【CxOキャリア】36歳からのスタートアップへの挑戦!仕事へのワクワクを大事にし、活躍し続けるために。

株式会社フツパー事業戦略室CSO 杉山琢哉氏

今回の転職者インタビューは、アマテラスを経由して株式会社フツパーCSOとして入社をされた杉山さんにお話を伺いました。

大手コンサル会社から、36歳でスタートアップへ飛び込んだ杉山さんの、苦労したこと、仕事の取り組み方、大事にしていることなど、スタートアップに興味はあるものの迷われている方の参考になる話しをお伺いしました。

杉山琢哉氏

事業戦略室CSO
杉山琢哉氏

株式会社フツパー事業戦略室CSO。少年漫画脳の42歳。11歳と5歳の息子とドラクエするのが日課。

株式会社フツパー

株式会社フツパー
https://hutzper.com/

《MISSION》
最新テクノロジーを確かな労働力に

「驚くのは安さではない、AIの精度だ」をコンセプトに、現場のリアルなデータと独自のアルゴリズムにより、製造現場に特化した実用的かつ高精度なAIをお届けしております。

36歳でコンサル会社からスタートアップへの転職

アマテラス:

まず初めに、生い立ちから現在のキャリアについて教えていただけますか?

株式会社フツパー 事業戦略室CSO 杉山琢哉氏(以下敬称略):

私は愛媛県の今治市出身で、実家は縫製工場を経営していました。祖父の代からやっていて父の代で閉じたのですが、中小の工場ってすごく大変だなというのを子どもながら感じていましたね。

東京の大学に進み、新卒でアクセンチュアに入社、製造業向けの戦略コンサルタントを13年ほど経験しました。30代後半になって、新しい領域にチャレンジするんだったら、そろそろ最後のタイミングだろうなと思い、一番違う領域に飛び込む決意をしました。

そして、36歳になる2018年に環境系のものづくりスタートアップに転職しまして、そこで5年間ほど新規事業の立ち上げだったり、新しい工場の立ち上げを経験しました。その後再度転職して、2023年から現在勤めているフツパーに入社して今に至ります。

アマテラス:

どのような軸で転職活動をしましたか?

杉山琢哉:

30代後半に差し掛かり、このまま一生コンサルをやり続けるかどうかという、キャリアの分岐点の時期でした。転職を考えたときに、どうせ新しいことをやるなら、もう極端に違うことをやってみようと思い、大企業の経営企画やもう少し近いところのピボットではなく、全く違うスタートアップにいこうと考えました。

ただ軸として、ものづくり系にいきたいという思いがあったので、2社目はものづくりのスタートアップで、かつ環境系素材という、経験したことのない分野ににチャレンジしようという思いで決めました。

スタートアップで価値を出すために苦労したこと

アマテラス:

2社目のものづくりスタートアップに入社していかがでしたか?

杉山琢哉:

入社してからの半年間は本当に大変な思いをしました。それこそ新しい景色が見えてよかったなと思っていますが、やっぱり戦略コンサルタントとして出す価値と、スタートアップで出す価値は、価値の出し方がもう真逆で全然違いました。その価値の出し方の違いを自分でアジャストすることは、だいぶ苦労しましたね

アマテラス:

その苦労をどうやって乗り越えたのですか?

杉山琢哉:

なにか成果をひとつ出すことですね。戦略コンサルタントの時は、大企業にいろいろな利害関係や立場が違うステークホルダーがたくさんいるので、誰もがそれがいいと思わせるロジックとエビデンスが必要で、しっかりとアウトプットを緻密に作り上げることが求められます。

でもスタートアップって、そんなことが一切必要なくて、創業者がオッケーと言ったらすぐ進むわけです。だからその合意形成のためのアウトプットを詰めることは求められてないし、必要ありませんでした。そんなことを机でやってるぐらいだったら、現場走り回って1件でも営業取ってこいっていう話だったんですよね。

その中で、新しい開発の案件があり、開発のプロジェクトマネージャーに加え、自分で営業もしていました。周りからはどんなもんや的な目でしばらく見られてましたが、半年後ぐらいに初の大型受注を自分が取ってきて、自分で納品したのです。それで少し認められた気もしていて、そこから積極的にいろんな案件の相談が来るようになったり、いろんなことを任せてもらえるようになったと感じています。

心からワクワクして取り組んだときが成果が出せる

アマテラス:

ご活躍していた中、なぜ転職をしようと思ったのでしょうか?まずきっかけからお伺いできますか?

