CEO INTERVIEWS

起業家インタビュー

Vol.64
2017年03月07日
テラモーターズ株式会社/テラドローン株式会社 | 代表取締役  徳重 徹 氏

テラモーターズ株式会社/テラドローン株式会社
代表取締役 徳重 徹 氏

挫折失敗を重ねながらも結果を出して、初めて価値を持つ

はじめに

数々の困難を乗り越えて、ようやく軌道に乗ったテラモーターズ。
その成功に満足することなく、さらにその先を目指す徳重社長が、新規事業として選んだのはドローン分野。新しい事業開拓をするに至った経緯や、これまでに経験された様々な出来事について語っていただきました。

テラモーターズ株式会社/テラドローン株式会社
代表取締役 徳重 徹 氏
(とくしげ とおる)

【経営者略歴】
テラモーターズ株式会社/テラドローン株式会社 代表取締役 徳重 徹氏 (とくしげ とおる)
1970年生まれ山口県出身。九州大学工学部卒、Thunderbird MBA取得。
2010年4に電動バイクのベンチャー企業、テラモーターズ株式会社を設立。
設立2年で国内シェアNO.1を獲得し、リーディングカンパニーとなる。
現在ベトナム、バングラディシュ、インドに現地法人を設立し、世界市場で勝てる日本発のメガベンチャーの創出を目指している。
2016年3月にはテラドローン株式会社を設立して、ドローン分野にも事業展開をする。

  • MISSION

    日本発のベンチャー企業として、Apple・Googleを超えるインパクトを世の中に残すベンチャーになる

  • 事業分野

    AI・ロボティクス・VR

  • 事業内容

    EV・ドローン事業

  • 設立

    テラモーターズ株式会社:2010年4月/ テラドローン株式会社:2016年3月

  • 社員数

    280人(テラモーターズ・テラドローン計)

  • 企業URL

    http://www.terra-motors.com/jp/about/message/

起業家紹介

徳重 徹 氏
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「こんなレベルではない」という思いからドローン事業参入

アマテラス:テラドローン設立のきっかけを教えて下さい。

徳重社長(以下、徳重):以前から日本発メガベンチャーの創出を目標にしており、電気自動車(以下、EV)では5年間苦労しましたが、2年前くらい前からやっと事業が回るようになり、安定的な拡大成長が見えてきた段階で新事業を考え始めました。

投資家からは「もう上場しなさい」と言われましたが、私は「こんな現状レベルで満足して、上場するわけにはいかない」と思っていました。グローバルメガベンチャー『ユニコーン』と呼ばれるには評価額10億ドルがひとつの基準です。売上にしろ、時価総額にしろ、もっと上を目指さなければならず、EVが軌道に乗った段階で、グローバル×イノベーションをキーワードにした次の仕組みを構想し始めました。

5年間で1兆円企業を創り上げたシャオミのレイジュンが言っていた言葉に、「風が吹けば豚でも飛べる」というものがあります。これは簡単に聞こえますが、経験した人にとってはとても重い言葉です。市場の波が来ていれば、無能な経営者でも売り上げを伸ばすことができますが、逆に言えば、市場がないと、どんなに優秀な経営者でもなかなかうまくはいかないという意味です。

新事業選定にあたっては、風の吹くエリアを徹底的に考え抜きました。偶然ドローンに決まったという訳ではなく、IoT、ビッグデータ、エネルギー、VRなどこれから黎明期になる分野を分析しあわせて、自社が勝ち抜ける要素の掛け算で市場の絞り込みをしました。

ドローン産業のKFS(主要成功要因)は、グローバルな市場での競争力とダイナミックなスピード感です。そして、これはテラモーターズのカルチャーとピッタリ重なります。今までグローバル市場で無茶な挑戦してきて、失敗や経験を重ねてきているからこそ、勝てる自信があるのです。

