本業・副業の両輪で自らの成長スピードを加速させたい

株式会社Lightblue Technologyプロダクトマネージャー 立花優也氏

今回は株式会社Lightblue Technologyに参画している立花優也氏にお話を伺いました。
通信キャリアから大手事業会社に転職され、さらに副業としてLightblue Technology社で働く目的やその魅力、副業先の選び方や心構え、大手企業とスタートアップの違いなど、副業を検討している方にとっては学ぶべきことがたくさんあるインタビューとなりました。

立花優也氏

プロダクトマネージャー
立花優也氏

2009年に大学院を修了後、国内大手通信キャリア企業に入社。以来、10年以上にわたってサービス企画・開発業務に従事。2020年6月より大手事業会社に転職し、不動産領域における新サービスの企画・開発業務に従事。ビジネスと開発両面での経験から、両者のブリッジとしての役割や、プロダクト・プロジェクトマネジメントなどを得意とする。2021年9月よりLightblue Technology社に業務委託でのプロダクト・マネジメントに従事。

株式会社Lightblue Technology

株式会社Lightblue Technology
https://www.lightblue-tech.com/

設立
2018年01月
社員数
30名 ※一部バートタイム含む(2022/7現在)

《 Mission 》
リアル空間にアルゴリズムを導入し、デジタル恩恵をすべての人へ
《 事業内容 》
人にフォーカスした画像解析「Human Sensing」、議事録作成支援ツール「texta」の開発・販売 画像および自然言語処理系の人工知能、AI-IoTシステム、プラットフォームの開発・販売

大学院修了後、大手通信キャリアでAIの研究開発を行う

アマテラス:

はじめに、立花さんがLightblue Technology社に参画される以前のご経歴について教えていただけますか?

株式会社Lightblue Technology プロダクトマネージャー 立花優也氏(以下敬称略):

新卒で就職した先は大手通信キャリアでした。大学・大学院で情報通信やネットワークサイエンスなどを学んでいたため情報通信分野には元々興味がありましたし、通信キャリアのアセットを活用することで、社会を変革させられるような新しいサービスを創れるのではないかと思い、入社を決めました。

最初の配属は研究所で、AIの研究開発など技術的な業務からスタートしました。AIが今ほど騒がれている時代ではなく、研究や実用化に向けた取り組みをしていました。組織が比較的新しかったこともあり、自分たちのチーム力を上げるために組織づくりやプロセス構築などにも深く関われたことは非常に面白かったです。

スキルや経験を積み、「もっと成長したい」と大手事業会社への転職を決意

立花優也:

10年ほどの在職期間中には、AIの研究開発など技術寄りの業務の他に、戦略設計や企画などの上流工程まで幅広く経験を積み、複数の新規事業にプロダクトマネージャーとして関わらせていただきました。そんな中で、「もっと自分のスキルを伸ばし、色々な経験を積んで成長したい」という思いがどんどん強くなり、最終的に、転職して新たな環境でチャレンジすることを決意しました。

アマテラス:

転職先はどのような基準で選ばれたのでしょうか?

立花優也:

スタートアップなども選択肢にはあったのですが、学生時代から変わらず抱いていた「社会を大きく変えられるようなサービスを作りたい」という思いを実現できるのは、やはり新規事業などに積極的に取り組んでいる大手企業だろうと考えました。そして、業界の変革に取り組んでいる事業会社からプロダクトマネジメント職でオファーをいただき、転職しました。

現在は不動産部門のプロジェクトに所属していますが、主にプロダクトの戦略設計やディレクション等、プロダクトマネジメントに携わっています。最近ローンチもでき、とても楽しく働いています。

更なる成長とスタートアップ参画機会を求めてアマテラスに登録

アマテラス:

立花さんは正社員として転職された一年後に、副業希望としてアマテラスに登録されました。副業を検討されるようになった理由をお聞かせ下さい。

立花優也:

理由は大きく2つあります。
1つ目は初めの転職のきっかけでもあった「もっとスキルを伸ばして経験を積みたい」という思いです。プロダクトマネジメントは職務の領域が非常に広く、プロダクト以外にもビジネスの検討や開発ディレクションもやりますし、UI/UXにも強くなければいけません。それらの知識を広げるためには座学やセミナーでのインプットも大切ですが、副業を通じて新たな実務経験を積むことで、自分の成長スピードを加速させられるのではないかと考えました。会社には副業を推奨する仕組みもありましたので、思い切ってチャレンジしてみることにしました。

2つ目は、スタートアップやベンチャーと呼ばれる企業で働くことに興味があったからです。それまで大企業でキャリアを積んできましたが、大企業とは異なるアプローチで社会変革や新規事業に取り組む人たちと一緒に働いてみたいと考えました。

アマテラス:

副業先を検討するにあたり、どのようなことを重視されましたか?また、懸念されていたことはありますか?

立花優也:

「その仕事が自身の成長に繋がるか」、「キャリアにどのような効果をもたらしてくれるか」を常に考えて検討しました。
懸念していたのは本業やプライベートへの影響や稼働時間についてです。現業もフルタイムですから、ワークライフバランスを保ちつつもきちんと成果を出すためにも、過度な稼働時間やストレスが予想される副業先は辞退しました。

期待される役割や成果を確認しながら副業先を選択

アマテラス:

副業先はどのようにお探しになったのでしょうか。

立花優也:

大手の副業サイトを中心に、複数の会社に登録しました。一般的なエンジニア職と比べ、私の経験や強みを活かせるプロダクトマネージャーやプロジェクトマネージャーのような職種で、かつ稼働時間が希望と合致する募集は多くなかったためです。
サイトに職務経歴を登録してオファーを待ちながら、自分でも職務要件などを検索しながら面白そうな会社にエントリーしたりしていました。

アマテラス経由以外で内定をいただいた会社もいくつかありましたが、最終的に辞退しました。辞退の主な理由は、面接を受ける中で自分がその人と、またはその会社で働くイメージが湧かなかったことです。

例えば、細かな業務内容をすり合わせたいと思っても、「何も決まっていないからよろしく」と言われたりすると、限られた稼働時間の中で期待どおりにパフォーマンスすることは難しいと感じました。自分の中でそこまでのリスクを取れなかったことと、期待する役割や成果を明確にしないまま丸投げする会社は信用できないと感じ、辞退という結論に至りました。

Lightblue Technology社の決め手は、高い技術力・若手の多さ・社長の誠実さ

アマテラス:

Lightblue Technology社に決められた経緯をお聞かせ下さい。決め手はどんなところでしたか?

立花優也:

アマテラスに登録して間もなく、代表の園田さんからスカウトのメッセージが着ました。東大発のスタートアップで確かな技術力を有していると感じ、興味を持ったのが始まりです。技術力のあるスタートアップで働くことで、特に技術面での成長が期待できると考えたのです。また、若い社員やインターン生の多いメンバー構成は未経験だったので、そのようなチームをマネジメントするのも面白そうだと感じました。

先程も触れたとおり、私は細かな部分までしっかり調べた上で副業先を決めたいと考えていたのですが、園田さんからは業務内容、チーム構成、会社の強みや文化、私に対してどんな期待をしているか等、丁寧な返答がありました。また、やり取りの中で園田さんと私が大学院で同じ専攻だったことが分かり、その人柄も相まって親近感を持ったことも決め手のひとつになりました。面接は1回のみで、あとはメッセージをやり取りする中で参画を決めました。

月20時間就業し、5名のチームを率いる

アマテラス:

Lightblue Technology社でどのような業務を担当され、どの程度の工数を割いているのでしょうか。

立花優也:

新規に立ち上げた独自SaaSのプロダクトマネジメントをしています。具体的には全体工程のチェックや仕様確認、各工程の進捗管理や各メンバーのタスクの状況確認やファシリテーションなどを行っています。工数はそこまで多くなく、月20時間前後です。

チームは私を含めて5名の編成です。まず全体の仕様の整合性などを見てくれるリーダーがおり、その他にリードエンジニアとインターンが2名。インターンはテックリードのサポートやコンテンツ開発など役割分担をしながら進めています。私はその全体を見ている形になります。

アマテラス:

メンバーとのコミュニケーションが必要なポジションだと思いますが、どのように進めていらっしゃいますか?

