株式会社XAION DATAは、AI×DATAを技術基盤とし、各種事業領域にAI技術実装を進めるAIテックスタートアップです。AI×DATAで企業の抱える課題を解決し成長を促進し、個人の価値を見出し創造することで人の幸福に寄与しています。
本日は代表取締役CEOの佐藤泰秀氏にお話を伺いました。佐藤氏は、企業派遣先のシリコンバレーで会社の看板に囚われることなくチャレンジする起業家たちに刺激を受け、スタートアップの世界に飛び込みました。そして日米双方のビジネスを経験する中で、自身の価値への気付きが少ないために幸福度が上がらない日本の現状を何とかしたいと、XAION DATAの起業を決断します。
インタビューでは、佐藤氏の刺激溢れるこれまでの歩み、会社の魅力や目指している未来像まで多岐に渡るお話を伺いました。社員との関係性を大切にし、地に足の着いたビジネスを志す佐藤氏の生き方が真っ直ぐ伝わって来る「誠実性」という言葉がとても印象に残る、大変素敵なインタビューとなりました。
代表取締役
佐藤泰秀氏
日立製作所新卒入社後、公共システム部門において大規模基幹系システムの導入・構築プロジェクトにPLとして参画し、様々なプロジェクトマネジメントに従事。基幹系システム更改プロジェクトにおいては、事業所技術賞を受賞。その後、アメリカ・シリコンバレーのAIスタートアップ企業にジョインし、アメリカ市場における事業開発やファイナンス関連の業務に従事。東証一部上場HR企業のCVCから調達を実施し、アメリカ本社COOに就任。その後日本市場開拓責任者を経て日本子会社設立及び日本支社CEOに就任。2020年1月、XAION DATAを共同創業し、現在は同社CEOを務める。
株式会社XAION DATA
https://www.xaiondata.co.jp/
- 設立
- 2020年01月
- 社員数
- 13名
《 Mission 》
Maximize the Value of the World -AI×DATAで世界中の価値を最大化する-
《 事業分野 》
AI・IoT・Robo
《 事業内容 》
AI×DATAを技術基盤とし、各種事業領域にAI技術実装を進めるAIテックスタートアップです。
点在するデータの海からAIが必要なデータを統合し、自然言語処理技術やRPA技術を用いてデータ収集/加工/提供を行い、AIデータサプライヤーとして価値を提供します。
我々は世界中のデータ価値を見出し、最大化する仕組みを提供することで、人の幸福への寄与及び、社会への貢献を実現します。
- 目次 -
- 1 15歳で親元を離れ、高専で情報工学を学ぶ
- 2 コツコツと頑張る背中を見せるリーダーだった
- 3 ITを通じて社会貢献をしたいと考え日立製作所に入社
- 4 派遣先の米国AIスタートアップに転職
- 5 「まだ無いものを売る」というスタートアップのビジネスに面食らう
- 6 「資金がある=会社が成長する」ではない。資金運用の難しさを知る
- 7 自分の価値を理解し、幸福感を得られる世界観を作りたいと起業を決意
- 8 コロナ禍での起業も、コロナ禍で組織体制を見直す企業が増えるというポジティブな影響も
- 9 コネクションが全くない中での仲間集めは至難を極める
- 10 創業半年でプロダクトの価値が認められ始め、資金難を脱する
- 11 差別化の作り込み、組織としてブーストできる体制づくりに苦心
- 12 社員と会社の成長に伴い、プレイヤーから経営者へ立ち位置が変わる
- 13 HRから幅広いデータプラットフォームを基盤としたサービスへ
- 14 組織成長性を高め、会社の目指すゴールを文化として浸透させたい
- 15 新しい市場開拓や組織づくりの醍醐味を満喫できるタイミング
15歳で親元を離れ、高専で情報工学を学ぶ
はじめに、佐藤さんの生い立ちから教えて下さい。ご家族構成や学生時代のお話などをお聞かせいただけますか?
