【注目】アマテラスが注目するつくばディープテック・スタートアップ

つくば市は、日本の科学技術の中心地として知られ、数多くの革新的なスタートアップが誕生しています。その中でも、特に注目されているのが、ディープテック領域で輝くスタートアップです。ディープテックとは、科学やエンジニアリングの最前線で生まれた革新的な技術を指します。つくばの豊かな研究環境と、国際的な連携によって、つくば発ディープテックスタートアップは日々進化を遂げています。本記事では、数あるつくば発のディープテックスタートアップの中から厳選して7社ご紹介いたします。

ロボットを当たり前な選択肢へ。(株式会社Closer)

株式会社Closerはロボット等の開発、販売、導入を行うスタートアップで、代表取締役の樋口翔太氏が2021年に設立しました。
年々深刻化している労働不足の社会課題を解決するため、自動化の進みにくい食品産業をはじめとした中小規模の生産ラインを対象に、労働力を補完するロボットを研究開発・提供しています。具体的には、中小規模の食品生産ラインを自動化するロボットパッケージ「PickPacker®(ピックパッカー)」や、段ボール等の積み付け作業を自動化する小型パレタイジングロボット「Palletizy™(パレタイジー)」の導入を進めています。食品、化粧品、医薬品(三品産業)を中心とした製造現場が直面する人手不足や生産能力の課題を、AI画像処理・ロボット制御技術で解決しています。

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■成長性・強み
労働力不足が深刻な食品工場や物流倉庫向けの自動化ロボットを開発。
ロボット世界大会入賞者や大手メーカー出身者など、高度な技術を持つメンバーが揃っている精鋭チーム。
2023年にシードラウンドで1億円を調達し、「J-Startup」や「すごいベンチャー100」に選ばれ、国家プロジェクトにも採択されています。

■はたらく環境・ワークライフバランス
ロボット開発における各分野のスペシャリストたちが、
互いを尊重し高め合いながら成長できる環境が整っています。
自分の研究分野を活かして伸ばし、その成果を社会に還元できる場を提供しています。
仕事と博士課程を両立しているメンバーもいます。

Closer Roboticsではメンバーや関わる人々の“幸せ”を最優先にしているため、
スタートアップでありながら皆が自分の時間を大切にできる環境が整っています。
フレックスタイム制の導入も魅力です。

実際に私もオフィス訪問しましたが、メンバーがとにかく明るく、雰囲気の良いメンバーでした。

一人ひとりの夢と心豊かに暮らせる持続可能な社会を支えるソリューションカンパニーとなる(株式会社Thermalytica)

株式会社Thermalyticaは断熱材と遮熱材の研究や開発から製造、販売までを行うスタートアップです。CEOの小沼 和夫氏が2021年に設立しました。
超断熱素材「TIISA®」は、特殊な微細構造により、市販のエアロゲルよりも1000分の1以下の300nm以下の微細な粒径を実現し、同じ重量で利用できる体積が最大で10倍以上に増えます。そのため、軽量で経済的な超断熱素材です。断熱性、耐火性、そして経済性を兼ね備えた画期的な高性能断熱材として、世界中のサーマルマネジメント業界で注目を集め、今後の需要の増加が期待されています。

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■成長性・強み
現時点(2024年時点)で世界最高性能の断熱材TIISA®を開発しています。
断熱材は応用範囲が広く、ビルや住宅だけでなく自動車の部品、家電、航空・宇宙産業分野にも活用できます。進出する市場を選ぶところから関われるほどポテンシャルが大きな事業です。断熱材技術で世界の課題解決に取組むことができます。

■はたらく環境・ワークライフバランス
大学院生から70才くらいのシニアまで幅広い年齢層の人がいます。これは逆にいえば年齢関係なく実力主義の職場とも言えます。
お客さんは世界。アメリカ、ヨーロッパ、中東と多岐にわたっていてお客さんのタイムゾーンに合わせると時間も不規則になることもありますが、その分自律性が求められます。
ハードな環境ですが自ら考えて行動し、いつまでも成長したいと考える人にとっては魅力的な職場と言えます。

女性の生涯における健康をエビデンスに基づいてサポートする(株式会社MamaWell)

