やっぱり自分で考えて動かないと、いい人生になりません

Spiber株式会社経営管理部門 門沢宏征氏

今回の転職者インタビューは、2016年にアマテラスの紹介でSpiber株式会社に入社した門沢さんにお話を伺いました。

Spiber株式会社は人工合成クモ糸素材の量産化技術を研究しているバイオ素材開発企業です。2016年秋に高級車ブランド『レクサス』がSpiberの人工合成クモ糸繊維を活用したコンセプトシートを公開したことでも話題になりました。
大手企業で社会人としてキャリアをスタートさせた門沢さんが、外資系企業の日本法人を経て、次の職場として選んだのは、Spiberの研究開発を支えるチームでした。
門沢さんにSpiberでのお仕事や山形・鶴岡での生活、今回の選択に至ったご自身の転職活動について語って頂きました。

門沢宏征氏

経営管理部門
門沢宏征氏

Spiber株式会社 経営管理部門。2011年上智大学卒業後、出版社にて法人のルート営業を経験。その後、外資系メーカーの日本法人にて人材開発や総務全般に携わる。2016年より現職。

Spiber株式会社

Spiber株式会社
https://spiber.inc/

設立
2007年09月
社員数
153名(2016年11月現在)

《 事業分野 》
次世代Tech
《 事業内容 》
新世代バイオ素材の開発

初仕事はチームの立ち上げ

アマテラス:

本日はよろしくお願い致します。まず、門沢さんが現在携わっている仕事について教えて下さい。

Spiber株式会社 経営管理部門 門沢宏征氏(以下敬称略):

はい。社内には大きく分けると3つの部署があります。経営管理部門と、メインの研究開発部門、そして、3つ目が事業開発と呼んでいますが、営業やマーケティングを行っている部門です。その中で、私は経営管理部門に所属しています。

あまりにも研究開発に関する事務的な仕事が多いので「研究開発部門をサポートするチームが必要だ」という話になり、私が入社した頃にそういうチームが出来ました。業務内容としては一般企業の総務や法務業務ですが、チームの立ち上げから関わったので、いろいろなルール作りにも携わりました。社内外の連携を促進させる役割を担っていて、依頼があったときに「これは経理に行った方がいい」とか、社外に問い合わせて対応したらいいとか、人と人の間に立つ仕事をしています。

アマテラス:

新設された部門に入られたのですね。何人位の組織ですか?

門沢宏征:

上司は管理部門の総務と法務のマネージャーも兼任している状況ですので、私を含めて実質2名の体制です。立ち上げ間もない頃は、てんやわんやの状況でした。

世の中に大きなインパクトを与える事業に携わりたい

アマテラス:

なるほど。次に、元々大企業や中国のエネルギー企業にいた門沢さんがベンチャー企業に転職したいと考えた理由を教えてください。私の最初の認識では、転職意欲はさほど強くなかったという気がしたのですが、話を聞くうちに徐々に意欲が高まってきたと感じました。

門沢宏征:

今でも前職の方達と飲んだりする位なので、当時の社内の人間関係等は悪くなかったです。「まぁ、ちょっと登録してみようかな」位の感じで、アマテラスの門を叩きました。

自分の中では、1社目から2社目への転職が大きなターニングポイントになったと思います。1社目は100年続いている会社で、組織や仕組みが完全に出来上がっていました。決まった年次で出世するといったキャリアパスが明確に描けてしまうことに、むしろ不安を覚えました。いわゆる『大企業病』のような状態も感じられ、「もっとワクワクした人生にしたい」と思い、「ベンチャー×成長業界」に転職したいと考えました。

魅力的な企業を探していたところ、再生可能エネルギー企業の日本法人である前職に辿り着きました。
平均年齢30代前半で勢いのあるベンチャー的な企業で、色々な経験をさせてもらい、沢山の学びを得ました。
ところが、入社時は世界ナンバー1のシェアだったのですが、その後急速に業績が悪くなりました。本社の経営が傾きかけ、2015年には個々人がその後のキャリアを考えざるを得ない状況に陥りました。

そんな時、アマテラスに登録しました。20代で2回目の転職になるので若干不安もありましたが、前回の転職と同様にもっとワクワクした人生にしたくて「ベンチャー×成長業界」の軸で会社を探していました。成長産業といっても様々ですが、世の中に大きなインパクトを与えうる事業に携わりたいと考えていました。

そして、(アマテラス代表の)藤岡さんからSpiberの紹介を受けました。元々は知らなかったのですが、教えて頂いて、「こんな会社あるんだ!」という感じでした。そして、「ひとまず、そこだけ受けてみよう」と決めました。『蜘蛛の糸』を作っている企業なんて他にないですから、面白そうだと思いました。そして、受けてみたら、採用になったんです。

アマテラス:

「転職するなら、ベンチャー企業にしよう」というのは決めていたのですか?