生まれは山形県天童市です。家の外構工事などを請け負うエクステリアの会社を営む父と専業主婦の母という家族構成で育ちました。
非常に厳格な父で、勉強に関してはさほど言われませんでしたが、人に対しての仁義や礼儀などは徹底的に叩き込まれました。
中学卒業後は親元を離れ、仙台市の高専で寮生活を送りながら情報工学やプログラミングを学びました。当時、GoogleやYouTubeなどが台頭し、IT産業が大きな変革期を迎えつつありました。世の中の情報工学に対する感度はまだ高くありませんでしたが、私はITを専門的に学ぶ環境に身を置きたいと強く思い、自らの意思で情報工学系の高専への進学を決めました。
在学中には交換留学生としてフィンランドの大学で研究する機会に恵まれ、そこで体験した「個の価値観を最大限に尊重する教育」には非常に感銘を受けました。それぞれが好きなことに真っ直ぐ突き進むことを許容する社会の在り方は、現在の経営にも色濃く反映されていると思います。
コツコツと頑張る背中を見せるリーダーだった
また、小学校から20歳までずっと野球をやっていました。小学生以来ずっとキャプテンを務めており、性格的には昔からリーダー気質だったかもしれません。
ただ、カリスマ性を持った絶対的なリーダーではなく、真面目にコツコツとやっている背中を示して皆に気付いてもらうというスタイルだった気がします。
身体があまり大きくなく、高専に入ってからはなかなか活躍の場にも恵まれませんでしたが、それでもサボらず真面目に練習を続けていたところ、高専最後の試合で柵越えのホームランを打ち、有終の美を飾ることができました。12年間続けてきた自分の努力を野球の神様が認めてくれたのだと、とても感動したことを今でも思い出します。
ITを通じて社会貢献をしたいと考え日立製作所に入社
日立製作所に就職された理由と業務内容を教えて下さい。
高専卒業後に大学へ編入するという選択肢もありましたが、私は早めに社会に出て親に恩返ししたいと考えていました。
日立製作所は部門ごとの採用を行っておりましたが、私は多くの市民やお年寄りの方にITを通じてより良い行政サービスを提供することで社会貢献をしたいと考え、公共システム部門への就職を決めました。
日立では個人番号系のシステムのプロトタイプ作成など、大きなプロジェクトに携わりました。1人当たりの業務量も多く厳しい職場ではありましたが、高専卒の自分がどこまで戦えるのか挑戦したいと、我ながらものすごく頑張っていたと思います。
その頑張りが認められ、入社4年後に社内の海外教育プログラムのメンバーに選抜されます。社員を海外派遣してビジネスを学ばせるという制度で、私はシリコンバレーにあるAIスタートアップへの派遣が決まりました。
派遣先の米国AIスタートアップに転職
渡米はしたものの、当時の私は自分の働き方について悩んでいる真っ最中でした。「ITを通じて社会に価値貢献したい」と希望に燃えて入社しましたが、大手企業に勤める者の宿命で、自分はあくまでも歯車の1つでしかありません。お客様の喜ぶ姿を見ることもなく、自分のやっていることの価値や自身のキャリア形成に自信が持てず悶々としていました。
シリコンバレーは、言わずと知れた起業家の宝庫です。有名企業の名前などに囚われず、自分自身でマーケットに価値を提供しようという起業家たちは本当に輝いており、私も日立という看板を捨て、価値提供をする側に立ってみたいと思うようになります。
そんな折に中国人の同僚から掛けられた「ヤスはまだ失敗できる年齢で、こんなに野心もあるのに、なぜ挑戦しないんだ?」という言葉が大きなターニングポイントとなり、そのままシリコンバレーのスタートアップにジョインすることを決意しました。
派遣されたAIスタートアップにそのまま転職されたということですが、どのような会社だったのでしょうか。
この会社はAIの他に求職者と求人情報をマッチングするHRのサービスも展開していました。求職者がチャットボットに自分の履歴書や職歴をアップロードするとAIマッチングアルゴリズムで自社の保有する求人データを照会し、最適な求人情報をレコメンドするといったサービスです。
AIが自然言語ベースで職務経歴書を読み取って情報を抽出するという概念や、その仕組みをレジュメだけでなくウェブのオープンデータなどから構造解析して抽出する技術などは当時まだ新しく、日本にはそういったサービスを提供する会社はなかったと思います。
「まだ無いものを売る」というスタートアップのビジネスに面食らう
急転直下の転職で、予想外の苦労もあったかと思います。印象に残っているご経験などがあれば教えてください。
日立時代から変化への対応には強く、順調にアジャストできた方だとは思います。英語に関しては行動量でカバーするしかないと割り切って乗り切りましたが、思考プロセスの違いについては慣れるのに少し苦労しました。
例えば日立にいるときは「すでに完成した製品があり、その価値を提供する」というビジネスが当たり前でしたが、スタートアップは完成前からバンバン売り込むんですよね。「まだ無いものを売る」という考え方にはすごく面食らいましたが、有象無象が入り混じるシリコンバレーで資金調達をするにはこれが重要な生存戦略であり、面食らいつつも受け入れる以外の選択肢はありませんでした。