今はまさに空を飛ぶような感覚で事業が進んでいますが、これまでに溜まったノウハウがあるので非常に速いスピードで実現できています。

ビックプレーヤーがいないから、チャンスがある

徳重:もう一つドローンに着目した理由は競合情報です。ホビー用のハードウェアは、すでにプレーヤーが決まっていますが、これから伸びるのであろう産業用のアプリケーション分野は世界的に見てもビッグプレイヤーがいません。

通常、ハイテクの新分野だとシリコンバレーに既に有力企業があることが多いのですが、アメリカはドローンの規制が厳しかったせいで、まだ成長企業が育っていません。

よく「日本のドローン規制は厳しい」と言われますが、それはホビーにおける話で、産業用においては世界的にも日本の規制は緩いです。これから急成長する領域で、世界規模のビッグプレイヤーがいないということも、事業を始める上で大きな要因でした。

「顧客に刺さる価値」をとことん追求する

アマテラス:具体的には、誰にどういう価値を提供しようと考えていますか?

徳重:ドローンの用途は、農業、点検、測量、配達がありますが、我々は日本では土木測量からはじめています。ドローンの領域は戦略的自由度が高く、何の分野をやるかは非常に重要となります。

市場規模、顧客価値、マネタイズ、競合、スケーラビリティ等、最初からすべての工程を徹底的に分析し、現場での多数のヒアリングを通じて、最終的に土木測量に焦点をあてました。従来型の測量に比べてドローンを用いると、およそ時間が10分の1、価格が3分の1にまでなります。

安全面も向上し、そこに顧客に刺さるような価値があると思いました。ロボットやIoTなど新産業では「ターゲットが誰で、刺さる価値が提供できるのか」を初期段階から冷静に判断するのは難しいことです。今回は最初にそこまで熟考、現場での徹底検証をしたうえで開始しました。

インタビューの様子 (左はテラドローン代表 徳重社長、右はアマテラス代表 藤岡)

ベンチャー企業は結果が全て

徳重:売上は5年間程、年3億円程度で推移していました。やっと10億円が見えてきたという2015年12月に株主説明会ではじめてドローンの話をしたのですが、最初は相当反対されました。

うちには銀行系のVCが多いこともあり、「すぐに上場して欲しい」という声が強かったです。また、無謀なことに挑戦すると思われたのでしょう。同世代の起業家、イーロンマスク、レイジュンをベンチマークにしている自分からは無茶でも何でもないですが、日本の風土ではそのように思われても仕方がありません。

しかし、ベンチャー企業はやはり結果次第で、結果が全てです。実績が出そうになると、株主の態度も変わりました。当初は一部株主も反対していましたが、6ヶ月後の株主総会では実績が出てきていたので「いいところに目をつけたね」とも言われました。目指すべきビジョンは壮大ですが、日々の経営は非常にシビアに経営しています。

新しい事業領域は、「本当に事業になるのか」をポジティブな側面と現実的な現場からの視点との両面から考えなくてはなりません。起業家はどうしてもポジティブな面ばかり見てしまう人が多いのですが、理想を現実に徹底的に落とし込むプロセスを経て、戦略を進化させることが必要です。

顧客価値が本当にあるのか見極めることが大切である

フィリピン事業での挫折

アマテラス:テラモーターズの売上が2017年3月に30億円となって黒字化するまでに、相当苦しまれたと思いますが、どんな問題があって、どのように徳重さん自身が判断・意思決定をして乗り越えていったのかについて教えてください。

徳重:一番苦しかったのは、長い期間結果が出せなかったことです。私は起業家でもありながら事業家でもあるので、結果を出すことにコミットしています。メディアにも頻繁に出演させてもらっていましたが当時の売上高はたかだか3億円程度で、製造業なので売上が出始めるまでに時間がかかったという側面はありますが、事業家としては決して誇れるべき内容ではありませんでした。

最も苦しかったことのひとつは、4年前のフィリピンでの入札です。電動3輪タクシー10万台をフィリピン政府が導入すると聞き、最初は半信半疑でしたが、何度も現地に足を運んでアジア開発銀行がお金を出し、日本の大手メーカーもこぞって参加ということもあり入札を決めました。