杉山琢哉:

5年間、本当に脇目も振らずやってきました。新規事業として新しいリサイクルプラントをゼロから作ることを最後の3年間ぐらいやったことが、一番長く大きな仕事です。最初はリサイクルも工場を作るのも素人の僕が、試行錯誤しながら、なんとか合意を得ながら進めていきました。工場や企画設計メンバーも50人ぐらい採用して、工場竣工し本格稼働まで、新しい挑戦の連続でした。ただその後自分がいないと回らない状態はフェーズとしては終わり、やりきったと感じています。

新しいことに挑戦している時が一番ワクワクするので、もっとワクワクするところがあったら転職を考えたいなと、少しだけアンテナを張り始めたぐらいの感じでした。0→1がやっぱりやりたいっていうのが一番にあるのかもしれません。そういうところに心躍る性分なんです。

アマテラス:

0→1をつくることに楽しみを見出せるようになった原体験はありますか?

杉山琢哉:

新しいものが好きなのでしょうけど、子どもの頃から飽きっぽいところはありました。確かに過去を振り返ると、新しいことに挑戦してて、気持ちが乗ってきた時の方が、特に成果を出せていたなと思います。

アクセンチュアの時も、次のものづくりスタートアップでも、今振り返って、自分が成果を出したなと思えた時は、やっぱり心からワクワクしてやってる時だったと思います。気持ちによってパフォーマンスって左右されると思うんですよ。たぶん僕自身がその影響を受けやすいタイプだと自認しています。

自分が成果を上げて周りに貢献する意味でも、自分自身が一番ワクワクする環境に積極的に身を置くことが、結果的にみんなにとっていいことであり、自分にとってもいいことだという思いはありますね。それをベースにいろいろ働く場所や内容を選んだりしています。

アマテラス:

1社目のアクセンチュアには13年、2社目のものづくりスタートアップには5年いましたが、振り返ってみていかがですか?

杉山琢哉:

コンサルタント業界はちょっと特殊だったかもしれません。長く同じプロジェクトをやるようなこともありますが、僕の場合は半年から1年ぐらいで別のプロジェクトに手を挙げて、新しいプロジェクトを担当するということをずっとやってました。ある意味、転職を繰り返してるようなものでした。13年やり切れたのは、どんどん新しいことをやり続けてたということがあります。

ものづくりスタートアップは、全然違う業界に飛び込みましたが、5年勤められました。打算じゃなくて、直感で決めたから踏ん張れたっていうのがありますね。ステータスとか報酬とか、立場とか打算で決めると、思ってたことと違うことが出てきたときに、他にすぐ移りたくなるじゃないですか。それとは違い、直感で決めると、その後すごくしんどいことがあっても、なんとか踏ん張って乗り越えていこうという馬力が生まれると思ってます

フツパーへ転職のきっかけと仕事を選ぶ価値観

アマテラス:

転職活動について、最初は積極的に動いてなかったとのことですが、仕事を決めるうえで軸はありましたか?

