何を教わるかより誰に教わるかが人の成長を決める

ランサーズ株式会社ディレクター・エンジニア 木下慶氏・高科和史氏

日本最大級のクラウドソーシング事業を行うランサーズ株式会社。
今回の記事では、大手IT企業を経てランサーズに参画し、活躍を続けている二人にベンチャー転職を決意した理由やランサーズでの仕事についてお話を伺いました。

木下慶氏・高科和史氏

ディレクター・エンジニア
木下慶氏・高科和史氏

木下 慶(キノシタ ケイ)氏
筑波大学、同大学院 コンピューターサイエンス修了
NTTデータのエンジニアを経て、2012年7月、4番目の社員としてランサーズに参画。現在はディレクターとして活躍。

高科 和史(タカシナ カズフミ)氏
東京工業大学、同大学院 社会理工学研究科修了
日本IBMを経て2013年2月、8番目の社員としてランサーズ参画。エンジニアとして活躍。

ランサーズ株式会社

ランサーズ株式会社
https://www.lancers.jp/

社員数
73名(2014年12月現在)

《 Mission 》
時間と場所にとらわれない新しい働き方の創出
《 事業内容 》
クラウドソーシング事業

大企業からランサーズ(ベンチャー企業)へ転職した理由

アマテラス:

お二人が大企業からベンチャーであるランサーズへ転職したきっかけや背景を教えて頂けますか?まずは木下さんからお願いします。

ランサーズ株式会社 ディレクター 木下慶氏(以下敬称略):

新卒でNTTデータに入社しました。入社したときから将来の転職はぼんやりと考えていたのですが僕は2年半しか在籍していない状況で転職するとは思っていなかったんです。まず仲が良かった同じ会社の人が転職したのが始まりです。大手の人材紹介会社を利用して転職したと言っていたので自分もそこに行ってみたのが最初のきっかけでした。

そんなタイミングに仕事で続けて海外に行くことがありました。夏に中国行って、秋にインド行って、12月の年越しをインドネシアで過ごしたんです。その3か国をみていたら、みんなすごい転職するんですよね。ああいう国の人達ってステップアップみたいに。それで自分も転職しようと思っていたので、気軽にやってもいいかなって国や文化が違うのに思っていた部分がありました。

大手の人材紹介会社から紹介される会社は大企業ばかりで、そういう会社の面談を受けてきましたが、違和感を感じていました。転職するということは、現状を変えたいという思いがあるのですが実際に大企業の面接に行くと、転職してもNTTデータと職責とかあまり変わらないということに気付き、切り替えて大企業以外を見ようと考えました。ベンチャー企業に行こうというよりも大企業は違うなという程度でした。

偶然友達に相談したところ、ベンチャー企業の話をしてくれて興味を持ちベンチャーに舵を切りました。そこでウェブサイトで“ベンチャー”、“転職”と言ったキーワードで検索したところベンチャー企業専門の人材紹介のアマテラスのホームページにたどり着き相談をしました。

アマテラス:

そうでしたね。懐かしいです。

木下慶:

実際にアマテラスにベンチャー企業をいくつか紹介してもらう中で、ランサーズの秋好社長のビジョンや事業内容、勤務地が鎌倉だったところに魅力を感じました。

そして会社がまだ小さかったところですね。 当時のランサーズは社員が3人しかいなくて、秋好(社長)もエンジニアなんですけど、秋好を除いたら本当のエンジニアは1人しかいなかった。正社員の二人目のエンジニアになるというところでした。全社員としても4人目で、その少なさが僕の中では大きかったんです。やっぱり小さいからこそ幅広いことができるというのがありました。

アマテラス:

なんで鎌倉に反応したのですか?

木下慶:

自然が好きなんです、海好きで。優先度でいうと、ビジョン、事業内容、人数、鎌倉、という感じでした(笑)

アマテラス:

ランサーズに決めた決定的な要因はどこにあったのでしょうか?

木下慶:

クラウドソーシングというサービスは時間と場所にとらわれない働き方、どこでも働ける世の中を作っていけるという部分に共感しました。
僕自身エンジニアだったのですが、前の会社にいる時に、プログラミングだけをするなら会社に行かなくてもいいなって思っていました。そういう当事者意識をもっていたというところが大きいのと、あとはサービスの成長性、将来性を感じました。絶対このサービスは今後必要だし、伸びるなと魅力を感じました。

あと、会社を訪問してみて、社員が3人だけだったのですがすごく楽しそうにやっていて本当にやりたくてやってるんだなと感じて、この人達と一緒に働きたいと思いました。

アマテラス:

高科さんはなぜランサーズへの転職をされたのですか?

