近年、働き方改革のもと躍進が目立つHRTech。労働人口減少による人手不足が問題視され、生産性向上が求められているなか、採用や働き方改善に関連するHRTechの市場規模は、ますます拡大が予測されています。今回は、今アマテラスが注目しているHRTechスタートアップ・ベンチャー企業を11社ご紹介いたします。
- 目次 -
- 1 働く個人の価値を見える化し、個人がもっと自由に働ける社会を創る
- 2 社員にとって紹介したい会社で溢れる世界。採用を仲間集めに。
- 3 アイデアとテクノロジーで日本のはたらくをアップデートする
- 4 人と企業のミスマッチをなくして、仕事で不幸に感じている人をなくす。
- 5 すべての人がイキイキと働ける社会の実現
- 6 シンプルな仕組みで世の中をちょっと前へ
- 7 1人でも多くの人に感動を届け幸せを広める
- 8 AIを始めとする先端技術と産業領域の融合に取り組む人と組織を支援する
- 9 いつでも、どこでも、なんでも、好きなことができる世界を作る
- 10 会計を変える。世界が変わる。
- 11 豊かな未来社会に貢献する。社会と共に繁栄し、最も信頼される企業へ。
働く個人の価値を見える化し、個人がもっと自由に働ける社会を創る
山田裕一朗氏が、三菱重工勤務時代にエンジニアのキャリア構築の難しさに問題意識を感じ、エンジニアのキャリア支援を行うファインディを創業。
ハイスキルなエンジニアのプレミアム転職サービス「Findy」、フリーランス・副業エンジニア向け単価保証型の案件紹介サービス「Findy Freelance」、AI求人票採点サービス「Findy Score」の企画・開発・運営を行っています。FindyとFindy Freelanceの登録ユーザー数は合計で10000人を超えて、クライアント企業も200社以上と急成長中です。(2019年11月現在)
社員にとって紹介したい会社で溢れる世界。採用を仲間集めに。
Sansan出身の清水巧氏が、自身の起業時に感じた仲間集めの苦労から、社員紹介で人材を獲得するリファラル採用の活性化を促すクラウドサービス「Refcome(リフカム)」を展開。また、社員エンゲージメントを可視化し、向上させるクラウドサービス「Refcome Engage」も展開しています。社員は「自分の会社に合いそうだな」という人をSNSを使って会社に推薦でき、経営者や人事は、自社がリファラル採用を実施するにおいての課題を把握し、解決することができます。
アイデアとテクノロジーで日本のはたらくをアップデートする
鈴木貴史氏がパーソルキャリア勤務時代に企業の採用における課題を感じ、「規模が大きく、すでにルールが確立している採用市場に対して、ゲーム・チェンジを起こせるサービスを立ち上げたい」という強い思いから起業。
MyReferというリファラル採用を促進させるSaaSプロダクトで、旧来の採用手法では実現しなかった本質的なマッチングを実現させています。MyReferを活用することで採用決定率の向上、転職潜在層へのアプローチ、社員エンゲージメント向上、採用単価の削減を実現できます。
日本国内でも、SNSやメッセージツールが一般的に利用されるようになり、自分の人脈にいつでも簡単にアクセスできるようになったことで、リファラル採用が注目されています。
人と企業のミスマッチをなくして、仕事で不幸に感じている人をなくす。
表孝憲氏がモルガン・スタンレー証券勤務時代に、社風に合わず苦労している人から採用面接のあり方に疑問を抱いたことをきっかけに、当時Googleのエンジニアだった井上真大氏と起業。
人と組織のマッチ度が見えるサービス「ミツカリ」の開発・運営を行っています。ミツカリは、近代心理学において最もメジャーである「ビッグ・ファイブ理論※」をベースに、一般的な適性検査の約1/3の負担かつ精度の高い適性検査を作成。AIを活用して求職者と社員の価値観を数値化、相性算出を行い、社風に合う人を見つけることができます。
※ビッグ・ファイブ理論とは、性格を5つの独立した要素に分けて計測することで、千差万別の人間の性格をおおまかにパターン化する理論です。