杉山琢哉:

製造現場に貢献したいなっていうのと、スタートアップでやりたいなっていうことぐらいでした。そこに自分がワクワクする世界があるんだったら考えてもいいなぐらいの感じでしたね。そのぐらいふわっとしてました。

転職活動をはじめてみたら、アマテラスさんがフェイスブックの広告に出てきて、「スタートアップ専門」とあったのでクリックしました。「AIアマテラス」(※)をやってみて、候補企業に「フツパー」って企業が出てきたんです。せっかく候補企業で出たので「気になる」を押してそのままにしてました。そこからすぐフツパーから連絡いただいて、もうそこで転職活動が終わったという感じです。

※アマテラスのAI面談でキャリアと志向にマッチするスタートアップを紹介するツール

フツパーの選考過程で感じたことと、信じた直感

アマテラス:

選考過程での思い出やエピソード、不安に感じたことなどがありましたら教えてください。

杉山琢哉:

フツパーにお声がけいただいた後、出張ついでに関西のオフィスを初訪問しました。そこで2時間ぐらいメンバーと雑談して、そのまま飲みに行きました。選考というよりはみんなで話して飲んで、普通に楽しく話している中で、一緒に働くことにさせてもらったという感じです。

その時に、僕はこの会社以外考えられないなと、ビビッときました。これは建前じゃなくて、もう全部良かったんですよ。初めてオフィス行った時に、無駄のないお金の使い方をしているというのが一目でわかるようなオフィスでした。備品も貰い物だったり、壁に吸音シートを自分たちで貼ったり、そういうのいいなと思ったんです。

スタートアップはキラキラさせたいから、本丸の事業以外のところにお金を使ってしまうこともあるかと思いますが、この会社はそれがなく、すごく好印象でした。

ものづくりの現場主義だということを主張しているし、自分たちも徹底して、事業としてやろうとしている。ものづくりの現場に対して、現場主義で先進テクノロジーを送り届け、自称で終わらせず、粘り強くやりきるんだと。それに伴うプロダクトに活動や思想が一貫していて、建前で上っ面のことを言ってる会社では決してないと感じました。

あと初訪問の時も、主要メンバーとエースのデータサイエンティストが横で寝転がりながら打ち合わせをしてて、それもいいなと思いました。経営陣も尊敬はされてるけど、一切気は使われてないんです。本当にコミュニケーションがフラットで、もう全部オープンで。

もともとプロダクトの魅力もあり、新しい領域の挑戦としても面白いだろうなとは思ってました。そこに組織カルチャーだったり、メンバーの良さだったり、実際に見てすべてが良かったという印象です。

自分がビビッとくるところがあって、そこにジョインできるんだったら絶対に成果を出せるという思いがありました。不安は全くなかったです。

アマテラス:

実際入社してからぶつかった壁はありましたか?

杉山琢哉:

前職では先ほど話したように壁にぶつかりましたが、フツパーの転職ではびっくりするぐらいスムーズでした。入社前に話を聞いたときに、それ本当かなとか、違和感を覚えても目をつぶって入社するとかじゃなくて、ちゃんと心から全部本当のことだろうし、裏表ないんだろうなと実感して入社したので、ギャップは全然ありませんでした

また、メンバー全員がとてもウェルカムスタンスで迎え入れてくれたことも大きいです。入社前からこういうことを一緒にやりたいですって相談をもらっていて、それを事前にディスカッションしている中での入社だったので、入社後もスムーズに進みました。

現場で活躍し、自分で考えて実行まで移すCxOに

アマテラス:

最初からCxOでの採用だったかと思いますが、フツパーではどのような業務をやられてるんですか?

杉山琢哉:

一応、肩書き上は最初からCxOですが、実際は現場で実際のプロジェクトのコンテンツを作ったりしています。だいたいなにか作ってますね。入社当初はもう一つ事業の柱としようとしてるサービスを作り始めている時だったので、そこにPdMとして入っていました。それを7割ぐらいやりながら、パッケージソリューションだけじゃなく、カスタムの分析だったり、案件も多く手がけています。

マネジメントや管理はほぼしていません。むしろ現場最前線でやる方がモチベーションも上がるし、そうさせてもらっています。世間一般的なCxOというよりは、どちらかというと戦略だけではなく、自分で考えて実行まで移すということをしています

スタートアップにそんなCxO的な役割は、あまり必要ないと思うんですよね。なのでその戦略といっても、大きな絵を描いて、それをメンバーに周知して落とし込んでみて、トライアンドエラーを繰り返す。面白そうだねっていうことがあれば、それやってみよう、ということでいいと思っているので。そこに仰々しい戦略とかいらないと思いますし、むしろそこに時間かけるべきでないと考えています。

アマテラス:

今までのご経歴で少しずつ業務の内容は変わっているかと思います。その技術のキャッチアップやアンラーニングで意識していることはありますか?