立花優也:

普段のやり取りはSlackで行っていますが、週次の定例会ではZoomを利用した対話型のコミュニケーションを取っています。定例会では業務上の課題の確認や、それに伴うスケジュールの調整などをしています。

アマテラス:

Lightblue Technology社との契約は順調に更新されているようですが、立花さんご自身はどのような点を評価されているとお感じでしょうか。

立花優也:

これまで培ってきたマネジメントスキルを評価していただいているのではないでしょうか。若いメンバーが多い組織はどうしてもマネジメントが手薄になる傾向があります。そこをうまく補完させていただけているのではないかと思います。

最先端技術に、そして、会社の成長プロセスに関われることが魅力

アマテラス:

実際に副業で参画されて、Lightblue Technology社で働く魅力はどんなところにあると思われますか?

立花優也:

Lightblue Technology社はAI・データ解析・アルゴリズム・IoT実装などを強みとした企業なので、最先端の技術に触れ、その技術を生かしたサービス開発に携わることで技術的に成長できる点が一番の魅力だと感じています。

また、会社や社員の皆さんがどんどん成長しているところでもあり、そのプロセスに私自身が関われるのは大変興味深く、楽しく働いています。
働き方も多様で、社員やインターン、業務委託など様々な立場の人がいますが、職種に関係なくうまく助け合っており、雰囲気の良い働きやすい職場だと感じています。

スピード優先で進めるスタートアップの働き方を実感

アマテラス:

大企業とスタートアップでの働き方で異なる点があれば教えて下さい。

立花優也:

大手とスタートアップの働き方については、品質やドキュメントに対する考え方が大きく異なると実感しています。

大企業であれば関係者も多いため仕事の進め方にはある程度決まったステップがありますし、異動に伴う引き継ぎなどもあるので設計書などのドキュメントは手厚く作成する傾向があります。
他方スタートアップは、少人数で開発することも多いため、ドキュメントは必要最小限にとどめ、スピードが優先されるケースがあると思います。

本業・副業をうまく切り替え、限られた時間で最大限のパフォーマンスを

アマテラス:

副業での参画に苦労された点はありますか?その克服のために工夫されたこともお聞かせ下さい。

立花優也:

苦労という程ではありませんが、本業と副業の2つの業務を並行してこなすので、頭の切り替えが少し大変です。それぞれの業務に極力影響を与えぬよう、最大限の配慮を行うことを心がけています。今は本業も副業もフルリモートなので、時間で区切って「ここからはこちらの業務」というように明確な線引きをするようにしています。

また、本業に加えて副業をしていることで、必然的に長時間労働になります。結果的にどちらの生産性も落ちてしまうことのないように、限られた時間で最大限のパフォーマンスを出せるよう時間の管理はかなり意識しています。

そのためには、自分の持っている能力と求められるアウトプットの期待値を様々な角度からしっかり見極めることと、自分に求められていることは間違いなく完遂していくことが大事だと感じています。
特に、私の場合は時間給ですので、求められていないことを勝手にやらないようには気を付けています。新しいことをやるときには、その都度上司に確認してから進めるようにしています。

自分で業務の線引きができない人や、指示待ちになってしまいがちの人に副業はあまり向いていないのかもしれません。

就業形態に関わらず、期待値を超えるアウトプットを出すことで成長に繋げる

アマテラス:

長期間関与する正社員と、契約期間や成果の期待値が明確な業務委託で、働き方に違いはありますか?

立花優也:

そういう考え方もありますが、私自身は本業、副業という捉え方はせず、常に「自分には今何ができるのか」を考えながら働いています。
自分のスキルを伸ばしキャリアアップを目指したいという気持ちが強いので、どのような立場や仕事であっても求められる期待値を超えるアウトプットを出すことで成長や評価に繋げていくという自身のスタンスに変わりはありません。

インタビュー日が初めてのオフィス訪問だった立花さん(右から2人目)とメンバーの皆さん

副業なら、スタートアップにお試し参画できる

アマテラス:

立花さんは、スタートアップで副業を行う楽しさや魅力はどこにあるとお考えですか?

