いつでも転職できる人になるために「スタートアップ副業」という選択肢があることを知ってほしいためにこのコラムを書いています。
物理学の話ですが、物体を動かす時には摩擦が生じ、摩擦係数μ(ミュー)は静止時が一番大きい。そして、一度止まったものが動きだすときに最も大きな力が求められます。ひとたび動き始めると慣性の法則が働き、滑らかに動きます。
キャリアについての考えも似ていて、社会変化が加速する令和時代では“いつでも動ける(転職できる)状態”にしておくことがとても大事になり、”安定したければ不安定になったほうがよい”と私は考えます。
「自分は今の会社で評価されているから大丈夫」と思っている人もいるかもしれませんが、それは在籍している会社のブランドや信用で成果を出せているだけかもしれません。
決められた通りに行って成果を出す仕事の進め方をしている人は、AIなどのテクノロジーに置き換えられたり、リモートワークによって人件費の安い地方や海外人材に代替されてしまう可能性があります。
令和で生き残れるのは、道なき道を歩み、自分のやり方で結果を出せる創造的な人材です。
そのような経験・スキルを得るには、カイシャの枠をはみだし個の力で成果を出すことが求められます。
とはいえ、家族も住宅ローンもある中で不安定な状況に自分を全振りすることは難しいというのが現状です。それでも自身の摩擦係数(μ)を低くしておくためには具体的にどうすればよいか?
アマテラスのお勧めは、「スタートアップで副業をする」ことです。
今回は前編として、スタートアップでの副業を勧める理由を中心にお伝えしたいと思います。
1.スタートアップ副業をお勧めするのはこんな人
アマテラスがスタートアップ副業をお勧めするのは、以下のような人です。
・今いるカイシャと心中するつもりはなく、カイシャの枠を超えて自分の力で生きていきたい。
・今いるカイシャで成果を出してきて、一定のスキルがあると自負している。
・ただ、そのスキル・経験が社外で通用するのか不安。
・自分のスキル陳腐化が不安。
アマテラスに登録しているOさんがスタートアップ副業を希望する理由は以下のようなものでした。
・”気鋭”のスタートアップで5年ほど法人営業に携わってきた。
・それなりに成果を出し、会社も成長して上場した。
・ただ、自分を客観視できなくなり、「自分の営業スタイルは特殊なのでは?」と思い、社外でも通用するのか不安になってきた。オフラインのイベント企画力は自分の強みと思っていたがコロナ禍であっという間にウェビナーに代替され、社会変化の速さを感じる。
・子供がまだ小さく、長く働き続けるためにも”気鋭”のスタートアップで副業して自身が通用するのか確認したい。
この方のように今のカイシャで成果を出し、活躍していながら自らのキャリアを「正しく怖れ、サバイバルする力を付けていこう」という方のためにこのコラムを書いています。
2.なぜ「スタートアップでの副業」がお勧めなのか?
一般的にスタートアップ・ベンチャー企業は
- 資金がない
- 時間がない
- 人材が不足している
という状況です。
事業の壁(課題)にぶつかった時、大企業では社内の誰かに聞けばよいことがありますが、スタートアップでは現社員のスキル・経験が不足しており、「どうすればよいのか全くわからず困っている」ということになりがちです。
そういったスキル・経験のある人材を得るにも、正社員採用は時間やお金が掛かります。また、ミスマッチ時のリスクも気になります。
そこで、似たような課題を解決したことのある即戦力人材にスポットで参画してもらうことが合理的になります。つまり、副業やフリーランスといった業務委託と相性がとてもよいのです。
実際にアマテラスを利用しているアーリーステージのスタートアップは、そのほとんどで副業・フリーランス人材を活用しており、更には社員の大半が非正規社員です。弊社でも、マーケ・UI/UXといった専門領域はその分野でトップランナーであるメガベンチャーの役職者クラスに副業で参画頂いています。
スタートアップはミッションドリブンの組織なので、雇用形態は柔軟です。「回転扉」のように人材が出入りすることを是とし、必要なタイミングで必要な人材に関わってもらえれば良いと考えます。