門沢宏征:

転職するならベンチャーというのは、譲れなかったです。
理由としては2つあって、1つは1社目での経験から「もう大企業は勘弁だ」という思い。もう1つは、ここ2〜3年ずっと考えているのですが、30代で会社を作りたいという思いがあります。社長はちょっと向いてないけど、ナンバー2、3くらいでやりたいとなると、ベンチャーで経験を積んでおく方がいいと考えています。

アマテラス:

ベンチャーって、そう多くの方が飛び込む世界ではないですが、門沢さんの場合は周囲にベンチャーで働いている方が多いといったベンチャーに対する親和性みたいなものが元々あったのですか?

門沢宏征:

知人が起業して3年目位でうまくやっているのを見たり、独立したりする知り合いが多かったので、ベンチャーに対する抵抗や偏見はなかったです。

純粋に面白い仕事があったら、そこで働けばいいと思った

アマテラス:

では、最終的にSpiberに決めた理由はどんなところですか?地方勤務とか、未経験のバイオエリアとか、意思決定するには難しい点もあったかと思います。

門沢宏征:

最終面接に行く前まで、高飛車な言い方かも知れませんが、「合わなかったら、もし内定が出ても行かなくてもいいかな」と正直思っていました。
最終面接では、代表の関山さんやCFOの水谷さん達とお会いしたのですが、そこで関山さんと「こんなに脳みそを使ったことない」という位、教育について突き詰めたディスカッションをしました。私が教育学科出身だったことから「教育問題についてどう思うか」といった感じで、耐えられない位まで追い込まれたのですが、「すごく面白い」とも感じました。物事をこれだけ本質的に考える方と一緒に働けたら楽しいだろうなぁと思いました。

バイオ系の知識はなかったのですが、ネットで調べてみて、その事業規模と領域の広さにワクワクしました。アパレルや車の部品、他にもいろんな可能性がありますから。また、少なくとも国内に同業他社はいないので、国内でシェアを取り、世界進出の際に活躍できそうだとも思いました。

山形に行くことについては、全くネガティブな印象はありませんでした。確かに、親にも驚かれましたし、知り合いにも「何で?」と言われましたけど。純粋に面白い仕事があったら、そこで働けばいいという気持ちです。これって変わっていますか?

アマテラス:

そうですね。「Spiberって面白そうですね」とはよく言われるのですが、勤務地が山形と言った瞬間に「え?」となる方は多いですね。仕事以外に生活面が変わるのではと不安を抱く方が多いのかも知れません。

門沢宏征:

あまり気にならなかったです。でも、一応グーグルアースでストリートビューを見て、「生活できるな」と確認しました(笑)。

アマテラス:

書類通過後、面談は確か1回勝負でしたよね。そこで決める難しさはありませんでしたか?

門沢宏征:

最近の選考は2〜3回の面談に変更しましたが、私の時はまだ1名対会社側5名面接の一発勝負でした。その後、電話で話すようなプロセスもありましたが。今思えばリスクもあったと思いますが、自分で「これだ!」と信じて突き進んだ時って、意外に失敗しない気もします。そこは本能に従った感じです。

Spiberへの転職を決めた時について語るSpiber門沢氏

世界から注目され、地元に応援される企業の一翼を担う使命感

アマテラス:

実際にSpiberで働いて半年以上経ちましたが、その魅力や面白さはどこにありますか?

門沢宏征:

働き甲斐は、世界から注目される技術開発の一翼を担っているという使命感でしょうか。最先端技術を間近で見られるのはラッキーですし、大臣やメディア等いろんな方が視察にいらっしゃるので、注目度の高さも肌で感じます。
また、地域の方からの注目度もとても高くて、Spiberの社員だというだけで、一目置いていただけるというか、応援していただいていることを感じます。地域での雇用もしているので当然地元密着なのですが、様々な反応をいただけることは嬉しいですね。会社や関山さんが取材された記事を目にする機会も多く、とても恵まれた環境にいることを感じます。そういったことが、モチベーションに繋がっていますね。

アマテラス:

仕事内容の面からの魅力も教えていただけますか。

門沢宏征:

仕事自体は地味な作業です。ただ、自分でチームを作りあげたことは、この半年を振り返っても、凄くやり甲斐のあることでしたし、非常に恵まれていたと思います。
また、私のポジションは研究開発の全ての人達と関われて、管理部門の総務、人事や経理の人とも接することが出来る。さらに社外の取引先とも関係があるので、それだけ学ぶことも多いです。「こんなにおいしいポジションが他にあるだろうか」と一人で「よしよし」と思っています。

アマテラス:

研究開発の部署と外部を繋ぐにおいて、バイオの知識も求められるところがあると思いますが、そういった難しさはいかがでしたか?

