新しいものを創り出すことへの好奇心。新素材・カーボンナノチューブを社会実装し、社会課題の解決を前進させるために全力でやり切る。

株式会社カーボンフライ研究員 関口椋太氏

今回の転職者インタビューは株式会社カーボンフライの関口椋太さんにお話を伺いました。会社に来るのが楽しいと笑顔で話す関口さん。その理由を聞くと、同社の社風や人間関係の魅力が感じられました。技術者として大きな信頼を寄せる代表のテンさんとのコミュニケーションや、ある共通点からテンさんと共に発足したものとは・・

関口椋太氏

研究員
関口椋太氏

前職では包装容器メーカーの研究開発部に5年半在籍し、初めての転職、初めてのスタートアップでカーボンフライへ。現在は、研究開発本部 応用研究部の研究員として従事。

株式会社カーボンフライ

株式会社カーボンフライ
https://carbonfly.co.jp/

■カーボンナノチューブの社会実装とCO2を原料としたカーボンナノチューブの量産
事業内容:従来の常識をはるかに超える多くの物理的・化学的な性質(力学・電気、熱伝導性など)をもった『奇跡の素材』カーボンナノチューブ(CNT)を、独自の技術と製法(CVD法=化学気相蒸着法)によって、素材の特性を制御し、高品質ならびに安価に製造することに成功した、大注目のスタートアップです。

「新しいことに挑戦できる環境」を軸に初めての転職活動をスタート

アマテラス:

まずはこれまでのキャリアについて教えてください。

株式会社カーボンフライ 研究員 関口椋太氏(以下敬称略):

前職では包装容器メーカーに勤めており、そこの研究開発部に約5年在籍していました。主にプラスチック素材で、食品容器をつくるという業務です。
具体的には、素材の組成の検討から、実際に製品になるまでの一連の流れを担当していました。

理系の大学に通っていたので、何か活かせる仕事をと考えて就職活動をしていましたが、人が生きていく上で密接な「食品」という、なくてはならないものに関われることにやりがいを感じていたのと、純粋に研究をする上で「自分が携わったものが世に出るおもしろさ」が魅力でした。

アマテラス:

スタートアップへの転職を考えるきっかけはありましたか?

関口椋太:

スタートアップにこだわって転職活動をしていたわけではないのですが、前職の会社の方針として「新規開発をしていく」というより、「今あるものをより良いものに変えていこう」という方にフォーカスすることがとても多くて。新しいことにチャレンジするということが限りなく少なくなったと感じていました。そろそろ30代という年齢的にも「もっといろんなことに挑戦したい!」という気持ちと当時の状況に乖離があったこともあり転職活動をはじめた、というのがきっかけですね。
大体5社くらい、これまでのスキルが活かせるような会社を検討していました。

アマテラス:

初めての転職ですが、何を軸に探していましたか?

関口椋太:

事業内容というよりは、業務内容です。「新しいことにチャレンジしたい」ということを目的に転職意識が芽生えたこともあり、自分がこれまでの経験を活かしつつ、どんなことをするのかということを大切に意思決定していきました。もちろん、働く上で給与などの面も多少なりとも考えましたけど(笑)

新しい素材への好奇心。面接で出会う方とのコミュニケーションや空気感も入社の決め手に

アマテラス:

並行して複数社の選考を進める中で、最終的にカーボンフライに入社を決めた理由を教えてください。

関口椋太:

ありがたいことに複数の企業から良い返事をいただいたのですが、その中でもカーボンフライが扱っている「カーボンナノチューブ」という素材に非常に将来性を感じ、魅力に思ったことが最終決定の理由です。
この素材について元々は知らなかったのですが、面接を重ねていくうちに今まで自分がやってきたことを活かしつつ、社会課題解決に直結するような新しい製品を無限に生み出す可能性がある素材であることを知り、まさにカーボンナノチューブという素材から創り出す「新しいことへのチャレンジができる環境」と感じ、純粋に楽しそうだなとワクワクしました。
最終面接は対面だったのですが、会社の雰囲気が代表のテンさんを含めてすごく良かったのも大きかったです。少人数のスタートアップだからこそ、社内の環境がどんな雰囲気なのか、どんな方と一緒に働くのかもとても重要な要素だったので、そのあたりも決め手になりましたね。

アマテラス:

面接でお会いする社員の方のお人柄やコミュニケーションの取り方というのは大切ですよね。

関口椋太:

大切ですね。カーボンフライでは面接で4~5人の方にお会いしたのですが、最終面接で代表のテンさんと初めてお話ししました。初めてお会いした時からとても気さくに接してくださる方という印象だったんですけど、これは入社した今も、変わらないですね。
今は毎日のようにコミュニケーションを取らせていただいています。社長とこんなに近い距離で会話できる環境というのはとても新鮮です。

現在社員数は40名程ですが、「研究員だから研究員と会話する」ではなく、部署を横断しバックグラウンドの異なる方とのコミュニケーションも活発で、仕事の話はもちろん雑談もしますし、本当に仲が良い職場だと感じています。

アマテラス:

研究員の方は40名の社員の内半数くらいですよね。どんな部署との連携が多いですか?

関口椋太:

営業の方との連携は多いですね。私は今、応用研究部という部署にいるのですが、基礎研究部が「基礎的なカーボンナノチューブの性能を上げる」ことを担っているのに対して、「カーボンナノチューブという素材を他のものと組み合わせて製品として世の中に出す」というのがメインのテーマの部署です。営業との連携が非常に重要なのですが、私だけ営業の席のエリアに自分の席を移動したくらい、密に連携を取りながら業務に取り組んでいます。一緒にお客様先に同行することも多く、昨日も群馬まで行ってきました。

研究員として営業とお客様先に同行も。貴重な意見を直接聞けるこの上ないチャンス

アマテラス:

どんなお客様が多いですか?

関口椋太:

私の抱えている案件ではメーカーのお客様が多く、樹脂やゴム、コーティング剤みたいなものに、カーボンフライのカーボンナノチューブを混ぜることで性能をもっと高められないか、という技術的な相談をいただくことが多いです。メーカーのお客様は、素材というより製品のプロの方たちなので、「カーボンナノチューブをどう用いて解決していくか」という課題に対して、「もっと消費者に近い立場からの意見」という、研究員の私とは違う視点でご意見をいただけるのが非常に良い機会だと思っています。

研究員という立場的に、ダイレクトにお客様の声を聞きに行く機会はこれまで多くなかったこともあり、これもカーボンフライに転職して楽しいと思えることの一つだと感じています。

アマテラス:

カーボンフライはバックグラウンドが理系の方が多いのでしょうか。

関口椋太:

研究員は理系出身がほとんどです。でも営業の方は理系ではない方もいますよ。入社後に素材について学べる機会はきちんとありますし、理系ではなくても活躍できる環境だと思います。

私自身、転職前はカーボンナノチューブについての知見は全くありませんでした。代表のテンさんがずっとカーボンナノチューブを研究されていたプロ中のプロの方なので、「これはこういう性質があるんだよ」と雑談も交えて、気さくに色々と教えてくれるのでとても勉強になります。何気ない時間の中でも、自分の知識を増やせる環境というのもすごくいいなと思っています。

尊敬する技術者であり、社員の良き理解者でもある代表。大きな信頼のもとで、のびのびと仕事ができる環境

アマテラス:

創業者でもある代表のテンさんは魅力的な方ですね。

関口椋太:

そうですね。テンさんは常にアイデアを考えている方で、何かが閃くと、関係のある人を「ちょっと聞いて」と社長室に呼んだり、社長室から出てきて社員のフロアに話しに来られたり(笑)。テンさんのお人柄から派生したように、会社の事業に熱い想いを持った人が多い職場です。

またカーボンナノチューブの社会実装に向けて、クリアしなければならない課題もまだまだ多いのですが、テンさんに相談すると「じゃあ試してみよう!」と言ってくださるので、考察したり検討する時間というのが大幅に短縮されています。何より、「一番の技術者が代表」という信頼が、気持ちの面でもすごく大きいです。一番知識を持っている方がすぐ近くにいるので、社員ものびのび仕事ができます。壁にぶつかった時などは、いつでも相談してと常々言ってくださり、実際「今忙しいですか?」と声をかけても、ご自分の仕事を横に置いて「いいよいいよ」と受け入れてくれるんです。

またテンさんも私も辛いものが好きなので、「辛いもの部」を発足し(笑)、お酒の席やご飯にもよく連れて行ってもらっています。

アマテラス:

(笑)逆に入社後に感じたギャップや苦労されたことはありますか?

