CEO INTERVIEWS

起業家インタビュー

Vol.35
2015年04月15日
株式会社デザインワン・ジャパン | 代表取締役社長  高畠 靖雄 氏

株式会社デザインワン・ジャパン
代表取締役社長 高畠 靖雄 氏

地域の口コミサイト”エキテン”を通じて
地方経済を活性化していきたい。

はじめに

”エキテンのおかげで店が潰れずに済んだ。”

デザインワン・ジャパン社には地方の中小企業経営者からこのような感謝の言葉が続々と届けられる。

東京一極集中が進み、地方の商店の多くは集客に苦しんでいる。
そんな中、デザインワン・ジャパンの高畠社長は地元兵庫県高砂市の活性化のために何かできることはないかと考え、地域・地元の店舗口コミサイト”エキテン”を開設する。

今では登録店舗数が438万店、ユーザー数40万人、投稿口コミ数は87万件超までに成長。日本最大級の店舗検索サイトと言ってよいだろう。

私自身も、整骨院、美容院、病院などを探すのに、”エキテン”を活用させてもらって久しい。ユーザーとしてはもはや生活に欠かせぬサービスになっている。

”エキテン”は店舗からもユーザーからも感謝され、社会発展に貢献するサービスだが、事業立ち上げにはとても苦労されたという高畠社長。2015年4月には東証マザーズにIPO予定だ。

高畠社長の生い立ちや事業への思い、事業立ち上げストーリーをインタビューしました。

株式会社デザインワン・ジャパン
代表取締役社長 高畠 靖雄 氏
(たかはた やすお)

【経営者略歴】
兵庫県高砂市出身。岡山大学大学院工学研究科修了後、富士通へ入社。CRMソリューションビジネスに関わる。
2005年にデザインワン・ジャパンを設立。IT による日本の活性化を目指し、『エキテン』『カイシャファイル』『ファンタッチ』をリリース。

  • MISSION

    世界を、活性化する。

  • 事業分野

    web・アプリ

  • 事業内容

    国内最大級の店舗の口コミ・ランキングサイト『エキテン』の運営

  • 設立

    2005年9月

  • 社員数

    正社員30名、アルバイト・契約社員30名(2015年2月末日)

  • 企業URL

    http://www.designone.jp/

起業家紹介

高畠 靖雄 氏
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人生を通してやっていきたい「モノづくり」。

株式会社アマテラス:幼少時から学生時代までの生い立ちについて教えて頂けますか?

株式会社デザインワン・ジャパン高畠社長(以下高畠):幼い頃からずっとモノを作ることが得意でした。
家には木材、のこぎりなど工作するものがたくさんあったので、それらを使って、船や弓矢、ロボットなどを作ったりしていました。
基本的には何かを創るということを人生を通してやっていきたいので、幼い頃に創作が好きだったことは私の原点です。

家族の中でも私に影響を与えたのは祖母だったように思います。祖母は敷物工場を経営していて、1番多い時では、30人ぐらいの社員がいたらしいです。とてもアグレッシブな方で色々な教育を受けたのを覚えています。私が小学生の頃には、祖母にクラスの委員長に立候補するように言われて、小学校1年生の頃からクラス委員長をやっていました。
控えめであまり目立たない性格の私に、責任を負うような役割や立場が回ってくることが多いのは祖母の教育によるものかもしれないですね。

高校生の時には、父親にパソコンを買ってもらいました。父親が自分のために買ったものの結局使わずに私に回ってきたという形ですが、このパソコンがプログラミングを始めるきっかけでした。当時の私はかなりマニアックだったと思います。独学で本を買って研究して、3Dでグラフィックを描いたり、それに動きを付けたり、ということをしていました。パソコンにはまりすぎてしまいまずいかなと思ったので、大学では情報系の学部には敢えていきませんでした(笑)。

大学では電気電子関係を研究しました。当時は物理の法則をもとにひたすらパソコン上でシュミレーションしていました。

新卒で富士通に入社。大企業の組織運営の非効率さに問題意識を感じる。

株式会社アマテラス:大学卒業後、企業勤務を経て起業しますが、その背景を教えていただけますか?

高畠:大学時代の研究で、パソコンの計算機を回すことが多かったのですが、計算時間がすごく遅いので、処理スピードの速いコンピュータでできないかなという安易な考えで、当時スーパーコンピュータを作っていた会社のいくつかの中から富士通を選びました。

富士通では、ハードウェアの部署に2年程、そのあとCRMの部署に2年程いました。働いているうちに、大きな会社なので大変だとは思いますが組織運営がもっと効率よくできるのではないかなと思い始めました。
特に、営業と開発の部署でうまく連携すればよりよいものが作れるのにと思っていました。
そのような事を考えているときに、たまたま出向の話があり、良いタイミングだなと思い会社を辞めることにしました。本当は何かやりたいと思って辞めた方がきれいなのでしょうが、当時の状況としては、自分で会社を作る方に興味がありました。

『口コミ』の影響力を知り、地域活性化のための口コミサイト”エキテン”を立ち上げる。

株式会社アマテラス:起業をされてから最初は何をされたのですか?