ランサーズ株式会社 エンジニア 高科和史氏(以下敬称略):

前の会社で10年先の先輩をみて、素晴らしい方も多いのですが自分がこういう風にキャリア積んでいきたいのかって考えたときに、ちょっと違うなと感じて、転職を考えるようになりました。

アマテラス:

どのように違うと感じたのか具体的に教えてもらえますか?

高科和史:

世の中を便利にするような製品を自分で作っていきたい、そういうことができる人間になりたかったんです。前の会社だと、自分で作っていくということができないんじゃないかなと感じました。具体的にいうと、私のいた部署でやっていたことは納期管理とかコスト管理とかそういうところで。何か新しい価値を生み出すこところではなくて決められた計画をうまくやっていく部署だった。

大企業では与えられた環境の中でやることが多いがベンチャー企業では自分次第で挑戦できる場所が大きいんじゃないかなというのがあってベンチャーを志望しました。

アマテラス:

多くのベンチャー企業の中からランサーズを志望した理由は?

高科和史:

いろんな会社を受けました。他の人材紹介会社さんからゲーム会社やそのような求人が多くて。自分がそのゲームをやってみて面白かったかというと正直つまらなくて、これが世の中の役に立ってるのかなというのがすごく疑問でした。もっと社会の役に立つ製品・サービスを作っている会社がいいなと思っていました。そこでアマテラスからランサーズを紹介されて、これはいいサービスだな!と思いました。

ランサーズの事業は、もっと世の中が働きやすくなるとか、人々の生活がよくなるということが具体的にイメージできるサービスでそこがいいなと思いましたね。

アマテラス:

高科さんにランサーズを最初に紹介したときから“そうです、こういう企業を探していたんです!”と言ってましたよね。

エンジニアから見たベンチャー企業と大企業の違い

アマテラス:

お二人とも大企業からベンチャー企業へ転じたわけですがご自身が感じた大企業とベンチャー企業の違いについて教えて頂けますか?

高科和史:

ベンチャー企業ではいろんなことが短期間に起こって、それに自分も対応しなければいけないので大変ですが面白いと感じています。 大企業でもいろいろ起こったり、社長が代わったりしましたけど、実感として日常は変わらないという感じでした。

ベンチャー企業に来て便利になったところもあり、不便になったところもあり両面あります。

便利になった点はWEB系の開発をしたかったのですが、ランサーズではWEBでいろんな知識を持ってる人が周りにいました。周りに聞けばだいたいわかるような状況は凄いなと思います。

一方で不便な点としては、人数も予算も大企業と比べると少ないのでやりたいことに制約がかかってしまう。大企業でしたら、何かをやろうとすると必ず誰かの手が上がって人に任せることができましたが、ベンチャーでは人が少ないので自分でやらないといけないことが多い。

また設備面でも大企業は恵まれていました。プロジェクトだけで結構な予算があったので、会社の支給PC以外にもPC持たせてくれたりと恵まれた環境でした。

アマテラス:

木下さんはどうでしょうか?

木下慶:

エンジニア視点で設備面からいうと、ランサーズの方が前職(NTTデータ)より全然いいですね。椅子とか、キーボード・マウス、PCのスペック、全部ランサーズの方がいいです。IBMのような外資系企業はわからないですが日本の大企業は大量にPC買うことが多いと思います、HPとかから年何千台という規模で。そこから欲しいデスクにPCをもらうんですがそんなにいいPCではないことが多い。古かったり、余剰品、バルク品みたいな感じです。

それに比べてランサーズのエンジニアは一人一人PCが選べて、キーボードもマウスも選べるんです。椅子はオカムラのバロンチェアーなんで、全然いいです。今はランサーズは結構人増えましたけど、僕が入った時は鎌倉オフィスは人が少なくて、机も大きくて通路も広くて全然誰もいなくて、前職に比べるとすごく環境が良くなったと思います。

アマテラス:

