日々『未知との遭遇』する中で、レベルは上がっている

ブレインズテクノロジー株式会社エンジニア 林氏/青木氏/樋口氏

今回は、ブレインズテクノロジー株式会社の3名のエンジニア、林さん・青木さん・樋口さんにお話を伺いました。

ブレンイズテクノロジーは、先端オープンテクノロジーを活用して企業向けに機械学習による大規模データ分析サービス(異常検知等)を提供している企業です。
以前CEOの濱中さんに採用する人材について伺ったところ、「先端技術なので、前職経験にはこだわっていない」と仰っていました。この言葉通り、インタビューした3名の方は専門分野も前職も異なります。

先端技術をエンジニアとして支える3名の方に、ブレインズテクノロジーでの仕事の魅力やご自身の転職活動、そして今後の展望についてお話し頂きました。誠実なお人柄とチームのよい雰囲気が随所に伝わるインタビューです。

林氏/青木氏/樋口氏

エンジニア
林氏/青木氏/樋口氏

林 琢磨氏(はやし たくま)(36歳)執行役員(製品開発)/チーフアーキテクト
2003年フューチャーアーキテクト株式会社入社。大規模システムの構築・運用プロジェクトに携わり、フルスタックエンジニア、アーキテクトとして設計・開発・運用・インフラ・アプリと幅広くプロジェクト現場を支える。フリーのエンジニアとして活躍後、2015年よりブレインズテクノロジーに参画。プロダクトのアーキテクチャーを担うと共に、若手を牽引するリーダーとしても活躍。

青木 正良氏(あおき まさよし)(30歳)データアナリスト
投資系金融機関にて外国資産のデータ処理、システム化案件に従事。2013年にブレインズテクノロジー株式会社入社。 学生時代からR言語に親しみ、統計処理に強みを持つ。現在は、データ分析事業のエンジニア、データアナリストとして活躍。

樋口 学氏(ひぐち まなぶ)(28歳)ソフトウェアエンジニア
大手セキュリティベンダーにて、ペネトレーションテスト及びエンタープライズ向けセキュリティサービス開発に携わり、2015年にブレインズテクノロジー株式会社入社。
学生時代はコンピュータサイエンスを学び、C、C++、Python、Javaなど複数言語を使いこなす。現在はデータ分析事業のエンジニアとして、Red Coderを目指して活躍。

ブレインズテクノロジー株式会社

ブレインズテクノロジー株式会社
https://www.brains-tech.co.jp/

設立
2008年08月
社員数
15名

《 Mission 》
機械学習の実用化よりもたらされる恩恵を、いち早く・多くの企業に提供し、豊かな社会を実現する
《 事業内容 》
機械学習を活用したデータ検索、およびデータ分析製品・サービスの開発、提供

経験・スキルの異なるエンジニアが「機械学習」を支える

アマテラス:

まずは簡単な自己紹介と、現在の携わっている仕事について教えて下さい。

ブレインズテクノロジー株式会社 執行役員(製品開発)/チーフアーキテクト 林琢磨氏(以下敬称略):

私は2003年9月に新卒でフューチャーアーキテクトに入社し、そこから十数年働いて、2015年2月に退社しました。その後フリーランスをしていたのですが、前職から付き合いのあった(CEOの)濱中さん、(CTOの)中澤さんと一緒に仕事する中で、「中途半端に委託でやるよりも、社員として参画した方が会社を成長させる意味ではいろいろなことにチャレンジできる」と考え、2015年9月に入社しました。

現在の仕事は、弊社では大別すると『Impulse』(大規模データ分析基盤)と『Neuron』(エンタープライズサーチ)という2つのサービスをやっていますが、私は『Impulse』に携わっています。
具体的には、機械学習を活用した異常検知等についてのPoC(Proof of Conceptの略。「概念実証」)の部分、「実際にデータからどんなことができるか?」を仮説検証する部分に携わっています。当社全体で現在十数件のプロジェクトを進めていますが、その半分程度に携わっています。

アマテラス:

貴社サイト内のチーム紹介で(https://www.brains-tech.co.jp/careers/team.html)、林さんには<走る稲妻>と付いていますが、どういうことですか?全員にキャッチコピーみたいなものが付いていますね。

林琢磨:

<走る稲妻>こと、チーフアーキテクトの林氏

これを命名したのは樋口さんです(笑)。社員紹介を自分の直前に入社した方が書くことになっており、命名したのが樋口さんです。私はマラソンをやっているので、そこからきているのかと。ちなみに、サイトの写真も走った後の画です。

ブレインズテクノロジー株式会社 データアナリスト 青木正良氏(以下敬称略):

1日100キロ走る人なので(笑)。

私は新卒後2年半程、投資信託の運用会社に勤めていました。その後、ブレインズテクノロジー社に来て、もうすぐ3年半になります。

現在携わっている仕事は、林さんの話にあった『Impulse』のPoCのデータ分析の業務をしています。データアナリストとして、異常検知等について「どれくらいの精度が検出できそうか」、「もっとチューニングしていくべきか」といった分析業務を主にやっています。

<アルゴリズムを愛するエース>こと、データアナリストの青木氏

ブレインズテクノロジー株式会社 ソフトウェアエンジニア 樋口学氏(以下敬称略):

私は新卒後セキュリティベンダーに入社し、ネットワークレベルの脆弱性診断をやっていました。2年半程経った時に「ちょっと自分のやりたいこととは違うな」と思い始めて、その後ブレインズテクノロジーに入社し、1年半程経ちました。

現在やっている仕事は、ソフトウェアエンジニアとして『Impulse』の機能設計・実装・テスト等を主に担当しています。

アマテラス:

サイトのチーム紹介内にある樋口さんの<若き野望家>とは、どういうことですか。

樋口学:

これは自分で書きました(笑)。自分の夢として「Red Coder(競技プログラミングでの最高ランク。上位0.1%)を目指したい」というのがあるので、そういう意味で書きました。

<若き野望家>ことソフトウェアエンジニアの樋口氏(写真左。右は青木氏)

「会社の成長を加速させる」と参画を決意

アマテラス:

ブレインズテクノロジーに転職した背景について、具体的にお話頂けますか。

林琢磨:

私、実は転職活動をしていなくて…。前職で一緒に働いていたメンバーが、当社の中核にいたことが縁ですかね。

自分がレベルアップできる、成長できる環境として最初にフューチャーを選び、次のステップとしては起業を考えていました。しかし、仕事が忙しかったこともあり、なかなか実現が難しい。そこで「一旦会社を辞めて、リセットしながら、自分のやりたいところを探そう」と思い、フリーランスをしていました。

その間、自分のやりたいことをどう事業化しようか等を悩んでいたところに、当社の話があったのです。「ブレインズテクノロジーという小さな会社をある程度成長曲線に乗せる。それを一旦ステップとして踏んで、そのあとでまた考えてもいいのかな」と思いました。半年程委託契約で働く中で、会社の成長を加速させるために自分ができる役割も大きいと感じました。

また、一から事業をつくるところに携われるというところも魅力でした。ちょうど『Impulse』を核とした事業を創ろうという時期だったので。

「凄いCTO」で入社を決意

青木正良:

私の場合、前職は金融機関でしたが、大学ではデータ分析、機械学習を研究室でやっていました。前職当時、機械学習ブームで書籍やいろんな情報が入ってくる中で「大学でやっていたことを活かした仕事がしたい」という気持ちが大きくなり、いろいろ会社を見てみようと思いました。

初めて当社の面談に来た時、機械学習等の話をCTOの中澤さんとして、「凄い人だ!」と思いました。それが、「当社に入社したい」と思った一番の理由です。

前職企業は300人程の会社で、最後にいた部署では与えられた役割をきちんとこなすような定型的な業務が中心でした。
しかし、ブレインズテクノロジーに入り、仕事のやり方も大きく変わりました。業界が変わったというのが最大の要因だと思いますが、入社当初のブレインズテクノロジーはまだ小規模で、日々いろいろなことをやっていた点でも大きな変化でした。