門沢宏征:

はい。そこは難しさを感じたところでした。最初は基本用語も分かりませんでしたが、『塵も積もれば…』で覚えてきました。あとは、4月の新卒入社向けの勉強会等に出て学んだりして、何とかキャッチアップしました。

急速に成長する組織を仕組みつくりで支える

アマテラス:

他にも実際ベンチャー企業に入ってみて、辛いこと、大変だったこと、想定外だったことがあったと思いますが、いかがでしたか?

門沢宏征:

この2年間で人が2-3倍近くに増え、既に約150名の社員がいます。研究開発主体の会社なので、研究員の方々が研究に集中できる設備や環境は整っていると思います。
一方で、組織や制度整備といった「仕組みづくり」については、未整備な箇所も多く、その点では当初驚きましたが、「それなら作ればいい」ということで、新たな仕組み作りを進めています。30~40人の規模から急速に100人以上の組織になったので、マネジメント体制の整備は、急務です。大変ではありますが、新しいことにチャレンジするのは面白いです。

20代の転職だからこそ、チャレンジできる!

アマテラス:

Spiberに入る前に不安だったことはどんなことがありましたか?「自身が成長できるのか?」とか「会社が成長するのか?」とか。

門沢宏征:

会社の成長については、自分で操作できる範疇を超えている部分もあると思うので、ある意味開き直っています。万一会社が潰れても、20代だったら「仕方ない」と腹を括れると思うんです。家族がいる方はまた別だと思いますが。会社が潰れたとしても、また次の仕事を見つければ、「いい経験が出来たな」と思えるかなと。
自分の成長については、自分で「どうしたいか?」を考えて動いた結果しかないと思います。人から教えてもらえたら「ラッキー」という感じです。

アマテラス:

門沢さんはそういった点で凄く自立していますね。

門沢宏征:

前職で一時期「会社潰れましたか?」なんて問合せを受ける状況にまでなったので、腹が括れたのかも知れません。
また、親が私を自由に育ててくれたことのお陰とも思います。大学入学時に親から言われた一言が「法律を犯さなければ、自分の好きなことをやって生きていけ」でした。放任とも思えるくらい自由にやらせてくれつつも、サポートしてくれて、有難いと感じます。今回の転職も事後報告で心配をかけたので、つや姫(山形のブランド米)を渡しました(笑)。

「自分の価値を上げた」転職

アマテラス:

山形はいかがですか?

門沢宏征:

山形は行ったことがなかったので、「友達出来るかな」「雪国で生活できるかな」といった環境適応への不安はありました。一番雪が深い時に山形に移住したので、雪の多さには驚きました。毎朝、車上の雪を落とすことから、1日が始まります(笑)。一晩で10cm〜20cm位積もります。通勤風景も銀世界。今年はまだ雪が少なかったらしいですが、車が運転できないくらいの時もあるようです。

とはいえ、山形は住んでみると住みやすいです。冬場の車の運転は覚悟が必要ですが、それくらいです。東京にも庄内空港から1時間程で行けます。今はSNS等があるので、知り合いと連絡が取れなくなるような状況にも陥りません。
「人生をリフレッシュしたい」という方には最高の場所だと思います。満員電車とは無縁、海も山もすぐ近くにありますし。アウトドアが好きな方は毎週のように山や海に通っていますね。あと、食べ物がとても美味しいです!
社内には、移住組でもいろんなパターンの方たちがいます。子供も含めて家族で山形に移住した方や、単身赴任の方、地元出身でIターンした方もいます。それから、海外からの移住組も増えています。

アマテラス:

入ってくる情報が減ったと感じますか?東京だといろいろ情報が入ってきたり、友達と会ったりもできますが、地方に行くと、そういうことから離れることを心配する方もいます。

門沢宏征:

むしろ、知人や友人、前職の仲間等から山形に来たことで注目して貰えるというか、応援して貰えるようになったと感じます。このインタビューもそうですが、Spiberに転職したことによって、自分の価値が少し上がったと勘違いする位、他の方から応援頂いていると感じています。

