、中古をやろうとした会社は従来もあったって話です。創業当時ね、メディアに挨拶回りなんかしたんですけど、ほとんど無視されたんですけど、1社だけ会ってくれたところは、そういうことをやろうとした会社は、潰されたよとか、けっこうそういうアドバイスいただきましたよね。気をつけたほうがいいよみたいな。

既存のプレイヤーさんがあまりにも強すぎて、そこからの反発を恐れたというのがあると思うんですよ。中古に関してはそれでもニーズがあってまだわかりやすかったのですけど、ビューティガレージの場合ITを使った直販っていうことだったので、この直販というのが実は大問題で、既存の流通にのせないでダイレクトにそのまま売るなんて、もうけしからん、ということだったんですよ。ここはけっこう虎の尾を踏んだんですよね。中古ってメーカーさんを敵に回すじゃないですか。新品が売れなくなるっていうんで。それでかつITを使った直販、ここは、流通業者さんを敵に回したんですよ。中古はそんなに彼ら気にしなくて。このあたりが最初の苦労といえるかもしれないですけどね。

株式会社アマテラス:商品の買取(仕入)は最初はどうやって進めたのですか?

野村:買取はネット上でバンバン集められるとは最初から思っていなくて、けっこうアナログなDMをまきましたよね。われわれにとってラッキーだったのは、美容室とかの情報って電話帳に出てるじゃないですか。ヤフー!とか、タウンページとか何でも。だからそこにとにかく不要なものを買い取りますというDMをバーっと撒きました。けっこうそこはアナログにやってましたね。買取はアナログなんですよ。

結果、買取はけっこうスムーズに進みました。もともと有料で引き取ってもらったり捨てていたものがお金を払って買い取ってくれるということですごく喜ばれましたよね。

株式会社アマテラス:では中古品の販売の方ではどのように買い手にアプローチしたのですか?ネットで販売をしていますが、美容業界の人達はITリテラシーがそんなに詳しくないのでは?

野村:たしかに当時の美容業界は、とてもIT化が遅れていたのは事実です。
まあ、とはいえ、ネットを使う人は当時から5%とか10%とか、いるじゃないですか。ITリテラシーの高い人って美容業界にもいるわけで。当初は1ルームマンションの1室で始めているので、スタート時のコストがものすごく低いですし、ITで分かってくれてる人に売れればそれでもうある程度の収益ができるって踏んだってのがありましたよ。あとは時間との戦いだと思ってたので。

時間に比例してITリテラシーが高まるのは間違いないことだし、Eコマース市場が絶対に広がるというのはもう確信してたんで、その流れにとにかく乗るという発想と、あとは直販にこだわったのはね、直販するには、ITを使って一点突破しかないという発想しかなかったですよ。そもそもディーラー流通に乗せられないので。

とはいえヤフーショッピングとかアマゾンとかそれなりに使われてました。ただ中古をネットで買うっていう文化はまだなかったですよね、当時はね。

中古をやってる人達からは、“そんな中古をね、ネットで売るなんて無理だよ”と言われました。

ビューティガレージが扱っている商品が一品モノというのもビジネスとしてはネガティブにとらえられました。新品だったら、この商品マスターで100台200台1000台売ることをするから、このために作成したりページを作ったりするお金をかけてもペイするわけですよ。中古は1品ですよね。その1品のために写真撮影して、コメント書いてマスターを作って、画像アップするなんて、ペイしないよ、というようなことをすごく言われましたね。

株式会社アマテラス:でもやったんですよね。

野村:ペイするよと思ってたんで。商品を仕入れやすいっていうのもあるし、単価が高い商品だし、あとは商品マスターを作って、効率的なローコストオペレーションのシステムさえ作ってしまえばね。

画像をアップする仕組みとかも含めて、そのソフト自体を簡易で利便性の高いものにすれば、そこに対する工数を減らせると。あとラッキーだったのは、単価・利益率が高い商材だったことですね。

椅子だとモノにもよりますが数万円とかです。これが、1000円の中古を売れと言われると、ペイしなかったと思ったと思うんですけど、何万円とかするものであれば、これを商品を売るためにいろんなアングルから写真を撮って、商品詳細調べて、コメント書いて、って、作業工数かけてもいけるだろうと踏んだんですよね。今ネットで中古売るのは当たり前ですからね。

採用は思いを共有してもらうことに尽きる

株式会社アマテラス:人材集め、仲間集めではどんな苦労をされてきましたか?