一方で、この経験を通じて「投資家にウケる見世物的なサービスを作ったところで、結局世の中にとって価値のあるサービスを作らなければ意味はない」とも感じました。世の中に新たな概念を提供することは当然重要ですが、実際にそれが世の中に認められ、受け入れられて初めて価値が生まれるわけです。
世の中にとって価値あるものを提供する重要性に対する認識は、今の我々のフィロソフィーにも繋がっています。
「資金がある=会社が成長する」ではない。資金運用の難しさを知る
思考プロセス以外のところでは、「資金が調達できても事業が成長するわけではない」という経験をしています。
先ほど「無いものを売る」というお話をしましたが、資金調達に成功しても、その後の採用や事業展開は思うように行かないことがあり、資金を正しく使って、組織をグロースさせることの難しさを痛感しました。
現在私たちは第三者資本を入れず、自己資本のみで運営をしています。
これは、シリコンバレーでの経験から「外部調達した資金を有効活用するためにも、自力でスケールできる組織を作るためにも、まずは自己資金でしっかり土台を作り込むことが大切だ」という意識が根底にあるからです。
シリコンバレーのAIスタートアップにはどの位在籍されていたのでしょうか。
約2年です。事業開発や資金調達などの業務に携わった後、日本市場開拓責任者を経て日本子会社設立を経験し、その後XAION DATAを起業しました。
自分の価値を理解し、幸福感を得られる世界観を作りたいと起業を決意
XAION DATA社起業に至るまでのストーリーを伺えますか?
日本に子会社を設立してCEOとして仕事をする中で、本国側の事業方針や投資家に要望される事業と、日本が現実に抱えるビジネスやマーケットの課題の間には違いがあることに気が付きました。どちらを取るかと考えたとき、日本で目の前にある課題を解決できるサービスを作りたいと感じたのがXAION DATA設立のきっかけです。
また、日米の文化の違いを感じたことも背景にあります。
例えば、採用システムを比較すると、アメリカではいわゆるジョブ型採用が一般的です。応募者は「自分にはこういう強みがある」というキャリア価値を前面に出すアピールがごく普通に行われています。
他方、日本では新卒一括採用や終身雇用の概念がまだ根強く、自分のキャリア価値を認識できる機会は多くありません。転職エージェントの「あなたにはこんな価値があるから、こういう企業が良いのではないか」とマッチングするビジネスモデルがうまく行くのも、日本の実情が反映されていると感じます。
先進国であるにも関わらず、日本人の幸福度が国際比較的に低いことがよく話題になります。これは、自身の価値を認識できていないために自己肯定感が低く、幸福感が得られていない日本人が多いためではないかと私は考えています。
そこで、自分の価値を理解し、それを発信して認められることで幸福感を得られる世界観を作っていきたい。そういったところで日本には大いにポテンシャルがあるはずだと思い、起業の決断に至りました。
共同創業者の石崎さんについても教えていただけますか?
石崎(優人・取締役/CTO)は元々日立製作所の同僚で、シリコンバレーのスタートアップでも一緒に働く仲間でした。お互いが抱く問題意識や目指す世界観が同じであったことや、彼が私にないものをたくさん持った、信頼できる人間であったことなどから一緒にやりたいと思うようになりました。向いている方向は同じでも考え方が違うことで、ベクトルの総和としてカバーできる範囲がぐんと広がるのではないかと考えたのです。
彼は日立でも大変活躍しており、起業はかなり大きな意思決定だったと思います。データサイエンティストという職業柄もあり、非常に細かなところまでしっかり見る慎重なタイプなのですが、私を信頼してくれ、「ヤスさんを担いで行きたい」と言ってくれたのは本当に嬉しかったです。
コロナ禍での起業も、コロナ禍で組織体制を見直す企業が増えるというポジティブな影響も
2020年1月、コロナの真っ只中での起業でしたが、この特殊な状況を佐藤さんはどのように受け止めましたか?
大流行の最中、ワクチンもまだなく出口が全く見えていないタイミングでの船出でした。コロナ禍で企業の採用がどんどんストップするのを見て、戦々恐々としていました。
一方で、リモートという業務形態の導入が進んだことにより、組織体制を見直す企業が増えたというポジティブな側面もありました。
対面では通じていた非言語的コミュニケーションがオンラインでは使えなくなり、組織としてのルールや必要な人材の再定義が進みました。実は、そこで生まれた新たなニーズは会社の現状にとって本質的なものであり、ニーズの高まりは我々の持つ「すでに転職活動を行っている顕在層だけでなく、転職活動を行っていないが転職に対する意欲はあるという潜在層にもアプローチして組織に必要とされる人材を見付ける」という技術が受け入れられる土壌の醸成に繋がっているのではないかと思っています。
コネクションが全くない中での仲間集めは至難を極める
創業初期は仲間集めと資金繰りに苦労をされる経営者が多いですが、佐藤さんは仲間集めは順調でしたか?