CEO兼CTO井上真大氏インタビュー:https://amater.as/article/interview/meryeself/
すべての人がイキイキと働ける社会の実現
今西良光氏がファーストリテイリング社での店舗業務経験から、お客様と店員とのコミュニケーションを活用すれば、もっと生産性が上がるのではないかと問題意識を感じ、起業。
NPS※などを用いた顧客体験の調査・分析により、「最も優先的に改善すべき体験」を導くクラウドシステム「EmotionTech」を提供。期待を超える「カスタマー・エクスペリエンス」を生み、顧客に選ばれ続けるサービスへの成長をサポートしています。
働き方改革の流れから社員のエンゲージメント、満足度に着目。eNPS※などを用いた従業員体験の調査・分析により、組織開発をサポートするクラウドシステム「EmployeeTech」を提供しています。組織にとって重要な経営課題である従業員の定着率向上やチームの生産性向上を実現する、今までにない全く新しいソリューションです。
※NPSとは「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標です。
※eNPSとはNPSの従業員版で、従業員の企業やブランドに対する愛着・信頼の度合を数値化する指標です。
転職者インタビュー取締役CTO田邊 賢司 氏:https://amater.as/job-change-interview/emotion-tech/
シンプルな仕組みで世の中をちょっと前へ
柳橋仁機氏がアクセンチュアでの人事コンサル、アイスタイルでの人事部長経験から人材マネジメントの課題を感じ起業。
顔写真が並ぶシンプルな画面から、人材情報をクラウド上で簡単に共有できるプラットフォームを提供しています。社員の顔や名前、経験、評価、スキル、才能などの人材情報を一元管理して可視化することで、最適な人材配置や抜擢といった人材マネジメント業務をサポート。企業の働き方改革を実現するHRテクノロジーとして1,400社以上の企業に選ばれています。
アマテラスは、社員10名以下、外苑前の雑居ビルの一室時代から、柳橋仁機社長の”不動”の精神と佐藤寛之COOの情熱的な”動” のチームに可能性を感じ、採用面からサポートをしてきました。カオナビが解決可能なHR業界の課題はとても多いため、柳橋社長・佐藤取締役のリーダーシップのもと、マザーズ上場後もさらなる成長を遂げて行くと予想されます。
1人でも多くの人に感動を届け幸せを広める
加藤厚史氏がベンチャー企業での人事や事業開発の経験から『人と組織』の重要性を感じ起業した、名古屋発のHRテック企業。
エンゲージメント経営が実践できる国内唯一のコンサルティングサービス「TUNAG」を展開しています。経営者と社員、社員同士のコミュニケーション活性化を図り、生産性やサービスの成功率向上を目指しています。2019年11月1日より台湾にて「TUNAG」の本格運用を開始。これを皮切りに多言語対応機能を備えた「TUNAGグローバル版」の提供を開始する予定です。
2016年創業ですが、現在は東京・ 大阪・福岡に拠点を構えるまでに成長。”エンゲージメント”が重要なのはわかったが、それを高めるにはどうすればよいか?という企業の問いに対し、スマホやSNS機能を活用するなどユニークな手法を取り入れ、時代にあったサービスを展開しています。
スタメンの企業情報・求人情報を見る:https://amater.as/online/companies/413/
AIを始めとする先端技術と産業領域の融合に取り組む人と組織を支援する
元歌舞伎役者の石川聡彦氏が、東京大学大学院在学中にAI分野の人材不足、データ解析・機械学習の将来性を感じ、2014年に起業。
アイデミーでは、人工知能が学べる独自サービス「Aidemy」を開発しています。Aidemyは、人工知能(機械学習・データサイエンス)をブラウザ上でのプログラミングを通じて学べるオンラインゼミです。一人ひとり個別のGPUサーバーを提供し、環境構築不要のプログラミング演習環境を準備することで、人工知能に特化した学習サービスを提供しています。
