CEO INTERVIEWS

起業家インタビュー

Vol.17
2013年07月15日
弁護士ドットコム株式会社 | 代表取締役社長  元榮 太一郎 氏

弁護士ドットコム株式会社
代表取締役社長 元榮 太一郎 氏

"インターネットで法律をもっと身近に、もっと便利に"

はじめに

日本初となる法律相談ポータルサイト、『弁護士ドットコム』を運営するオーセンスグループ。登録弁護士数は国内の弁護士の5.5人に1人となる6,000人を超え、サイト上での法律相談は月間7,500件以上に及ぶ。

起業のきっかけは大学時代に元榮社長が起こした自動車接触事故。事故の相手方はとある信用金庫の副支店長の社用車。学生で無保険状態の元榮さんに対し、交渉の相手方は保険会社の示談担当者で、元榮さんに100%の過失があると主張。お金もコネもなく途方に暮れる中、弁護士会に相談したところ、70%の過失が妥当と言う事を知り、それで交渉したところあっさり示談が成立。

弁護士などの専門家は遠い存在。そんな専門家をもっと身近にすることができたら泣き寝入りしたり、自分のように悩む人が減るのではないかと考え、『弁護士ドットコム』を立ち上げる。

“インターネットで法律をもっと身近に、もっと便利に。”
そんな世界を実現するために奮闘する有望なベンチャー企業、オーセンスグループ 元榮社長に迫りました。

弁護士ドットコム株式会社
代表取締役社長 元榮 太一郎 氏
(もとえ たいちろう)

【経営者略歴】
1975年 米国イリノイ州エバンストン市生まれ、慶應義塾大学法学部法律学科卒。
2001年 弁護士登録。同年、アンダーソン・毛利法律事務所(現アンダーソン・毛利・友常法律事務所)入所
2005年 独立開業し法律事務所オーセンス設立。同年、オーセンスグループ株式会社を設立し、日本最大級の法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」の運営を開始。『刑事と民事』(幻冬舎)『法律事務所の経営戦略』(学陽書房)など著書監修書多数。

  • MISSION

    『インターネットで法律をもっと身近に、もっと便利に。』

  • 事業分野

    web・アプリ

  • 事業内容

    法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」の企画・運営 (姉妹サイト)税理士検索マッチングサイト「税理士ドットコム」の企画・運営

  • 設立

    2005年7月4日

  • 社員数

    37名(うち正社員20名)* 2013年7月時

  • 企業URL

    https://corporate.bengo4.com/

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起業家紹介

元榮 太一郎 氏

専門家の知恵が水や空気のように自由に活用できる社会を作っていきたい

株式会社アマテラス:御社はどんな社会的課題を解決する会社なのでしょうか?

オーセンスグループ元榮社長(以下敬称略):専門家の知恵というのは、時には人の命を救えたりするような非常に有益な情報なのですが、それが社会の隅々まで行きわたってないという社会的な課題があると思うので、弁護士、税理士、医師、歯科医師、ほかには獣医でも、臨床心理士でもいいんですけど、こういうような専門家の知恵が、水や空気のように自由に活用できる社会を作っていきたいなと思っています。まずは私自身が弁護士なので、弁護士ドットコムからスタートしたというところです。

株式会社アマテラス:なぜ法律の世界は、弁護士と生活者の間に大きな情報の非対称があるのでしょうか?

元榮:はい。これは、やはり「先生」商売だったりするので、なかなか専門家の方から積極的に情報発信したり、出ていかないところがありますよね。あとは、こういうような国家資格を持つ人たちの典型的な特性として、保守的、現状維持的なところもあるので手に職がつくとある程度食べていけるので、それ以上あまり求めないというか、まだ見ぬ多くのニーズを持っている方々に対して積極的にアプローチする、というような特性の方が少ないというのがあるのかなと思います。

自由と秩序という二つの両極端の軸があるとすると、弁護士をはじめとする国家資格系は秩序の傾向が強く、まずその資格を取りたいという方は、革新的なことよりもやっぱり保守的で、そういうものに惹かれて資格を目指される方が多いのだと思います。そこの業界に入って、革新的なことをやりたい人は、多分他の業界におけるそういう人の割合と比べると少ないんじゃないかなと思います。

常識を疑う視点で、ユーザー目線でサービスを作り込んでいく

株式会社アマテラス:弁護士ドットコムを運営するにあたり元榮さんの根底にある問題意識はどのようなことでしょうか?