株式会社MamaWellはパーソナル助産師による妊婦の身体づくり伴走サポートサービスを提供するスタートアップです。代表取締役の関 まりか氏が2022年に設立しました。
妊娠中や育児中の女性に対し、パーソナル助産師がオンラインで個別にサポートし、状況に応じた情報提供や身体づくりの支援を行っています。毎週の面談の他、チャットでいつでも相談ができ、突然の症状や不安にも寄り添ってもらえるので安心です。

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■成長性・強み
労働人口が減少する日本において、女性の活躍は重要性を増しています。
女性にとって妊娠・育児がキャリア形成の障害となっていますがMamawellさんは日本初・パーソナル助産師による母子の健康伴走サポートサービスで妊娠女性の適切な活動量をサポートします。妊婦の支援を通じて過度な業務負担の予防や職場内のコミュニケーションギャップを解消することで企業全体のエンゲージメントや生産性の向上を実現するフェムテックスタートアップです。

■はたらく環境・ワークライフバランス
茨城県つくば市を拠点に、全国からリモートで様々な経歴のメンバーが協働する社風です。
実際にインタビューに応じていただいた菅谷さんもMamawelさんに転職した理由の1つが子育ての時間を確保したいということでした。
妊婦やママ向けのサービスに共感する方にとっては、柔軟な働き方で子育てもしやすい環境環境でおススメのスタートアップです。

環境に優しい天然資源を活用し、健康と福祉を向上させる高品質な植物由来製品を提供する(BioPhenolics株式会社)

BioPhenolics株式会社は、合成生物学を活用したバイオ化学品の生産や、発酵や精製のプロセス開発、商業生産に向けたスケールアップまで一貫して取り組んでいるスタートアップです。代表取締役社長の貫井 憲之氏が2023年に設立しました。
合成生物学を使った高効率な芳香族バイオ化学品の開発の他、芳香族バイオ化学品の共同開発やライセンス、有償サンプルの提供も行っています。既にスマートセルを持つお客様には、発酵・精製プロセスの開発・最適化や量産化技術の受託開発をサポートしたり、バイオ製品に関するコンサルティングサービスも提供しています。バイオ化学品をリサイクルして長く使うことで、CO2濃度を下げ、気候危機の緩和に貢献しています。

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■成長性・強み
バイオマスを原料として微生物を用いて化学品を発酵生産する技術開発力を持つ筑波大学発バイオベンチャー。
強みはスマートセル(改良型微生物)および生産プロセスを一貫して開発し、現場で使える技術開発ができることです。
創業1年目で1.8億円の資金調達を行い、今後はパイロット→量産実証→商業生産を実現を目指す。対象とする市場は大きく、2030年代前半に化学品生産10万トン/年、売上500億円、企業価値1500億円を目指しています。

■はたらく環境・ワークライフバランス
・研究員が働きやすいように裁量労働性、通常or時短×コアレスフレックスを選ぶことが出来ます。ママさん研究員も活躍しており、小さいお子さんの状況に合わせて在宅勤務も選べるようになっています。
・「大企業で10年かかることを3年で学べる」をキーワードに、大きな裁量、経営者を間近に見て学べる点はメリットが大きいと思います。
・「TX研究学園駅」から約2kmにあり、途中にショッピングモールや飲食店が多数あるため、自転車/自動車で快適に生活できます。

「情報の安全」が当たり前と感じる社会の実現、社会が持っている潜在価値を具現化する「新たな価値」創造を目指し、グローバルな成長と発展に挑戦する。(株式会社ZenmuTech)

株式会社ZenmuTechは、秘密分散セキュリティ「ZENMU」を提供するスタートアップです。代表取締役社長CEOの田口 善一氏が2014年に設立しました。
「ZENMU」は、読み取られる危険性をはらむ従来の暗号化技術とは概念が異なる、データを「無意味化」するソリューションです。秘密分散技術により、データを意味のないデータに変換・分割することで、「守らないセキュリティ対策」を実現しています。「情報の安全」を提供し、広く社会に貢献しています。

【企業情報】https://amater.as/online/companies/462/

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■成長性・強み
ZenmuTechさんは秘密分散と秘密計算技術のリーダーとして急成長しています。特に、秘密分散技術を活用したデータセキュリティの強化およびIoTへの適用と、データを暗号化したまま分析可能な秘密計算ソリューションで、企業の機密情報を安全かつ有効に活用することができます。産総研や国内大手コンサルティング企業との連携により、世界に通用する革新的な技術力と信頼性を証明しており、米国市場やその他海外市場への展開も目指しており、大きな成長ポテンシャルを持っています。

