アマテラスのカスタマーサクセスでは、ご利用企業様のアマテラスを活用した採用活動について、日々サポートを行っております。「優秀な正社員を採用したい」「スカウト返信率を高めたい」等のご要望を多数受けており、実際に弊社を利用して上手く採用活動が進められた事例をご紹介したいと思います。
今回は、スカウト返信率18%という驚異的な数字を叩き出し、短期間で正社員4名の採用に成功した株式会社KURANDOの代表取締役 岡澤一弘氏にご協力頂き、スカウト時のコツや選考プロセスでの工夫などを詳しく伺いました。
代表取締役
岡澤一弘氏
株式会社キーエンス、株式会社ダイアログにて物流業界向けのソリューション提案に従事し、100以上の現場へ足を運ぶ。そのなかで、多くの現場では在庫管理などの「モノの管理」の仕組みはあるが、そこで働く作業員の管理、運営支援をおこなうサービスがないことに気づき、2019年に株式会社KURANDOを設立、安価に導入できるSaaS型倉庫内DXサービス「ロジメーター」シリーズを展開する。販売開始から1年で100センター以上が採用するヒットサービスとなり、現在は、利用各社の有効活用法を相互共有することで、物流課題の真の解決につなげる活動を推進している。
株式会社KURANDO
- 設立
- 2019年07月
Mission:物流現場をデータで支える
事業内容:倉庫内業務可視化プラットフォームの企画/開発/提供
- 目次 -
変化の激しいスタートアップで臨機応変に動ける人材を求めて
今回アマテラスを利用された経緯について教えて下さい。
当社はこれまで、リーダー格の社員の下に業務委託のスタッフを配置する形で業務を進めてきました。しかし、今後に向けて変化の激しいスタートアップだからこそ、より臨機応変に自ら考えて動ける人材を採用したいと考えるようになりました。
また、事業が拡大していく中で、ようやく仕事を任せながら人を育てていける環境が整ったこともあり、採用に取り組もうと考え、今回アマテラスを利用しました。
採用しようとしたポジションは全部で3つあります。①フロント業務メンバー(Sales、CS)、②Saasプロダクトマネージャー、③Saasプロダクトエンジニアです。
特にエンジニアの採用は急務だったため、アマテラスで募集を掛ける1ヶ月くらい前から他媒体も利用していました。
結果的にはアマテラス経由で4名もの方を採用できたので、他媒体と比べても費用対効果が圧倒的に良かったです。
まずは有望度別に区分し、スカウト送付対象を迅速に見極める
KURANDO社は、短期間で非常に効率よく人材を採用されている印象があります。人材の探し方やスカウト送付対象の見極めに関して、意識されていた点はありますか?
ポテンシャルのある若手を採用したいと考えていたので、検索時にはあえて条件を細かく絞りませんでした。その分、とにかく数を見ました。
具体的には、検索して出てきた方の画面を一人ずつ開き、「どの会社のどの部門に何年いたか」、「何回ぐらい転職してるか」といった情報にざっと目を通した後、5秒程で有望度別にA・B・Cで区分します。そして、A・Bの方だけを「気になる」ボタンで登録しておき、後からスカウトメールを送るというやり方で進めました。
A・B・Cの区分については、経歴やスキルだけではなく、文章から伝わってくる人柄やキャリア志向なども考慮して決めていました。KURANDOとのマッチ度合いが高い人がA、そこまでではないものの声をかけておきたい人がB、そしてスカウト対象から外すと決めた人がCです。
経歴やスキルが条件を満たしていたとしても、KURANDOの社風と合わないと思われる人は全てCにしました。逆に、プロフィールの情報がほとんどないような人でも、当社に合うと思えばAに区分しました。
プロフィールに記載がない背景情報までイメージしながら送付対象を見極める
実際に採用したSaaSエンジニアの事例でいうと、その方のプロフィールは最終学歴が地方高校卒業で、現在の勤務先が東京のシステム会社でした。現在の年齢からキャリアを逆算するに、何らかの紆余曲折があったのだろうことは予想がつきました。
その地方高校の情報を調べてみると、偏差値の高い特進クラスとそれ以外に分かれていたのですが、総合的に考えてみると、恐らく特進クラスから東京の大学へと進学した後、何らかの理由で中退して、今の会社に入ったのかもしれないと推察しました。
もしその推察通りのキャリアを歩んできた人材であれば、ポテンシャルにも期待が持てます。また、プロフィールの情報が乏しい分、競合他社からまだ声をかけられていない可能性が高いと考えました。
そこで迷わずその方をAに区分し、後ほどスカウトメールを送りました。そして、実際に面談をしたところ私の推測がほぼ合っていたことがわかり、面談を重ねた結果、エンジニアとして採用するに至りました。
もちろん推察が外れる可能性はありますが、そこはあまり考えすぎずにA・B・Cの区分けに専念することで効率化を図っています。
社長自らがスクリーニング~スカウト送付を担当
そういった区分作業はどなたが担当されていたのですか?