元榮:そうですね。元々問題意識というか、アメリカで生まれてドイツで中学時代を過ごした経験が影響していると思います。アメリカは産まれてからたった3年なのであまり記憶はないのですが小さい時から両親に「お前はアメリカで生まれて、こういうような生活をしてたんだ」みたいなことを言われて育ったんで、アメリカっていうところが自分のルーツなんだなとか、で、ドイツは、実際にドイツで暮らしてみると日本と全然違うことがいろいろあったりして、なのでこう、常識を疑う視点というのは持つようになっていたのだと思います。世界の中の日本、日本の常識が世界的に非常識かもしれない、というような。
実際にかつての弁護士界は古きよき一見さんお断りの料亭商売で、紹介がなければ依頼を受けないという世界だったんですね。先生と呼ばれて、お客さんからお金もらうのにお客さんのほうが弁護士さんに気を使うみたいな。社会生活上の医師といわれて利用者に身近であるべき弁護士って本当にそうあるべきなの?と、純粋に疑ってかかる習慣があり、弁護士って本当はもっと身近じゃないといけないのになっていう問題意識につながっていったんじゃないかなと思っています。

そして私は一度も日本の弁護士業界を壊そうと思ったことはないんですよ。むしろ弁護士だからこそ、時代の変化に合わせて進化・変化していかないと、弁護士という職業に対するリスペクトが失われるという危機感があって、やっぱり時代に応じて利用者のニーズとかいろんなものが変わってくるのでそこに合わせて進化させたい、だけど変わりたくないという人たちはたくさんいる、じゃあどうやったらそういった方々の心を溶かすことができるのかとか、そういうような考え方で弁護士ドットコムを運営しているので、諸先輩方がやってきたことを否定するということではなく、むしろ弁護士の歴史を創られてきた諸先輩方のお知恵をお借りしながら、あくまで、ユーザー目線で、サービスを作りこんでいくという考えです。

あとは総理大臣とか政治家的な視点もありますよね。要は、政治家って改革も行いますけど部外者ではないですよね、日本国民じゃないですか。だから、同じ国民の中にあって、国家の一員でありながら、改革をするわけですよね。外部者じゃないと改革ができないというのはおかしいと思うんですよね。内部者(弁護士)でありながら、やっぱりこう、あるべき論で、こうだっていう自分の中の世界観を一回作り上げて、で、あとはどうやったらその方々の理解と応援を得られるのかなっていうことで、中長期的な視点で、少しずつ、多様な考えの人たちも巻き込んでいくっていう、そういう取り組みとして考えています。

食べログ・価格.comを運営する株式会社カカクコムさんにご出資いただいてるくらいなので、一般ユーザー目線のサービスを作りたいなという思いはあるんですけれども、一気にそこに針を振ってしまうと、もう一方のユーザーである弁護士ユーザーの理解を得られずに、結局弁護士を身近にするっていう志が道半ばになるので、弁護士にとっても良いサービスを試行錯誤しながら、徐々に徐々に弁護士の先生方にご支持いただいてきました。一般ユーザー、弁護士ユーザーいずれの目線も大事にしてサービスを創っていきたいですね。

株式会社アマテラス:現在に至るまでのオーセンスの成長の壁になったことは何でしたか? またそれをどう乗り越えてきたのですか?

元榮:新しいサービスなので、2005年のサイト開設直後は弁護士の先生方にご理解いただくことが最初の壁でした。

弁護士の先生方にしっかり理解してもらうためには、そういう方がよく読まれるような歴史ある伝統的なメディアに弁護士ドットコムのサービスを取り上げてもらうことが大事かと思い、そのようなメディアにアプローチしていきました。

弁護士ドットコムを一番最初に世に発信する時は、朝日新聞(800万部)と読売新聞(1,000万部)の同日掲載、広告ではなくて記事で。しかも大々的にご紹介いただくというのを本気で狙い、ありがたいことに実際に実現しました。

これは「弁護士の世界はこういう方向で変わっていく」という時代の大きな方向性について弁護士の先生方の理解を得る方法としては、非常に有効だと思います。必死に考えたアプローチ方法でした。

あとは、誰かを否定するような言動は一切しない、と。つまり人それぞれの信条や方法論があると思いますけれども、なんかこう、歯に衣きせずとか、過激な発言をした方が、メディアストリームに載りやすいですし、ツイッターのフォロワーも増えやすいし、アンチを増やしながらファンも増えるじゃないですか。そういう方向性の向こう側に多くの人の心を突き動かすようなことは実現できないのではないか、と私は考えています。

また、次の壁となったこととして、弁護士の先生方は、一見さんお断り、紹介がなければ依頼を受けないというのが常識の業界でした。まだあったこともないユーザーとつながるような弁護士ドットコムなんて使うわけないだろう、みたいな。
こうした意識の方が多かったんで、まず登録してもらうっていうこと自体に、非常に苦労した時期が長かったですね。

絶対に弁護士とユーザーがネットでつながると思った。ガリレオ・ガリレイと同じ境遇です

株式会社アマテラス:そのような業界常識がある中で弁護士が弁護士ドットコムに登録し始めるようになったきっかけは?

