2022年のシリコンバレーから見る2023年のHR予報

2022年、シリコンバレーではAmazonやMeta、Twitterを始めとしたtech企業による社員の大量解雇が話題となりました。

サンフランシスコ湾岸に位置するシリコンバレーは、大手コンピューターメーカーやハイテクベンチャーなどを中心としたIT企業が密集しており、企業の経営状態や雇用の状況に常に注目が集まっています。

こちらの記事ではシリコンバレーの雇用状況や需要が高まっている職種など最新のHR情報をお届けします。

2022年のシリコンバレーの雇用状況

2022年のシリコンバレーでは、Amazonをはじめとする多くの企業で解雇等のコストカットが行われました。

その一因として、コロナ禍による需要の急激な変化があります。コロナ禍初期はデジタルサービスの需要が急増し採用が積極的でしたが、コロナ禍での外出制限が落ち着くに従って需要が急減し、企業の評価額が下がったという背景があります。この影響によりオンラインサービスを提供するシリコンバレーの多くの企業では大量に社員を解雇せざるを得ない状況となってしまいました。

他方、2022年のアメリカ全体の雇用状況は悪いものではありませんでした。CNNはアメリカの雇用状況について、雇用増加数はパンデミック流行前の2019年の水準を大きく上回り失業数も50年ぶりの低水準になったと報告しています。

アメリカ全体の解雇はわずか13%増にとどまっているのに対し、tech系企業の解雇は前年比649%増となりSalesforceやStitch Fixに見られるような大量解雇が深刻な問題となっています。シリコンバレーのビジネスリーダー達はこの問題に対して、tech系企業はコロナ禍の需要を見誤ったことが原因であると指摘しています。

CNNは、シリコンバレーで働く人々にとって2023年が「覚悟の年」になるとしており、解雇の危機は今後も続くと予測しています。日本でも様々なサービスを展開し世界の流行を生み出す企業が集まるシリコンバレーの雇用状況は今後も注目していく必要があリます。

今シリコンバレーで求められている職種トップ5

IT企業が数多く集まるシリコンバレーですが一体今どのような職種が求められているのでしょうか。
ブルガリア発のスタートアップEnhancvが発表した2023年に需要が最も高まると予測されている職種をご紹介します。

1.Java Developer

Java開発者は、作成するWebアプリケーション、ソフトウェア、プログラムの全ての開発サイクルに関わります。常に需要の高い仕事であり、企業はこの役割を担うために採用活動を行います。

2.Cloud Architec

クラウドアーキテクトは、Python、Ruby、Elixirなどのプログラミング言語での経験やITエンジニアリングのバックグラウンドが求められます。クラウドの監視、アプリケーションの設計、事業計画の立案などさまざまな責任を担います。

3.Product Manager

プロダクトマネージャーは、顧客のニーズと、製品や機能がターゲットとするビジネス目標を特定します。そして、その製品の成功を定義し、そのビジョンを実現するためにチームをまとめます。

4.Cybersecurity Specialist

私たちの生活やビジネスにおいて、デジタルツールへの依存度が高まるにつれサイバーセキュリティの重要性が増しています。Cybersecurity Specialistは、組織の機密データを保護しハッキング、情報の盗難、その他の不正使用などのリスクからデータを安全に保つためのスキルを備えた専門家です。

5.Data Scientist

データサイエンティストは、データにもとづいて合理的な判断を行えるように意思決定者をサポートする役割を担います。具体的な仕事としては、データ分析の問題を特定・収集及びデータを操作し、明らかにしたことを経営者に伝えます。

シリコンバレーで働く

雇用に関するニュースが飛び交うシリコンバレーですが、シリコンバレーで働くにはどのような方法があるのでしょうか。また、採用におけるトレンドはあるのでしょうか。

1.新卒と転職

新卒でシリコンバレーの企業に就職する学生は、シリコンバレーとパイプラインを持つ大学を利用することが多いようです。また、転職の際にはいくつか方法がありますが、代表的なものはシリコンバレーの企業に勤める人とネットワークを作りそれを利用する、または採用ツールを使うかの2つに分けられます。

2.企業とのネットワーク

ビジネス向けSNSであり採用者がユーザーに直接スカウトを送ることもできるlinkedinが使われている他、シリコンバレー企業が開催しているセミナーでネットワークを形成するという方法もあります。

3.採用ツール

採用ツールとしては近年様々な企業がサービスを展開しています。シリコンバレーの特性もありエンジニア専門の採用支援を行うサービスや、企業側が転職希望者のデータを詳細に分析できるツールを提供するなど、様々な特性の採用ツールを売りにする企業が多く存在しています。
以下ではシリコンバレー企業に転職する際に使用されているツールを3つご紹介します。

Dice

tech系職の転職採用に力を入れているDiceは、アメリカに460万人の登録者を持ちシリコンバレー企業の採用にも使用されています。エンジニアの需要が絶えないシリコンバレー企業にとってDiceは重要な一翼を担っていると言えます。

Lever

2012年に創設されたLeverは、人事・採用のトップソフトウェアとして評価され数々の賞を受賞しています。またジェンダーや人種にも配慮しており雇用におけるダイバーシティーを重要視しています。

Startuplife

2011年にフィンランドのAlalto大学で創設されたStartuplifeは、スタートアップに特化した転職サイトです。起業に対するネガティブなイメージを払拭し、才能ある人々に機会を提供しようというミッションの下、今までシリコンバレーを中心とした120社に人材を送り込んでいます。

おわりに

IT企業が数多く集まるシリコンバレーではビジネスの潮流や雇用状況、採用ツールのトレンドが日々変化しています。昨今社会情勢が目まぐるしく変わる中、シリコンバレーだけではなく世界中の企業の状況が変化しています。今後も世界のスタートアップ市場や採用状況の変化に注目していきたいと思います。

アマテラスではスタートアップにコアメンバーとして参画するための転職・副業サイトを運営しています。厳しい審査を経た企業のみが掲載されているため、初めてのスタートアップ/ベンチャー転職・副業の方も安心してご利用できます。
会員登録をして頂くと募集ポジション等の詳細情報をご覧頂けますので是非ご登録ください。

アマテラスに登録して新着スタートアップ情報を毎週受け取る。

この記事を書いた人

アバター画像


アマテラス編集部

「次の100年を照らす、100社を創出する」アマテラスの編集部です。スタートアップにまつわる情報をお届けします。