日本、中国、韓国、台湾から世界中の有名企業・ベンチャー企業、29社と競争することになったのですが、積み上げると2m程度にもなった膨大な量の資料作成にも苦労しつつ、何度も面談を繰り返した結果、最終3社のうちの1社として入札を獲得することができました。その実績を持って、10億円の資金調達にも成功しました。

しかし6ヶ月もかかってプロトタイプを開発していた矢先、突然明確な理由も無しにプロジェクト自体がキャンセルをされて全てがご破算になりました。そしてもう1回、新規での入札が行われました。

アマテラス:計画を作り直されたのですか?

徳重:そうです。2度目もまたキャンセルされ、さすがにこれ以上は、と見切りをつけて撤退しました。ここの意思決定が企業家にとって大事で、どこで見切りをつけるのか、それとも「もう少し掘り続ければ大油田がでるかもしれない」と思って続けるのかという判断をしなければなりません。そこはもうロジックではなく、勘の世界です。

結局、フィリピン政府のプロジェクトは今でも軌道にのっておらず、見切りをつけて正解でした。

計画していたプロジェクトの売上がゼロになってしまい、投資家からすると、「何だ!?」という話だったと思います。私としては3億円の売上を当初の事業計画である30億円(10倍)にまでしなくてはならないのですが、新産業のEV市場ではそんな簡単では無かったわけです。

テラモーターズのEV

ベトナムでの量産の失敗

徳重:フィリピンは不可抗力的な側面もありましたが、ベトナムでは自分達の責任で大きな失敗をしました。ベトナムでは社運を賭けるくらいの気持ちで、フィリピンのプロジェクトと同時期に2年間で2億円をかけて、一から車体を開発しました。プロトタイプだけならさほどお金はかからないのですが、金型を作って量産型にしたのです。

イメージとしてはテスラをベンチマークにしていたので、高級バイクをバイク好きな国民性のベトナムで大量販売することを想定していました。

ベトナムを最初の市場に選んだ理由は、彼らがバイクを愛していることです。ベトナムでは車も走っていますが、基本はバイクが中心で、朝夕にはバイクがイワシの群れのごとく走っています。ベトナム人に「何が欲しいの?」と聞くと、スマホの次にバイクが来るくらい、バイク好きの国民性です。格好よくて、スマートフォンが付いたバイクが出れば、人気が出ると思いました。

売上何十億円を目指して1万台以上販売する予定でしたが、結果としては全然売れませんでした。宣伝にも力を入れて大規模なセレモニーを行い、ショールームもホンダより良いものができましたが、価格が高すぎて売れず、実際に売れたのは500台程でした。結局、プロダクトアウト的なことをやってしまったのです。

ベトナムでは驚くほどたくさんの人がバイクを使っている

そして、社員の退社

アマテラス:商品やディーラー、店舗装飾は良かったのですが、価格に問題があったのですね。

徳重:そうですね。あまりに若手社員に任せすぎていました。プロモーション費用をかければ、高級車という位置付けでもブランドで売れると考えていたようです。

フィリピンの入札キャンセル後、私は海外で市場を発掘することに専念していました。ベトナムの件も私がバングラデッシュで新規立ち上げをしている間のことで、完全に任せきりでした。

ベトナムでは「良いプロダクトを持ってきて、プロモーションを大々的にすれば売れるだろう」といった曖昧な考えのままに進んでしまい、「本当に売れるのか?」「地に足がついた戦略なのか?」というシビアな目線が足りていなかったのだと反省しています。

テラのカルチャーはアジャイル、リーンを得意とする集団なので、途中まで進めていたとしても、市場の変化を捉えて「売れない」と判断すると一気に方針を変えます。しかし、このベトナム事業は最後まで突っ走ってしまい、テラ得意の軌道修正ができませんでした。