野村:一番苦労したのは、創業メンバーを集め、確定させることでした。最初にこの事業を発案し、事業計画を依頼してきた供田という現在のCOOがいますけど、彼はもともと石川県に住んでいて、仕事も金沢市でディーラーを経営していました。でもスタートするのはメインは東京じゃないですか、私一人では悩んでも何もできないしと思って悩みましたね。
そこで、昔いた広告代理店にいたときの後輩(現取締役)を口説いて、事業計画を説明して、一緒にやんないかって口説いたんですね。既存の広告代理店で快適に暮らしている人が、まだ計画だけの会社で中古美容機器の事業にまぁ来るわけないじゃんと思ったんですが、思いが通じたのか、来てくれました。今、彼は役員にいますけどそうやって創業メンバーが集まってからは、人づてやネットで社員が集まってきたという感じです。

とはいえ、たくさん応募がたくさんあるわけではありません。メンバー集めは最初ほんとに苦労しました。

採用は思いを共有してもらうっていうところに尽きるんじゃないですかね。まあビューティガレージの経営課題の中の一つになりますけど、そういうことが重要だという認識が途中でやっぱ強く持つんで。一生懸命になって企業理念をちゃんと作ろうという時代がありました。

なんか、お金をたくさん、給料を高くしてあげることが最大のハッピーというような発想でいた時期がちょっとあったんですけど、もちろんそれもある意味すごく重要な要素なんですけど、なんかそうじゃないんだなということをほんとにすごく感じるようになって。

やっぱり、働くことの意味をしっかりわかって感じられるような仕事だったりとか、何かにちゃんと明確なビジョンに向かってやるっていうやりがいがあったりとか、まあちょっと同じ思いを共有して、やるということの大切さに気づいてっていうのはありました。そこからはけっこう企業理念もちゃんと作ってそういう研修をしっかりしてって方向にシフトしました。そのおかげで、採用が楽になったってことはないにせよ、離職率がすごく下がるようになったというのはありましたね。

美容業界の総合商社を目指す

株式会社アマテラス:ビューティガレージがお客様(サロンさん)に選ばれている主な理由は何でしょうか?

野村:いっぱいありますよ。まずはやっぱり美容業界最大級のeコマースサイトの存在がまずあると思います。eコマースを使っているお客様にとって何が魅力っていうと、利便性、そしてやっぱりウチでしか買えない商品(PB商品)がたくさん存在していることでしょう。

そして、今やサロンさんの登録が17万を超えたということも信頼につながっていると思います。そして、開業とか経営に必要なさまざまなソリューションをワンストップで提供できてること。お金のことからヒト、モノ、カネ、情報すべてがワンストップで得られるような仕組みを作っているというサポート体制は評判です。

株式会社アマテラス:ビューティガレージのビジネスモデルの強みを教えてください。他社とは違う点など。

野村:ウチはですね、ほかの会社と大きく違うのは、ほかの会社はアウトバウンド営業なんですよ、みんな。自ら動いてお店に訪問し、あるいはテレアポし、っていうアウトバウンド型の販売スタイルなんですね、で、しかもアナログである。うちは基本的に営業しない会社です。
すべてインバウンドで一切営業しないっていうスタイルなのですよ。つまり仕組みを作っているのですよね。

ビジネスモデル自体の仕組みを作るという発想でやっています。そもそもなんでワンストップサイトを作るかっていうのは、狙いが2つあります。

一つは、ワンストップサービスで提供できることによって、“あ、じゃあもう、全部ココに頼もうっ”ということで、総合受注になることを目指す。そういう意味でいうと美容業界の総合商社。イス1脚だけ買って帰られる方は3万円のお取引しかないかもしれないですけども、新規開業で全部お任せということになると、機材だけでも何百万、お店の工事も請け負えば、何千万っていう売上になるじゃないですか。3万円で終わるのか、1000万円の売上になるかっていうのは全然違うので、簡単にいうと客単価向上、その人のためのワンストップソリューション。これはたぶん誰でもわかると思うんですよ。

