インターネットを通じて「個人と法人がいつでもどこでも自由に仕事のやりとりができ、日本を含む世界中の人の働き方を変える」というビジョンを持ってクラウドソーシングサービスを提供し、現在は国内最大級規模を誇るクラウドソーシング事業を運営しているランサーズ。
そんなランサーズ代表取締役の秋好社長の創意工夫や考えに深く迫る。
代表取締役社長
秋好陽介氏
1981生 大阪府出身
2005年 株式会社ニフティ入社
2008年 株式会社REET(現ランサーズ株式会社)設立
ランサーズ株式会社
http://www.lancers.jp/
- 社員数
- 約140名(2016年2月時)
《 Mission 》
時間と場所にとらわれない新しい働き方を創る。
《 事業分野 》
WEB・アプリ
《 事業内容 》
クラウドソーシング事業個人間や個人法人間で、仕事を匿名で直接取引できる、仕事のマーケットプレイスを運営。 インターネットを通じて『時間と場所に囚われない新しい働き方の創出』というビジョンを持ってクラウドソーシングサービスを提供。 クラウドソーシング事業の国内パイオニアで国内最大級規模を誇る。
創意工夫で壁を乗り越え、日本で前例のないサービスを立ち上げました。
なぜクラウドソーシング事業に取り組もうと思われたのでしょうか?
学生時代にIT企業を運営しており、システムを受注する側だったが大学卒業後NIFTYに入社し、仕事の発注者側に回った。発注先は信頼がある大企業に限られ有能であっても個人には仕事を発注できない状況だった。NIFTYに限らず有能な個人の能力を活かしきれていない日本の状況に問題意識を持ち、個人をエンパワーメントするプラットフォームビジネスの起業を決意しました。
スキルや経験があるが、結婚して主婦になり活躍の機会を失ってしまった人や地方に住んでいるために能力を活かせずにいる人にも活躍の機会を提供したかった。
当時、まだ日本では前例のないサービスでした。スタートアップ時にはどのような創意工夫をしたのでしょうか?
いきなり起業するのではなく起業する3,4年くらいまえから準備をはじめました。
まずはブログをスタートして、週に1回くらい自分の考えを綴り、将来のお客様層ターゲットに考えを伝えていきました。ブログ読者は約2,000人にまで拡大していきました。
ブログ読者が拡大したタイミングで本も出しました。
一方で最初の頃は『うまく行かないな、』など多くの壁があったと思うのですが?
たくさんありましたね。最初はクレジット会社に弊社サービスの決済代行を取り扱うことができないと言われたのが大きな壁でした。ランサーズは発注者と受注者間の決済代行も行うのですがクレジット機能は不可欠。クレジット会社がOKしてくれないとビジネスモデルが成り立たないのですが、前例のないクラウドソーシングというビジネスモデルで名も無きベンチャーに対して取引はできないと一蹴されてしまいます。
どのように乗り越えたのでしょうか?
その担当者にランサーズの理念を理解してもらうよう必死に伝えました。日本の新しい働き方を創るために会社を作ったこと、ランサーズがいることで有能な個人がどれだけ活かされるのか、など投資家や銀行に示すような中期計画まで提示してプレゼンしました。すると担当者が理念に共感してくれ、クレジット会社社内で決済を通すためにはどうすればよいのか、一緒に相談に乗ってくれるようになりました。結果、そのクレジット会社の決済をいただけることになりました。
秋好さんは営業経験など特にないと思いますが、このあたりの経験不足はどのように補ったのですか?
営業に関しては基本、すべてインバウンド営業(問い合わせが来る形の営業スタイル)の形で対応しています。アウトバウンド営業(訪問型、プッシュ型営業)はしていません。
SEOスキルを活かして、自社サービスが検索上位に表示されるようにして問い合わせを増やしたり、フェイスブック、ツイッターの活用など、お金をかけず、ネット上でスキルを活かしたサイバー型営業スタイルです。
できないことをやるのではなく、できることを徹底してやっていく形ですね。 ベンチャーではできないことをどれだけ考えても意味はなくて、どうすればできるのか、できることをどうやって活かしていくかを考えることが重要ですからね。
経験の少なさは、仲間の経営者や経験のある人にアドバイスを求めたり、お客さんの声にも真摯に耳を傾けることによって補足しています。
そういえば、私にも積極的に質問をされてきますよね。さて、紆余曲折を乗り越えスタートに成功した後に事業が拡大していくきっかけはなんだったのでしょうか?
お客さんの声がきっかけとなりました。それまでも順調にランサーズは成長していたのですが、利用者の要望に応じてカテゴリーを増やしてきたことがよかったです。
ウェブビジネスの素晴らしいところは、ローコストで運営できるので、お客さんの声を聴いて良いと思ったことはどんどんチャレンジできる点にあると思います。やってみて失敗したら辞めればよい。
逆に顧客の声を聞いているだけでは都合のよいサービスで、本当に価値あるサービスにならないことも多い。
そうですね。すべての人にとって都合のよいサービスを作るのは難しく、ランサーズでも辛い意思決定をしたことがあります。たとえば、ランサーズのプラットフォーム上で取引する金額の最低金額を設けたことです。あらゆる人に利用してほしいという想いは有りますが、価値あるサービスを提供するには顧客層を定義しなければならない。プラットフォームサービスなので株式市場と同じものと考え、様々な市場について勉強しました。その結果、一部のお客さんが利用できなくなり一時的に利用者数は減りましたが、サービスに対する満足度・評判が向上しました。
仮説 ⇒ 検証 ⇒ 横展開 ということも行って結果を伴ってきました。
ランサーズの仕事は、発注から納品までオンライン上ですべてが完結します。そのような仕事はロゴデザインのみでなくSEの仕事など他にもあるので1つ1つ成功パターンを積み重ねて横展開していきたいと思います。
意思決定時に大事にしていることは何ですか?
『なぜこの事業を始めたのか?』 という原点の想いに立ち返って考えています。
これまでも多くの失敗をしてきましたが、やはり創業時の想いに立ち返ることによって
正しい判断ができると思います。
これまでの失敗などをもとに今後の経営に活かしていきたいと思うことはありますか?
もともと慎重で、石橋を叩いて渡るタイプなんです。最初にアルバイト一人採用したときに3ヵ月迷って意思決定したくらいでした(笑)
今思えば、もっとチャレンジして良かったと思うことも多い、人の採用に関してはもっと積極的にやってもよかったな、と思うことが多いですね。
秋好さん、ありがとうございました。
ランサーズ株式会社
http://www.lancers.jp/
- 社員数
- 約140名(2016年2月時)
《 Mission 》
時間と場所にとらわれない新しい働き方を創る。
《 事業分野 》
WEB・アプリ
《 事業内容 》
クラウドソーシング事業個人間や個人法人間で、仕事を匿名で直接取引できる、仕事のマーケットプレイスを運営。 インターネットを通じて『時間と場所に囚われない新しい働き方の創出』というビジョンを持ってクラウドソーシングサービスを提供。 クラウドソーシング事業の国内パイオニアで国内最大級規模を誇る。