アメリカから帰国したばかりでコネクションは皆無、右も左も分からない状態からのスタートでしたから、仲間集めには大変苦労しました。事業をドライブさせなければいけない状況の中で、そこに共感してもらえる人を探すは至難の業でした。
1人目の正社員はシェアオフィスで知り合ってスカウトし、2人目はYentaで知り合って業務委託から正社員化しました。それ以降もインターンや大学時代の先輩など、細い細い人的コネクションを絞り出して何とか採用してきたというのが実情です。
創業半年でプロダクトの価値が認められ始め、資金難を脱する
資金面ではどんなご苦労があり、どのように解決されたのでしょうか。
起業直後は売上が上がらないのに支払いだけはあり、預金残高がどんどん減っていく焦燥感は半端ではありませんでした。全て自己資金でやり繰りしていたので、自分たちの給料を極限まで下げて何とか食い繋いでいました。
預金残高がゼロになればおしまいですから「そこまでに何が何でも売り上げなければ」という気合と、あとはキャッシュフローを理解することでいつまでにどういう状態であることが必要かを逆算し、その状態を何とか作り込むという形で何とか最悪の状態を凌いだという感じです。
創業して半年ほど経った頃から、少しずつ我々のビジネスを理解し、契約してくださるお客様が増え始めました。私たちがようやくビジネスというものを理解し始めたという側面もあるとは思いますが、お客様との関係性をしっかり築き、そこに価値提供ができるようになって来たというのが大きな要因ではないかと思っています。
どんな部分がお客様に評価され、契約に繋がったのだと思われますか?
他の人材エージェントや採用サービスとの違いがお客様に認識され始めたことが大きかったです。我々のプロダクトは、簡単に言えばダイレクトリクルーティングサービスのオープンデータ版のようなものです。オープンデータを利用した採用スタイルは日本ではまだ珍しく、結果的にはこれが奏功しました。
宇宙領域など、ニッチ過ぎて他のエージェントがマッチングできなかった企業で我々の紹介した人が決まるようになったことを機に、プロダクトの価値が認識され始め、お客様との関係性もぐっと深まって行った気がします。
差別化の作り込み、組織としてブーストできる体制づくりに苦心
事業の立ち上げで最も大変だったのはどんなところでしたか?
スタートアップで重要なのは競合との差別化です。大手から簡単に真似されるようなプロダクトでは負けは見えていますから、「いかに技術特異点などモート(競合から事業を守る「堀」。ユーザーが選び続ける理由)のある事業を初期に作り込むか」という部分に最も腐心しました。
日本と海外の市場から情報収集をしながら仮説を立て、ビジネスを立ち上げ、売上も上げる。新しい技術でも価値を感じてもらえなければ売上は上がりません。1つでも間違えば会社は終わるという難しさがありました。
次に出てきた問題は、先ほども少し触れた「資金を入れたらちゃんとグロースする」という体制を作ることでした。スタートアップは、初めは組織というより個の力で0→1にする場面が多く、個人として能力の高い人が集まる傾向にありますが、長い将来を見据えると組織としてブーストできる体制づくりが必要になって来ます。事業づくりから組織づくり、私自身が経営者として向き合うポイントが少しずつ変わって来ていると感じます。
社員と会社の成長に伴い、プレイヤーから経営者へ立ち位置が変わる
佐藤さんは、それらの問題をどのように乗り越え、会社を拡大の波に乗せて行ったのでしょうか。
まずはプロダクトの方向性が間違っていなかったこと、そして、既存のメンバーがしっかり育ち、組織として戦えるようになって来たことが初期の難所を乗り越えられた最大の要因だと思っています。個としても組織としても伸びてきたことで任せられることが増え、私は経営や新たな事業づくりに専念できるようになって行きました。
私自身はプレイヤーから経営側に立ち位置が変わって来ましたが、それぞれの社員に対し誠実に向き合うことに意識を置いています。成長には時間がかかるものですし、短期的に結果が出るものではありませんが、その人を信じて成長を待つ姿勢を大切にしています。当社のバリューにも「Integrity」という言葉がありますが、メンバーがお互いに誠実性をもって向き合い、何でも言い合えるような心理的安全性のある職場環境を作ることで成長を加速させて行きたいという思いから着想したものです。
