経営陣から伝わる「新たなチャレンジへの本気度」が社員を動かす

株式会社ZenmuTech 技術開発部 吉野泰裕氏/営業推進部 高橋澪氏

今回は、株式会社ZenmuTech技術開発部の吉野泰裕氏と営業推進部の高橋澪氏にお話を伺いました。

株式会社ZenmuTechは、秘密分散技術に基づきデータを変換・分割することで無意味化する“ZENMU”により情報の安全を当たり前と感じる社会の実現を目指す企業です。

吉野さんも高橋さんも初めは業務委託という形でZenmuTech社でのキャリアをスタートし、その後に正社員として参画されています。
職歴も業務内容も全く違うお二人ですが、新しいチャレンジに積極的なそれぞれの職場で着実に活躍の場を広げていらっしゃいます。ZenmuTech社に参画した理由、職場での不安の解決方法、今後のキャリア展望など、現在スタートアップ転職を検討している方にとってはヒントに富んだ内容となっています。

技術開発部 吉野泰裕氏/営業推進部 高橋澪氏


技術開発部 吉野泰裕氏/営業推進部 高橋澪氏

技術開発部 吉野泰裕氏
2009年大学卒業後、大手ITソリューション会社に入社、エンジニアとして7年間勤務。その後2016年エンジニア派遣事業会社に転職。同社との業務委託としてZenmuTech社の開発業務に携わり、2022年6月に正社員として入社。

営業推進部 高橋澪氏
2015年に専門学校卒業後、アパレル販売会社に入社。2021年6月に、ZenmuTech社のインサイドセールス立ち上げメンバーとして派遣される。2022年9月に正社員として入社。

株式会社ZenmuTech

株式会社ZenmuTech
https://zenmutech.com/

設立
2014年03月
社員数
22名(2023年2月末現在)

《 Mission 》
革新的な技術とオープンイノベーションによる創造力にて「情報の安全」を提供し、広く社会に貢献します。
《 事業内容 》
オープン・セキュリティインフラストラクチャ“ZENMU”の開発・販売 、シンクライアント用仮想USBデバイス統合管理ソフト“VUMS”の開発・販売 、PC端末をよりセキュアに、より使いやすく“お好みセキュアPC”の開発・販売 、シンクライアント基盤最適化コンサルティング

大手ITソリューションベンダーから10人のスタートアップへ

アマテラス:

初めに、入社までのお二人のキャリアについて伺いたいと思います。吉野さんが正社員としてZenmuTech社に参画されたのは2022年6月でしたね。

株式会社ZenmuTech 技術開発部 吉野泰裕氏(以下敬称略):

はい。大学は文系で、経済学部出身です。在学中から「これからITの時代が来る」と考えており、IT経済を専攻しました。就職活動時もIT系の企業を中心に回り、最終的に大手のITソリューションベンダーにエンジニア職で入社することにしました。時代背景としてエンジニア職の需要が高まっていたことや、教育体制がしっかりしている大手企業が良かったというのが、この会社を選んだ主な理由です。

この会社には7年間ほど在籍しましたが、リーマンショック時に就職したこともあり、在籍期間を通じて給与や賞与をはじめとする待遇面ではあまり恵まれませんでした。そこで30歳を前に、友人から誘いのあったスタートアップ企業への転職を決意します。社員10名ほどの小さな会社でした。

アマテラス:

大企業から10人のスタートアップへの転職は、ギャップも大きかったのではないですか?

吉野泰裕:

確かにギャップは色々な場面で感じました。大企業は体制が整っている一方で、ルールが厳しく柔軟性に欠ける面がありましたが、新しい職場はそもそも10人しかいないのでルールどころではなく、全員が何でもやらなければいけないという環境でした。ただ私自身はそういった変化を楽しめるタイプだったこともあり、むしろ働きやすくなったと感じました。また、転職のきっかけとなった待遇面についても、前職で経験を積んできたことが評価され改善したので嬉しかったです。

6年半ほどの在籍期間中は、IT派遣や業務委託などに携わっていました。新卒時代からキャリアを通じてプログラミングやシステム開発をして来ています。ZenmuTech社も、この会社から業務委託という形で派遣されたのが最初のご縁です。

出社時にインタビューに応じて頂いた吉野さん。普段は在宅勤務が多いとのことでした

アパレル業界での将来に限界を感じ、マーケティングの世界に踏み出す

アマテラス:

高橋さんは2022年9月に正社員になられましたが、そこまでのキャリアについてお聞かせ下さい。

株式会社ZenmuTech 営業推進部 高橋澪氏(以下敬称略):