唯一の救いは、当時5,000台イニシャルのオーダーさせてくれという現地の希望的観測に対して、「リスクが高すぎる」と判断し、500台のオーダーに修正させたことです。5,000台オーダーしていたら、今頃、在庫の山になって危機的な状況に追い込まれていたでしょう。

ベトナムでは事業がうまくいっていなかったので、現地責任者との信頼関係もぎくしゃくしてきて、彼は辞めてしまいました。また、当時の2年間、私はほとんどバングラデッシュとインドに駐在していたため、日本にいないことが多く、社員は不安になっていったようで、若い社員たちが何人か一緒に辞めてしまいました。

フィリピンの入札キャンセル、ベトナム事業の失敗、インド、バングラデッシュの事業も先が見えず、本当に大変な時でした。

娘が意識不明の中、覚悟を決めてインド出張に

アマテラス:大変だった時期はいつ頃のお話ですか?

徳重:2015年頃です。1年内に立て続けに色々起こりました。悪いことは同時に起こるようになっているのですかね。まさに、“Hard Things”ですね。

実は、更に家族にまで問題が起こりました。2014年のクリスマスに小学6年生の娘が熱性痙攣を起こし、意識不明になりました。医者からは3分の1の確率で亡くなり、3分の1の確率で後遺症が残ると言われました。

私は「今年は絶対に結果を出す」という強い信念のもと、予定通り1月3日からムンバイに行くことを決めました。娘は意識不明のままでしたが、現地でアポも入っていましたし、自分の家庭事情でキャンセルするのはリーダーとして失格だと思ったのです。また、娘は強い子なので治ってくれると信じていました。

困難が続く中でも「やるしかない」

徳重:これら4つのことが1年程の間に次々と起こり、とても大変でした。私はそれまでも様々な挫折を経験しましたが、こんなに立て続けに来たのは本当にチャレンジングでした。企業家としても相当鍛えられましたし、その時を共に乗り越えてきた社員たちには今でも感謝しています。

よく「どうやって困難を乗り越えましたか?」と聞かれるのですが、悩むとか、落ち込むとかという状況ではなく、「もうやるしかない」、それだけです。しかも、結果がすぐ出ればいいのですが、製造業なのでやはり時間がかかります。

そんな中、「やるしかない」という気持ちを持ち続けてきました。今はやっと、安定的な成長軌道になってきたという状況です。

アマテラス:本当に大変だったと思います。お子さんはその後どうなられたのですか?

徳重:今はもう何もなかったかのように元気です。後遺症もないので、運が良い子だと思います。

今後も大変なことがあるでしょうが、この時の経験は私にとっては大きな財産です。「簡単に諦めない」というのもそうですし、信じる仲間と一緒に乗り越えてきたという貴重な体験でした。

自ら単身ベトナムに乗り込み、劇的に業績改善

徳重:先ほどの話に戻りますが、ベトナムの現地責任者が辞めた時、これ以上事業継続は難しいと判断して撤退を覚悟しました。しかし、テラにとって初めての海外進出で、最も時間とお金を費やしてきた地でもあり、撤退するにしても最後に自分の目で見てけじめをつけようと思いました。

1ヶ月間ハノイに駐在し、もう1度新しい事業を始めるような意識で市場調査、競合・顧客・ディーラーへのヒアリングを徹底的にやりました。途中からずっと任せっきりだったベトナムに自分自身でコミットしました。

はじめは無理だと思っていましたが、ヒアリングを重ねていくにつれ、「戦略・戦術を大きく変えてやれば、もしかしたら、うまくいくかもしれない」と思えるようになりました。マーケティングの中心もホーチミンからハノイに移し、人やディーラーも全部替え、製品も新しく作り直し、とにかく全てのやり方を変えました。

そして、6ヶ月後には事業がうまく立ち上がりはじめ、新しく入ったローカル人材含めて、優秀人材が運良く採用できたことなどラッキーなこともありましたが、すべてが好転していきました。私がハノイから業績を報告した時、他国の社員の皆は大変驚いた様子でした。

今後も若手に任せていきますが、押さえるべきポイントや、任せる人の個性も考えて、本当の意味で売れるのかという視点で考えているのか厳しく見ていきたいです。

ベトナムでの販売台数推移 半年間で劇的に業績改善した

簡単には諦めず、現実的に事業を見つめることが大切

アマテラス:今までの話の中でもありましたが、徳重さん自身は多くの苦労をされてきて、今に至るわけですが、ご自身について何が変わったと思いますか?