「社会の役に立ちながらスキルを磨きたい」と考えるプロ人材はスタートアップから需要が高く、回転扉のように出入りがスムーズなので、副業参画がしやすいのです。
3.”いつでも転職できるようにするため”にスタートアップ副業を勧める7つの理由
さて、本題ですが、変化が加速するアフターコロナ、令和時代を生き抜ける“いつでも動ける人材”になるため(≠自身の摩擦係数[μ]を下げるため)にスタートアップ副業をお勧めする理由をお伝えします。
理由1:己を知る
正社員として長く同じカイシャで働いていると、自分のやってきたことをきちんと言語化できないことが多いと感じます。素晴らしいスキルを持っているのに認識していない勿体ない方が少なくありません。その結果、「何ができますか?」と聞くと、「部長です」といったように役職で自分を語る人がいます。
しかし副業で働くならば、明確な成果を語らければならなくなります。出せる成果で報酬を貰うというプロ意識がつくのが副業をする1つのメリットです。
そして、自身のスキルレベルを知るためのお勧めは、その道の第一線にいる人の近くで働くことです。トップランナーとの距離を測ることで多くの気付きを得ることができます。同じようなレベルの人と働いても成長はできません。
大企業やメガベンチャーのエース人材と言われる人はロールモデルになると思いますが、そのような方と副業人材が一緒に仕事はするのは難しいでしょう。
そこで、狙い目は凄い人が起業したばかりのスタートアップです。
出来て間もないスタートアップは前述したようにお金もなく人材もいないため、副業を受け入れる傾向があります。また、そこは社長や経営陣と距離がとても近いのです。
まさに自身のロールモデルになりそうな凄い人の近くで働くことが出来るチャンスがあります。
〔事例〕
大手食品企業でマーケティングの仕事をしていたTさん。経験を積み、実績を出せるようになっていましたが、自身のスキルレベルを1流マーケターのものさしで測ってみたいと考えました。グローバル飲料メーカーの日本支社長が独立してマーケティング会社を設立したのを知り、「副業で雇ってくれないか」と直接売込み、見事成功。世界でもトップレベルのマーケター直下で働く機会を手に入れました。副業で働く中で大きなやりがいを感じ、その後正社員として参画。
こうした機会を得るためには、シリアルアントレプレナーのSNSをフォローするのもお勧めです。「新しい会社を立ち上げたので仲間募集!」とか「凄い人の起業にエンジェル投資したので、参画してくれる人募集!」といった書き込みを見つけたら副業のビッグチャンスです。「副業募集」と書いてなくても問題ありません。 創業間もないスタートアップほど副業歓迎のことが多いです。
理由2:自分の「カイシャ」を知る
「自分の市場価値を知りたい」と思うのと同様に、「自分がいるカイシャは市場でどう判断されているのか」を知ることもとても大切です。
正社員として自身の貴重な時間を投資する場所ですから、それに値する場所なのかを見誤ると、どんなに才能があり、努力をしても市場では評価されません。市場で評価されないと、転職が難しい人材になってしまいます。
自分のカイシャを知る良い方法は外に出て、違うカイシャの空気を吸ってみることです。
属性が近い人が入社し、朝から晩まで一緒に働き、社内結婚するようなカイシャ・コミュニティで過ごしていたら、一般社会とは視点や考えがずれてきます。
とはいえ、そのために転職するのは難しいでしょう。しかし、副業ならそのハードルがぐっと低くなります。スキルがある方であれば、業種をまたいだ副業も可能です。
スタートアップはそもそも多くが転職組・副業組のよそ者の集まりなので、そこで出会う仲間を通じて社外の実態を知る良い機会を得られます。
また、法人営業ひとつとっても、金融業界内の銀行と証券では営業スタイルが異なります。業界を超えるとさらに違いが大きくなり、金融業界・エンタメ業界・医療業界の営業手法は全く異なります。
これからは異業種参入が加速してくるでしょう。GAFA(Google・Apple・Facebook・Amazon)があらゆる産業の脅威になる現実を、ここ10年で私達はたくさん見てきました。社内にばかり目を向けるのではなく、大局観の中で「カイシャ」を捉えることが求められます。
理由3:ゼロイチスキルを磨ける