私は専門学校でファッションビジネスを学び、卒業後も専門性を生かしアパレル業界に就職しました。転職までの5年半は主に販売業務に従事しており、最後の2年間は副店長として管理業務も行っていました。

転職のきっかけは、アパレル業界での長期的なキャリアに限界を感じ始めたことや、管理職を経験する中で販売戦略の立案やマーケティングなどに興味が出てきたことです。接客業は楽しかったのですが、マーケティングなどの新しいスキルを付けたいという思いが膨らんで来たことで、新しい世界に踏み出す決心をしました。

アパレル業界出身者がマーケティングをやりたいと言っても未経験での転職は難しいだろうと考え、まずは現場でBtoB営業などの経験を積める会社に転職しました。ただ、この会社は決められたスクリプトでひたすら電話をかけ続けるという手法で疑問を感じることもあり、残念ながら短期間で退職してしまいました。

インサイドセールスという職種を知ったのはこの頃です。顧客と良好な関係性を構築する過程でニーズを把握し、営業に繋げていくという手法がマーケティングに通じるものがあると感じ、興味を持ちました。また、私自身の接客の経験が生かせる職種かもしれないと考え、次はインサイドセールスの外注や人材派遣などを行っている会社に入ることにしました。

この会社では入社後3か月ほど研修期間があり、インサイドセールスの基礎知識をはじめ、PC操作や電話やメールを使った顧客対応等、今後必要とされるであろうスキルをひと通り身に付けることができました。そして、研修が終了して初めてのクライアントとなったのがZenmuTech社でした。

「どこかの会社の製品」ではない開発がしたくなり、ZenmuTech社に入社

アマテラス:

お二人とも、初めは業務委託でZenmuTech社での仕事をスタートされ、その後に正社員となったわけですが、転職先としてこの会社を選ばれた理由をお聞かせいただけますか?

吉野泰裕:

前職では業務委託や派遣という形でずっとプログラムや開発業務に携わっていましたが、この働き方に徐々に疑問が出て来ました。私が作っているのはいつも派遣先の製品であるということや、その製品にいつまで関われるか分からない状況などに少しずつ満足ができなくなって来たのです。「自社の製品やサービスを持っている会社で、じっくり腰を据えて働きたい」という思いが強くなって行きました。

その頃に派遣されていたのがZenmuTech社でした。働いている中で、この会社に高い技術や製品があることは分かっていました。また、経営陣の「世の中に存在する様々な問題を解決するために新しい製品やサービスを作りたい、新しいことにチャレンジしたい」という姿勢にとても魅力を感じ、私もこういう環境に身を置くことで自分自身を鍛え、もっと成長したいと感じたのが入社の大きな理由です。

また、当時はコロナ禍でリモートワークが本格化している時期だったのですが、ZenmuTech社もリモートワークやワーケーションなど時代に合った新しい取り組みにアンテナを張って積極的に導入をしようとしており、そんなところにも好感を持ちました。

やりたかったインサイドセールスを任され、入社を決意

高橋澪:

ZenmuTech社に派遣されたのは、会社にインサイドセールス部門を立ち上げるタイミングでした。それ以前は営業の方が3名ほどで兼務していたようですが、私がインサイドセールス専門として入ったので、2週間ほどのオリエンテーションを経て1人で全て引き継ぐことになりました。実際にお客様対応が始まってからは、トーク内容などは派遣元の会社で設計したものを私なりに少しずつ改良して行きました。

正社員にならないかと声を掛けていただいたのは、派遣されて1年少々経った頃です。元々マーケティングやインサイドセールスへの興味をきっかけにスタートした仕事でしたが、ZenmuTech社ではやりたかったことに近い仕事ができている喜びがありました。また、少人数だからこそマーケティングに限定されず幅広い業務に携われる楽しさも常々感じていたので、ぜひお願いしますとお返事しました。

現在はインサイドセールスの他に、マーケティング担当と連携しながらマーケティングツールを使ったメール配信なども行っています。これらの活動の中で聞こえて来たお客様からの声をニーズとして上げることがあるのですが、それが営業戦略などに反映されることがあり、私も少しは頼れる存在として認めてもらえるようになって来たかなと嬉しく思っているところです。

技術的な相談ができる環境かどうかは少し不安があった

アマテラス:

お二人ともご縁があってこちらに来られて、働いてみたら良い会社だったので入社したという自然な流れで正社員になっていらっしゃいますが、入社時はどのような不安を感じていらっしゃいましたか?