もう一つは、やっぱりウチの最大のお客様は新規開業顧客だったんですよ。新規開業をする人たちをいかに集められるか。中古美容器具の販売、インターネットによる直販、ここに魅力を感じて、たくさんの新規の開業の方が来てくれましたけど、ここにまだ気付いていいない新規開業の人ってまだいっぱいいるわけで、そのためにまず、不動産の居抜き物件サイトを作ってみたり、保険サービスを作ってみたりとか、要はいろんな入り口を設けるんですよね。

特に新規で開業する方々をガーっと集められるための入り口としての機能なんですよ。新規開業するときのサロンさんの悩みは機材を揃えるだけではないのでいろんなサービスを用意して、そうするとどっから来てもワンストップサービスを提供するんですよね。

ITの世界ってやっぱり、入り口が多いほうがいいじゃないですか。ソリューションという各サービスサイトというのを最初からしっかり作っていって、まあ、お店の工事っていうところから入ってくる方もいれば、物件探してて来るという方もいれば、人材のことで来る方もいれば、みたいな。どっから来ても、ビューティガレージで全部できるねと。

そもそも最初認知度が全然なかったので。こんな会社があるんだ、へえ、ここ、中古もやってるんだっていう方もいらっしゃいました。特にファイナンスのところってすごく重要で、ファイナンスサポートするっていうと、お金の資金繰り、資金調達をお手伝いするわけですよ。昔でいうと国民金融公庫、今でいうと日本政策金融公庫からお金を借りるとか、あるいはローン、リースを組むなどの支援をするわけですよね。それで1円もとらないんですよウチは。美容師さんとかエステティシャンなんて職人さんなので、お金のこととか苦手なわけですよね。
そこをしっかり教えて、お金を借りる段取りを組む支援をするとすごい感謝されるじゃないですか。そうなると他もお任せします、となる。

このようにワンストップで全部やっている会社という意味では競合はいません。単発の事業ドメインだと、それぞれいますよ。

いろんな顔を持っている会社です、ウチって。メーカーていう顔もあれば、IT企業という顔もあれば、商社っていう顔もあるし、こういうソリューション事業をやっている顔もあるので。だからこそウチの社員がね、友人に「どんな会社、何をやっている会社?」っていうと、とっても説明しにくい。で、これは困ってるわけですよ、うちの社員は。でもよく言うのは、オンリーワンのビジネスモデルだから、すごく誇らしいことだと。

夢は美容業界を変えること。この業界のトップを取ること。予定では63才で実現かな(笑)

株式会社アマテラス:野村さんの夢を教えてください

野村:夢ですか。普通になるんですけど、やっぱり世の中を変えるっていう夢がある中で僕の今のテーマはこの美容業界を変えることかなと思ってます。
個人的な夢という話だと、やっぱり、業界のトップを取るっていうのがありますよね。もちろん。

株式会社アマテラス:もうすでに業界トップではないのですか?

野村:例えばメーカーとしてはウチの10倍以上大きい会社もありますし。
商社だってウチの何倍もの規模の商社も問屋もありますし、全然ナンバーワンじゃないですよ。そういうのもひっくるめて圧倒的なナンバーワン。
美容業界全体のナンバーワン、トップになると。死ぬ前には。
ナンバーワンになったら引退してもいいかなと思っています。

株式会社アマテラス:いつごろナンバーワンは実現しそうですか?

野村:一応僕の夢に日付があるのは、63歳だったかな(笑)一応ちゃんと緻密に計算したらその年齢でした。もうジジイですね。もっと若いうちに、できれば頂上を目指したいのですが、さすがに10倍以上も大きい会社があるんで、2、3年でというのはなかなか難しいですよ。

株式会社アマテラス:野村さん、ありがとうございました!

edited by 藤岡清高

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