・技術革新の加速に伴い産業寿命が短期化
・人の健康寿命が延伸。100年時代に
・コロナによって社会変化が加速
といった要因からアフターコロナ社会では、企業の新陳代謝が加速し、事業の0⇒1(ゼロイチ:事業立ち上げ)ができるビジネスパーソンの需要が増してくるでしょう。
ゼロイチスキルは再現性があるスキルなので、業種をまたいでもポータブルに活躍できます。
ゼロイチスキルを磨くなら大企業よりスタートアップです。大企業とスタートアップでは仕事の進め方も大きく違いますが、登山に例えて説明します。
〔大企業〕
・既に誰かが登頂したことがあり、誰でも登れるように舗装された山道が準備されている。
・求められるのは、定められたマニュアルに従って登るフォロワーシップがある人材。
〔スタートアップ〕
・目指す登頂は決まっているものの、誰も登ったことがなく登り方がわからない。
・求められるのは、登頂にコミットし、登り方を自ら考え、自ら問題解決する人材。
令和で生き残れるのは、道なき道を歩み、自分のやり方で結果を出せる創造的な人材です。言われた通りに行動するだけでは、AIや給与が低い人、若い人に代替可能で、市場価値は上がりません。
あなたがどこかでゼロイチを成功させた経験があれば、それを求めるスタートアップにその経験を(副業で)売り込んでみましょう。スタートアップからすれば、未経験の社員だけでゼロイチをするよりも、経験した人に任せた方が失敗確率を大きく減らせるので、興味を持つはずです。
特定領域のゼロイチを何度も経験することで成功確率を高めていければ、その分野でコンサルタントとしてエッジを立てたり、起業をすることも可能になるでしょう。リクルート出身者がスタートアップ界で大活躍しているのは、ゼロイチ経験があり、洗練されたゼロイチスキルにまで磨きこまれているからだと思います。
今いる会社でゼロイチ経験を積めた方は幸運だと思います。でも、それを一度きりの経験とするのは勿体ないと思います。その経験が旬なうちに再現性のあるレベルまで磨きこむことで、あなたの専門性と市場価値がぐっとあがります。
「ゼロイチスキルを磨くならリクルートに入るのが近道」と言われてきましたが、スタートアップ副業というオプションもあります。
アマテラスには、先端を行くスタートアップでのゼロイチ機会が溢れています。ぜひ試してみてください。
【事例:サブスクゼロイチのプロフェッショナル Mさん】
Mさんは以前在籍していた会社の事業をサブスクリプション型の課金体系に移行し、いわゆるB2B SaaS(Software as a Service)のビジネスモデルに変換することに成功。B2B SaaS、サブスクのビジネスモデルに変換させたいスタートアップはたくさんありますが、その経験がある人材は希少です。Mさんはこの経験を活かし、スタートアップでサブスクへのモデル変換を請け負うプロ人材としてスキルを磨き市場価値を上げています。
【スタートアップで求められる「失敗経験」】
ゼロイチスキルがある人材と同様に求められるのが「失敗経験がある人材」です。
シリコンバレーでは失敗経験がない人はチャレンジしたことが無いとして評価されないと言いますが、日本のスタートアップ界でも失敗経験を評価する傾向があると感じます。
特に先端領域のスタートアップでは、その領域自体が立ち上げ途上で、成功者がまだ誰もいないということがよくあります。この場合、求められるのは「その領域の失敗経験者」です。ファーストペンギンとして派手に失敗した人ほど高く評価されたりします。
雇う側からすれば、失敗経験者を雇うことで同じ失敗を避けられます。また、失敗を怖れずチャレンジした人(≒ファーストペンギン)をリスペクトする文化がスタートアップにあるので、勇敢なチャレンジャーとして迎え入れられます。
一昔前のAIスタートアップの事業開発人材はまさにそうでした。当時はAI事業そのものが認知されておらず、多くのAI事業はPoCの壁に跳ね返されてきました。しかし、そのような人材は会社が潰れたり解雇されても、さらに給与アップして別のAIスタートアップから声がかかります。「レアな失敗経験」には価値が付くのです。
今いる会社でレアな失敗経験を積むことが出来たなら、悲観することはありません。貴重な経験をしたとポジティブに発想し、それを評価してくれそうなカイシャを探し、副業として試すのは面白いと思います。