自らの「存在意義」を求めて

樋口学:

私が転職を決めた理由は、一言で言うと、自分の存在意義がわからなくなったからです。
私が以前勤めていたのも1500人程の大きい企業でした。仕事をする中で、誰かの作った大きな枠組みを回す一部品になっているような感覚が大きくなったのです。私がいなくても組織は回るとなると、「自分がここにいる意味は何だろうか」と感じ始めました。

「『自分のいる理由』を大きくするためにはどうしたらいいか」と考えた時、ベンチャーなら一人ひとりの役割が大きく、自分の存在意義も感じられるのではと思ったのです。

アマテラス:

数あるベンチャーの中で、この分野、この会社を選んだのはなぜです?

樋口学:

まず、エンタープライズ向けに機械学習をやっている企業だという点です。機械学習を活用してBtoCでサービス展開しているところはいくつかありますが、BtoBでは少ない。

もう1つは、やっぱり人です。人というか、会社の方針というか、当社はサービス指向が強い。ただ技術を突き詰めるよりも、それを活用して世の中に役立つサービスをつくることを軸にしているところも、自分がこの会社を選んだ理由の1つです。

アマテラス:

先程の青木さんではありませんが、面談をする中で「この人がいるから入社した」というような方はいますか?

樋口学:

それは、やはりイケメン工場長(CTOの中澤さん)ではないでしょうか(笑)。中澤さんは天才肌というか。正しいことが直感でわかるような人です。頭の回転も早いですし、話していると「なるほど」と思います。まだまだ追い付けない感じがしますね。

日々「未知との遭遇」。わからないことだらけにアタック出来る楽しさ

アマテラス:

実際に働いて、ブレインズテクノロジーで働く魅力、面白さについて教えて下さい。

樋口学:

ブレインズの魅力は、一言で言うと『未知との遭遇』です。当社は製品もまだ発展途上ですし、文化やルールもない。そんな何もない状況で、想定していない事態が色々と起こります。

わからないことだらけ、でも、どうにか答えを見つけていかなくてはいけない。それは凄く不安ですが、楽しいことでもあります。自分が知らないことにどんどんアタックしていけるのは、ブレインズテクノロジーの魅力だと思っています。

例えば、青木さんが以前つくった機械学習のシミュレーションをするエンジンがあるのですが、そのフレームが今では使えなくなってしまいました。当初想定していなかった要求がどんどん出てきて、元々のフレームでは回らなくなったのです。そこで新しいものを一から作り直し、今度はそれを最適化しています。

また、最近は「会社の文化をどうやって作るか」について話し合ったりもしています。

アマテラス:

そういうところから関われるのも、ベンチャーならではですね。

新しいことに挑戦し、学ぶことに貪欲な人が集まる

青木正良:

人という点で言うと、イケメン工場長のCTOが本当に凄いのです。元々は機械学習が専門ではないのですが、ここまでやれている。

また、林さんや樋口くんを始めとするエンジニアの皆さんも変化に強いです。新しいことに挑戦して、勉強することへの貪欲さを持った人材が集まっていると感じます。そういう人たちが多く集まる中で、自分も成長できるところが面白さであり、一番の魅力ですね。

技術的な面で言えば、オープンソースを活用するところが当社の強みだと思います。オープンソースを組み合わせて製品を開発したりしているのですが、そこに対応することで、物凄い速さで技術が身に付いていく。そういうことが好きな人にとっては、すごく面白い、いい会社だと思っています。

「今が最善ではない」進取の気風

林琢磨:

やはり新しいものを扱っているというのが大きいと思います。世に出てきたオープンに使える技術を、現場に適用させていくところがうちの強みというか、強くしていかないといけない部分だと思っています。頻繁にアップグレードされていく10個以上のオープンソース技術を取り込み、それを使いこなしながら適用していく。

少し前のものをそっくり作り替えるという先程のエピソードが示すように、「今使っているものが必ずしも最善じゃない」ということを理解して、新しい技術を取り込もうとする雰囲気があります。新しい技術にアンテナを張り、自分の思いで作ろうと思えば、作れる環境というところが、非常に魅力的だと思っています。

アマテラス:

林さんからみると、そういうイノベーティブな雰囲気や新しいことにチャレンジできる風土というのは、どこからきていると思いますか?会社として工夫している点等もありますか?

