日本は2018年、学校へのICT導入がOECD加盟国の中で最下位でしたが、2019年からGIGAスクール構想がスタート。新型コロナウイルスによるオンライン化の追い風もあり、2021年の調査では半数以上の高校がタブレット型PCを導入しているなど、教育のICT化が急速に進んでいます。そうした動きに合わせて、さまざまな企業が授業の動画配信やオンライン学習システムを提供し、大手企業はその学習データの活用に取り組み始めています。
今回はこれからますます需要が高まり、伸びていくEdTechスタートアップ企業を11社ご紹介します。
- 目次 -
- 1 「生徒の学力を本気で上げる」ということへの挑戦 ~株式会社学びエイド(学習塾支援)~
- 2 教育に変革を、子どもたちに生きる力を。 ~株式会社すららネット(対話型アニメーション教材)~
- 3 一人ひとりが自分の可能性を最大限発揮できる社会をつくる ~株式会社Libry(デジタル教材)~
- 4 個の力をみんなで高め合う「学びの場」を創る ~株式会社コードタクト(授業支援システム)~
- 5 世界一「学びやすく、分かりやすく、続けやすい」学習手段を提供する。 ~KIYOラーニング株式会社(社会人教育)~
- 6 データサイエンスが豊かな社会に繋がるためのオープンラボになる ~株式会社データミックス(データサイエンス)~
- 7 ライフワークとの出会いを創る。 ~株式会社TechBowl(プログラミング)~
- 8 質の高いIT教育で世界平和を実現する ~株式会社SAMURAI(プログラミング)~
- 9 先端技術を、経済実装する。 ~株式会社アイデミー(DX人材)~
- 10 マルチリンガルになれる時代を創る ~株式会社スピークバディ(AI英会話)~
- 11 Chances for everyone,everywhere. ~株式会社レアジョブ(オンライン英会話)~
- 12 おわりに
「生徒の学力を本気で上げる」ということへの挑戦 ~株式会社学びエイド(学習塾支援)~
株式会社学びエイドは、代表取締役 廣政愁一氏が2015年に創業したEdTech企業です。映像コンテンツの視聴、教室管理が可能な学習塾向けのサービスを提供。全国1800教室以上に導入されています(2022年2月時点)。
2020年4月には総額9千万円を調達し、コロナ禍におけるサービスの無償提供や、旺文社×武田塾×学びエイド共同企画「一冊逆転シリーズ」の提供など、コロナ禍においてサービスを拡大しています。
教育に変革を、子どもたちに生きる力を。 ~株式会社すららネット(対話型アニメーション教材)~
株式会社すららネットは、代表取締役社長の湯野川孝彦氏が、(株)ベンチャー・リンク新規事業担当役員時代にeラーニング教材『すらら』の事業を企画開発し、自ら事業を買い取り独立した企業です。
ゲーミフィケーションを応用した対話型アニメーション教材「すらら」を、国内では約2171校の塾、学校などに提供しています(2022年2月時点)。
Z会グループの株式会社栄光との協働や、海外の日本人学校への導入など、国内外で幅広く事業を展開しています。
【CEOインタビュー】
https://amater.as/article/interview/edtech-surala-3/
一人ひとりが自分の可能性を最大限発揮できる社会をつくる ~株式会社Libry(デジタル教材)~
株式会社Libryは、代表取締役CEOの後藤匠氏が、ICTを活用して学びをより効率化したいと、東京工業大学大学院在学中に設立した企業です。
中高生向けのデジタル教材プラットフォーム「Libry(リブリー)」を提供しています。
2021年7月には資金調達を実施し、対応科目「地歴公民」の拡充、学校ICT普及拡大に伴う営業体制の強化など事業を拡大。日経クロストレンド「未来の市場をつくる100社」2022年版に選出されるなど、高い評価を得ています。
個の力をみんなで高め合う「学びの場」を創る ~株式会社コードタクト(授業支援システム)~
株式会社コードタクトは、「教育・音楽・IT」という異色のバックボーンを持つ代表取締役 後藤正樹氏が、ICTによって「みんなで学ぶ」環境を実現させたいと創業したEdTech企業です。
学校・塾など教育機関向けの授業支援システム「school Takt(スクールタクト)」、企業向け研修支援クラウド「team Takt (チームタクト)」の開発・運用を行っています。
総務省先導的教育システム実証事業に採択され、2021年には第18回日本e-Learning大賞の「オンライン授業支援特別部門賞」を受賞するなど、コロナ禍において事業拡大を続けています。
世界一「学びやすく、分かりやすく、続けやすい」学習手段を提供する。 ~KIYOラーニング株式会社(社会人教育)~
KIYOラーニング株式会社は、コンサルティング企業出身の代表取締役社長 綾部貴淑氏が、自ら研究した学習方法により短期間で中小企業診断士にストレート合格を果たした経験を基に、ビジネスパーソンの能力開発や目標実現を支援するため立ち上げた企業です。
