CEO INTERVIEWS

起業家インタビュー

Vol.49
2016年04月02日
株式会社うるる | 代表取締役  星 知也 氏

株式会社うるる
代表取締役 星 知也 氏

会社に入った社員を絶対に楽しませようと心掛けています。その楽しむということはやりがいや働きがいをとかを得ることだと思っており、それを得るためには何をしたら良いかを凄く意識しています。

はじめに

多様な価値観を受け入れ、社員一丸となって事業を進める星社長。

仕事にかける熱い思いを伺いました。

株式会社うるる
代表取締役 星 知也 氏
(ほし ともや)

【経営者略歴】
株式会社うるる 代表取締役社長 星 知也
1976年生、北海道札幌市出身。
高校卒業後に入社した通信機器の会社ではトップセールスの成績を残し、関東の支店立上げなどを任される。その後渡豪し、社名の由来となるエアーズロック(現地語で「うるる」)に感動。帰国後に入社した会社で株式会社うるるを社内創業し、2006年MBOにより独立し現職。

  • 事業分野

    web・アプリ

  • 事業内容

    1. BPO事業 データ入力代行、スキャニングサービス 2. 在宅ワーク推進事業

  • 設立

    2001年8月

  • 社員数

    120名(子会社含む 2016年4月1日時点)

  • 企業URL

    http://www.uluru.biz/

起業家紹介

星 知也 氏
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父親の背中を見て育った少年時代

株式会社アマテラス:星様の生い立ちについて教えていただけますか?

うるる株式会社 代表取締役 星氏(以下星):一般的な家庭環境でした。ごくごく普通のサラリーマン家庭で育ちました。
強いて言うのなら、父親が少年野球の監督をやっていまして、その練習日が木曜日になったために仕事より野球を優先して会社を辞めました。
普通は野球で会社を辞めないと思います(笑)
そういう意味では、少し判断基準が通常の人とは違う父親だったのかもしれません。

父は野球が好きだったというよりは子供たちに教えるのが好きだったのかもしれません。元々は子供があまり好きではない人だったらしいのですが、実際子供が生まれてからは、我が子が可愛くなり、それに伴って他の子も可愛いと思うようになったようですね。少年野球チームを自分でつくって朝から晩まで子供を預かって野球を教えるというくらい子供が好きになったのではないでしょうか。

株式会社アマテラス:そのような父親から教えられたことはありますか?

:私は2歳と4歳の娘がいるのですが、父親が昔私に言っていたことと同じことを2人の娘にも言っています。子供に何かを暗唱させるんですよ(笑)例えば、「ミネラルウォーター」と子供がうまく言えないときに何度も「言ってごらん」と言わせています。
そのように父親にやらされたことを今の自分の子供にやっていますが、私にとって父親の最初の記憶がそれです。何のためにやっているか全然意味はわからないのですが(笑)

また父親は何でもまずは自分でやってみる人でした。昔はそのような人が多かったのかもしれませんが。私は北海道出身なのですが例えば庭の雪囲いなども普通なら庭師を呼んでやると思いますが、雪が降る前に自分で気の枝に藁を巻いてやっていました。車のタイヤ交換も車屋さんにお願いせずに自分でなんとかしていました。他にも家の前を芝生からアスファルトにする時もホームセンターでコンクリートを買ってきて、自分でやっていました。
ほとんど未経験のことだったと思うのですが、何でもかんでも人任せにせずに、俺にも出来るだろうと、とりあえずやってみる人でした。そのような父親をずっと見て育ってきたので、今の私をつくりあげている1つの要素だと思います。

子供の頃を回想しながら語る星社長

株式会社アマテラス:星さんの小中学生時代のお話も教えていただけますか?

:高校時代にアルバイトとして新聞配達をずっとやっていました。親には月に5千円おこずかいを貰うか新聞配達でそれ以上貰うかどっちが良いと聞かれ、新聞配達を選びました。当時私は野球部でしたので、毎朝4時に起きて新聞配達して6時から朝練に行っていました。朝起こしてくれたり、母親がすごくサポートしてくれました。そのおかげで辛い新聞配達をずっと続けることが出来ました。結果論かもしれませんが、お金を稼ぐ大切さを伝えたかったらしいです。
母親の意図したことか分かりませんが、自分の中でお金を稼ぐ大変さを知ることが出来ました。

"一枚岩"になっている組織。家族、兄弟のような絆やつながりを持ったチーム作り。

株式会社アマテラス:うるるさんは私から見ると、組織が一枚岩になっており、社員が星さんのことがとても慕っているという印象を持っているのですが、星さんのリーダーシップに対する考えなどをお聞かせいただけますか?