■はたらく魅力
ZenmuTechさんで働く魅力は、最先端の秘密分散技術や秘密計算技術に触れ、グローバル市場で活躍できることです。革新的なセキュリティソリューションを開発し、顧客のデータ保護と利活用を支援することで、社会に貢献する達成感があります。また、産総研との協力により、技術開発の最前線でスキルを磨く機会が豊富です。さらに、米国などの海外での経験を積むことができる点も大きな魅力です。

孤独に悩む人を0にする(株式会社World Life Mapping)

株式会社World Life Mappingは悩みの解決解消策を届けるサービス『CibyLink』を運営するスタートアップです。代表取締役の下田彬氏と取締役のガニエ 智也氏が2019年に設立しました。
『CibyLink』は、脳科学や心理学、経済学等の幅広い領域の論文や、実際に乗り越えた人の経験などを基に、その人の未来が最も良くなるような解決方法を提供するサービスです。適切なタイミングで1人1人にあった支援策を提供することによって、より多くの人がより多くの時間を笑って暮らせる世界を目指しています。

【企業情報】https://amater.as/online/companies/1339/

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■成長性・強み
筑波大学発ベンチャーの株式会社World Life Mappingは、人々が孤独に感じることなく生活できるように支援するメンタルヘルスケアスタートアップです。
「孤独に悩む人をゼロにする」というチャレンジは、人と人とが触れ合うことが難しくなったコロナ禍を起点としたポスト・コロナ社会にとって、ますます重要なものになっていくことでしょう。

2021年には同じく筑波大学発スタートアップのCYBERDYNE株式会社(本社: 茨城県つくば市、代表取締役社長:山海嘉之)から資金調達を実施。

日本ではメンタルケア市場は今後拡大が見込まれていますが、World Life Mapping社のサービスで孤独による悩みが解消されていくことにアマテラスは期待しています。

まだ見ぬFull Depth=最深部を目指して。(株式会社FullDepth)

株式会社FullDepthは産業用水中ドローン等の企画・開発および製造、販売を行うスタートアップです。代表取締役社長 CEOの吉賀 智司氏と取締役の伊藤 昌平氏と取締役会長の中内 靖氏が共同で2014年に設立しました。
水中ドローン専業メーカーとして、機器の開発・製造、海中調査サービス、データ解析などを手がけています。産業用水中ドローン「DiveUnit300」は洋上風力発電やダム、管路等の水のある多くの場所で活躍し、未知の深海を解明しています。水中の調査点検業務に携わるプロたちの課題を解決するために、最適なソリューションを提供しています。

【企業情報】https://amater.as/online/companies/385/

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■成長性・強み
水中の課題を解決するには、「水中ドローン機体」に加えて音響装置等の計測デバイスを効果的に用いる「計測技術」、計測データを用いた「機体制御」が重要です。筑波大学発スタートアップのFullDepthさんは水中インフラ点検領域を中心にこれらを一体で開発、水中をデジタル化する手段を提供しています。2023年から政府による水中ドローン(AUV)の国家戦略立案が本格開始、これを受ける形で内閣府や国交省等の案件を立て続けに6契約獲得(2024.7月時点)、技術開発に加えて現場実証と社会実装を推進している最中で大きな成長ポテンシャルを有しています。

■働く魅力
FullDepthさんの事業には前人未到のチャレンジが多く含まれます。熱意と好奇心を持ってお客様を理解し、自ら仕事を取りに行ったり作ったりすることが求められ、これが好きな方には刺激があって面白い環境だと思います。
仕事でパフォーマンスを発揮するには休むことも重要ですが、有給取得奨励日を設けるなど取得しやすい環境を整えています。また家庭環境が安定していることも仕事のしやすさに影響を与えるという考えから、男性の育児休暇取得率は100%となっています。

社会インフラを後世に残す。そこにかかわる人が、豊かになる。(六興実業株式会社)

六興実業株式会社は、中小企業の運送会社に対して「経営企画機能」「営業機能」「採用・教育機能」を提供するスタートアップです。代表取締役社長の段林 修平氏が2023年に設立しました。
社会インフラを支える「実業」を、自らがプレイヤーとして適切に経営し、その価値を普遍的なものへと展開することを目指しています。また、人手不足や事業承継の難しさに直面している運送業界において、全体的な改革を推進し、業界の持続的な発展に寄与する取り組みを行っています。

