~インタビューに至った背景~
大谷社長の著書
『大企業は20代でやめなさい ~大企業からベンチャーへの逆ステップアップ論~』
という魅力的かつ刺激的な題名に魅かれ、迷わず買いました。
読了後、大谷社長にすぐに会って話を聞きたいと思い、本の内容に強く共感したことをしたため、面談依頼の手紙を出した翌日に私の携帯電話が鳴りました。
『武蔵コーポレーションの大谷です。ぜひ会いましょう。』
これまで面談依頼の手紙を出した翌日に電話を頂いたのは、テラモーターズ株式会社の徳重社長に続き2人目。さすが勢いのあるベンチャー経営者は動きが速い。
現在37才、設立7期で売上高21億円、経常利益2億円弱の不動産ベンチャーの創業社長に、起業の背景、経営手法について迫りました。
代表取締役社長
大谷義武氏
1975年 埼玉県熊谷市生まれ
1994年 浦和西高校卒業
1999年 東京大学経済学部卒業
1999年 三井不動産株式会社入社
2005年 同社退社、さいたま市で有限会社武蔵コーポレーション設立
現在に至る
株式会社武蔵コーポレーション
http://www.musashi-corporation.com/index.php
- 設立
- 2005年12月
- 社員数
- 40名(パート、派遣社員含む 2013.4月時)
《 事業内容 》
収益用不動産の売買・仲介・賃貸管理
不動産ソリューションを活用して富裕層をより活性化させ、日本経済をより豊かにしたいです。
御社の事業内容を教えてください
収益用不動産を用いた*富裕層向けの資産運用コンサルティングを行っております。
(*富裕層:年収1,000万円以上の方を対象としています)
現在、シニア層の不動産を売りたいというニーズが増大しています。
1)高い相続税
2)上昇し続ける空室率(約20%)
-賃貸アパートの供給過多の時代
3)空室を減らすために不動産を『経営・管理』していく能力がより強く求められるが困難
上記理由によりせっかく保有している収益用不動産を手放さざるを得ないオーナーが増えています。
一方で若く新しく生まれてきている富裕層は得た資金を有効に使うため、収益用不動産を得たいというニーズがあります。当社の不動産ソリューションを活用してこのニーズギャップを解消し、富裕層をより活性化させ、日本経済をより豊かにさせていきたいという思いがあります。
リーマンショック後、不動産ベンチャーの多くが姿を消しました。御社は成長著しい不動産ベンチャー企業として異色です。なぜこのような成長を遂げているのでしょうか? (業績グラフ参照)
特に特殊なことをしているという認識はないのですが、会社としての価値観や考えを明確にして、それに共感した社員が高いモチベーションを保ち、自律的に動いているという点があると思います。
武蔵コーポレーションの『価値観・考え』 とはどのようなものでしょうか?
仕事の目的は、仕事を通じて幸せな人生を手に入れることです。
幸せになるためには、「やりがい」と「報酬」の二つが必要になります。
『やりがい』とは
・お客様から感謝される
・上司に評価される
・自分が作った仕事で達成感を得る
ことであり、やりがいを感じられる高いレベルの仕事に対してはそれに応じた高い報酬も必要と考えています。
また、仕事は人生そのものであり、生きがいであると思います。
人生の大半を占める仕事を『楽しむ』べきであり、当社では『ライフワークアンバランス』という考えを提唱しています。
当社にはこのような考えに共感したメンバーが集まり、年齢に関係なく、やる気さえあればいくらでも自分の能力を高めることができるようチャンスを提供しています。
ですので、一見ハードワークに見える仕事も当社社員は自らの成長のためにポジティブに立ち向かっている点は強みとなっています。
組織とは『理念共有体』であると考えており、価値観共有レベルの高さが強みといってもいいかと思います。
大谷様の著書やサイトを拝見すると事業運営にもいろんな創意工夫がされていると思います。御社ならではの工夫なども教えて頂けますか?