元榮:最初は義理ですよね。身近なところからひとりひとりお願いして回って、どれだけ頭下げたかわかりません。

最初は企業法務を専門とする大手の法律事務所(現・アンダーソン・毛利・友常法律事務所)の勤務弁護士をしていました。当時は大企業の案件で大手の法律事務所は景気が良く、弁護士を大量採用して、一人でも弁護士が足りないっていう時代だったんです。それで、突然辞めてしまって、同期でも初めてで、圧倒的に早めに辞めているので、とても驚かれました。

ただ、弁護士人口は今後こう増えるっていうグラフがあるじゃんと、これがもうあと5年10年したら、弁護士の競争が促進されて、もう一見さんお断りとかもないなと。インターネットもブロードバンドが2003年くらいからスタートしてもっともっと使われるようになるから、絶対に弁護士とユーザーがインターネット上で思いっきりつながる時代がくると思ってました。ガリレオ・ガリレイとおなじ境遇だと思うことで、創業仲間を叱咤激励しながら。一番激励してるのは自分自身なんですけど(笑)、そういうような時代が、2005、6、7、8くらいまで、そんな感じでしたね。

株式会社アマテラス:弁護士ドットコムの登録弁護士が増加するきっかけ、タイミングは何ですか?

元榮:2007年の12月からロースクールを卒業した1期生が新規参入し始めたんですね。ここから弁護士の大増員時代が始まるんですが、そのくらいから、新聞紙面だったりテレビやラジオの報道で、弁護士の競争が始まりつつあるとそんな特集が組まれるようになってきて、弁護士の先生方も「あれ今までとはちょっと違う時代がくるかも」という、足元ではまだそんな状況はなかったですけれども、一応そんな論調でのメディアの特集が組まれたりしていましたから、なんかオーセンスから毎週・毎月FAXで送られてくるあれに登録してもいいんじゃないかなという弁護士さんが少しずつ増え始めてきました。

一方で、当時は消費者金融への過払い金返還を求める過払いバブルが湧いてました。弁護士の数が増えるよりも特需の雨のほうが圧倒的にインパクトがあったので、みなさんどちらかというと増収・増益みたいな感じで、ほんとに弁護士増えてるの?っていう、その競争が激化して収入が落ちてるっていう実感を持たない弁護士さんも多かったです。しかし、事態が変わってくるのが2010年の9月、武富士の破綻。あそこを機に過払いバブルがピークアウトしまして、要は払い手がいなくなりました。

そこから債務整理という分野が一気にしぼんでいきます。そのことによって、特需の雨が止んじゃったのに弁護士が増えてるという現状がようやく形を見せて、それで、待ってるだけじゃ仕事が来ないぞという時代が2011年からスタートして、弁護士ドットコムの登録弁護士数もおかげさまで月を追うごとに増えてきている状況です。

そして、今では多くの弁護士の先生方に応援し、ご理解いただけるようになったので、初めて外部資本を昨年、2012年の7月末にデジタルガレージさんより入れていただきまして、今年の2月にカカクコムさんにも出資していただき、ロケットエンジンを積んで一気に利便性高いサイトを目指して成長しようというのが今のタイミングです。

事業立上げに苦労し、時間がかかるほど参入障壁は高まる

株式会社アマテラス:創業してから、弁護士ドットコムが単月黒字化するまで(2011年まで)の5年間赤字状態が続きますが、そこまでの資金や事業運営はどう乗り越えてきたのですか?