アマテラス:

「自分の価値を上げた」と思えるのは、凄い転職ですね。確かに東京都内のA社からB社に移ったというのなら、そこまで「すごい!」とか、「話を聞かせて」とはならないですよね。世界のトップの技術を持つSpiberに入社し、しかもその為に山形まで行ったとなると、「何でそういう意思決定したの?」と聞きたくなりますよね。

「自分がどう生きたいか」を真剣に考える

アマテラス:

次に、これからベンチャー転職する特に20代後半の同世代の方々に向けてのメッセージをお願いします。

門沢宏征:

私の場合、一度きりの人生なので、「どう生きたいか?」を真剣に考えた結果、「究極の目標を達成するためにはベンチャーしかない!」という結論に至りました。

今28歳ですが、仮に80歳まで生きるとしたら、あと50年以上人生がある。何となく過ごしても50年生きられるのですが、「折角ならこうしたい」というのが、仕事だけでなく、趣味・健康やプライベートを含めた全ての生き方についてあります。プライベートで言えば、「フルマラソンで何時間切りたい」とか。
仕事の目標を考えた時に「経験」が必要だと思い、その経験がどこで手に入るかと考えて、「ベンチャー」という結論に至りました。私は管理部門を突き詰めたいと考えていて、「どうしたら生産的に仕事が出来るか」について、ノウハウを確立したいと思っています。そうした全ての目標を叶えるために、ここに辿り着いたという感じです。

「自分がどう生きたいか」を真剣に考えることが、最初のステップだと思います。
「絶対潰れないだろう」という大企業で安定して、出世して、年収を上げて、退職金も貰いたいと心から思うのなら、それは大企業で生きてくのが正解だと思います。ただ、企業頼みだとリスクがどうしてもあると思います。
私の場合、人生の選択肢は多い方がいいと思っていて、それは仕事だけでなく、趣味や収入についてもです。その為に、やれることはやっておきたいという気持ちがあります。

自分で考えないといい人生にはならない

アマテラス:

自分が「どう生きたいか」を考えた方がいいことはわかるのですが、つい怠りがちですよね。門沢さんはどんなきっかけで自分の生き方について考えたのですか?

門沢宏征:

きっかけは、新卒時の就職です。適当に就活をして、早期に内定を貰って、「売上も利益も安定しているから、ここでいいか」と他の就職活動も止めて、入社しました。
そして、今でも憶えていますが、入社初日4月1日のランチタイムに食堂で「この会社、違うかも…」と思いました。男性が一人で壁に向かって昼食を食べていたり、食べた後に寝ている人がいたり…。「これがサラリーマンなのか…」と衝撃を受けました。「これは自分が生きたい人生とは違うのでは?」と感じ、また「安定」と安易に思っていたことも絶対ではないと分かり始め、「では、どう生きようか」と考え始めました。

アマテラス:

すぐ辞めずに、そこから3年弱勤めたのですね。

門沢宏征:

2年10カ月在籍しました。1日でも早く辞めたい気持ちもあったのですが、「3年は在籍せよ」と一般的に言われていたので耐えました。
とても感謝しているのは、生え抜きではない転職組の方がいて、その方達が私の面倒をみてくれたことです。研修を受けさせて貰ったり、飲みに連れて行って貰ったりしながら、仕事の進め方や考え方を学びました。そこは大企業の良さだと思います。最初からベンチャーだったら、自分で学ばないといけなかったと思うので。

私の人生って、まず失敗することが多いんです。大学入学時も一浪しましたし。適当に世の中の流れに乗ると大体上手くいかない。そこで転んで、次に這い上がる感じです。やっぱり自分で考えて動かないと、いい人生になりません。

余談ですが、新卒入社の同期10名で今も残っているのは3名程です。私らの年代は『安定志向』と言われますが、周囲を見ると二極化しています。大きな有名企業で新卒以来キャリアを築いている人もいれば、他方で転職や独立している人もいる。30歳近くなると生き方が分かれてくることを感じます。

アマテラス:

門沢さん以外の周りの方でベンチャーに飛び込む方はどういう理由ですか。

門沢宏征:

ガツガツ仕事がしたいとか、裁量権が欲しいとか。やはりそういう理由の方は多いと思います。
大企業だと、上司が責任をとってくれる。責任を取ってくれるということは、究極的には「自分は何もしなくてもいい」ということだと思います。それでは、自分の力が付かない。それをどう考えるかだと思います。

「そこまでベンチャーのことを考えているエージェントは他に無い」と思い、登録

アマテラス:

ここから門沢さんの転職活動に関するお話をお伺いしたいのですが、実際にどんな行動をとりましたか?