立花優也:

全く異なる文化を持った会社に、ある意味お試しのような形で参画できる点に大きな魅力を感じています。
私のように大企業で働いた経験しかない人間にとって、いきなりシードやシリーズAのようなスタートアップに転職するのは相当の覚悟が必要です。まずは副業という形で参画できれば適性を見ることができますし、スタートアップの勢いや不確実性を体験することは、きっとその先のキャリアにも繋がっていくはずです。

副業先を探す前に、まずは副業の目的を明確化する

アマテラス:

スタートアップでの副業や業務委託を考えている方へのアドバイスも伺いたいと思います。副業先・業務委託先を選ぶ際、どのようなポイントに気を付けると良いでしょうか。

立花優也:

「給与をアップするため」、「キャリアアップするため」など、副業の目的を明確化することをお勧めします。給与アップが主目的であれば、希望の職務と多少マッチしていなくても給与が高ければ受け入れられると思いますが、キャリアアップが主目的の場合は職務要件や携わる業務の詳細、求められるアウトプットの期待値などを事前にしっかりすり合わせておくことが大切です。

また、スタートアップは社長やボードメンバーとの距離がとても近いので、相性も重要です。面談の際などに確認しながら選ぶと良いと思います。

大企業と比較すると、スタートアップは組織や業務の進め方が未整備であるケースが多いです。環境が整っていない中でも自分で道を切り開いていくのが得意な方や、カオスな状況を楽しめる方にはお勧めかと思います。

副業を始めるのはある程度のスキルを身に付けてから

アマテラス:

ご自身の経験もふまえ、副業を始めるタイミングについてはいつ頃が良いと思われますか?

立花優也:

基本的には、自分がやりたいと思い、オファーが来るのであればいつでも良いのではないでしょうか。ただ、ベースとなるスキルがない状態ではオファーも来ないでしょうから、必然的にある程度経験を積んでからになりますよね。

私自身の場合は、キャリアの初期から複数のプロジェクト事業にパラレルで携わってきた経験がありましたし、入社4~5年で開発の現場だけでなくマネジメントなども任されるようになりましたので、この位のタイミングで問題なくオファーを受けられる位の経験は積めていた気がします。

最近は新卒の時点で副業を希望する人もいるようですが、スキルがない状態では単純に労働時間の切り売りになってしまうので、それが本当にやりたいことでないのであれば勿体ないと感じます。もちろん学生時代からインターンでバリバリ働いている方もいらっしゃいますから、あくまでも個人の持つスキルとのバランスになるかとは思いますが、こつこつと経験を積み上げ自分を成長させていくことはやはり大切だと感じます。

今後も本業・副業トータルでキャリア形成を

アマテラス:

最後に、立花さんが描く今後のキャリアビジョンについてお聞かせ下さい。

立花優也:

本業では、まずは現在プロダクトマネージャーとして携わっている事業をしっかり成長させ、社会や業界の進化のため尽力したいと考えています。
同時に、副業でも引き続き様々な領域や事業にチャレンジしてみたいという気持ちを持っています。

今後も本業と副業のトータルで自身のキャリア形成を図り、新規事業開発を通じて社会の進化に貢献し続けていきたいと考えています。

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アマテラス編集部

「次の100年を照らす、100社を創出する」アマテラスの編集部です。スタートアップにまつわる情報をお届けします。

株式会社Lightblue Technology

株式会社Lightblue Technology
https://www.lightblue-tech.com/

設立
2018年01月
社員数
30名 ※一部バートタイム含む(2022/7現在)

《 Mission 》
リアル空間にアルゴリズムを導入し、デジタル恩恵をすべての人へ
《 事業内容 》
人にフォーカスした画像解析「Human Sensing」、議事録作成支援ツール「texta」の開発・販売 画像および自然言語処理系の人工知能、AI-IoTシステム、プラットフォームの開発・販売