微細藻類の力で、地球規模の課題解決を目指す

株式会社ノベルジェン代表取締役 小倉淳氏

地球温暖化をはじめとする気候変動問題は、人類の生活や生態系に深刻な影響を与えており、課題解決への行動が求められています。

株式会社ノベルジェンは、微細藻類の持つ優れた二酸化炭素吸収能力や水質浄化能力に着目し、その力を最大限に活用することで地球規模の課題解決を目指す大学発のスタートアップ企業です。
その革新的な技術は、国や自治体が主宰するさまざまなビジネスコンテストや補助金事業で高く評価され、複数の採択を受けています。

今回は代表取締役の小倉淳氏に、微細藻類に着目した理由や地球規模の課題解決という壮大な目標に向けて起業された経緯、ノベルジェン社の魅力や自然豊かな長浜で働く面白さについて伺いました。
また、CSOの工藤幸一氏からは、転職者ならではの外部の視点から見たノベルジェン社の魅力についてお聞きしました。

微細藻類という小さな生命体が秘める大きな可能性にワクワクしたい方、ぜひご一読下さい!

 

小倉淳氏

代表取締役
小倉淳氏

長浜バイオ大学・ゲノム多様性研究室主宰
株式会社ノベルジェン設立、経営及び研究開発を牽引

東大農学部(遺伝子工学)、東大大学院農学生命科学研究科(微生物微細藻類)、総合研究大学院大学(ゲノム生物学)修了
博士(理学)
遺伝子工学・微生物微細藻類学・情報生物学を専門とする。
長浜バイオ大学・バイオサイエンス学部教授。基礎研究を用いた社会課題解決のため株式会社ノベルジェン起業。
微細藻類を用いた環境浄化技術を開発。プロジェクト・イッカクではEco Trinityのリーダーを務め、自律分散ごみ処理システムの生物浄化システム開発を担当。

株式会社ノベルジェン

株式会社ノベルジェン
https://novelgen.jp/

設立
2019年10月
社員数
14名

《MISSION》
生物の力で地球と共生する新世代の社会を構築する
《事業分野》
新素材・バイオテクノロジー / サステナビリティ・環境
《事業内容》
微細藻類の力を最大化して下記の地球課題を解決するソリューション=グリーントランスフォーメーション (GX) 技術を提供します。
・地球温暖化問題
・水浄化問題
・マイクロプラスチック問題
赤潮発生に関わる分子メカニズムの解明研究を行なっていたことを活かして、微細藻類の力を最大化するAlgal Bloom Capture技術(ABC技術)を開発しました。ABC技術をコア技術として、微細藻類を用いた様々なソリューション技術の研究開発を行なっています。
現在は、微細藻類を用いた養殖、水浄化、CO2固定などの技術に関する研究開発を行っています。

武蔵野台地の豊かな自然に囲まれた子供時代を過ごす

アマテラス:

はじめに、小倉さんの生い立ちや、現在のお仕事に繋がる原体験などについてお聞かせいただけますか?

株式会社ノベルジェン 代表取締役 小倉淳氏(以下敬称略):

私は東京の小金井市や町田市など、ジブリの『平成狸合戦ぽんぽこ』の舞台のような自然豊かな環境で育ちました。開成中学への入学を機に通学の便が良い場所に引っ越しましたが、子供時代に過ごした武蔵野台地の豊かな自然は、現在の仕事に繋がる大切な原体験となっています。

家族構成は両親と私の3人家族です。父は元々システムエンジニアでしたが、その後独立してIT系の人材派遣会社を経営していました。比較的教育熱心な家庭で、「教育は財産だ」という考えのもと、受験勉強以外にも様々な体験をさせてもらいました。

アマテラス:

研究者を志すようになったきっかけは何だったのでしょうか?

小倉淳:

具体的なきっかけは正直なところ記憶があいまいですが、小学生時代の卒業文集を読み返すと、その頃から研究者を目指していたようです。もともと環境問題や生態系、生物学などに興味があり、NHKの「地球大紀行」などを熱心に見ていたことを覚えています。

また、利根川進博士がノーベル賞を受賞したことにも大きな影響を受けました。「日本から世界一の研究者になれる」という事実に感銘を受けたことが、研究者を志す原点になったのかもしれません。

大学では微生物・微細藻類学、大学院ではゲノム生物学を専攻

アマテラス:

大学や大学院ではどのような研究に従事されていたのでしょうか?