:ないですよ。ないですよ。(笑)

株式会社アマテラス:うるるの社員の方々から「星さんは本当に仕事を任せきってくれる」という声をよく聞くのですが。

:それは僕自身に大した能力がないからだと思います。僕がスーパーマンで何でも出来るのであれば、任せないで自分でやりますよ。
しかし、失敗しても良い仕事なのか失敗したら会社が傾いて潰れてしまう仕事なのか、という見極めはしています。それらをしっかり見極めた上で仕事を任せています。
組織の規模を大きくしていきたいという目標があるため、社員に任せきった方が良いと思っています。例えば将来的に社員が10万人の組織になった場合、社長には社長の仕事があるため、自分で全ての仕事をこなすのは不可能です。仕事を任せられた人が活躍するような会社でないと、組織は大きくはならないと考えています。

私自身心掛けていることは、社員に楽しく働いてもらうことです。せっかく『うるる』という会社に携わって『うるる』という会社の夢に自分の夢を置き換えて頑張るわけじゃないですか。会社入って頑張らないような人は面接で落としているため、基本みんな頑張ると思います。
そのため会社に入った社員を絶対に楽しませようと心掛けています。その楽しむということはやりがいや働きがいをとかを得ることだと思っており、それを得るためには何をしたら良いかを凄く意識しています。
例えば、一緒に働く人、チームメートとの絆やつながりがあれば、感動を共感でき、辛いことも共感できます。共感もやりがいにつながってくると思っています。その共感を得るための環境は、社内が兄弟みたいな関係を築くことであり、兄弟みたいな関係とは、コミュニケーションが少なくても分かり合える関係だと考えています。

例えば、「ちょっと遠い」という表現の「ちょっと」は1キロなのか100メートルなのかは初対面の人同士では理解できないと思います。生まれ育った環境が一緒だった人同士であえばその「ちょっと」を理解することができると思います。
その環境づくりのために、弊社では仕事以外で人が交わる時間を凄く大切にしています。今から生活を共にして生きていく環境をつくるのは不可能に近いため、それを擬似的につくって言葉が少なくても通じ合える関係になることが、結果として会社の中に共感とやりがいが生まれているのかもしれません。

「社員のマネジメント」について語り合う藤岡(左)と星社長(右)

株式会社アマテラス:会社に家族、兄弟のような状況を作り出すためにどのようなことを行っていますか?

:オフィス作りに関してもキッチンと呼ばれる共有スペースを作り、社員同士がコミュニケーションをとりやすい環境にしていることや、土日などの仕事外の時間で社員と一緒に旅行等をしています。クラブ活動のようなものも社内に30くらいあります。
一方で、「会社は会社」、「早く仕事を終わらせて社外で楽しいことしたい」と考えている人はいると思うのですが、私の考えは逆で「会社にくることが一番楽しいじゃん」と思っています。そのため、「すごくドライに10時から19時まできっちり働いてあとはシャットダウン」みたいな考えの人は私とは合わないので面接で必ず落とします。ミスマッチを防ぎたいと思っているからです。うちの会社にはドライな人はいなくて情熱を持って仕事をとにかく楽しくしていきたいと思っている人が多いと思います。

株式会社アマテラス:うるるさんの社員と話をしているとみなさん情熱的で人間臭さを感じますし、社員同士の距離も近いように感じていました。

:自分を否定することも大事であると思います。先ほど、ドライな人はうちの会社には合わないと言いましたが、世の中にはそのような働き方をしている人もいて、それはそれで尊重はしています。私は学生時代に超体育会系である野球部に所属しており、組織を作るとどうしても体育会系の組織になってしまいます。しかし、IT企業をつくるとエンジニアを採用して評価する必要が出てきます。私はエンジニアの人たちと生きてきた世界が違うので、私のモノサシだけで彼らを評価すると誰も残らなくなると思います。優秀なエンジニアであればあるほど、私のモノサシでは評価しきれない部分があるため、とにかく自分の考えを否定することは大切にしています。そのような意味では私の考えに凝り固まらずにフラットであるようにしています。

「自分の考え方を否定し、多様な価値観を受け入れる」

株式会社アマテラス:昨年(2015年)、大きな資金調達を実施され、これから人も増やしていくと聞いていますが、星さんの考え方を維持させつつ組織を拡大していくための課題何でしょうか?

:私自身にとっても初めての体験なので、日々状況を見ながら、気づきを得て行動に移していこうと思っています。過去の反省から得た判断材料などは正直何もないので、そうしていくしかないと思っています。
私の美学なのですが、実態より大きく見せようとはしません。実際は火の車なのにユーザーやメディアにはうまくいっているように見せるのも一つの経営手法かもしれませんが、私は嫌いでやりたくはないです。正直メディアに出るのもあまり好きではありません。そのため、うるるは「嘘をつかない。悪いことはしない」というのをモットーにしています。実態より大きく見せることはものによっては犯罪ではないかもしれませんが、嘘で悪いことなのでやりたくはないです。逆にいろいろ言って何もやらないより、あんまり口には出さずとも言ったことは絶対にやるヤツの方がカッコ良いと思います。

株式会社アマテラス:「嘘をつかない。悪いことをはしない」と会社のHPにも記載されていました。このモットーの背景について教えていただけますか?