関口椋太:

初めての転職でしたが、正直ギャップは本当になかったですね。入社前に社内やラボを見学させてもらっていたこともあり、想像していた通りでした。
あえて「苦労したこと」と言えば、当初から即戦力としてカウントしてもらっていたのか、入社直後から予定がびっしり決まっていて。それに向けて急いで準備や支度をしたので、「最初からいきなり任せてもらえるのか」と驚きました。素材のことを学ぶよりも先に、やることが山積みだったので(笑)。ただ結果的に嬉しい苦労だったなとは思います。

応用研究部の研究員としてテーマもすぐにいただけましたし、入社してまだ一年にならないくらいですが、今抱えている案件も数十件ほどあります。期待してもらってるんだなと思いますし、大変ですけど楽しくやらせてもらっています。

アマテラス:

カーボンフライ独自の制度などはありますか?

関口椋太:

「飲み物が基本的に全部飲み放題」です!冷蔵庫に毎週、飲み物が補充されていて、常備されています。ペットボトルや缶が10種類くらいありますよ。たまに社内ツールでアンケートが取られて、「新しくこの飲み物が欲しい」とか意見が言えるんです。元々炭酸飲料はなかったのですが、別の部署の方と結託して意見を出し、この度スプライトが導入されました(笑)。のど越しにもこだわって、ペットボトルより缶だよね、と。そこも採用していただきました。

しかも一日何本まで、といった制限がないんですよ。一日仕事していると、水やお茶も含めて2~3本は飲むので、金銭的にも大きいですよね。こういう制度はスタートアップならではだなと思っており、自慢の制度です。

カーボンナノチューブの持つ付加価値を世界に証明したい。実装することで解決できる課題は無限にある。

アマテラス:

この先どのようにカーボンフライに貢献していきたいと思いますか?

関口椋太:

例えば、今私が社会実装しようとしているものは自動車関連の部品やスポーツ用品など多種多様なのですが、世の中が軽量化に動いている中、カーボンナノチューブは金属と同等くらいの性能があるので、金属が使われている部分をカーボンナノチューブに置き換えることで、さらに付加価値を付けられる可能性が無限に広がっています。

やはり応用研究部として、カーボンナノチューブを社会実装したいというところが目標なので、知識と経験を最大限かけ算して、カーボンナノチューブの存在を世に広めていくことで世の中の課題解決につなげていきたいと思っています。そのうえでゆくゆくはリーダーとして、会社を牽引していけるようなポジションで成長していきたいです。

アマテラス:

どんな方がカーボンフライで活躍できると思いますか?

関口椋太:

ありきたりな言葉になってしまうかもしれませんが、カーボンフライはやはり大元になる素材をつくる会社なので、ものづくりが心から好きな方がいいですね。まだ社会実装はこれからというフェーズというのもあり、研究にしてもチャレンジ精神が強い方が活躍できるかなと思います。すぐに成果に繋げることは難しいことでも、やりとげようとする強い気持ちを持っている方とか。

それから、スタートアップなので大手や中小企業と比べると、社内の機材なども整っていない部分もあり、新しい素材を扱っているため、今まで使ったことのないような機械を利用するケースが多々出てきます。会社にはない機械を外に借りに行く、ということも結構あって、その場合一から自分で調べて準備しないといけないので、そういうことも進んで動ける方、楽しめる方はすごく合っていると思います。

社員の半分は私のような研究員です。それぞれのバックグラウンドがあり、その分野のエキスパートといえるメンバーが集まっているので、日々学びがあり、出社するのが楽しいですよ!

アマテラス:

本日は貴重なお話をありがとうございました!

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アマテラス編集部

「次の100年を照らす、100社を創出する」アマテラスの編集部です。スタートアップにまつわる情報をお届けします。

株式会社カーボンフライ

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■カーボンナノチューブの社会実装とCO2を原料としたカーボンナノチューブの量産
事業内容:従来の常識をはるかに超える多くの物理的・化学的な性質(力学・電気、熱伝導性など)をもった『奇跡の素材』カーボンナノチューブ(CNT)を、独自の技術と製法(CVD法=化学気相蒸着法)によって、素材の特性を制御し、高品質ならびに安価に製造することに成功した、大注目のスタートアップです。