日本の農家の平均年齢は67.8歳となっており、高齢化や就農人口の減少等これからの農業を支える人材不足という課題を抱えています。世界的にもデータ活用や作業の自動化、IoTによって生産性を最大限向上することが求められています。
他方、環境負荷の少ない持続可能な社会に向けた取組みも始まっています。
本記事では、社会課題解決に向けチャレンジしている農業テック(AgriTech)スタートアップ12社についてお伝えします。
- 目次 -
- 1 テクノロジーによって、産地とともに持続可能な農業と地域をつくる ~株式会社AGRI SMILE(DXソリューション)~
- 2 人間にとって最も大切な「食」を生み出す農業をITの力で支えたい ~株式会社農業情報設計社(自動化)~
- 3 100年先も続く持続可能な農業を実現する ~AGRIST株式会社(自動化)~
- 4 「デジタル農業」で農業の生産性向上と持続性を目指す ~株式会社ルートレック・ネットワークス(IoT)~
- 5 世界の農業の頭脳を創る ~株式会社ファームノートホールディングス(IoT)~
- 6 農薬にイノベーションを! ~株式会社アグロデザイン・スタジオ(バイオテクノロジー)~
- 7 グリーンテクノロジーを育み、地球と共に歩む ~Green Earth Institute株式会社(バイオテクノロジー)~
- 8 地球と健康とずっと。 ~グリーンカルチャー株式会社(フードテクノロジー)~
- 9 人類と地球の共存を実現する ~サグリ株式会社(衛星データ×AI×区画技術)~
- 10 一次産業をテクノロジーでつなぐ 〜株式会社アクト・ノード(農業/畜産/水産養殖向けクラウド)〜
- 11 データから世界の農業を変える 〜デザミス株式会社(農業IoTクラウド事業)〜
- 12 植物工場で農業革新! 〜スパイスキューブ株式会社(植物工場の事業化支援)〜
テクノロジーによって、産地とともに持続可能な農業と地域をつくる ~株式会社AGRI SMILE(DXソリューション)~
AGRI SMILE(アグリスマイル)は、代表取締役/CEOの中道貴也氏により2018年に設立された、「産地」というエコシステムにフォーカスしたサービスを提供している農業テックスタートアップ・ベンチャー企業です。ここで言う産地とは、多様な規模・営農類型・年代の生産者様と、それを支援するJA・行政のことを指しています。
数ある課題の中でAGRI SMILEでは「栽培領域の技術」に焦点を当て、プロダクトと研究開発によって解決しています。具体的なプロダクトは下記の3つです。
① AGRI Suite:栽培に関わる定性 / 定量データを集積し、産地の発展に活かす。
② ACADEMIC Suite:オンライン、もしくはオンラインとオンサイト形式での学会の開催を支援する「ONLINE-CONF(オンライン学会システム)」を提供。
③ 研究開発:独自のバイオスティミュラント資材評価系を用いて、食品産業における未利用資源を活用したバイオスティミュラント資材の研究開発及び評価事業を推進。
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人間にとって最も大切な「食」を生み出す農業をITの力で支えたい ~株式会社農業情報設計社(自動化)~
農業情報設計社は、北海道室蘭出身の代表取締役 濱田安之氏によって2014年に設立されたAgriTechスタートアップ・ベンチャー企業です。
農業機械における通信制御の標準化技術や農業生産を支援する情報通信技術の提供を通じ、農業に関する様々な課題の解決をサポートしています。
100年先も続く持続可能な農業を実現する ~AGRIST株式会社(自動化)~
AGRIST(アグリスト)は、代表取締役 兼 最高経営責任者である齋藤潤一氏によって2019年に設立されたテクノロジーで農業課題を解決するAgriTechスタートアップ・ベンチャー企業です。
高齢化が進み農産物の収穫の担い手不足の課題を、自動収穫ロボットで解決します。
2020年には、国のスマート農業実証実験で6台のロボットを農研機構に販売しました。そして、国内のビジネスプランコンテストで8つの賞を受賞。
2021年からは、宮崎県から全国に販路を拡大し、地方から世界の農業課題を解決するグローバルベンチャーへの成長に向けて邁進しています。
「デジタル農業」で農業の生産性向上と持続性を目指す ~株式会社ルートレック・ネットワークス(IoT)~
ルートレック・ネットワークスは、2005年、インターネット経由で機器と機器をつなぐM2M技術(現在ではIoT技術と言われています)で、サスティナブルな世界を実現する事を目指し、代表取締役社長の佐々木伸一により設立されました。
次世代養液土耕システム ”ゼロアグリ”の開発・製造・販売を行っています。
ゼロアグリ:
ビニールハウスの環境情報(土壌や日射)を基に、クラウド上で作物の生長に合わせた最適な培養液(水+液肥)の量と濃度を独自アルゴリズムより算出し、最適な量の水やり、肥料やりを自動で実行。これまでは生産者が、長年の勘と経験によるかん水施肥作業が、数値化できるだけでなくスマホ上から現在の状況確認と、変更の指示を出すこともできます。
世界の農業の頭脳を創る ~株式会社ファームノートホールディングス(IoT)~
ファームノートホールディングスは代表取締役の小林晋也氏が2016年に立ち上げられた農業Tech(AgriTech)スタートアップ・ベンチャー企業です。
ファームノートグループは、サスティナブルな視点を持った事業や起業家、経営者を生み出し続けることによって人・動物・自然の持続可能な幸せを追求し、グループ全体で地球的課題の解決に取り組んでいます。
主に以下の2つの事業を展開しています。
ファームノート:
クラウド牛群管理システム「Farmnote Cloud」や牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」を通して、酪農生産のDX実現の支援。
ファームノートデーリィプラットフォーム:
動物の快適性と経済性を両立させ、人と動物双方の利益を最大化する「アニマルライフケア」を提唱し、牛の遺伝改良や疾病予防、繁殖改善といった知見の収集を目的とした、自社牧場での酪農生産。
農薬にイノベーションを! ~株式会社アグロデザイン・スタジオ(バイオテクノロジー)~
アグロデザイン・スタジオは、代表取締役社長の西ヶ谷有輝氏により2018年に設立された創農薬バイオスタートアップ・ベンチャー企業です。
農薬シーズを開発し、農薬会社へライセンスアウトしています。アグロデザイン・スタジオが開発している農薬は、環境に悪いというイメージを壊し、使用する事によりむしろ環境が改善され、さらに農家に経済的なメリットももたらすものです。
バイオサイエンスを基盤とした 農薬開発・農業バイオ技術で持続的農業に貢献しています。
グリーンテクノロジーを育み、地球と共に歩む ~Green Earth Institute株式会社(バイオテクノロジー)~
Green Earth Institute(グリーンアースインスティテュート・GEI)は、代表取締役社長の伊原智人氏によって2014年に設立されたスタートアップ・ベンチャー企業です。
農作物や植物を由来とするバイオマスの中でも、食料や飼料と競合しない、植物の茎や葉などを原料とし、カーボンニュートラルなバイオ燃料、飼料添加物になるようなアミノ酸、石油化学由来ではないグリーン化学品を作っています。
【企業情報】https://amater.as/online/companies/459/
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地球と健康とずっと。 ~グリーンカルチャー株式会社(フードテクノロジー)~
グリーンカルチャー株式会社はフードテクノロジーで社会課題の解決を目指すスタートアップで、代表取締役の金田郷史氏によって2011年に設立されました。
データサイエンスと食品製造技術を掛け合わせ、植物肉開発を構造化することで、お肉のようにおいしい植物肉をお肉に近い価格で提供することを実現しています。これにより、植物肉が食卓に並ぶ「新しい食のカルチャー」を創造しています。
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人類と地球の共存を実現する ~サグリ株式会社(衛星データ×AI×区画技術)~
サグリ株式会社は衛星データ(Satellite)と機械学習(AI)を活用し、人類と地球の共存を目指し農業や環境における課題解決を目指すスタートアップで、代表取締役の坪井俊輔氏によって2018年に設立されました。
農地の生育や土壌状態をわかりやすく見える化する「サグリ」というサービスでは、開発途上にあった衛星から送られてくるデータの活用法を研究し、効率的な農業を実現しています。衛星データ×AI×区画技術を用いて地球上に暮らす私たち人類の営みをより良くすることを目指しています。
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一次産業をテクノロジーでつなぐ 〜株式会社アクト・ノード(農業/畜産/水産養殖向けクラウド)〜
株式会社アクト・ノード
株式会社アクト・ノードは農業・畜産業・水産養殖業の改善・革新を支援するスタートアップです。代表者の百津 正樹氏が2020年に設立しました。
農業/畜産/水産養殖向けクラウド「アクト・アップ」は農業・畜産・水産養殖の生産活動を記録し、それぞれのグループで共有するアプリです。「作業」「資材」「環境」「生育状況」のすべての生産情報を、1つのアプリで管理することができます。IT、IoT、AIなどのデジタルテクノロジー、データ分析や標準化などをツールとして理想的な業務や働き方のデザインと、その実装&運用を一緒に実現しています。
【企業情報】https://amater.as/online/companies/1192/
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データから世界の農業を変える 〜デザミス株式会社(農業IoTクラウド事業)〜
デザミス株式会社
デザミス株式会社は農業IoTクラウド事業と農業コンサルティング事業を行うスタートアップです。代表取締役兼CEOの清家 浩二氏が2016年に設立しました。
「U-motion」は牛に装着したセンサーで行動を観察し、死亡事故などに繋がる疾病・起立困難状態や、発情兆候などを見つけておしらせする行動モニタリングシステムです。農場の経済的な損失を抑え、牛が快適に過ごせるようにサポートしています。
「U-motion Platform」は畜産業界に携わる方にご利用いただけるITシステムや業務サポートツールを紹介しています。「U-motion」との併用で情報の自動連携が可能になり、より便利に利用することができます。
データの力で既存の枠組みを超えて、農業の世界を変革しています。
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植物工場で農業革新! 〜スパイスキューブ株式会社(植物工場の事業化支援)〜
スパイスキューブ株式会社
スパイスキューブ株式会社は植物工場の事業化支援や農業装置の設計開発を行うスタートアップです。代表取締役の須貝 翼氏が2018年に設立しました。
「低コスト」「移設可能」「ノウハウ公開」「販路支援」「ミニマム設計」の強みがあります。植物工場の立上げから運営までトータルでサポートし、設置場所に適したプラント設計施工だけでなく、農業人材を現地派遣して支援しています。
【企業情報】https://amater.as/online/companies/1317/
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おわりに
アマテラスが厳選する農業/AgriTechスタートアップ・ベンチャー企業を12社紹介させていただきました。社会課題解決に向けチャレンジしているスタートアップ・ベンチャー企業は、今回紹介した企業以外にもたくさん存在しています。アマテラスサイト内「企業一覧」で紹介させていただいております。ぜひ御覧ください。