元榮:法律事務所オーセンスを運営していますので、そこでの収益を弁護士ドットコムのサイト運営につぎ込んできました。数億円以上は法律事務所の収益からつぎ込んできたと思います。

創業時のメンバーで残っているのは僕だけですが、絶対描いているサービスが求められる時代がくるっていう僕の中の確信があったので辞めずにやってこれたのだと思います。

むしろ、食べログにしてもそうですけど、事業立上げまでに赤字が長ければ長いほど参入障壁は高まるので、いいんじゃないかと。そういうのは学生の頃から体育会サッカー部で経験してきましたし、そういう結果がでるまで長い時間をかけて徹底的にやりきるストイックなの大好きなので(笑)。

一度決めたら実現するまで寝ないで働くとか、そういうの好きなんです。そういうの好きじゃないとやってられないですよね。もっとね、わかりやすく早くドンと売上あがる事業とかあると思うんですが、そういうのは自分の価値観とはなんか違うんですよね。
個人的には絶対に弁護士ドットコムのようなサービスニーズは拡大するという手応えというか確信めいたものがありました。時代を待つとともに、それまでの間に評判の良いサービスに育てておこうと。

株式会社アマテラス:収益モデルについて教えて頂けますか? 弁護士ドットコムを通じて弁護士を紹介してもそこで手数料を取ることができないので(弁護士法72条)収益化には苦しまれたのではないかと。

元榮:今は3つの収益モデルです。

1つ目はユーザーからの情報閲覧課金、法律相談は無料なのですが、他のユーザーが投稿したQ&Aを閲覧したい一般ユーザー(個人)から課金しています。

2つ目は広告ですね。この広告は月間300万人が訪問してくるサイトですので、そのユーザーに対して広告を出したいという法律事務所、出版社等がありますので、そういったところからの広告です。この広告にはもうひとつパターンがあって、インターネットで唯一弁護士を囲いこんでいるサイトですので高所得者層に位置づけられる弁護士に対して広告を出したいという、大手不動産会社さんなどが広告主となっています。

今、弁護士の世界は二極化していると言われてますが、私の周りを見ていても、ちゃんと成功している人は多いんですよね。また、ご高齢の弁護士が増えているので、年金や今までの蓄財で生活をされているからそんなに収入がなくてもいいという方々も非常に多いと思います。年収200万円以下の弁護士がいるという報道がありましたが、若手弁護士ではごく一部なんじゃないかと思います。

3つ目が今年の6月からスタートしたモデルなんですが、弁護士課金という弁護士から広告料金として月額継続課金をいただく形態です。これまではとにかく弁護士の登録シェアを拡大するために、8年間、弁護士からお金を取らないという形でやってきたんです。

食べログと同じなんですけど、無料会員に対して2階建てで有料会員をスタートしたように、我々も無料登録弁護士の上に有料登録弁護士を作りました。有料登録の方が露出の度合いが強まるので、一般の方からのお問い合わせを効果的に獲得しやすいということです。

株式会社アマテラス:弁護士にとって弁護士ドットコムに登録するインセンティブは?

元榮:困っている人の悩みに答えてあげたい、という気持ちがベースにありますが弁護士ドットコム内での弁護士ランキングを上げることなんです。
弁護士が無料法律相談に答えても、基本的には1円ももらっていませんが、弁護士ポイントというのがたまるようになっていて、無料で回答すると、回答してもらった投稿ユーザーがその弁護士を評価できるようになってるんですね。ありがとうという評価を得ると何ポイント、数ある弁護士の先生の回答の中で最も良かったというベストアンサーというボタンを押すとまた何ポイント、という形でポイントが加算されていって、直近30日における獲得ポイントの累計順に弁護士ドットコムランキングという形で1位から100位までランク付けされるんです。この上位の先生になりますと、1カ月で200件程のお問い合わせが来ます。有料での相談問い合わせです。

なので、皆さん弁護士ドットコム上のランキングをあげるためにしっかり回答されています。あとは、個別の相談Q&Aが検索エンジンでインデックスされて上位表示されます。何かで悩んでいる方が検索するとQ&Aがあがってきますよね。「そうそう、私が悩んでいるのはこれ。」っていうのに対して弁護士の回答がついていて、そこに実名で無料回答した弁護士のプロフィールが掲載されているので、この先生はこんな確かな回答をしてるのでこの先生に依頼したいといった問い合わせが来るんですよ。無料回答ページがひとつの訴求性の高い広告媒体に様変わりしているので、そこに期待して無料回答している先生もいらっしゃいますね。

無料で法律相談できるという気軽な側面もありますが、本気で困っていることがあるときはWeb上の相談だけでは解決できない場合もあります。

弁護士ドットコムはO2O(Online to Offline)の性質も持ってまして、例えば個人の方は、裁判の代理人を依頼するのであれば法律事務所に行かないといけないですし、契約書のチェックをしてもらうのでも、実際に会う必要がでてきます。結局、法律事務所に行くことになるんですね。Webでのコミュニケーションを通じて、この先生いいなと思ったら、皆さん法律事務所に行かれます。

いきなり弁護士にダイレクトに相談するのは少しハードルが高いですけどまずネットでちょっとやりとりして、ちゃんと対応してくれるんだったらこの先生にお願いしようかなとなって、ハードルが1つ下がる。

法律相談料もサイトを通じて表示されているのも個人の人にとっては安心できます。情報開示については食べログの幹部の方がアドバイザーに入りましたので、徹底的に食べログのコンセプトをどんどん吸収させていただこうかなと、そういう時期ですね。

株式会社アマテラス:有力な競合会社があまり見当たりませんがそれはなぜでしょうか?