門沢宏征:

「自分の人生は自分で決める」というポリシーで、転職について他の方に相談はしていないです。以前ネットで見たアマテラスの記事を思い出して登録しました。今回の転職で利用したエージェントはアマテラスのみで、受けた企業もSpiberだけでした。

自身の転職活動を振り返る Spiber門沢氏(右奥)

アマテラス:

弊社以外のエージェントにも相談して、沢山の情報から絞り込んでいく方が多いと思うのですが、門沢さんがそれをしなかった理由は?

門沢宏征:

2回転職しているので、1回目の時には色んなエージャントに話を聞き、3〜4社に会いました。その時に、「紹介される企業って、どこのエージェントもあまり変わらないなぁ」と感じました。20代の転職は専門性が強いわけではないからと理解した時、「エージャントはどこでも一緒かな」位に思っていました。

アマテラスについては、「ベンチャーの経営者と即日繋がれる。自分からアポイントを取れる」という趣旨の記事を憶えていたんです。「何で今までなかったのか?!」と思うほど面白いと感じました。そこまでベンチャーのことを本気で考えているエージェントは他にないと思い、登録しました。藤岡さんは運命の人ですね(笑)。藤岡さんに出会わなければ、Spiberに入ることもなかったでしょう。企業側と登録者の双方に精通しているアマテラスだからこそ、提供頂けたサービスだと思っています。特に、起業家対談や面接前のアドバイスは、暗記するくらい読み込みました。

実物を見たことで、行動力がアピールできた

アマテラス:

ありがとうございます。転職活動で意味のある活動、逆に意味のなかった活動はありましたか?

門沢宏征:

最終面接が2016年の年明け予定で、Spiberのことを自分なりに調べている時に年末から年明けにかけて『MOON PARKA®』(Spiberと株式会社GOLDWINが共同研究開発している人工合成クモ糸繊維を使ったスポーツアパレルウェアの試作品)が全国で展示されていて、冬休みに仙台まで見に行きました。最終面接でこの件を話したところ、「おっ!」という感じで盛り上がりました。
企業研究は大事ですが、やはり「百聞は一見にしかず」で実際に見たことも良かったし、そのことで自分の行動力もアピールできたように思います。
ちなみに、実物は細い糸を撚って繊維的なものになっているので、見た目は普通のジャケットでした(笑)。

アマテラス:

その行動力は凄いと思います。企業訪問時にその企業のプロダクトを見ることは当たり前だと思いますが、実際になさる方は以外と少ない。BtoCビジネスだったら、商品を買うとか、アプリなら使ってみたり、ダウンロードしたりするといいと思います。

門沢宏征:

これも周りのおかげです。前職で関係先であるスポーツ用品ブランドによく訪問している人がいたのですが、そこに行く際に「競合他社の靴は履けない」と気を付けていて、「なるほど、そういう細かいところに魂が宿るのだな」と感じました。

アマテラス:

そういう感覚は大事ですよね。

将来は人事・総務を極めたい

アマテラス:

最後に、3~5年後のご自身の姿について教えてください。

門沢宏征:

3~5年後には、マネージャーになっていたいとは思います。あと、会社としての管理の質を高めるような社内のマネジメント体制作りに携わりたいです。その後には採用した人材の育成・研修等にも取組みたいと考えています。現在は急速に拡大しているので、まずは採用なのですが、その後のフォローも重要ですから。

私自身、人事と総務を極めたいと思っています。大学の選考が教育学でしたが、人に教えてその能力を伸ばす、出来るようになっていくのを見るのが面白いし、それが最も得意なことだと思います。「こういう考え方で動いてみると上手くいく」といったことを個人レベルではなく、組織レベルで仕組みを作って回していきたいと思っています。

アマテラス:

素敵なお話ありがとうございました。

この記事を書いた人

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河西あすか

慶應義塾大学経済学部卒業後、食品メーカーにて商品企画等のマーケティングを担当。 慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了後、企業再生・変革の実行支援コンサルティングファームに在籍。

Spiber株式会社

Spiber株式会社
https://spiber.inc/

設立
2007年09月
社員数
153名(2016年11月現在)

《 事業分野 》
次世代Tech
《 事業内容 》
新世代バイオ素材の開発