小倉淳:

東京大学の農学部では、遺伝子工学を習得した後に微生物・微細藻類学といういわゆる小さい生物の研究を専攻しました。
微細藻類というのはいわゆる植物プランクトンです。植物プランクトンは約20億年前に大繁殖し、酸素のない地球を酸素に満ちた星へと変えた生物の先駆者です。
地球環境を劇的に変えたのが高等生物ではなく、こうした微生物や微細藻類だったということに強い興味を抱き、さらにこの分野を深く学びたいと思ったことが、この分野を選ぶ端緒となりました。

東京大学で修士課程を修了後、遺伝情報を扱う進化学などの新しい分野の研究を行うため、総合研究大学院大学の遺伝学専攻博士課程に進学しました。日本で初めてDNAデータバンクを設立した、遺伝学・進化学の世界的第一人者である五條堀孝教授のもとで学びたいと考えたのです。

総合研究大学院大学ではゲノム生物学を専攻しました。
ゲノム生物学では、膨大な遺伝子情報を解析することで、生命の仕組みや進化の過程を解明します。ヒトゲノム解読の完了を機にこの分野は急速に発展しており、私もその流れの中で、情報生物学やゲノム生物学を用いた研究に従事することにしました。

アマテラス:

研究分野を変えて、新たな気付きはありましたか?

小倉淳:

はい、微生物・微細藻類学からゲノム生物学へと研究対象を転換した経験は、私にとって大きな転機となりました。

一つの分野に深く没頭すると、どうしても行き詰まる瞬間があります。しかし、視点を変えて新たな研究領域に飛び込むことで、実はさまざまなアプローチがあるのだという気付きを得ることができました。
この経験から、研究においては、深い専門知識だけでなく、柔軟な発想力も新たな突破口を開く重要な鍵であることを学びました。

研究者として社会問題の解決に貢献するため、ノベルジェン起業を決意

アマテラス:

博士課程修了後、長浜バイオ大学に来られた経緯について教えて下さい。

小倉淳:

研究者のキャリアには、大きく分けて2つの道があります。
1つはポスドクや研究員として他の研究者のプロジェクトに参画する道、もう1つはPI(Principal Investigator)として研究室を率い、自身の研究テーマを追求する道です。
私は後者を選び、PIを目指してきました。研究そのものや実験よりも、研究テーマを見つけ、深めていくことに魅力を感じたからです。

PIというポジションは主に大学から公募されますが、この公募は非常に専門的であり、募集も頻繁ではありません。私も自分の研究分野での公募を探し、その結果、ここで採用されたというのが経緯です。
アカデミックの世界において、研究テーマやキャリアプランに戻づいて最適な場所を選ぶことは極めて重要です。私の場合は、それが長浜バイオ大学だったということです。

アマテラス:

その後、ノベルジェン起業に至った背景についてもお聞かせいただけますか?

小倉淳:

PIとして研究を進める一方で、私には「社会課題の解決に、研究者として貢献したい」という強い思いがありました。
温暖化や水浄化問題など、地球が直面する様々な課題に対し、遺伝子工学、微生物・微細藻類学、ゲノム生物学などの私の知見や技術力が活かせるのではないかと考えたのです。

このアイデアを研究開発のスタートアップピッチで発表したところ、予想以上に高い評価をいただきました。これをきっかけに、自身の研究成果を社会実装し、社会課題の解決に貢献するために、起業を決意しました。

アマテラス:

起業というのは「社会貢献したい」という思いだけでは難しく、かなりの覚悟が必要だと思います。起業に対して不安はなかったのでしょうか。

小倉淳:

幸い、あまり不安を感じることなく起業することができました。
近年、大学発スタートアップが注目されていますが、大学にはシーズや環境が整っており、多額の資金調達も必要ないという点で、実は起業に適した環境です。
私自身も大学教授としての職務を兼任しながらラボを拠点とする起業だったため、大学から給与を得つつ研究に必要な設備も大学のラボ内に揃っており、初期投資が不要という恵まれた状況でした。

多くの起業家が直面する初期の苦労を回避でき、将来に対する不安もさほど抱かずに済んだこと、そして兼業自体認めない研究機関が多い中で起業を許可していただき、研究成果を社会に還元する挑戦を後押ししていただいた長浜バイオ大学には大変感謝しています。

インタビューは長浜バイオ大学インキュベーションセンター内のノベルジェン社にて行われた。小倉氏(左側)とインタビュアーの弊社藤岡(右側)

事業志向の研究者採用に苦労する

アマテラス:

2019年の創業から5年が経ちました。この間、経営者・小倉さんがどのような壁に突き当たり、どのように乗り越えていらしたかお聞かせ下さい。多くの起業家がお金と仲間集めに苦労しますが、小倉さんの場合はいかがでしたか?