法人向けサービス「Aidemy Business」で、「HRアワード2019」にてプロフェッショナル部門入賞。社内の人材育成を皮切りに、AIプロジェクトに取り組む組織の構築から機械学習モデルの保守運用までを支援するサービスです。
CEO石川聡彦氏インタビュー:https://amater.as/article/interview/aidemy-ai/
アイデミーの企業情報・求人情報を見る:https://amater.as/online/companies/442/
いつでも、どこでも、なんでも、好きなことができる世界を作る
現在20歳の谷口玲央氏が、車椅子生活で周りの人が見て見ぬ振りをすることに「社会の負」を感じ、困っている人や苦しんでいる人をほっとけないチェ・ゲバラに影響を受け起業。やりたい時に、やりたい仕事をすることで、心に余裕が生まれ、社会の負を解決することに繋がると考え、1日単位で働けるデイワークサービス「ワクラク」を展開しています。
「ワクラクとは」
登録者10万人を超える日本最大級のデイワークサービスであり、600社3000店舗に導入されています。ワクラクの主な利用企業は飲食店や物流企業、イベント会社などです。
「ワンデイワークとは」
Wakrakと三越伊勢丹HDが共同で運営しているデイワークサービス。再び単日・短時間で働き始めたいという、育児や介護など家庭の理由で退職してしまった三越伊勢丹HDSのOB/OGの声から生まれました。主な利用企業は三越伊勢丹に出店しているようなアパレル企業、働き手のメインは三越伊勢丹HDSのOB/OGとなります。
<番外編>
直接採用や人事に関連しているHRTech企業ではありませんが、人手不足の解消、生産性向上から働き方改革に貢献しているAIスタートアップ2社をご紹介いたします。
会計を変える。世界が変わる。
森啓太郎氏が、eコマースの会社を起業した際に倒産の危機に直面。タイムリーな会計の重要性を感じ、AIを活用した会計ソリューションを提供するファーストアカウティングを起業。
会計分野に特化したAIソリューションを自社開発し、クラウドAPIとして提供しています。「AI領収書/請求書/預金通帳 読取りAPIサービス」は、スキャナーや複合機でスキャンした通帳や、カメラなどで撮影した領収書画像をテキストに自動変換するソリューションです。経費精算や会計業務において、経費精算入力やパンチャー業務負荷を大幅な低減に貢献します。「AI自動仕訳APIサービス」は人工知能により勘定科目を推論し仕訳の自動化を実現します。「フィンテックアワード2019」で優勝した注目のFintechベンチャーです。
豊かな未来社会に貢献する。社会と共に繁栄し、最も信頼される企業へ。
19歳で起業家となった渡久地択氏が、AIを活用してアナログデータをデジタル化し整理する事業は、ほとんど手つかずであることに着目し、手書き書類のデジタル化事業を手掛けるAI insideを起業。
ディープラーニングを活用した画像認識技術と文章の前後関係を判定する自然言語解析の組み合わせにより、手書き文字や活字の高精度なデータ化を実現する「DX Suite(ディーエックス スイート)」の開発と提供を行っています。AIを活用した高精度なOCR(光学文字認識)技術でペーパーレス化をスムーズに行い、働き方改革、労働生産性向上に貢献しています。
先日、東京証券取引所マザーズ市場への新規上場承認が発表され、2019年12月25日(水)に上場予定。さらに、「DX Suite」に、NTT西日本のきめ細やかなお客さまサポートを組み合わせた「おまかせAI OCR」を2019年12月2日(月)より提供開始予定です。
HRTechスタートアップ/ベンチャー企業のCEOの多くが、現在の社会に疑問を抱き、問題を解決したいという思いで起業されています。働き方改革と同時に重要視されている労働生産性の向上や社員のエンゲージメント。HRTechスタートアップ/ベンチャー企業は、このような現代の労働問題を解決してくれるでしょう。