林琢磨:

CTO自らが新しい技術を探しながら、「こうやればどうか」というのを見せていることが大きいと思います。
今後は若いメンバーも含めて、全体でそういうことがもっとできるようになっていくと、会社としての成長が大きくなると思っています。

アマテラス:

新しいことにチャレンジすると失敗も起こり得ると思いますが、そういう時の会社の対応はいかがですか?

林琢磨:

私の個人的感覚かも知れませんが、新しいことに取り組んでいるので、その中で結果を出そうと最善の努力を尽くすところは当然ですが、(CEOの)濱中や(執行役員の)河田に「失敗したら、責任はトップがとるから」という覚悟があり、難しいことをやっているという現場への理解・セーフティーネットのようなものがあるのは作る側として有難いですね。

ですので、誰もができるようなところを進むのではなく、新しいことを積極的に現場へ適用していくような環境をつくりたいと私自身は思っています。

ブレインズテクノロジーのオフィス内

優先順位から、時には会社の「やるべき」と自分の「やりたい」が合わないことも

アマテラス:

次に、入社して想定外だったことや辛いこと、大変だったことはありますか? 大きな企業から転職されたので、何かしらのギャップはあったかと思います。 例えば、社長に話すことなんて、前職ではなかったと思いますが、今は社長がすぐ目の前にいますよね。

樋口学:

濱中は『社長』という雰囲気ではないです。『パワフルママ』という感じです(笑)。

「やりたいことだけをできるわけではない」というのが1つ辛いことですかね。全てのベンチャーに当てはまるかわかりませんが、資金に限りがあるので、直近の売上を優先すると、自分ではやりたくない仕事も優先して進めないと成り立たないことがあります。

各自として「こうしていきたい」とか、「製品にもっとこういう機能が欲しい」と思いがあるのですが、一方で会社としてやるべきことがあるので、そこのギャップは感じますし、やっていて辛いところではあります。大企業だと比較的余裕があるというか、部分最適化に労力を割けるので、そういった点は違いを感じました。

異業種からの転職で当初苦労も、周囲のサポートで急速に成長

青木正良:

自分の場合は業界が変わったので、最初は大変でした。一応大学では機械学習に携わってはいたのですが、実際にIT企業で働くと、わからないことが多くて足を引っ張ってばかりでした。

でも、メンバーの人たちがそういう自分に付き合ってくれ、「成長させよう」というような意識でサポートしてくれました。それをすごく感じていて、自分でも「それに応えないといけない」と思ってどんどんやっていきました。辛かったのですが、凄いスピードで身に付いた実感があります。

あと、求められる成果物のスピードと質が全然違いました。私が担当している分析もそうですし、様々な開発も早いスピードで出していかなくてはならない。当初は全然間に合わず、質もだめでしたが、何回もやるうちに慣れたというか、少しずつ出していけるようになってきました。

アマテラス:

青木さんから見て、どうしてブレインズテクノロジーの仕事は早いのですか?

青木正良:

元々フューチャーアーキテクト出身者が多く、中でも第一線で働いてきた方々が集まってきている会社で、「早くて、質の高い仕事が当たり前」というのがあるのだと思います。

自分は異業種から来て、そういう人たちの凄さを実感し、そこに自分が追いつけていないギャップを痛感しました。それが入社当時に感じた大変さの理由だと思います。

決まった答えがあるものではなく、わからないものに答えを出していかなくてはいけない、ベストプラクティスでやっていかなくてはいけない。そういうところが、当時の自分には身についていませんでした。入社後は、経験を重ねていると感じます。

オフィス以外にもワーキングスペースがある。写真は青木氏

転職で変わった「扱う技術」と「責任感」

林琢磨:

私はカルチャーや対人関係ではあまりギャップはなかったのですが、技術的には、自社で持っているフレームワークを活用しながらやっていたフューチャーの技術と、オープンソースをいろいろ組み合わせたり、Sparkを使うといったところでは全く変わったので、そこは結構大変でした。適応するのに、1年くらい掛かったような気がします。

また、アウトプットのレベル感というか、フューチャーでやっていた時のアウトプットレベルとブレインズテクノロジーで求められるレベルの擦り合わせに時間が掛かりました。8割を目指せばいいのか、やはり10割を目指すべきなのかという、自分の中のさじ加減ですね。結論としては、自分で「この辺」と決めて、社長かCTOが「OK」と言えば決まります(笑)。

比較的自由度は大きい反面、私はシニア層に入るので、自ら責任を背負いながら「どこで判断するか」と考えながらやっています。フューチャーくらい大企業であれば、「自分が崩れてもいいか」と思えるのですが(笑)。エゴかも知れませんが、「自分が支えないと」という責任感も楽しんでやっています。

アマテラス:

「自分が頑張れば、会社も大きくなるかもしれない」ということですよね。大きな企業ではなかなか感じることのない思いかも知れませんね。

任せつつも、放置はしない

アマテラス:

次に、入社前に不安だったことについて教えて下さい。大企業からベンチャーに行く方は「成長できるんですか」とか、「わからないことが訊けない環境になるのでは」といったことを気にされます。皆さんの場合はいかがでしたか?

林琢磨:

私の場合、特にありませんでした。ただ、今も不安なのは、「本当に会社が成長できるのか」というところだけですかね。

青木正良:

小さい会社だったので、入社前に「大丈夫かな」という不安は当然ありました(笑)。自分の両親にも「大丈夫なの?」と言われましたし。
今は「大丈夫でしょ」という感じです(笑)。すごく適当に聞こえますが、上司達が本当に信頼できる方々なので、大丈夫だと思っています。また、今は、自分が考えても仕方ないことだと思っています。

成長への不安も特になかったですね。ベンチャーは人数が少なくて、やることがいっぱい降ってくるだろうというイメージで、そういう面では勝手に成長するだろうと思っていました。実際その通りだったので、そういう不安があったとしても、それは解消されたと思います。

ただ、人数が少ないので、放っておかれるというか、「見てくれるのかな?」という不安はありました。入社して、ある程度は任されても、きちんと意識して貰っていると感じるので、そういう不安は解決されました。ブレインズテクノロジーではある程度しっかり任せてくれますが、完全に放っておくということはないと思います。

アマテラス:

人をケアする文化があるということですね。 ベンチャー企業で、特に新卒の人が辞める理由の多くはメンターがいないことに起因しています。入社して、放置されて、大体辞めてしまう。御社では、教える人がきちんと支えているのですね。

青木正良:

そうですね。そこはしっかり考えていただいていると感じます。

樋口学:

私もメンターだった青木さんに大分支えて貰いました。最初の頃は右も左もわからなかったので、全部青木さんに聞いて、青木さんの仕事が一切進まないようなこともありましたが(笑)。

日々『未知との遭遇』する中で、レベルは上がっている

アマテラス:

特に技術者の方は、会社の業務内容以上に自分の成長できる環境を重視する方が多いように感じます。例えば、わからない技術や最先端の技術を学びたいと思った時、どのようになさっていますか?また、そういう環境としてはいかがですか?

青木正良:

当社では、機械学習やUIといった各人で注目している分野があり、分野ごとに最先端技術やオープンソースを調べていって、課題や「こういう面白い記事とかがあったよ」といったことを周囲と情報共有しています。

『最先端か?』と言われるとちょっと難しいかも知れませんが、どの分野にせよ「その時点で最善」と思われることを決めて、やっていくという感じです。

樋口学:

「皆が成長するという環境をつくる」というよりは、個人が成長して、それに誰かがついてくるというのが現在の姿かも知れません。最初に中澤さんや林さんといった方達が何かを見つけきて、作って、それに誰かがついていくといった状況ですね。

林琢磨:

今の仕事で日々『未知との遭遇』する中で(笑)、技術者としてのレベルは、日々なのか週単位なのかわかりませんが、上がっている感覚はあります。世界的なトレンドとか、最先端のことをどこまでやっているかというのは、傍目からきちんと見る機会は必要だと思いますが、現在取り組んでいる仕事の中で自分の成長を日々感じられています。
そこがあるので、技術者としての満足感というところでは一定ラインは満たしていると思っています。

アマテラス:

フューチャーの同期の方と比べて、成長曲線は高くなったと感じますか?