たくさんありますが、事業領域、ターゲット、エリアを絞り、特化している点があります。たとえば、事業内容は投資用不動産専門に特化、ターゲットを富裕層(年収1,000万円以上の人)に特化、地域を埼玉県を中心とした北関東エリアに特化、、など、大手と戦っても局地戦では勝てる分野に絞っています。美味しい寿司を食べたいと思ったらファミリーレストランに行かずに評判の寿司屋に行きたいと思うように、強みに特化してお客様により高い満足を提供するようにしています。
また、通常不動産会社は収益用不動産物件を販売したらそれで終わり、ということが多いですが、弊社はアフターフォローもきめ細かく対応することで強い信頼を得ています。一般的には収益用不動産の空室率は上昇傾向にあり、約20%と言われていますが、当社が手掛けている物件の空室率は約4%です。当社から物件を買ったほうが高い収益につながるのでお客さんに選ばれています。
空室率で約5倍の違いがありますね。私なら御社を選びます。なぜ空室率4%という驚異の数字を実現できているのでしょうか?
特殊なことをしているわけではないと思いますが、社員が強い仲介業者と強固な信頼関係、人間関係を構築しているため、当社の物件には優先的に入居者を案内してくれていると思います。また、賃貸営業部の社員は一日70件、仲介業者を訪問して情報連携しています。通常の会社では一日20件ほどしか回らないようですが行動量の違いは明確です。
FAX・DM配信なども行っていますが、さきほど申し上げた社員の質、高いモチベーションが仲介業者との強い信頼関係を構築し、このような数字を達成していると思います。
さきほどオフィスの様子も拝見しましたが、不動産会社とは思えぬ静かな、スマートな雰囲気でした。一般には不動産会社のオフィスイメージは戦場のようになっているのですが・・
当社は全てプル型営業(反響営業)で集客をしているためです。不動産業界のイメージって、
・一日に500件のテレアポ
・100件の飛び込み
・高いノルマ、社内に棒グラフ
・怒声が飛び交い、営業マンが目標達成のために強引な営業を行う。。
などがあると思います。
当社はベンチャーなので、他社と同じ手法、従来と同じ手法で戦っていては勝てませんので、頭をフルに使って他社と違うやり方を常に模索していています。
例えば、書籍の出版、小冊子の発行、セミナー開催、ブログ、メルマガ、DM等の手法で関心を持って問い合わせをいただいた方に有益な情報を提供するというプル型(反響)営業スタイルを行っています。
武蔵コーポレーションの今後の展開を教えてください。
平成28年に売上高100億円という目標を掲げています。その実現のためには、現在の北関東中心の活動から一都三県、さらには全国の地方都市に活動を展開していきたいと思います。
武蔵コーポレーションの経営課題は?
やはり人材の採用・育成に尽きると思っております。平成28年に売上100億円を達成するためには武蔵コーポレーションの理念に共感してくれる優秀な仲間が必要です。
武蔵コーポレーションで活躍している人材イメージ、望む人材イメージは?
素直な人が活躍していると思います。うまく行かなくても人のせいにせずに謙虚に原因を考え、自ら動けるようなタイプですね。
また、チームプレーにの精神を持った人が良いです。当社の社訓には『会社はチームであり、常にチームプレーに徹すること』とあります。ですので、個人の力量に依存する営業手法は行っておらず、給料も歩合ではなく固定給です。チーム全員で仕事をしているからこそ仲間社員の成果を本気で喜べると考えています。また、お客様についても『会社のお客様』であって、『俺のお客様』という考え方は一切ありません。
武蔵コーポレーションに入社して得られることは何でしょうか?
ベンチャー企業ならではの経験を通して、以下のことがあげられると思います。
1)経営者の感覚
・まだ正社員20名程度(2013.4月時)の会社ですので、経営の一端を担う経験
・お客様が富裕層の方々で経営者も多く、経営者の考え方が身に付きます
2)お客様からの直接の感謝
・これは仕事をする上での一番の報酬だと考えます
・仕事を通じて感動を得られる機会が多い
- オーナーズクラブなど会員組織の運営を通じて
3)マネジメントスキル
・若い会社なので、若くして管理職になるチャンスがあり、部下を持って仕事ができる経験
4)権限を持った幅広い仕事
・現場の担当者が権限を持っているので、現場レベルでスピードを持って意思決定を行い仕事を進められる
5)勢いのある熱い仲間
大谷社長、ありがとうございました!
株式会社武蔵コーポレーション
http://www.musashi-corporation.com/index.php
- 設立
- 2005年12月
- 社員数
- 40名(パート、派遣社員含む 2013.4月時)
《 事業内容 》
収益用不動産の売買・仲介・賃貸管理