杉山琢哉:

確かに変わってきていますね。前提として延長線上のことをやりたくないから、新しいことをやっていこうとはしています。新しいことのキャッチアップは、まずベースとしてワクワクする領域を選ぶかどうかが大事です

ワクワクしていたら自分で勉強するし、仕事ものめり込むので、しんどい思いをしてキャッチアップしたという意識は一切ありませんでした。自分の気持ちが乗る領域を選べたからだと思います。

スタートアップで働くことの魅力

アマテラス:

同じ年代の方へ転職のアドバイスがありましたらお願いします。

杉山琢哉:

会社がいいことばかり言っていないかってというところは、見極めることが必要です。スタートアップの転職は、情報があまりない領域もあると思うので、その中でいいことだけを言おうと思ったら、それができてしまう。

実態はいろんなところで苦しいこともあるはずなので、いいことだけに惑わされず、本音や実態も含めて、ちゃんと腹落ちする形で語ってくれるか。実際にオフィスに行ったり、他の皆さんともいろいろお話する中で、むしろ自分からぐいぐい聞いてみると良いのではないでしょうか

アマテラス:

今転職活動をしている方へ、スタートアップに転職することの魅力をお伺いできますか?

杉山琢哉:

いろんな魅力がありますが、僕個人としては、自分がやりたい環境を作れるというところが魅力です。スタートアップは柔軟な組織も多いと思うので、ちゃんと声を上げて、自分がパフォーマンスする領域を作り上げていくということができる環境です

僕の場合は何かを作り続けるということだし、これは各々違うと思いますが、それが自分のためにも周りのためにもなります。これはやっぱり大企業だとできないと思うので、すごく魅力的ですね。

フツパーはフラットに優秀なメンバーと仕事ができる環境

アマテラス:

入社してみて改めてフツパーさんの魅力を教えていただけますか?

杉山琢哉:

プロダクトの特性上、最先端のAIモデルも実装しなければならないし、いろんなソフトウェアも作らなきゃいけないし、さらにカスタムでハードウェアも設計して組み立てないといけませんが、それぞれの分野で優秀なメンバーが揃っています。その人たちと仕事をすることがめちゃくちゃ楽しいですね。

顔をつき合わせながら仕事をしていて、誰かに何かを手伝ってもらうときも、上司を通すとか一切なくて、ちょっと話しかけて手伝い始めてもらったりしています。その連携が素晴らしいなと。いろんな技術、ノウハウを持っていけてるメンバーがいろんなところにいて、その人たちを捕まえてすぐ一緒にアウトプットを作れる環境です

アマテラス:

最後に、スタートアップへ転職しようとしている方に一言お願いいたします。

杉山琢哉:

打算で選ばず直感で選んだ方が、結果的にはいいキャリアが開けると、自分の経験から考えています。自分が一番ワクワクするところに、リスク負ってでも行く自分で選んだからこそ、その道を正解にしようという馬力が生まれると信じています

当社はビジネスサイドもエンジニアサイドも積極的に募集しています。個人的には、過去の経験より、当社の事業内容に共感して、カルチャーマッチするかが大事だと考えています。ワクワクして馬力を持って、前向きに取り組めるか、それがあればキャッチアップできると思うし、結果として成果を出し合える仲間になれると思っています。そういう方々がどんどん増えてくれたら嬉しいですね。

アマテラス:

本日は素敵なお話を聞かせていただきありがとうございました。

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アマテラス編集部

「次の100年を照らす、100社を創出する」アマテラスの編集部です。スタートアップにまつわる情報をお届けします。

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