私も最初は日本の大手銀行にいましたが木下さんと同じですね。最先端の設備とはかけ離れていて、PCも椅子も机も中古品みたいなものを支給されて使っていました。

木下慶:

ベンチャー企業では、エンジニアへの投資や配慮がされていて環境がよいところは多いと思います。ヘッドホンで音楽も聞けるので、環境はいいです。

設備以外の面でいうと、エンジニアからみて、ベンチャー企業ではドキュメントが整ってないという点が多いように思います。大企業はしっかりとドキュメント書いて納品するというのがあるので。
とはいえランサーズはちゃんとソースコードがあるので、品質はレビューしたり、テストしたりして保っているので、遜色はなかったと思います。

ベンチャー企業に入る時に不安だったこと

アマテラス:

ランサーズ(ベンチャー企業)に入社する前に不安に思っていたことや懸念点は何でしたか?またそれは実際にベンチャー企業に入社して解決されましたか?

木下慶:

ベンチャー企業の人数の少なさは気になりました。自分がランサーズに入社したときに自分が4番目の社員で、そのような環境で成長できるのか、とても心配でした。
最初の大企業には2年半しかいなかったので、社会人として経験もスキルもない中で、ベンチャーに来て大丈夫なのかと。最初は教えてもらう立場なのでベンチャーに飛び込んで行って、一体誰が教えてくれるんだろうって思いましたが、社長はじめみなとても親切に仕事を教えてくれましたので結果的にその不安は解決されました。

アマテラス:

高科さんが不安だった点は?

高科和史:

一番不安だったのは、自分がエンジニアとしてはビジネス初心者だったことです。エンジニアとしての知識はありましたが、戦力としてばりばりとコードを書くことはあまり経験してこなかったんです。いざ入社してみると、少人数のベンチャーなのにしっかり教育をしてくれて、それこそ一行一行レビューしてもらえました。

自分はランサーズ8番目くらいの社員でしたが他の社員(現CTO)が丁寧に教えてくれましたので、入社前の不安は解決されました。

ランサーズのエンジニア育成制度

アマテラス:

お二人ともランサーズ入社にあたり、社員数の少なさ、スキルアップ、成長ができるのか、という部分が不安だったようですが、ランサーズのエンジニア育成制度についても教えて頂けますか?

高科和史:

師弟制度みたいな感じですね。主にCTOがしっかり教えています。細かい部分まで、こういう時はこうやるとか、設計書を書いて、ここが足りないとか。優秀なエンジニアリーダーが入社してきているので育成制度は拡充してきたいと思っています。

入社してから、この本を読めばよいなど、お勧めの本も教えて頂き勉強もしました。

アマテラス:

木下さんはランサーズ入社前に成長という部分ではとても不安がっていましたよね。社員が少なくて、教えてくれる人が少ないと。

木下慶:

そうですね、むしろ思っていたより手厚い教育でした。大企業のときよりも教えていただいた気がします。大企業は研修、教育制度が確かに手厚いのですがベンチャー企業だとOJTで 本当に実務に即した、今使える技術を実務者が教えてくれて、入社前の不安は払しょくされました。

アマテラス:

『成長』については社員数の多さは関係ないということでしょうか?

木下慶:

そうですね。やはりベンチャー企業では実務業務が多いので、教えてもらいつつも実務をやらないといけないというところでしっかり学べたと思います。実践って大事だなとこの1年で思いました。社員数の多さ少なさというより、実務環境の中で誰に教えてもらうのか、というのが大事だと思います。

逆に人数が少なかったから、教えてもらいつつ実践の場があった。やらざるを得なかった。ただ社内では限界があるとも思うので積極的に社外でエンジニアと交流するということもするようにしています。

エンジニアにとってランサーズ(ベンチャー企業)で働く魅力とは

アマテラス:

実際にランサーズでエンジニアとして働くことの魅力について教えてください

木下慶:

何でもできるところが魅力です。エンジニアという観点から話すと、使うツールとか、サービスにこういう機能を入れてみたいと思えばあまり制約はないですし、やりたいと言って手を動かせばやらせてもらえるのはエンジニアとしては嬉しいです。

例えば開発環境一つとっても、こういうツールを入れればみんなが効率よく動けると思って、こういうのありますよと言える。言わなくてもとりあえず自分のPCに入れてみることが許容される。

アマテラス:

大企業だと何かするたびに都度稟議書いたりして手間がかかることが多いですがランサーズだとサクサクできる。

木下慶:

そうですね。必要な書籍とかも買ってくれるので、エンジニアの環境としてはすごくいいです。

高科和史:

自分にとっては、ランサーズは自社サービスを構築しているというのが大きな魅力です。受託開発の会社ではないので自分達で求める品質を追求できる。大企業で受託開発していると、全然知らない会社の人と一緒に指示された通りに開発を進めて行きます。自分達で創意工夫することが難しい状況でしたがランサーズではそういうことがない。

アマテラス:

同じ理念を持った者が集まり、自分の思ったことを追求できる環境がランサーズにはある。それは自社サービスだからでしょうね。

木下慶:

あと、ランサーズは会社もサービスもとても成長しているというのは魅力だと思います。

高科和史:

その分やらなきゃいけないことが多すぎる(笑) 日々仕事をしていてこのツールを入れたら楽になるのにとか、やりながら気づくことがありますが、目の前の仕事こなさないといけないので、泣く泣く素通りするというのが1日に3回位あります。でもそれはやりたいことがいっぱいあって魅力でもあると思います。

アマテラス:

“成長” という言葉がありましたが“成長”はどういう時に感じますか?

高科和史:

社員が増えているのを見た時ですね。本当に優秀な人が入ってきてとても勉強になります。

木下慶:

確かに。あと、外に行ったときに、ランサーズを知ってもらっているとか、ランサーズに興味を持った人から話しかけてもらえるというのは知名度という観点でサービスが成長して大きくなっているんだなと実感します。

アマテラス:

木下さんは特に4人目の社員だったからでしょうね。

木下慶:

確かにそうですね。自分が入社した頃は全然ランサーズは知られてなかった。会社名も最初はリートだった。途中からランサーズという社名になった。(*2012年5月に社名変更)

高科和史:

僕は8番目の社員ですが入社した頃にはけっこう名が知れた会社になっていたと思います。自分が会社の成長を実感したのは、開発環境のスペックが足りなくなってきた時。
社員みんなで一つのサーバーを使っているのですが、人が増えるたびに一人一人のメモリーが足りなくなってくる。その時にあぁ会社が大きくなってきているなと。

木下慶:

秋好社長自身がエンジニアなので、エンジニアにやさしいことはランサーズならではです。あ、もちろんエンジニア以外のみんなにもやさしいですけど(笑)。ランサーズはエンジニアをターゲットとしたサービスなので、ユーザーを自分の事のように考えますし、喜んでくれる対象がエンジニアなので嬉しいですね。エンジニアってエンジニアが冷遇されているのが嫌とか、良く扱われていると嬉しいというのがある。同じエンジニアとしてエンジニアが喜んでくれると嬉しいです。

ランサーズの仲間達、社風

アマテラス:

ランサーズの仲間や雰囲気について教えてください

高科和史:

世の中に役立つサービス、いいものを作ってやるぞと思っている人が集まっている。

木下慶:

前向きな人が多いのと何か変えてやるという熱い人が多い。

高科和史:

熱いというのと同じかもしれないですが何かやろうという時に、のっかってくれる。大企業だと冷めてる感じ、逃げる人が多いのかもしれないけど。

木下慶:

ランサーズの人はビジョンに共感していますがバックグラウンドは様々です。

エンジニアのベンチャー転職後のキャリアプラン

アマテラス:

今後のキャリアプランについてはどう考えていますでしょうか?

木下慶:

僕はいつか教育系のIT/WEBサービスを作りたいと思っています。そのためにはWEBサービスを作れる人になる必要があるので、しっかりスキルを付けていきたいと思っています。まだディレクターになったばかりですけど、エンジニアで手を動かせて、ディレクターの役割も両方しっかりできるようになりたいと思います。
小さい会社に行くと、経営者が近くにいますし、会社経営に携われる機会も多いので将来起業するときの役に立つと思ってベンチャー企業を選びました。

アマテラス:

木下さんはランサーズに入社して2年弱ですが、考えは間違ってなかった?

木下慶:

そうですね。目指していたことがランサーズでできていてマッチしていると思いますが、もっと傾きというか成長スピードを上げられるなと日々思っています。それは自分次第です。

アマテラス:

高科さんはどうですか?