吉野泰裕:

入社当時から技術力の高い人が多い職場であることは分かっていましたが、何か困ったり迷ったりしたときに相談をしやすい環境かどうかにについては確信がなく、少し不安に感じていました。実際に働き始めると皆さん予想以上に何でもフラットに答えてくれる人たちだったので、不安はすぐに解消されました。今でも困ったときは相談しながら解決することにしています。

アマテラス:

現在は、どのような体制で働いていらっしゃるのでしょうか。

吉野泰裕:

技術開発部のプロダクトグループで、主にZENMU for PCやZENMU Virtual Driveなどの製品開発を行っています。技術開発部はプロダクトグループとソリューショングループに分かれており、私はプロダクトグループに所属しています。

チーム内では「どの機能をだれが作る」などの役割分担やメンバー間での細かなタイミングの調整などはもちろんあるものの、基本的には情報共有しながらみんなで製品を作り上げて行く感じです。リーダーはいますが縦の堅苦しい関係ではなく、それぞれにしっかり任せてもらう体制ができています。

「PCの安全な社外持出を可能にするZENMU for PC」

新しい環境にネガティブなギャップはなかった

アマテラス:

高橋さんはアパレル業界からの転職で、あらゆる環境が大きく変わったかと思います。どんなところにギャップを感じましたか?

高橋澪:

確かに全くの異業種、しかも未経験の職種への転職だったので全てが新しい環境になりましたが、あまりネガティブなギャップはなかった気がします。
働く中で特に違いを感じたのは上層部の人たちです。良くも悪くも管理職らしい管理職が多かった前職と比べ、この会社の上層部の皆さんは常に成長を求め、新しい世界に視野を広げようとする姿勢が感じられ、とても良い刺激を頂いています。また、豊富な経験がある一方で新人への理解もあり、ありがたい環境だと感じています。

「うまく話そう」ではなく「お客様の話にフォーカスしよう」で非対面コミュニケーションに対する不安を解消

高橋澪:

最も不安を感じていたのは、インサイドセールスが非対面でのコミュニケーション中心の仕事だったことです。お客様の表情などを見ながらコミュニケーションを取る方法に慣れていたので、1本の電話の中でニーズを引き出しこちらの説明も行わなければならないことに結構苦戦しました。

アマテラス:

高橋さんは、それをどのように克服されたのでしょうか。

高橋澪:

まだまだ克服したとは言えませんが、自分のスタンスを「うまく話そう」から「まずはお客様の話をじっくり聞いて、状況を理解しよう」と切り替えた頃から不安が薄らいだ気がします。当初は自分の持っている知識を何とか伝えなければ、という意識が強かったのですが、そこは一旦忘れてまずはお客様の方にフォーカスしてみようと決めたら、ニーズを引き出せたという手応えを得られるようになって来ました。

また、派遣として来ていた頃から先輩方には細やかにフォローしていただきましたし、少人数だからこそ密に相談させていただける環境が整っていたので、コロナ禍でリモートワークになってもあまり不安を感じることなく働くことができたのだと感謝しています。これだけ恵まれた環境があるのですから、これから成長できるかどうかは自分自身の頑張り次第だと思っています。

良い製品がすぐに世の中に浸透するわけではないのは予想外だった

アマテラス:

一方で、入社後には想定外のご苦労もあったかと思います。どのような壁にぶつかり、それをどうやって乗り越えたのか教えて下さい。

吉野泰裕:

私自身のことで言えば、あまり辛い経験をした記憶がありません。技術的に難しいことは当然ありますが、その手のことであれば自分で調べたり周りに聞いたりすることで解決することも多いので、苦労というほどのものではない気がします。

想定外だったのは、新しい技術で良い製品を作っても、世の中で認められ浸透するには思っていたよりずっと時間がかかるということです。私たちの製品は、誰にでも良さが見えるような分かりやすいタイプの製品ばかりではないので、開発チームの一員としてユーザビリティを意識した製品化を心掛けなければと常に考えています。また、営業から「お客様からこんな要望があった」といった話を聞く機会もあるので、そういったお客様の声は貴重な情報として、できる限り製品に反映させるよう努力しています。

高橋澪:

セキュリティーという特性上、弊社の製品は幅広い業種のお客様にご利用いただいています。そのため私自身も幅広い業界の知識を身に付けておく必要があり、勉強はなかなか大変です。自分でも色々調べていますが、それでも解決しない部分は先輩方にお願いして勉強会の時間を設けてもらったり、ミーティングの場などで疑問を投げかけてみたりと周囲の協力を仰ぎながら、その都度解決している状態です。

首尾一貫した「新たなチャレンジ」への姿勢がこの会社の魅力

アマテラス:

数年働いてみて感じられるZenmuTech社の良さとは、どういうところでしょうか。また、どんなときにやりがいを感じていらっしゃいますか?