徳重:1番変わったことは、新規事業を立ち上げする際に「ターゲットが誰で、お客様に圧倒的な価値があるのかどうか」という現実的な目線を、最初からシビアに見ることができるようになったことです。
他にも、簡単には諦めずに物事をゼロベース思考で一から考え直してみることの重要性や、真っ暗闇の中にもソリューションがあることも原体験として学びました。

また、色々な国で事業を展開する中で、海外での戦い方も勉強しました。例えば、組織論に関わりますが、人材は日本人だけではうまく調整・適合できません。バングラデッシュやベトナムがどうして上手くいったかというと、ローカルで優秀な人がいたからです。

ローカルのやり方に精通しており、テラのカルチャーを現地に融合できる人材が必要不可欠です。今は日本とほぼ同じカルチャーで海外業務を進めることができています。こういった基盤があるからこそ、新しい産業でマルチプルに展開する戦略も成り立っているのです。

戦略論で考えるとクレイジーと思われるかも知れませんが、私の中ではギリギリのリスクを考えており、その上でドローン事業も始めました。

組織としての強さやスピードはもちろんですが、本気で市場を取りにいく気概や、海外で事業を作るノウハウも身につけてきたので、次の大きなチャレンジは、より現実的なものになってきています。ドローン事業を切り開こうとしているのは、そういった自信からなのです。

ドローンを次の柱となる事業に

アマテラス:テラモーターズは海外でリアルな実績を出しているベンチャーでは珍しい企業ですが、その経験を使って、今度はドローンで大きな市場を開拓していくということですね。 今後は、テラモーターズとテラドローンを並行して展開していくのですか?

徳重:もちろんです。今後、どこかで名前を変えるかもしれません。今はテラモーターズがホールディングカンパニーになっており、その下にインド・バングラ・ベトナムのEV事業があり、並列でテラドローンがついている形です。

アップルコンピュータがアップルと名称を変えたように、どこかのタイミング社名を「テラ」にする可能性もあります。ただし、日本発メガベンチャーの理念のもと、グローバル×イノベーションという軸は外せない要素です。

ドローンはビックデータを取るIoTの1つです。自動運転、ロボット、AIとの関係性が深く、関連する分野はどんどんと出てきます。もちろんそこに市場がないといけないですし、勝たなければ意味はありませんが、周辺領域も含めると可能性は無限です。

テラドローンのドローン

まずはオーストラリアでのドローン事業化。次は世界展開へ

徳重:テラドローンを立ち上げて6ヶ月で、コマツや日立との連携に加え、大手ゼネコンから業務をいただけるようになりはじめました。
その時点で、日本市場は若手に任せて、私自身は6月に米国、7月に中国、8月にEU8カ国、その後東南アジア、オーストラリアと各国2週間程度、徹底的な現場ヒアリングを実施しました。今は世界中のドローン情報が頭にインプットされています。

日本では土木測量で実績を積み上げてきましたが、ドローンのサービス事業で成功するには、産業ごとのお客さんとのコミュニケーションが非常に重要で、課題解決のためのソリューションを共に作り上げていくことが必要です。

豪の事業に関しては、私自身が2015年10月末を皮切りに現地4ヶ月間で8回渡航する中で、2016年1月に4人のスタッフで法人設立しました。既に現地に任せていますが、今回は「お任せ」と言っても、ポイントになるところは私も熟考するようにしています。