小倉淳:

仲間集めは確かに難しい部分がありました。
大学発スタートアップということもあり、当初は大学の研究者に協力してもらう形で研究開発を進めていたのですが、次第に大学と企業では目指すところが異なることに気付きました。

大学の研究者が個別の現象に対し学術的なアプローチをする一方で、企業はプロダクトを作り、マーケットに向けた事業指向の研究を進める必要があります。
この違いを放置することは事業を進める妨げになりかねないことが分かり、企業での経験がある研究者を集めようと考えたのですが、意外にも集まらなかったというのが第一の仲間集めの壁でした。

 

アマテラス:

このような仲間集めの課題は、どのように解決されたのでしょうか?

小倉淳:

特に創業初期にはさまざまなスタートアップピッチに参加し、ノベルジェンの技術やビジョンを広く知ってもらう努力をするとともに、そこで出会った人たちに積極的に声掛けを行い、チームメンバーを募りました。

また、ノベルジェンは創業以来、国や自治体が主宰するビジネスコンテストや補助金事業に複数採択されています。プログラムには大学の研究者や企業の経営者が関わっており、審査を通過した企業は高い技術力に対する一定の評価が保証されます。
これらの評価がレピュテーションとなり、少しずつ「入りたい」という人達が集まってくれるようになりました。

長浜の多様なスキルを持つ人材に新たなチャレンジ環境を提供したい

アマテラス:

御社は長浜というやや特殊な場所に立地していますが、採用はどのように進めていらっしゃいますか?

小倉淳:

長浜にも多様な技術やスキルを持った人材がおり、フルタイムを含む多くのメンバーを地元で採用しています。
ウェブサイトでの情報発信をなど通じ、当社のビジョンや環境問題への取り組みなどに共感し、「新たな環境でチャレンジをしてみたい」という人たちが集まってくれています。

地元採用を行う理由の1つは、ラボでの実験や作業など出社が必要な業務が多いからですが、現在募集しているIT系のメンバーについてはリモートでの参画も可能な体制を整えていきたいと考えています。

東京などの大都市と比較すると応募者数が多くないという課題はありますが、地方には固定費が低く、自治体の支援が受けやすいという利点もあります。また、滋賀県はスタートアップが少ないため、地域社会からの応援が得られるのも大きな魅力のひとつだと思っています。

アマテラス:

本日はCSOの工藤さんにもご同席いただいていますが、工藤さんが参画された経緯をお聞かせいただけますか?

工藤氏:

小倉との出会いは2018年、あるスタートアップ創業プログラムで彼のプロジェクトに参加したことがきっかけでした。
私は当時化学・ライフサイエンス事業を行う会社で働いていましたが、プログラム終了後も定期的に交流を続けていました。

創業当初のノベルジェンは軟体動物由来の接着剤の開発に注力していましたが、その後、微細藻類を利用したCO2吸収や固定といった新たな取り組みを始めていました。
この新しいアプローチやビジネスの将来性に強く惹かれ、私から声を掛け、参画することになりました。

事業拡大や技術向上のためさまざまなアプローチを続ける

アマテラス:

工藤さんのお話の中に、接着剤からCO2吸収や固定への新たな取り組みについての話題がありましたが、事業の拡大にはどのような課題がありますか?

小倉淳:

最大の困難は、研究開発型の組織から事業組織にステップアップさせることでした。
先ほども少し触れましたが、大学の研究者が革新的な技術を生み出すことに重きを置くのに対し、私たちは同じ研究者でもプロダクトを開発やマーケット開拓を目指す必要があり、マインドセットが大きく異なります。このギャップを埋めるために、採用方針なども大きくシフトして来ました。

また、プロダクトを作るためのエンジニアリングも課題です。製造プロセスのすべてを自社で賄うのは難しいので、事業拡大には大企業や他のスタートアップと連携を構築し、安定的にプロダクトを生産するための体制の整備が必須です。

このように、事業拡大の壁を乗り越えるために多角的なアプローチを続けていますが、まだまだ道半ばです。
2024年2月には農林水産省の中小企業イノベーション創出事業に採択され、予算面の支援をはじめ様々なサポートをいただいています。
これらの支援は技術開発における大きな基盤となっていますが、この技術を社会貢献できるプロダクトに繋げるためには、私たちのマインドシフトも含めて乗り越えるべき壁は大きいと感じています。

アマテラス:

技術面のお話もお聞かせ下さい。世界レベルでの競争を見据える中で、技術力を磨く際にどのような壁に直面されましたか?

