IoTベンチャー/スタートアップの真髄に迫る

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フォトシンスのスマートロック・Akerun。日本を代表するIoTベンチャーの一角だ。(引用:https://amater.as/companies/109/)
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 電力・クルマ・住宅など様々な応用範囲があると紹介されるIoT。そこに挑むベンチャー企業を皆様にご紹介します。

DeNAとの提携やロボットタクシーでも話題となったZMPの自動運転 これもIoTの代表的な事例だ。(引用:https://amater.as/companies/62/)

DeNAとの提携やロボットタクシーでも話題となったZMPの自動運転
これもIoTの代表的な事例だ。(引用:https://amater.as/companies/62/)

 昨今、「IoT」・「Internet of Things」・「もののインターネット」という言葉がメディアを騒がせています。しかし、この言葉について、よくわからないという人は多いのではないでしょうか。今回は「IoT」についての考え方から誕生しているベンチャー企業の現状と課題について、アマテラスなりの解釈をお伝えできればと思います。

世界に広まるIoTの考え方

 IoT(Internet of Things)という言葉は、1999年P&Gに務めていたケビン・アストン氏によって初めて使われました。身の回りにあるモノにインターネットに接続できるセンサーが組み込まれていて、モノ同士、あるいはヒトとモノが相互通信できるような仕組みとして定義づけられています。この概念事態は1980年代から存在し理論ベースではかなり研究が進められていました。しかし具体的な事業として動き出したのは近年になります。モバイルネットワークの普及とクラウドサービスの拡充に伴いインターネット接続デバイスが増えたことで、どこにいてもインターネットが使える環境が整ったことでIoTの成立条件が整っていました。このシステムの活用により、エネルギー利用や防犯体制の効率化や自動運転など様々な業界における根本的な変化が期待されています。人によってはIoTは蒸気機関・電機・コンピューターと同じくらいの変化を起こし、第四次産業革命が起きると考える人がいるほどの大きな変化になると期待されています。

IoTの活用法について(引用元:シスコシステムズ(2013)「いよいよ本格化するInternet of Things」Cisco inspire 第10号 http://cisco-inspire.jp/issues/0010/cover_story.html)

IoTの活用法について(引用元:シスコシステムズ(2013)「いよいよ本格化するInternet of Things」Cisco inspire 第10号 http://cisco-inspire.jp/issues/0010/cover_story.html)

 IoTやもののインターネット領域は、近年大企業からの注目も集めつつあります。代表例としては家や車の領域への参入を図るアップルやグーグル、IoT提案の魁として数多くの提案を行っているシスコシステムズなどが有名です。またソフトウェア事業者だけでなく、製造業が参画する事例も見られGEがすすめるインダストリアル・インターネット(Industrial Internet)、シーメンス・SAPを始めとするドイツ企業が推進する「インダストリー4.0」が挙げられています。日本の大企業はアメリカ勢やドイツ勢に比べ遅れがちではあるものの、2015年5月に政府のロボット協議会でIoTのワーキンググループが設置されるなど、産官学で追いつこうという試みが始まっています。

家庭にも入り込むIoT。ベンチャー企業の活躍も数多く見られる。

フォトシンスのスマートロック・Akerun。日本を代表するIoTベンチャーの一角だ。(引用:https://amater.as/companies/109/)

フォトシンスのスマートロック・Akerun。日本を代表するIoTベンチャーの一角だ。(引用:https://amater.as/companies/109/)

 IoTはB2B領域だけでなく、B2C領域にも進出する動きが相次いでいます。クルマや冷蔵庫など家庭にある身の回りのものがインターネットに繋がり、日々の暮らしを変えていくと予想されています。この領域に注目し参入を試みるベンチャー企業は国内外に数多く存在します。

 海外における代表例としては学習機能付きサーモスタット(温度調節器)のネストが有名です。サーモスタットは米国の約8割の家庭に設置されているものの、細かな温度調整のできない古いタイプも多く24時間つけっぱなしというケースが数多く存在する市場でした。ネストは住民の生活パターンを学習して、家に人がいる時間帯だけ作動させる冷暖房費を平均年間131~145ドル削減することのできるサーモスタットを開発しました。このサーモスタットは評判を呼び、同社は設立後わずか3年でGoogleに約35億円で買収されるという実績を残しています。

Googleが買収したNestのサーモスタット(引用:http://blog.aee.net/news-google-feathers-its-nest-khosla-talks-back-first-solar-makes-a-splash)

Googleが買収したNestのサーモスタット(引用:http://blog.aee.net/news-google-feathers-its-nest-khosla-talks-back-first-solar-makes-a-splash)

 温度調整以外では、スマートフォンで鍵の開け閉めができるスマートロックを開発するフォトシンス、グーグルやバイドゥの試みで広く知られるようになった自動運転を開発するZMP、各電化製品の電力量を計測することで電力の効率的な利用を促すHEMSを提供するエナリスなどが、IoTベンチャーとして知られています。

スマートフォンから家電を制御するエナリスのIoT機器「ESQQRT」 (引用:http://www.eneres.co.jp/service/em.html)

スマートフォンから家電を制御するエナリスのIoT機器「ESQQRT」
(引用:http://www.eneres.co.jp/service/em.html)

ものとサービス。両方のサイドをまとめられる幹部人材がIoTベンチャーには必要

 IoTは単にモノをインターネットに繋げるだけではなく、インターネットを使って自動運転やエネルギー量削減などの新たなサービスを作ることが求められています。故にハードウェア・ソフトウェア両方の観点が求められ、ものづくりとサービス設計、双方の観点がIoTベンチャーには経営に必要となります。そのため必要とされる人材は多岐にわたります。開発職だけをとってもハードウェア・ソフトウェア両方のエンジニア・デザイナーが必要となります。開発には多額の費用と長い時間もかかるため、安定的な財務体制・組織体制を整えられるバックオフィスの人材も欠かせません。さらには未だ新しい概念であるIoTの価値を伝え実績を伸ばすための、営業・マーケティングの人材も必要不可欠となります。

参考文献

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