ドローンの規制が緩いので、豪では産業用アプリケーションを作りこみやすいです。
例えば日本にはない鉱山という現場においても、広大なマイニングを掘り起こした量の在庫計算を毎月しなければならないのですが、1千ヘクタールと広大なので、日本で多用されているマルチコプターではなく固定翼のドローンが必須です。大型の鷹が敵と間違えてUAVを捕まえにくる対策が必要というのも海外独特の顧客ニーズです。

豪でドローンを展開する上で何よりも良いことは、私たちの強みである“スピード×グローバル×現場力”が活きることです。他社とは現場力が違います。現場に入り込み、顧客にヒアリングをして、何が足りていないのかを徹底的に聞き、そこからソフトやハードをスパイラルで改良していきますが、そこはEV事業の時から培ったテラの現場力があります。

豪では土木に加えて、マイニング、鉄道、電力等で仕組みを作り上げ、その後に一気にドローン事業を世界展開したいというのが、今の私の考えです。

アマテラス:豪から世界市場ですか?

徳重:はい。豪の鉱山のために生み出したソリューションが、今度はアメリカ、カナダ、ペルーの鉱山企業への横展開が考えられます。そこで運営する会社は世界で見てもトップ10企業くらいしかなく、豪での成功事例を作れば、信用も高まります。

広大な範囲でのマイニングにもドローンを活かしていく

徳重:海外で新規事業がやりやすいもう一つの理由が、彼らのメンタリティです。日本では採用まで時間が掛かることも多いですが、海外は「便利だったらとりあえずやってみる」という心意気があります。日本企業に色々な営業をかけてもなかなか話が進まないのですが、アメリカやオーストラリアはその逆です。

こういったわけで、今豪では色々な案件が走り出しそうです。それが出来たら、一気に世界展開するので、多くの優秀な人材を集める必要があります。

テラドローン・テラモーターズで経験を積み、世界で通用する人材へ

アマテラス:具体的にどういった人材ですか。

徳重:シンプルに言うと、海外でも圧倒的な成果を出せる人です。そのための舞台と権限、成長機会は十二分に提供できます。現在はオーストラリアだけで展開していますが、豪で産業ごとの顧客ソリューションを作り込みできれば世界展開も視野に入っており、むしろそれをやりたいです。それぐらいやらなければテラの存在意義がありません。

私たちは、今後も、より一層のスピード感をもって、グローバル展開していくつもりですし、無茶をやっている分、新しくジョインされる方にも、様々な機会があります。

アマテラス:徳重さんの考え方や志を理解するベンチャースピリッツも必要ですよね。

徳重:そうですね。マッキンゼーが戦略のプロを育成する企業ならば、テラは、日本、海外問わず新事業が創れる養成機関になりたいと思っています。

大企業ではここ20年間、ほぼ新規事業を作ってきていないので、事業創造ができる人材が圧倒的に不足しています。テラでは、若くても、無茶な舞台を与えるのでどんどん成長します。
海外で起きる色々なトラブルも含め、清濁併せ呑みながら、圧倒的な結果を出すことにこだわり続けてやっていると、5年間でどこに行っても通じる人材になります。それこそ世界に通用する経営者人材になれます。

私の夢は『テラマフィア』を作ることで、テラで5年間鍛えて事業創造スキルを身につけ、ストックオプションによる資金もできれば、今度は自分でもっと凄い事業を作ることでしょう。ひとつの企業の成長だけでなく、産業を創ることが重要です。私の地元、山口県の松下村塾から次世代を創る幕末の志士が多数輩出されたように、若者を現場で鍛えていきたいのです。

そうやって失敗を含めて色々経験してきた人材が、30歳前後で何十人もいたら、それこそ日本からGoogle やFacebookが生まれるかもしれません。こういうことは本を読んでも学べませんし、リアルな事業をグローバル規模で進めて、挫折失敗を重ねながら、それでもやりきって結果を出して初めて価値を持つと思います。

アマテラス:徳重さん、今日は素敵なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。

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edited by 佐藤ちひろ

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