小倉淳:

研究室やラボレベルで行っていた実験をスケールアップさせると、予期しない問題が発生することがあります。実験台の上での成功で終わらせず、大規模化や安定性、再現性を実現するためには、これらの失敗を技術的に乗り越える必要があります。

私たちは小規模なスケールで多くの失敗を経験し、それらを乗り越えるための策を蓄積してきました。現在も日々新たな課題に直面していますが、将来的な大規模化や商業化に向けて、失敗の種をひとつずつ取り除く作業をコツコツと進めています。

 

ラボでは様々な微細藻類の培養実験を通じ、その能力や特性の確認や大量培養技術の開発を行っている

多くの専門家から新たな視点を取り入れ、経営者として研鑽を積む

アマテラス:

小倉さんは研究者として長い経験を積まれた後に起業をされましたが、研究者から経営者へと転身されたことで、どんなことを感じていらっしゃいますか?

小倉淳:

経営者としての道のりは始まったばかりで、まだまだ発展途上です。
私はどちらかというと内向的で、多くの人と深く関わるのが得意なタイプではありません。そのため、周囲との信頼関係を築きながら組織を牽引することには少々苦労しています。

また、経営においては、状況に応じた適切な解像度で情報を伝える能力が求められます。
私は、学術論文のように詳細な説明や、ピッチコンテストのように大局的な視点での説明は得意ですが、プロジェクトの進捗状況を説明したり、外部のステークホルダーに情報を伝えたりといったスキルにはまだ改善の余地があると感じています。

アマテラス:

一方で、これまでに経営者としての成長や、会社の進化などを感じるターニングポイントはありましたか?

小倉淳:

様々なバックグラウンドを持つ人々との交流を通じ、「研究成果を社会実装するための方法はひとつではない」と気付いたことは、経営者として大きなターニングポイントになったと思います。

例えば、異なる分野の専門家や教授との対話は新たな技術やアプローチの発見に繋がり、VCのキャピタリストやアナリストとの議論からは新たなビジネスの切り口を見付けるヒントとなりました。

こういった新たなアプローチができるようになったことは、その後の事業の成長に繋がっていると感じます。このように新しい視点を取り入れる柔軟な姿勢は、経営者としての私の強みの1つだと自負しています。

ノベルジェンの技術で地球規模の課題を解決したい

アマテラス:

小倉さんが考えるノベルジェン社の今後の展望について、詳しくお聞かせ下さい。

小倉淳:

ノベルジェンは、私たちの技術で脱炭素や環境問題といった地球規模の課題解決に貢献することを目指しています。
世界のCO2排出量は膨大で、カーボンニュートラルの実現は容易ではありません。「小さな会社が1000トンのCO2を回収する」といった小規模な取り組みでは根本的な問題解決には繋がらないと考えています。

そのため、当社の技術をグローバルに展開し、より大きなインパクトを生み出せる事業展開を目指しています。

例えば、世界各地の産業設備やシステムをグリーン化する「グリーントランスフォーメーション」の実現が、私たちの描く未来像です。
水を浄化するシステムをノベルジェンの技術で置き換えることで、多くのCO2を吸収することができます。単に数台、数十台のシステムを販売するだけでなく、世界中の水処理プロセスを総取り換えするような大きな目標を持っています。

アマテラス:

その壮大な目標を実現するために、どのような課題を乗り越える必要があるとお考えですか?

小倉淳:

最も重要なのは大規模な実証実験だと考えています。今後技術がどんどん進化し、その優位性が明確になれば、一瞬でオセロがひっくり返るような大きな変革が訪れるはずです。

その実現には、能力・コスト・そして脱炭素という高い付加価値を揃えた証拠を提示し、大企業の意思決定者や国に「将来、この技術が主流になる」と認識してもらう必要があります。
大規模な実証実験は、私たちの技術を通じてイノベーションを実現するために必須のステップだと思っています。

地元採用を中心に、多彩なメンバーで地球課題の解決に取り組んでいる

全員が高い当事者意識を持ち、新たな挑戦に前向きな組織が理想

アマテラス:

小倉さんが考える、理想の組織や人物像について教えて下さい。

小倉淳:

理想的な組織は、新たな挑戦に対して常に前向きな組織、何事もエビデンスに基づいて判断できる組織です。
もちろん、エビデンスベースで「これはうまくいかないかも」と判断することも大切ですが、スタートアップとして、失敗を恐れて組織全体が委縮してしまうような雰囲気は避けなければいけません。新しいチャレンジに対し常に前向きな組織でありたいと考えています。