高科和史:

僕もいつか起業したいというのがあります。僕の場合はまず自分でしっかりとWEBサービスを作れるようになりたいです。今はまさにWEBサービスを作ることをメインにやっていて、勉強になってるなと思います。将来は健康に関わるようなサービスを作っていきたいと思っています。

大企業からベンチャーに転職を考えているエンジニアの皆さんへ

アマテラス:

ベンチャー企業で活躍したいと考えているエンジニアの方(特に大企業勤務)へアドバイスをお願いします。

木下慶:

ベンチャー企業に入る時は社長や社員の方と実際に会って話した方がいいと思います。ベンチャー企業は社員が少ないですし、例えば社員5人の会社に入ってみたら社長としか合わなくて、他の人と合いませんでしたとなったら致命傷です。自分はランサーズ4番目の社員という点がとても不安でしたが、逆に社員みんなと気が合ったので良かったです。

アマテラス:

実際にベンチャー企業入社前に社長や社員にどんなことを聞くべきでしょうか?

木下慶:

僕は夢を聞いていました。将来何をやりたいかとか、何で今このベンチャー企業に入っているのかとか、何を大事にしているかとか、何大事ですかとか、マインドばかり聞いていました。

アマテラス:

人数が少ないからこそ相性が大事ってことですよね。

木下慶:

そうですね。あんまりネットとかで調べすぎない方がいいかなとも思います。受験とか就活と一緒かもしれないですがネットなどに出ている情報を調べすぎて、それに振り回されることもある。やはり社長や社員に会って判断するのがよいと思います。

高科和史:

自分もやっぱり社長に共感できるかどうかが大事だと思います。会社をどういう風にしていこうと思っているかとか、そういうことをちゃんと考えている人の方がいいと思います。ベンチャー企業の場合は社長の考え方がそのまま会社全体の考え方になってくるというのが実感としてあるので、その辺を深く聞いて自分と共感できないようであれば辞めたほうがよいと思います。

アマテラス:

お二人はランサーズ以外にも他のベンチャー受けてきましたがその時の失敗談とか教えて頂けますか?高科さんは明らかに相性悪そうな会社を受けていたように思いましたが(笑)

高科和史:

そうですね(笑) あるベンチャー企業は主に対応してくれていた面接官と社長があまりコミュニケーションとれていなくて、最終の社長面談まで行ったんですけど、社長が入ってきた瞬間からお断りムードみたいな感じで。。 なんで自分は最終面談に来ているんだろうと思いました。

あと社内見学をすると社員間のコミュニケーション状況や社風がわかると思います。ある会社は社長だけが生き生きしてるのですが、他の社員が元気がなくて無表情だった。
社長だけ見て全部判断しようとすると、それも間違いになる可能性があると思います。

アマテラス:

応募する側から見て企業のエンジニアのスキルレベルというのはどう判断しますか?

木下慶:

やはり実際に手を動かしているエンジニアの人とも話したほうがよいと思います。あるベンチャー企業は経験が少ない人がリーダーをしていて、微妙だなと思ったので中で働いているエンジニアの人と話してレベルを確認したりしました。一緒に働いてスキルを確認するわけにはいかないのでそういう人達と会話をして判断していくという方法だと思います。

ランサーズが求めるエンジニア人物像

アマテラス:

ランサーズが求めているエンジニア人材は?

木下慶:

ランサーズの社風や雰囲気と重なるのですが、前向き、明るい、熱い、というような人が向いていると思います。ギークなエンジニア来て欲しいです、いい意味のオタク。考えだしたら寝れなくなってしまうような人がいいですね。

アマテラス:

ランサーズに合うような人物像は?

木下慶:

会社の理念と同じで『新しい働き方』ということに関心をもっている人というのはあると思っています。実際にランサーズ社員の中には、将来オーストラリアで働きたいとか、ヨーロッパ行ったら気に入ったのでヨーロッパに住みながらランサーズのユーザーになって働きたいと思っている人がいる。自分自身が『新しい働き方』に対する考えを持っているとランサーズサービスのイメージが湧くし、サービスを創るのに気持ちも入る。ランサーズのサービスが普及すると自分も将来ランサーズユーザーとして使えると思っている人は多い。

アマテラス:

それは本当に会社の理念やサービスに共感しているということですね。

木下慶:

どこかでビジョンに共感しきれてないと、方針変わった時にあれ?となってしまう。せっかく入社してもゴールは一緒なのに行き方を変えただけで、違うな、嫌だな、となってしまうようだと長く続かないと思います。

高科和史:

趣味や一芸がある人が多いのも特徴です。

木下慶:

座布団まわせるとか(笑) 飲み会でよくやってます、本当に一芸。
お酒好きな人多いです。明るい人が多い。

ベンチャー転職には経験豊かなナビゲーターが必要

アマテラス:

ご自身の転職活動を振り返ってアマテラスに対する感想もいただけますか?