バリューだけでなく、ミッションやビジョンも常に意識しています。当初は環境の変化に伴い「自分が変わらなきゃ」という思いが強かったのですが、業務や肩書が定義する役割に縛られず、会社が目指す方向性を意識し、自分のベクトルではなく組織のベクトルの中に自分を置いてみようと考え方を変え始めてからは、案外すんなりと順応できて来た気がします。
HRから幅広いデータプラットフォームを基盤としたサービスへ
現在XAION DATA社が描いている未来像や、それを実現するための現在の課題を教えて下さい。
事業部分と人的な部分に分けてお話ししたいと思います。
まず事業については、現在のHR主軸から、中長期的にはより幅広い分野で事業利益に利活用できるデータプラットフォームを基盤としたサービスへ発展させて行きたいと考えています。そして、サービスを通じて我々のデータ基盤が拡張し、さらに新しい価値を生み出すというサイクルの実現を目指しています。
その実現に向け、短期的には足元の事業を1つ1つしっかり固める必要があります。また、ChatGPTをはじめとする新しいAI技術が発展しスピーディに変遷する世の中で、データ基盤というコアの部分はセンターピンとして持ちつつ、時代の潮流に合わせた価値提供ができるビジネスモデルを組んで行きたいと考えています。
そのためには課題を見極めて必要な情報収集をし、技術の変遷に対しアジリティの高い経営が可能な事業体制を作って行くことが重要になって来ると認識しています。
組織成長性を高め、会社の目指すゴールを文化として浸透させたい
組織に関しては、成長著しいとはいえまだ個の能力に頼ってしまっている部分もあり、それぞれがベクトルを組織に向けて共に成長できるような組織成長性の高い体制づくりが急務だと考えています。中長期的には会社として目指すゴールやミッション、ビジョンなどを明確化し、文化としてしっかり浸透させることで、組織が大きくなっても皆が同じマインドを維持できるような組織に進化させたいと思っています。
また、先ほど「アジリティの高い経営を」というお話をしましたが人材も同じで、今後は経営環境の変化に迅速に対応できる人材の重要性が増して来ると思います。誠実性を持って自分と向き合い、足りないものを理解して変容できる人材、そして、常に学び続ける姿勢を忘れない人材は時代のスピーディな変化にも対応できるはずです。
佐藤さんが考える理想の組織像についても教えて下さい。
私自身が経営する中で最も大切にしているのは「誠実性」という言葉です。
誠実な人間は自分の持つ弱みや至らぬ部分、課題を受け入れて改善しようというマインドがあり、ビジネスパーソンとして成長するために必要なことへ真摯に取り組むことができます。誠実に事業へ向き合い、目の前のお客様へ向き合い、自分と向き合う。そういう姿勢を常に持っている人間が集まる組織にしたいと思っています。
新しい市場開拓や組織づくりの醍醐味を満喫できるタイミング
佐藤さんが考える、このタイミングで御社に参画する魅力を教えて下さい。
我々のサービスは市場から見てもまだまだ新しい概念で、現在はこの概念を切り口に新たなマーケットを開拓して行こうというフェーズです。これは正にスタートアップの醍醐味を思い切り味わってもらえるタイミングで、何よりも大きな魅力だと思います。
それから、我々は現在個の戦いから組織での戦いへと変貌を遂げている真っ最中です。そういったタイミングで組織の変化を間近で感じ、皆で一緒に成長させていく面白さを経験できるというのも魅力に感じていただければ嬉しいです。
本日は貴重なお話をたくさん伺えました。どうもありがとうございました。
株式会社XAION DATA
https://www.xaiondata.co.jp/
- 設立
- 2020年01月
- 社員数
- 13名
《 Mission 》
Maximize the Value of the World -AI×DATAで世界中の価値を最大化する-
《 事業分野 》
AI・IoT・Robo
《 事業内容 》
AI×DATAを技術基盤とし、各種事業領域にAI技術実装を進めるAIテックスタートアップです。
点在するデータの海からAIが必要なデータを統合し、自然言語処理技術やRPA技術を用いてデータ収集/加工/提供を行い、AIデータサプライヤーとして価値を提供します。
我々は世界中のデータ価値を見出し、最大化する仕組みを提供することで、人の幸福への寄与及び、社会への貢献を実現します。