吉野泰裕:

この会社の首尾一貫した「新しいことにチャレンジする」、「今までにない新しい価値を作る」という姿勢がとても気に入っています。
私は製品開発を行っていますので、やりがいを感じるのはやはり自分が生み出した製品がお客様に導入していただけたときです。中でも、自分が作った機能が使いやすいという声を耳にしたときは本当に嬉しい気持ちになります。

高橋澪:

全く違う業界から飛び込んだという意味で私は少々特殊な立場だったかもしれませんが、そんな中でも周りのサポートを得ながらやりたいことにどんどん挑戦させてもらえることに感謝しています。また、未経験でも不安なく相談ができる風通しの良さや、皆で切磋琢磨し合える環境はこの会社の素晴らしいところだと感じています。

インサイドセールスで対応するお客様は、熱心な方から「なんとなく」という方まで温度感は様々で、私はそれらのお客様を確度別に区分けし、試行錯誤しながらアプローチをしています。うまく案件化できたケースはそこからフィールドセールスの方にバトンタッチするのですが、それが受注に繋がったときはやりがいを感じます。また、商談に繋がると電話からオンラインでの対面のやり取りに移行するのですが、そこに同席させていただき初めてお客様と対面できたときには、やはり達成感がありますね。

ZenmuTech社で活躍の場をもっと広げて行きたい

アマテラス:

お二人が思い描いているこの先のキャリアについてお聞かせ下さい。

吉野泰裕:

今はとにかく会社としての売り上げ目標を達成できるよう、ユーザーにとって使いやすい製品開発をするという形で精一杯貢献しようと思っています。また、今後新製品を作りたいという話も出て来ていますので、そちらの開発にもぜひ関わって行きたいと考えています。

高橋澪:

マーケティングへの興味は今も変わらずありますが、今後は現在の業務に関係するかどうかに拘ることなく幅広い知識を吸収して行きたいと考えています。

最近はアライアンス担当の方々の商談に同席し、技術周りの話を聞かせていただく機会が増えて来ました。「ZenmuTech社の技術が役に立ちそうなところはどこにあるのか」、「お客様にとってこの技術はどのようなニーズに繋がるのか」等、貴重なお話を聞きながら日々勉強しています。
ゆくゆくはお客様との会話の中でこれらの知識を駆使する場面も出て来るかもしれませんし、技術を初め様々な知識が深まればより柔軟に動けるようになり、今以上に活躍の場も広げられるのではないかと期待しています。

考えながら手を動かせる人、夢ある未来にワクワクしたい人

アマテラス:

最後に、お二人からご覧になって、どのようなマインドや行動をする方がZenmuTech社に向いていると思われますか?

高橋澪:

どんな人と限定するのは難しいですが、経営スピードが非常に速く、また状況に応じて色々な仕事が舞い込むので、考えながら同時に手を動かすことが得意な方はこの会社に合っていると思います。

吉野泰裕:

会社の方針に共感し、世の中に新しい製品を送り出したいと思える方であれば、この会社に合っているかと思います。また、ZenmuTech社は現在IPOを目指していますので、そういった夢のある未来にワクワクしたい方にとっても面白い職場になると思います。

アマテラス:

本日は貴重なお話をありがとうございました。お二人の今後のますますのご活躍を応援しています。

この記事を書いた人

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片山 真紀

慶応義塾大学経済学部出身。 新卒で大手通信会社にて営業およびシステムエンジニアとして衆議院、JICAや日本・海外の大学などでシステム構築を担当。 家族の海外赴任帯同と子育て期間を経て、アメリカのITコンサルティング会社で知的財産の専門家向け判例データベースのアナリストとしてデータ収集・分析等に従事。 2017年10月からライターとしてアマテラスに参画、60人以上のCEOや転職者インタビュー記事を執筆。

株式会社ZenmuTech

株式会社ZenmuTech
https://zenmutech.com/

設立
2014年03月
社員数
22名(2023年2月末現在)

《 Mission 》
革新的な技術とオープンイノベーションによる創造力にて「情報の安全」を提供し、広く社会に貢献します。
《 事業内容 》
オープン・セキュリティインフラストラクチャ“ZENMU”の開発・販売 、シンクライアント用仮想USBデバイス統合管理ソフト“VUMS”の開発・販売 、PC端末をよりセキュアに、より使いやすく“お好みセキュアPC”の開発・販売 、シンクライアント基盤最適化コンサルティング