持続可能な社会を実現するスタートアップとは

地球の未来を守るスタートアップ

持続可能な社会とは、「地球環境が適切に保護され、将来の世代が必要とするものを損なうことなく、かつ現在の世代の要求を満たすような開発が行われている社会」といわれています。このような社会を実現するためには、既存のシステム内での個人的な意識の改革だけでなく、新たな技術やシステムの開発が必須です。そこで、アマテラスが注目しているサステナビリティ領域に特化したスタートアップ・ベンチャー企業を4社ご紹介致します。

チャレナジー株式会社

チャレナジー株式会社は「風力発電にイノベーションを起こし、全人類に安心安全な電気を供給する」ことをミッションに掲げています。代表取締役の清水敦史氏は、東日本大震災とそれに伴う原発事故を目の当たりにし、エンジニアとしてエネルギーシフトに革命をもたらす事業を興すことを決意しました。そして垂直軸型マグナス風力発電機を開発し、現在は量産に向けた準備中です。既存のプロペラ式風力発電機は、広大な建設用地に確保が必要なことや、台風の際には発電できないばかりか発電機自体が壊れてしまうという問題点を抱えており、なかなか電力生産におけるシェアが上がりませんでした。しかし、チャレナジー社の風力発電機は巨大なプロペラを有さないため比較的狭い用地にも建てられ、建設コストも従来のものより安く抑えられます。また、風速に合わせて発電量を制御できるため、台風などの強風時の発電の可能性も秘めています。

みんな電力株式会社

みんな電力株式会社は、「世界の電力に、選べる自由と楽しさを」を合言葉に、世界でも類例のない電力小売サービス「顔の見える電力」を提供しています。代表取締役の大石英司氏は凸版印刷株式会社在籍時に、商品やサービスの本質の部分に関わる事業を起案したいという思いから、すべての産業の“原料”となる電力事業での起業を決意しました。そして、「誰が生産した電力なのか」、「どうやって生産した電力なのか」を選択して購入できるためのプラットホームをつくることで、消費者が楽しく再生可能エネルギーを使用することを可能にしました。また、日本の高い電気代を安くするための次世代エネルギー事業の良質な研究開発を支援するなど、1つの事業にとどまらず、再生可能エネルギーの普及、さらにはその先にある「持続可能な社会の実現」を目指しています。

日本環境設計株式会社

日本環境設計株式会社は、「あらゆるものを循環させる」ことをビジョンに掲げ、経済的に自立した循環型社会の実現を目指しています。事業の1つである≪BRING≫プロジェクトでは、様々な企業と提携して衣類などを回収し、使えなくなってしまったものはポリエステル原料やジェット燃料・バイオエタノールなどにリサイクルし、まだ使えるものは寄付やリユースしています。また、取締役会長の岩元美智彦氏は循環させることに「楽しい」を加えることの重要性を唱えています。NTTドコモが展開する「みんなのメダルプロジェクト」に参画し、使用済み携帯電話などから回収した貴金属によって2020年の東京オリンピックのメダルを作ったり、映画バック・トゥ・ザ・フューチャーの中に登場する、ごみをエネルギーにして動く自動車「デロリアン」の走行を実現するなど遊び心のある企画も手掛け、エンターテインメントと循環を組み合わせています。

株式会社REXEV

株式会社REXEVは、e-モビリティ特化型のカーシェアリングサービス事業や、スマートシティ構想を展開している注目スタートアップです。住友商事の再生エネルギー部門やスタートアップで経験を積み、再生可能エネルギー領域に関して日本有数の知見を持つ代表取締役社長の渡部健氏は、すべての人が限界費用ゼロで移動できる持続可能な社会インフラの実現をビジョンに掲げています。REXEV社のe-モビリティは、自動運転により人件費をなくし、またe-モビリティの駆動に必要な電力も極力再生可能エネルギーにより発電されたものを使用することで限界費用がゼロになります。さらには、小田原市と提携して、人・モノ・エネルギーが循環するスマートシティの実現を目指しています。

おわりに

100年後の将来の世代がこの地球で楽しく健康に暮らすためには、個人の意識の改革に加えて、新たな技術やシステムの開発が必須です。アマテラスとしては、「チャレナジーの風車で発電した電力を、みんな電力を通じて購入して使用する」未来、「日本環境設計がリユースした衣服を着て、REXEVのカーシェアで移動する」未来、「さらに革新的な方法で持続可能な社会の実現を目指すスタートアップが次々と出てくる」未来を願っており、今後もそのような企業を応援していきたいと考えています。

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アマテラス編集部

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