林琢磨:

どうでしょうか。フューチャーの同期も30人位いて、専業主婦になって育児を楽しんでいる人もいれば、フューチャーで執行役員になった者もいます。また、自分で会社を立ち上げている人もいて、皆それぞれ違う分野でやっています。成長曲線がどうかはわかりませんが、「皆に誇れる仕事をしたい」と思いながら、私はやっています。

限界まで走り続けて、「この会社を成長曲線に乗せる」

アマテラス:

では、今後のキャリアプラン、また将来像について教えて下さい。

林琢磨:

私は、自身のキャリアプランという意味ではあまり考えていません。おっさんなので、「個人としてどうか」より、「自分がどう振る舞ったら会社が成長できる方向に進めるか」が大事だと思っています。

凄い技術者が来れば、自分はバックエンドに回って、仕事の出し分け等をした方がいいといったことも考えられます。私自身は「特に、何に強い」ということはなく、バランス良く、何でもこなせるタイプなので、会社の中で足りないパーツを拾えればいいなと思っています。

アマテラス:

元々起業される志があったというお話でしたが、それよりも今はこの会社を大きくすることがご自身の思いになっているということですか。

林琢磨:

そうですね。ここ3年くらいは、「この会社を成長曲線に乗せる」というところに重きを置いてやろうと思っています。

アマテラス:

濱中さんがそのお話を聞いたら、涙流しそうですね(笑)。

林琢磨:

本当に涙流しそうだよね(笑)。
元々は「早めに田舎に引きこもってというのもいいかな」とは思っていましたが、最近「40代でどれだけ自分を磨けるかがその後につながる」、「30代までがむしゃらに働いて、40代くらいである程度ステップアップして、そこから怠けると、50代、60代で必要とされない人になる」というのを読んで、「それはまずい」と(笑)。
ですので、40代も駆け続けられる限りは走り続けたいと思っています。

世の中をつくる第一線にいたい

樋口学:

私の場合、キャリアプランというか目標みたいなものがあります。「どこに行っても、エンジニアとして常に必要とされる人間」でありたいと思っています。前半で話した、当社への入社動機にも繋がりますが、自分の存在意義のようなものを求めたいのです。

「存在意義があるか」とは「人に求められるか」だと考えていて、そういう点から言うと「5年以内に世界で通用するエンジニアになる」というのがキャリアプランとして1つあります。今はそこを目指しているところです。
そして、業界の第一線で働いていたい、世の中をつくっていく第一線にいたいと思っています。

オフィスでの樋口氏

企業の裏側で、世の中を動かす存在になる

青木正良:

ブレインズテクノロジーに入社する前の漠然としたプランは、機械学習等を活用したい、そういう仕事に携わっていきたいというものでしたが、今はデータアナリストとして機械学習等をうまく使いながら、データ分析を極めたいと考えています。

ここ2、3年は分析の案件をこなしながら分析技術を高めていきたいというプランがあり、5年後には分析分野で尖った人間でありたいと考えています。と同時に、分析チームの先頭に立って、引っ張っていけるような人間になっていきたいです。それが結果として、会社に貢献できれば幸せですね。

林琢磨:

5年後、10年後には、「当社の製品やサービスがどこかで動いている」ということが人知れず知れ渡っているといいよね。当社が表立ってという訳ではないけれど、実はBtoBの裏側で当社製品やサービスが動いていて、世の中が動いているという状況になっていると嬉しいです。

「自分がどうなりたいか」を考え、それが満たせる会社を選ぶ

アマテラス:

皆さんそれぞれの転職活動があったと思いますが、今後転職される方々にアドバイスをお願いします。 皆さんはいい会社を選ばれたと思いますが、「こういうことをしたから、いい会社に出会えた」とか、「こういう活動はやらないほうがいい」とかありますか?