高科和史:

僕個人の転職活動で言うと、アマテラスさんがなかったら、変なベンチャーに行ってしまっていたと思います。転職を後悔していたかもしれません。すごくありがたいです。新卒で大企業に入社して、ベンチャー企業の経験や知識がないので、どのベンチャー企業が良い・悪いという評価軸がないのを、教えてもらえるというのを心強く感じます。

木下慶:

僕も同じですね。アマテラスさんに感謝しています。信頼していますし相談して良かったです。僕は最終面談前に面談の練習していただいたのはとてもありがたかったです。自分がアマテラスに相談したときに、もともとアマテラスとランサーズは付き合いがなかったんですけど、ランサーズが自分に合っているのでは、となってから藤岡さんがすぐに鎌倉に行って秋好社長と面談して、取引を始めてくれました。僕はあの時びっくりしました。あんなにスピーディーに動いてくれるんだって。

アマテラス:

実際に社長に会ってお話をしてみないと紹介できない。社長に会ってみて成長性やビジョンを感じない会社には人を紹介しないことにしています。その意味では秋好社長とは鎌倉の小さなオフィスでずいぶん話が盛り上がってしまって、当時社員3人でしたけどこの会社は絶対大きく成長するな、と確信しました。

木下慶:

ランサーズに決めた理由って藤岡さんのフィルターを通っているので全幅の信頼を置けた。

あと、アマテラスさんの<ベンチャースピリッツ宣誓(詳細は後述)>っていいですよね。
その中の1つに

『原因自分論:全ての原因を自分にあると考える。他人のせいにしない』

ってあるじゃないですか。ランサーズに入社してからあれを思い出すとすっと解決できる。あれはいいなって感謝しています。

アマテラス:

ベンチャー企業では楽しいこともたくさんありますが嫌なことや悪いこともたくさん起こります。そのたびに人のせいにしても自分が成長しない。嫌なことがあってもそうなってしまったのは自分に原因があると思って改善していかないと成長しないから。そもそも秋好さん(ランサーズ社長)がとても前向きでそういう考え方を持っていると思います。 お二人の活躍とても頼もしく思います。今後ますますの活躍祈念しています! 本日は貴重なお話、ありがとうございました<(_ _)>

■ご参考:

<アマテラス ベンチャースピリッツ宣誓>
①プロフェッショナル宣言 :ベンチャースピリッツを発揮しプロフェッショナルとして働く
②原因自分論宣言:全ての原因を自分にあると考える。他人のせいにしない
③チャレンジスピリッツ宣言:失敗を恐れずにチャレンジする
④創意工夫宣言 :出来ない理由を考えるのではなく、どうすれば出来るかを考えその可能性に向けて行動する
⑤勤続宣言:入社を決意した会社では3年以内に自己都合で退職しない

この記事を書いた人

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藤岡 清高

株式会社アマテラス代表取締役社長。iU 情報経営イノベーション大学客員教授。 東京都立大学経済学部卒業後、新卒で住友銀行(現三井住友銀行)に入行。法人営業などに従事した後に退職し、慶應義塾大学大学院経営管理研究科を修了、MBAを取得。 2004年、株式会社ドリームインキュベータに参画し、スタートアップへの投資(ベンチャーキャピタル)、戦略構築、事業立ち上げ、実行支援、経営管理などに携わる。2011年に株式会社アマテラスを創業。 著書:『「一度きりの人生、今の会社で一生働いて終わるのかな?」と迷う人のスタートアップ「転職×副業」術』

ランサーズ株式会社

ランサーズ株式会社
https://www.lancers.jp/

社員数
73名(2014年12月現在)

《 Mission 》
時間と場所にとらわれない新しい働き方の創出
《 事業内容 》
クラウドソーシング事業