スカウティングについては、スクリーニングからメール送信まで私が担当しました。なぜかというと、その方が作業効率が良く、コストパフォーマンスに優れていたからです。
たとえば候補者の経歴一つとってみても、私であれば企業名を一目見れば、何をしている会社か分かりますし、案件のレベル感もおおよそ理解できます。また、これまでに100人以上の採用をしてきたので、入社後にうまくいく人とそうでない人とのパターン分けも私の中である程度確立できています。
そういった積み重ねがあるからこそ、プロフィールを見るだけで10秒かからずにA・B・Cの区分をジャッジできるのです。他のスタッフにお願いすると、3~4倍の時間がかかる上に、精度が落ちてしまうので、全て私が行いました。
候補者毎に候補者目線でスカウト文を考える
そして、スカウト文を書く際は、基本のテンプレートをもとに、相手が返事をしたくなるような内容を考えながら手を加えました。特に区分Aの人については、「この人のこういうところがKURANDOには合う」と感じたポイントにフォーカスしながら、それぞれに向けた文章を組み立てました。
なるほど。社長目線で自社にマッチするポイントをスカウト文に記載されていることが高い返信率となっているのですね。 貴社のスカウト返信率18%というのは弊社ご利用企業の中でも非常に高いのですが、他に意識されていたことはありますか?
返信率、高いですよね。なぜそこまで高かったのか私にもわかりません(笑)。
KURANDO社のメッセージやり取りをみていて、他社様と決定的に異なると感じることがあります。 他社様の場合、カジュアル面談前に「追加で職務経歴書や開発環境等の情報をください」とお願いしているケースが多いのですが、岡澤さんの場合、候補者に追加の情報を要求することなく、以下のようなメッセージでカジュアル面談に誘われていたのが印象的にでした。 「ご経歴情報が多くなかったため、当社のようなスタートアップでのエンジニアに興味をお持ちいただけたらぜひお話をさせてください。」 候補者からすると、「手間が一切かからずフランクに代表と面談出来る」ということで、気軽にスカウト返信が出来たのだと思います。 岡澤さんは常に、「候補者にまず興味を持ってもらう」というスタンスで、候補者の立場にたった打ちだし方をされている、そこも高い返信率につながっている要素かと思います。
カジュアル面談を代表取締役自ら担当する理由
KURANDO社は、オンライン面談2回、リアルの最終面談1回という流れで選考を進めておられますが、最初のカジュアル面談から代表取締役が出てくるのは珍しいように思います。なぜそういった選考方式が取られているのか、教えてください。
カジュアル面談の目的は、大きく分けて4つあります。1つは、まず候補者にKURANDOを気に入ってもらうこと。これが私がカジュアル面談を担当している最も大きな理由です。
私達が「欲しい」と思うような人材は、競合他社からも引き合いがあります。競合他社よりも選ばれるためには、当社を気に入ってもらうことが絶対条件です。特に初回面談は重要で、そこで気に入ってもらえれば、自ずと次の面談に進んでもらえる確率も高くなります。そうすれば、時間的な猶予が生まれ、お互いの相性をより見極めやすくなります。
また、その時は採用に至らなかったとしても、先の未来はわかりません。もしかしたら5年後には一緒に働いているかもしれませんし、案件紹介に繋がるようなご縁に発展する可能性もあるでしょう。今回KURANDOで働くか働かないかは別として、お互いの時間を無駄にしないように、少しでも有益なお話が出来ればと思っています。
内定承諾までのストーリーを描き、逆算しながら採用プロセスを組み立てる
カジュアル面談の2つ目の目的は、候補者とKURANDOとが互いにマッチするポイントを見出すことです。
カジュアル面談は基本的にお互いを知る場だと私は考えています。前半30分は私の方から会社の説明をさせてもらいますが、候補者が何を聞きたがっているかを意識し、相手の反応を見ながら話しています。後半30分は前半の話で反応した部分について、さらに色々話を伺いながら、KURANDOで働くメリットを双方の視点から明確化できるようにしています。
3つ目の目的は、その人が本当に採用したい人かどうかを見極めることです。ただ、これについては選考ステップが進んでからでも検討できるため、カジュアル面談の時点では優先度は低めです。
そして、4つ目の目的は、その人が内定承諾するまでのストーリーを思い描きながら、採用に勝てるようにプロセスを逆算で考えることです。たとえば次の面談を誰に担当してもらうか、どういう話題を振るか、待遇面をどう調整するかなど、一つ一つ練っていきます。
これらの目的を考えると、採用権限を持つ私しかカジュアル面談はできないと考えました。ただ、エンジニアのスキルセットについては判断が出来ないため、あくまでもその人の論理的思考力や判断力等を見るに留め、2回目の面談でCTOに確認をお願いしています。
カジュアル面談ってとても重要なんですね。
重要というか、単純にせっかく1時間使うんだからできるだけ効果があるようにするっていう感じですかね。
そうですね。また、KURANDO社の選考を拝見していると、面談の場で選考結果を伝えていますよね?とても選考がスピーディだと思っていました。
面談の中で話し合っているうちに合うか、合わないかってわかりますよね?