【企業情報】https://amater.as/online/companies/1328/

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■成長性、強み
2023年10月の創業から1年もたたないうちに、メンバーは50名超え(うち正社員も10名超え)と、急成長中。事業承継や2024年問題に悩む運送会社に対して、IT、マーケティング、オペレーション、様々な力を駆使し、現代版の労働集約型産業の経営モデルを提供しているのが特徴です。
日本の運送業界で働くドライバーさんや、従来の日本の物流インフラを担ってきた経営者にリスペクトを示し、レガシー産業と言われる業界をよりよくしていこうという段林社長のビジョンをアマテラスは応援しています。

■働く魅力
メンバー全員がフルリモート・フルフレックスで勤務しており、フルリモートだからこそ「オンラインをオフライン化する」を合言葉に、社内報の刊行やバーチャルオフィス内での積極的なプチイベント開催など、ウェットなコミュニケーションも大切にしています。
(2024年夏時点で)つくば在住メンバーは正社員で3名、筑波大生インターンは10名以上おり、2児の父でもある段林社長自身が(2022年に東京からつくばに移住)、つくばの「子育て環境」と「働く環境」を享受し精力的に働いています。

宇宙空間でのデータアクセスをシームレスにし、人類の安全・安心な社会の構築に貢献する。(株式会社ワープスペース)

株式会社ワープスペースは、宇宙産業における通信ボトルネックを解消するスタートアップです。亀田 敏弘氏と常間地悟氏と永田晃大氏が2016年に設立しました。
近年、地球低軌道に打ち上げられる小型衛星が注目されていますが、現行の電波通信では通信時間が限られており、データの伝送が十分に行われていません。これに対し、ワープスペースは光通信を利用したネットワークシステム「WarpHub InterSat」を構築し、常時接続可能な中継衛星を打ち上げる計画です。このシステムでは、光通信端末を搭載した衛星が中継衛星を介してデータを地上へ転送します。地上では、Amazon Web Serviceを通じて安全かつ高速にデータを伝送します。。宇宙での活動を、宇宙空間における次世代の通信システムを構築することにより、大幅にアップデートすることを目指しています。

【企業情報】https://amater.as/online/companies/1449/

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■成長性、強み
衛星間光通信は、宇宙空間における電波資源の枯渇が進む中で世界中で実用化が進んでいます。各国政府も巨額の予算を投じて技術振興を図っており、同市場は2030年までに年平均成長率(CAGR)16.4%の急成長が見込まれています。ワープスケープ社は光通信が話題となり始める前からこの技術に注目し、関連技術の研究開発と、その技術を応用した衛星開発を行ってきました。日本でこの技術に取り組んでいる数少ない企業の一つです。世界規模の需要に応えていくべく、同社ではグローバルにビジネスを遂行できるメンバーをビジネスと開発の両軸で揃えており、これまでに各国にて有名な業界専門誌や著名な銀行、コンサルティングファーム等から様々な賞を受賞しており、NEDOのSBIR推進プログラムのフェーズ2にも関連プロジェクトが採択されています。

②働く魅力
ワープスペース社での仕事では新市場への挑戦ということもあり次の日には前日に出した答えが否定されることが頻繁にあります。マクロ的な政治経済や市場のダイナミクスから、ミクロの技術的な探求までを常に行き来しながら、ゼロをイチにする挑戦を、宇宙という壮大な世界に向かって行います。云わばインディ・ジョーンズ的な冒険的な仕事が魅力です。

特に技術面では、様々な知識や経験が求められ、成功の保証がない中で手探りで進めることが多くあります。広範な技術に対する探求心とそれらの応用に対する好奇心を持ち、産みの苦しみの先にあるものを信じて挑戦を楽しめる方にとっては魅力的な環境でしょう。

メイン拠点であるつくばは、JAXAのおひざ元であるだけでなく、様々な研究機関やベンチャー企業が集まっているため、様々なミートアップイベントで気軽に交流できる機会があります。技術者が常にその知的欲求を満たせる環境です。また、つくばは自然に溢れており、張り詰めた緊張をすぐに解きほぐしてくれる環境へとアクセスしやすいことも魅力の一つです。

この記事を書いた人

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アマテラス編集部

「次の100年を照らす、100社を創出する」アマテラスの編集部です。スタートアップにまつわる情報をお届けします。