:私は、自分で掲げた目標は達成しないと気が済まない性格だと思っています。エピソードとしては、10代のうちにインドかエジプトに行こうという目標を立てて、実際に19歳の時にインド行きのチケットを買って行きました。正直インドに目的があった訳ではありませんが、行くという目標を達成することに意味がありました。当時、この目標を立てて達成したという実績が今の自分をつくっているひとつである気がします。

社名の由来になっているオーストラリアのエアーズロック(通称 ULURU)

:また社名の由来になっている『うるる(ULURU)』についてですが、
オーストラリアはワーキングホリデーで行きました。若者が海外に出て働く機会を与えるためにワーキングホリデー用のビザができたので、それを活用して1年間行ってきました。基本的には遊びでした(笑)。特に目的はなかったものの、オーストラリアに1年間ワーキングホリデーで行って良かったと思っています。その1年間で貴重な経験をしたり、人に出会ったりすることで自分のアイデンティティが形成されました。周りの人間が大学で成長するところを私の場合はオーストラリアのワーキングホリデーで成長しました。
オーストラリアには見所がたくさんあるものの、エアーズロックを見た時はすごくパワーを感じました。そのパワーを感じるのは原住民であるアボリジニの聖地であることからだと思いました。そのパワーが何かを言葉で説明するのは難しいのですが、エアーズロックを見た時に360度地平線の中に巨大な岩が浮かび上がってくるんです。遠くから一本道を歩いてきてエアーズロックを目の前にした時の迫力に何か見えないパワーを感じました。
エアーズロックを見た時に感動を感じることが出来たのは、その時一緒にいた仲間と感動を共有することが出来たからだと気づきました。インド旅行は1人で行ったので嬉しいことがあったり辛いことがあったりしても誰とも共感できなく、辛かったです。感動は素晴らしい景色や体験を仲間と共有することによって起きるということを知りました。『うるる』を社名にした背景には、そのような感動を仲間と共有していきたいという思いがあったからです。

株式会社アマテラス:御社の組織を見ていてすごく「感動を仲間と共有していく」ということが体現されていて、一枚岩になっているのを感じます。

:エアーズロックはオーストラリアの中心に位置しているため、「地球のへそ」と呼ばれています。「世界の中心で愛を叫ぶ」はエアーズロックのことを言っているんです。弊社も「世界の中心でサービスを提供していこう」という意味合いも込められています。

株式会社アマテラス:創業からどのような危機があってどのように乗り越えてきたのでしょうか。

:創業2ヶ月後にキャッシュアウトしそうになったということはありましたが、前金にしてなんとかなりました。実際やってみたら9割が前金で、やれば出来ると思いました。
いろんなことが起こりましたが創業メンバーや役員と一心同体になって、仲間と一緒に乗り越えてきただけです。大きく見せることもなく、とにかくありのままを仲間に伝えてきました

あらゆるジャンルの仕事に挑戦できる。そんなうるるで働く魅力とは!?

株式会社アマテラス:うるるさんで働く魅力や求める人物像について教えてください。

:うるるの今のフェーズは、まだまだ組織も事業も完成されていないため、あらゆるジャンルの仕事をすることが出来るということです。逆に1つのことしか出来ない人より、いろいろなことに取り組める人、そしてそのことに対してやりがいを感じることが出来る人が求められています。例えば、「SEOはプロフェッショナルで誰にも負けないけどそれ以外はやらない」という人よりも「SEOもやるけど必要なら営業も経理もやるよ」という人です。

うるるで働く魅力、欲しい人物像について熱意を込めて話す星社長

:先ほど話した私の父親みたいな人ですね。やったことがないから出来ませんとは言わずになんでもやってみるという人、まずはやってみることに対してワクワクする人はうちの会社に合っています。

弊社の人事権は各事業部が持っており、採用は各事業部次第であるため、私にあまり採用権限はありません。もちろん最終面接はしますが、スキルの部分は各事業部に任せているため私は聞きません。私は、仕事に対して嘘をつかず、ずるいことをせず、誤魔化さず、仕事をする人であるか、またどれだけ伸びしろを感じることが出来るかどうかということを判断します。その伸びしろとは、素直さや変なプライドを持っていないかということです。例え能力が無かったとしても、愚直に取り組み、やりがいを持つことが出来れば、誰でも成長できると思います。別にパソコンを使ったことがない人でも使えるようになるので良いと思っています。
そのため、どんなに優秀な人であっても、私が「この人はうちの会社に合わない」と判断した場合は落とすかもしれません。うちの会社との相性を重視してジャッジします。

株式会社アマテラス:大胆な人事異動をされる会社という印象もありますが、未経験でもやる気のある人はどんどん異動させるということですか。

:誰が一番やるのが良いかという話です。「この現状でこの部署をこうしていきたいんだけど、誰が一番良いかな」とフラットに考えた結果、大胆な人事異動をしたりしました。CTOの人だからずっとCTOであり続ける必要性は感じていません。

株式会社アマテラス:貴重なお話ありがとうございました。

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edited by 江畑俊行

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