個人向けのオンライン資格講座「STUDYing(スタディング)」、法人向けの社員教育クラウド「AirCourse(エアーコース)」を提供しています。
コロナ禍においてサービスを無償提供し、2020年7月には東京証券取引所マザーズに上場しています。
データサイエンスが豊かな社会に繋がるためのオープンラボになる ~株式会社データミックス(データサイエンス)~
株式会社データミックスは、データサイエンティストの代表取締役 堅田洋資氏が2017年に創業したデータサイエンスに特化したEdTech企業です。
個人向けのデータサイエンス講座、データサイエンス領域に特化した人材紹介事業、データサイエンスに関する法人向け研修やコンサルティング事業を展開しています。
2022年1月には231百万円の資金調達、KIYOラーニングとの資本・業務提携を実施。AIを使ってより効率的に学習できるサービスの共同研究を行っていくなど、事業を拡大しています。
ライフワークとの出会いを創る。 ~株式会社TechBowl(プログラミング)~
株式会社TechBowlは、サイバーエージェント出身の代表取締役 小澤政生氏が2018年に創業した企業です。有名企業のエンジニアから実務を学べる「TechTrain」を運営しています。
2022年1月には、プレシリーズAラウンドとして総額1.3億円の資金調達を実施。「TechTrain」の開発投資、広告・マーケティング強化、人材採用を促進し、さらなるユーザー体験の充実・向上と組織体制の強化を実現を目指しています。
質の高いIT教育で世界平和を実現する ~株式会社SAMURAI(プログラミング)~
株式会社SAMURAIは、元代表取締役、現顧問の木内翔大氏がPCすら持っていなかった友人にプログラミングを教えたところ、半年でフリーランスエンジニアになったという実体験から創業した企業です。
マンツーマンのオンラインプログラミング教育事業、プログラミング学習メディア「SAMURAI ENGINEER Blog」、エンジニア人材の紹介、法人研修事業を展開しています。
先端技術を、経済実装する。 ~株式会社アイデミー(DX人材)~
株式会社アイデミーは、代表取締役執行役員社長CEO石川聡彦氏によって2014年に設立された企業です。
AIを中心としたDX人材育成サービス「Aidemy」、機械学習モデルの実運用支援サービス「Modeloy」など、DX人材の育成から実運用まで一気通貫で支援しています。
石川氏は「Forbes 30 Under 30 Asia 2021」のEnterprise Technology部門に選出されるなど、高い評価を得ています。また、慶應義塾大学と組織のDXレベルについて共同研究をするなど、産学協働でサービスの開発提供を進めています。
【企業情報】https://amater.as/online/companies/442/
【CEOインタビュー】https://amater.as/article/interview/aidemy-ai/
マルチリンガルになれる時代を創る ~株式会社スピークバディ(AI英会話)~
株式会社スピークバディは、外資系投資銀行出身の代表取締役 立石剛史氏が、TOEIC200点台から累計3,000時間を費やしTOEIC985点を獲得した英語学習経験をもとに、非帰国子女向け英語教育サービスを展開するAI×言語教育のEdTech企業です。
音声認識、会話AI、デジタル音声等の技術を活用した英会話レッスン「AI英会話スピークバディ」、オンライン英語コーチング「スピークバディ パーソナルコーチング」を提供しています。
2021年には、三菱UFJ信託銀行株式会社や三井不動産株式会社と協働しユーザーを広げ、グッドデザイン賞を受賞するなど高い評価を得ています。
Chances for everyone,everywhere. ~株式会社レアジョブ(オンライン英会話)~
株式会社レアジョブは、代表取締役社長中村岳氏が2007年に設立したSkypeを利用したオンライン英会話事業を展開する企業です。毎日13,000レッスン以上を提供し、累積会員数は40万人以上と業界最大規模を誇り、2014年6月に東証マザーズ上場しました。
2021年には、ベトナムやタイの会社と業務提携するなど、コロナ禍でも海外展開を拡大させています。
【CEOインタビュー】https://amater.as/article/interview/edtech-rarejob-2/
おわりに
今回ご紹介した11社は、教育現場のDX化に伴い、ここ数年でサービスの開発提供を加速させ、事業を拡大しています。2025年の日本のEdTech市場は2,403億円、世界規模では2030年までに3,785億米ドルに達すると予測され、どの企業も国内外での事業拡大を目指していくでしょう。国内外で活躍していくEdTech企業に関心のある方はぜひアマテラスの「HRTech・EdTech(教育) スタートアップ企業一覧」をご覧ください。