理由4:本業での自信につながる
勤務先での自らの成長を感じなくなったり、自分の価値がわからなくなることもあるかと思います。
そんな時にスタートアップでの副業で成果を出し、
・人に感謝される
・自分が培ってきたスキルは社外でも通用する
・自分は存在価値がある
と実感することで自信を取り戻すことがあります。
大手出版社で編集の仕事をしてきた50代のDさんは、管理職になり編集よりもマネジメントがメインになり、行き詰まりを感じていました。年収も役職も上がったものの、編集者として誰かの役に立ちたいという気持ちがくすぶっていました。
そんな折、Dさんに某ネットメディアスタートアップからコンテンツ立上げの副業を打診されます。「編集や記事作成はわかるが、ネットメディアは分からない」と答えると、ネットメディアに詳しいメンバーがサポートすると言われました。その後、見事ネットメディア立上げに成功。自身のスキル・経験が若いスタートアップの役に立ち、深く感謝されたことをきっかけに本業にも意味を見出すことができました。
Dさんは元気を取り戻し、ポジティブに本業に取り組んでいます。副業を通じて出来た新しいネットワークもDさんに良い影響を与えているようです。
理由5:転職リスクを減らせる
転職したいスタートアップがあるなら、まずは副業から関わってみるのもお勧めです。
スタートアップの本当の状況は、中に入らないとわかりません。「入ってみたものの失敗だった」という事態は避けたいので、リスクヘッジとして副業は有効です。
転職失敗となった場合、人にもによりますが、退職準備、次の転職活動期間、新しい会社での適応期間、メンタルケアなどを含めると1~3年程キャリアをロスするイメージです。
特に、エリートキャリアの方ほどスタートアップ転職失敗のダメージは強いようです。これまで「優秀」と言われ続け、さしたる失敗をしてこなかっただけに、転職失敗で心に大きな傷を負うことは理解できます。初めてのスタートアップ転職でクビになり、数年引きこもってしまったという方もいらっしゃいます。
私の感覚では、スタートアップで副業として3か月も働けば会社のカルチャーを理解できます。勘の良い人なら1か月程で十分でしょう。
小さい組織ですし、数か月も働けば社長の振る舞いを間近で見て人間としての相性は確認できます。企業の意思決定プロセスに関わり、働きたい会社かどうかを見極めることもできるでしょう。副業期間中に「この会社は合わない」と感じたら、義務を果たした上で契約を延長しなければよいだけです。
スタートアップを目利きするのに、「時間」は重要な要素です。
ベテランのベンチャーキャピタリストから頂いたアドバイスを金言として記憶しています。
「投資すべきか悩んだ時は焦って投資せずに『時間』に頼る。『時間』は本質をあぶり出してくれる。社長が言行一致しているか、ぶれない人か、逃げない人か。こういうことは『時間』が教えてくれるんだよ」
理由6:個人に信用と情報が集まる
スタートアップ副業の良さの1つに、個人に信用と情報が蓄積していくことがあります。
「会社員」として仕事をしている限りはどんなに良い仕事をしていても「〇〇会社の〇〇さん」というカイシャのカンバンの域をなかなかでません。
他方、副業を通じて個人の実績を積み上げていくことで、「あの仕事なら〇〇さん」という評判が出来、個人としてのネットワークが拡がります。
「会社員」と「個人」の信用蓄の違いが現れるのは、「起業・独立」した時です。
会社員としてそれなりに実績を残していたが、独立した途端にこれまでの取引先から仕事が来なくなった、ということがよくあります。
私が起業した際、お世話になった経営者からこういわれました。
「藤岡君、起業したら、最初に取引先がなくなる。次に友達と思っていた人がいなくなる。そして、お金がなくなっていく。辛いけど頑張って」
そして、見事にその通りになりました。
会社員時代のお客さんに起業の挨拶とともに仕事を依頼すると、「それは〇〇社にいたからお願いできていた。できたばかりの会社には頼めない」と言われてしまいました。
よく一緒に飲んでいた大手金融企業の部長さんに「飲みに行こう」と連絡すると、返事すら来ませんでした。