この理想の組織を実現するために、仕事や研究に高い当事者意識を持ち、周囲とのコミュニケーションを円滑に行える人物を求めています。
私たちが目指す未来は、決して1人の天才の活躍だけで成し遂げられるものではありません。それぞれのメンバーが新しい挑戦を自分ごととして捉え、積極的な取り組みを通じて組織全体の成長に貢献してくれる人物が理想です。

地球規模の課題解決を、共に本気で追求して欲しい

アマテラス:

最後の質問です。このタイミングでノベルジェン社に参画する魅力や働きがいについてお聞かせ下さい。

小倉淳:

ノベルジェンの魅力は「地球規模の課題解決」という大きな目標を本気で追求している点です。「生物の力で地球と共生する新世代の社会を構築する」というビジョンに共感し、一緒に挑戦したいという方にとっては、ここは非常に魅力的な場所だと思います。

当社は、スタートアップならではの成長スピードと、国の大規模プロジェクトにも採択される高い技術力や将来性の両方を兼ね備えた企業です。
途方もない挑戦ではありますが、この技術的基盤をベースに新たな産業を創出するというのは、非常にやりがいがある仕事だと自負しています。

アマテラス:

長浜で働く魅力についてもぜひ伺いたいと思います。

小倉淳:

長浜は、琵琶湖をはじめ、山や海にも近いという自然環境が非常に豊かな場所で、特に子育てをする方にとっては魅力的な環境だと思います。また、東海道新幹線の米原駅から2駅という立地で、自然豊かな環境と主要都市へのアクセスを両立できる点も大きな魅力です。

「ライフワークバランス」という言葉には人それぞれの捉え方がありますが、釣りやサイクリング、スキーなどアウトドアアクティビティが楽しめるこの環境は、今では生活と仕事の両方を充実させることができる魅力的な場所だと大変気に入っています。

 

アマテラス:

せっかくなので、工藤さんからもこの会社の魅力を伺えますか?

工藤氏:

この会社の最大の魅力は、小倉が創り出した唯一無二のビジョンとコンセプトだと思っています。

多くの企業が微細藻類を利用してオイルやプラスチック、食品などを生産している一方で、私たちはCO2の削減、水質浄化、マイクロプラスチックの除去といった全く異なるソリューションを提供しています。こうした視点で事業や研究に取り組んでいるのは、現時点でノベルジェンだけだと思います。

このように、世界でも類を見ないビジネスや研究に初期段階から深く関われることは、このタイミングで参画する大きな魅力です。
この事業が成功すれば、多くの企業が同様の事業に乗り出す可能性は十分あります。しかし、市場を創出し、大きく成長させるという面白さを経験できるのは今、この会社しかないと思います。

アマテラス:

工藤さんは、元々関西のご出身ですか?

工藤氏:

いいえ、神奈川出身で、現在も自宅は東京にあります。私はビジネスサイドの仕事もしており、長浜と東京からのリモートワークを半々で行っています。
地球問題の解決という大きな目標に向け、私たちと一緒に新たなチャレンジをしてみたいという方からのご応募を、楽しみにお待ちしております!

アマテラス:

本日は素敵なお話をありがとうございました!

この記事を書いた人

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片山 真紀

慶応義塾大学経済学部出身。 新卒で大手通信会社にて営業およびシステムエンジニアとして衆議院、JICAや日本・海外の大学などでシステム構築を担当。 家族の海外赴任帯同と子育て期間を経て、アメリカのITコンサルティング会社で知的財産の専門家向け判例データベースのアナリストとしてデータ収集・分析等に従事。 2017年10月からライターとしてアマテラスに参画、60人以上のCEOや転職者インタビュー記事を執筆。

株式会社ノベルジェン

株式会社ノベルジェン
https://novelgen.jp/

設立
2019年10月
社員数
14名

《MISSION》
生物の力で地球と共生する新世代の社会を構築する
《事業分野》
新素材・バイオテクノロジー / サステナビリティ・環境
《事業内容》
微細藻類の力を最大化して下記の地球課題を解決するソリューション=グリーントランスフォーメーション (GX) 技術を提供します。
・地球温暖化問題
・水浄化問題
・マイクロプラスチック問題
赤潮発生に関わる分子メカニズムの解明研究を行なっていたことを活かして、微細藻類の力を最大化するAlgal Bloom Capture技術(ABC技術)を開発しました。ABC技術をコア技術として、微細藻類を用いた様々なソリューション技術の研究開発を行なっています。
現在は、微細藻類を用いた養殖、水浄化、CO2固定などの技術に関する研究開発を行っています。