樋口学:

林さんは転職活動していないですよね(笑)。

林琢磨:

実は、転職活動しました。社会人2年目頃に、ジャイアンツの入団試験を受けました。50メートル走と遠投の実技で、遠投が80メートル程で落ちました(笑)。

樋口学:

特にベンチャーに行く場合、目的意識というか、「自分がどうなりたいか」を描くことが大事だと思います。何となく入ってしまうと、入ってから大変な仕事しかないですし、成長もなかなかできないと思います。

まず、「自分がどうありたいか」を定めて、その為に必要なことを挙げて、それが満たせる会社を選んだらいいと思います。
そうすると、入社後の成長曲線がぐっと上がっていくでしょうし、自分のなりたい姿にも近づけていくと思います。と入社後にそう思いました。自分自身はあまり明確にそれをやっていたわけではないですけれど、入ってみてそう感じます。

アマテラス:

樋口さんは、自身の存在意義に悩まれていましたが、現在は満たされていますか?

樋口学:

まだまだですね。CTO(の中澤さん)が強敵過ぎです(笑)。中澤さんの前だと、まだ存在意義が薄れてしまうような…。ですので、相対的に見るとまだまだですが、入社前よりは間違いなく「自分がここにいる意味」を見出せるようになってきました。それは、変わってきてはいますね。

インタビューに参加頂いた3名の方々(左から、樋口氏、青木氏、林氏)

その企業で「自分は何ができるのか」を考える

青木正良:

今は、ベンチャーの内情がいろいろわかりやすくなっていると感じます。アマテラスもそうですし、Wantedly等もあって、大手企業よりもむしろベンチャーの会社情報がわかりやすくなっている。自分が活動していた3年前とはその点が違っています。
そういったものをうまく活用して、会社の人と話す機会を積極的に持つことを勧めます。いろんな会社をどんどん見て、近くに行けるならなるべく近くに行くというところを意識するといいと思います。

アマテラス:

昔は、ベンチャー企業情報が取りづらかったですが、今は情報が取りやすくなりましたね。当社もそのために存在しています。 例えば、「社長メッセージ」も大企業のものは概して紋切り型ですが、ベンチャー企業の場合、ビビットに社長の本音や会社の現状が語られているので、そういった情報も集めて、参考にして頂きたいですね。

林琢磨:

大企業に比べて、ベンチャー企業に就職することは大変だと思います。その企業ステージにもよりますが、例えば、社員5人の段階でもう1人を採るという場合、その1人の採用決断がかなり重要です。
転職する側にも覚悟や、相手への思いというか「どういう事業をしているから、自分はこういうところで役に立つ」といった仮説を持った上で転職活動をしないと、いい採用にはならないと思います。

ですので、ベンチャーへの転職は、「ふわっとした考え」というよりは、青木さんが言っていたヒアリング等を含めて企業の考えや意見を求めて、相手のニーズや思いを受け止めながら、「自分はそこで何ができるのか」と考えてやっていくのが、お互いにマッチした採用につながると思います。

アマテラス:

本日は素敵なお話、ありがとうございました。

この記事を書いた人

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河西あすか

慶應義塾大学経済学部卒業後、食品メーカーにて商品企画等のマーケティングを担当。 慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了後、企業再生・変革の実行支援コンサルティングファームに在籍。

ブレインズテクノロジー株式会社

ブレインズテクノロジー株式会社
https://www.brains-tech.co.jp/

設立
2008年08月
社員数
15名

《 Mission 》
機械学習の実用化よりもたらされる恩恵を、いち早く・多くの企業に提供し、豊かな社会を実現する
《 事業内容 》
機械学習を活用したデータ検索、およびデータ分析製品・サービスの開発、提供