新規営業先のベンチャー社長から「ただの新興人材会社だろ、がたがた言わずにいい人材紹介しろよ!」と業者扱いされた時にはカンバンがなくなった辛さを肌身に感じました。
そうしているうちにお金が減っていきます…。
起業してみて、「カイシャ」という傘が思っていたよりも大きなモノだったと認識しました。
しかし、副業で実績を出している人が起業すると、とてもスムーズです。
大企業勤務の傍らでスタートアップ副業を経て起業したSさんはこう言います。
「起業後、順調に事業拡大できたのは、副業を通じて個人の名前で仕事をしてきたから。既に自分というカンバンに信用があり、情報が集まるようになっていたので仕事も取れた」
副業で仕事をしていると、半分起業しているようなものです。副業が軌道にのったところでブースターである本業の会社を切り離してもスムーズに加速していきます。
理由7:ネットワーク構築が加速し、転職偏差値が上がる
「令和時代にいつでも転職できるビジネスパーソンになる」には、「キーパーソンネットワーク」に加わることが重要になります。スタートアップでの副業によってCxOクラスと繋がり、ネットワーキングを加速することが出来れば、様々な仕事のチャンスが拡がります。
以下にて詳細を述べていきます。
◆令和は人脈(深くて強い関係)よりもネットワーク(浅く広いつながり)が活きる時代
人脈とは、深く、強い人間関係のことで、同じ出身地や学校、職場など密接に濃い時間を過ごして醸成される。互いのプライベート事情を知り、仕事の利害関係や損得を抜きにコミュニケーションができる関係。似たような人が多いため新しい刺激は受けにくいが、心の奥底で分かり合える。
他方、ネットワークとは、浅くて広いつながりで、友達と呼ぶほどパーソナルな関係はない。しかし、お互いがビジネス上の何者であるかを知っていて、仕事の相談やお願いができる程度の関係。業界、業種、年齢帯等も幅広く、多様な情報を効率よく得ることができ、刺激を受けやすい。
人脈はビジネスの大事な資産ですし、友人は人生の幸せの源だと思います。
しかし、「令和時代にいつでも動けるビジネスパーソンになる」という観点からいえば、「ネットワーク」の重要性がより際立ってくると考えています。
ソーシャルネットワーク研究において1973年に米マーク・グラノベッター氏が発表した「弱いつながりの強さ(The Strength of Weak Ties:以下SWT理論)」という有名なネットワーク理論があります。ホワイトカラーの転職成功者を分析したところ、転職に有意な情報は、つながりの強い人達(≒人脈)よりも普段接触頻度の少ないつながりの弱い人達(≒ネットワーク)からもたらされたことがわかりました。
つながりの強い人(≒人脈)からの情報は同質的で情報ソースも近いので既知であることが多いが、弱いつながりの人達(≒ネットワーク)からの情報は普段の交流では得られないような多様で異業種の知見を得られることから転職活動にはネットワークが有益という理論です。
2010年代からSNSが爆発的に普及し人間関係も広く浅いネットワーク型が増加しました。世界中の任意の2人は5人程度の仲介者によって関節的に繋がっていると言われますが、Facebook上では4.7人だったという調査結果があります。
◆スタートアップ副業でネットワーク構築が加速する
特にスタートアップではCEOやCxOクラスはSNSを通じて密に繋がっており、人材採用でも活用されています。
スタートアップでは人材採用時に「リファラル採用」と呼ばれる、自社の社員から友人や知人等を紹介してもらう手法を優先的に使っています。自社社員からの紹介ですので、人材紹介業を介するよりもコストが抑えられ、しかもミスマッチが少ないからです。
まだ表に出てない魅力的なポストに声がかかるのは、リファラルの段階でキーパーソンに第一想起されるネットワークに入れているかどうかにかかっています。令和では美味しいポストは転職エージェントではなく、キーパーソンネットワークによってもたらされるのです。
このネットワークに入るには、スタートアップで良い仕事をすることに他なりません。スタートアップで副業をすることによってCxOクラスと繋がり、スタートアップのキーパーソンとのネットワーキングを加速することが出来るでしょう。
後編はこちら↓