元榮:公的には法テラスという法律情報提供窓口があります。民間での弁護士検索サイトは他にもありますが広告収益型という意味ではあまりないと思います。弁護士ドットコムは、現在(2013年5月時)約6,000名の弁護士が登録していますが、他社に比べると圧倒的なシェア数だと思います。他社が参入しづらい理由としては弁護士法72条の問題(弁護士を斡旋することによる手数料収入を得ることができない法律)ですね。

弁護士ドットコムでは収益モデルはユーザーのお役にたちながら、ユーザーが増えていく中でゆっくり考えていく、そんな考え方でした。短期的な利益を追求しようとする人が多かったので、ちょっと参入しても、これ全然儲からない、次行こう、みたいな感じで、垂直立ちあがりで収益化するような考え方の方が参入するとすぐ撤退しますね。

単月黒字になるまで5年耐えましたが、このビジネスを立ち上げるためにはこの業界の発展に寄与したいという熱い想いや弁護士の世界を愛してないとだめだと思います。

そして弁護士法72条で、普通だったらマッチングビジネスで仲介手数料・紹介手数料で収益化するビジネスモデルを取れない法規制があるのは大きいと思います。

株式会社アマテラス:国内の弁護士相談の市場規模はどれくらいですか?

元榮:1兆円超えましたよね。2000年に6600億円くらいだったんですけど、今1兆円超えてます。算出根拠としては弁護士の平均収入、平均売上×弁護士の数。

このうち、弁護士ドットコムがターゲットしている市場は広告費比率で20%~30%くらいまではこれから伸びていくと思うので、宣伝市場規模でいうと2,000~3,000億はあるんじゃないかと思います。その中のネットがどのくらいの割合を占めるのかという考え方になりますよね。

株式会社アマテラス:弁護士ドットコムとしての目標数値などは?

元榮:登録弁護士数は現在(2013.7月時)で6,000人ですが来年の9月までに1万人という、3人に1人に近いところに持っていくというのはあります。国内弁護士が今は3万3千人くらいですね。

株式会社アマテラス:オーセンスの経営課題は?

元榮:直近の経営課題はやはり今マネージメントチームをまさに作っている最中で、マネージメントチームを機能させていくところですね。

予防法務型の社会を実現したい

株式会社アマテラス:元榮さんの将来の夢は?

元榮:司法が身近になって予防法務が浸透し、人々が安心して暮らせる社会を作ることです。
弁護士とか、専門家もそうなんですけど、何かが起きてから専門家、ではなくて、何かが起きないように予防医療のように予防法務を活用するような、予防法ですね。例えば相続トラブルが起きる前に相続対策をしていればトラブルに発展するリスクを回避することができるわけですね。何か大きなお買いものをする時も、契約書を事前にちゃんとチェックしてリスクヘッジした上で、何か買い物を、例えば不動産を買うとかマンションを買うとか、あと借りる場合もそうですね、事前に弁護士のチェックがあって、ちゃんと契約書に落とし込んでいればトラブルが発生しなかったりするんですよね。

経済面や敷居の高さから弁護士に頼まないようにしようと思っている方が多いと、結局問題をこじらせてしまうんですよね。日本は現状では「訴訟社会」ではないと思うんですけど、では何社会かというと、「やり得が許される違法社会」だと思ってるんです。結局みんなが弁護士を有効活用しないので、確信的な悪徳な人達がやりたい放題してるわけです。訴えられるものなら訴えてみろ、というように開き直った人がいるんです。どうせ無い袖は振れないだろうと、弁護士を雇うお金なんかないだろうと、いうことですね。こういう社会を「予防法務型の社会」に変革したい、と。

そういう社会を作りたいっていうのと、あとは海外含めこういうサービスっていうものを世の中に知ってもらいたいし、ビジョナリーで志が高くて優秀な人達が集まるような会社としてのストーリーを見せていきたいなというのはあります。

株式会社アマテラス:既存の伝統的ビジネスこそ逆にイノベーションを起こりやすいと言われますがオーセンスさんの取り組みはまさにそういうことなのかなと思います。狙っている市場も大きいと思います。ご活躍期待しています!

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edited by 藤岡清高

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