「じゃあ次はいつですね」みたいな感じでネクストアクションをその場で伝えています。 もしくは、懸念点がある場合にはその懸念点について考えてもらうようお伝えし、懸念が解消したらこうしましょうとその場で決めています。
それが出来るのは、カジュアル面談に決断できる岡澤さんが出てきていることが大きいですね。
それはあるかもしれないですね。
候補者の将来やキャリアとのマッチングを重視した採用
岡澤さんが採用活動で最も重視されているポイントは何ですか?
「候補者の方々がこれから歩む人生とキャリアを考えたときに、KURANDOがどれだけその未来とマッチするのか」これに尽きます。人を採用するのは確かに大変ですが、採用した後の方が遥かに大事です。それを実感してからは、ここ2年ずっと、軸を変えずに貫いています。
KURANDOを立ち上げる前に10年以上別の会社を経営し、40代になった今だからこそ、20代で転職を考える方々に様々な視点からキャリアを提案できるようになりました。実際、カジュアル面談で候補者が将来的に身に着けたいスキルや求めているキャリアはどういうものかを細かくお聞きする中で、その方が望んでいるキャリアを実現するための道筋を提案することも多いです。
実例を挙げると、現在はフリーランスエンジニアだが、もっとコア寄りの仕事ができる会社への転職を考えている方がいました。彼が考えていたキャリアパスは、開発体制が出来上がっていない未整備な状況で立ち回り、中核のポジションを獲得していくというものでした。
そこで彼には、私なりの客観的な見解を伝えました。現状ではまだスキルも経験も不足していること。今の状態で仮に会社の中核的な存在になれたとしても、その経験だけでは本当に日本で一、二番を争うようなプロダクトを作ってるところには入れないし、年齢×経験からも、今後そのようなキャリアに転じるチャンスは巡ってこないということ。
その上で、今後彼が望んでいるキャリアを経験できるようになるためのルートをいくつか示し、その中でKURANDOがどのように関わっていけるのか、具体的なメリットを含めて提示しました。私の話を検討した結果、最終的に彼は当社を選んでくれました。
特に正社員雇用の場合、長期でパートナーシップを構築していくことが前提にあります。双方が安心して長く働けるようにするためにも、「なぜKURANDOなのか」という軸は今後も面談の中できちんと明確化していきたいと思います。
スタートアップ志望者にアプローチできるアマテラスの価値
最後にアマテラスで採用を検討している企業様に向けて、何かアドバイスなどがあればお願いします。
アマテラスに登録されている方は皆さん、スタートアップやベンチャーをキャリアの選択肢として考えておられるので、非常に効率よく採用活動が進められました。
他の媒体だと、大手企業を志望されている方の割合が多く、良い人材を見つけても知名度の高い企業の方に流れていきやすい傾向があります。その点、アマテラスであれば、スタートアップやベンチャーという土俵は同じなので、勝負を仕掛けやすいです。
その価値を理解している方にとっては、アマテラスは費用対効果抜群の採用媒体じゃないでしょうか。当社も半年後くらいにまた採用をしていく予定なので、その時はどうぞよろしくお願いします。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
株式会社KURANDO
- 設立
- 2019年07月
Mission:物流現場をデータで支える
事業内容:倉庫内業務可視化プラットフォームの企画/開発/提供