高畠:最初はECサイトで販売をしていました。受験とは全く違う分野の教育がしたくて、子供向けにお金の使い方や、夢を持ちましょうといった情操教育系の本を自分で作り、販売しました。それがある程度売れたので、使ってくれたお客様に感想を書いてくださいとアンケートを送り、お客様の声をたくさん集めることが出来ました。

次に集めたお客様の声をホームページに掲載すると、とても反応が良く今まで以上に売れてきたので、ここで初めて「口コミ」の凄さに気づきました。

一方で、私は兵庫県の高砂出身なのですが、地元へ帰るたびにテンションが下がるような自分がいました。
親は私に、好きなことをしていいよ、どこで働いてもいいよ、とは言うのですが、やはり帰ってきてほしいという思いがあって…、私としてもなんとかできないかな、、と悩んでいました。

ですが、地元には面白い仕事が少なそうなので、帰ることは考えていないのですが、東京にいながら地元の活性化に貢献したい思いと子供向け教材を販売していたときに知った「口コミ」の面白さが組み合わさり、今のサービスにつながる地域の口コミサイト”エキテン”を立ち上げました。

高畠:”エキテン”上の口コミで地域の店の情報が流通することでお客さんが増え、地元や地方での商売を活性化させていくようなプラットホームを作りたいという思いが根底にあります。

特に地方ではインターネットを使いこなせていないお店が多いので、”エキテン”を通じて簡単に情報発信できる場所を作ることで経済活性化に貢献できると思っています。

株式会社アマテラス:事業を立ち上げるうえで資金繰りや仲間集めではどのような苦労をしましたか?

高畠:資金繰りに関しては、“エキテン”立ち上げ当時、子供向け教材ビジネスの方で利益が出ていましたので、その資金を”エキテン”事業に充当してやりくりしていました。
どちらかといえば、この子供向け教材ビジネスが立ち上がる方が大変でした。1年半くらいは収入ほとんどなかったので。

子供向け教材ビジネスの方が落ち込んできて、”あ、この事業はもう難しいな。” と思い始めた時にエキテン事業が立ち上がってきたので、タイミングとしてはうまくスイッチできました。エキテン事業を始めるのが少しでも遅れていたら危険だったと思います。

仲間集めの方は特に最初に苦労しました。
採用した社員が定着しなくて、入ってはうまくいかず…という感じでした。当時は採用面接のやり方も試行錯誤でした。
そのような悪循環を断ち切ったのは営業統括として弟(取締役:高畠 昭雄)が辛抱強く営業したことだと思います。”エキテン”を利用していただく店舗会員が増えていくことによって営業組織は活性化し、人が定着し、拡大し始めるという良い循環になっていきました。ここは本当に弟が我慢強く頑張ったと思います。

3年かけて“エキテン”を黒字化。

株式会社アマテラス:“エキテン”は今では高い認知度がありますがどのように立ち上げていったのでしょうか?

高畠:立ち上げ時は自分でウェブ関係の勉強会に参加したり、SEO(Search Engine Optimizationの略。WEBサイトが検索結果の上位に表示されること)を研究してひたすらやりました。
そのSEOが効きはじめることで、毎月少しずつサイトのアクセスや認知度が増えていきました。

エキテン事業の収益はメディア広告収入が中心なのでPVが落ちたら、連動して売上も下がります。
PVに関わらず安定した収益を確保することも重要なので各店舗から定額の広告料をいただけるようなダイレクトな収益モデルにしようということで営業を始めました。しかし、私は営業をしたことがなかったので、もうどうしていいか分からなくて、とりあえず飛び込み営業をしたのですが、やはり全く売れませんでした。

そこで利用料金を抑えることにして、月5,000円という定額の広告料にしたのですがそれでもなかなか契約が取れません。思い切って最初は利用料を無料にして、使ってみて良かったら有料サービスの月5,000円に切り替えてくださいという、今でいうフリーミアムのビジネスモデルにしました。店舗様にとっては断る理由が少ない状態を作り出したところ、利用客が増加していきました。

株式会社アマテラス:フリーミアムビジネスの先駆けですね。エキテンはプラットフォーム型ビジネスモデルなので、利用者が増え、コンテンツが増えるほどサービスは強みを発揮しますし、理に適っていますよね。

高畠:そうですね。利用店舗が増え、コンテンツが充実してきたことによって、ネットのSEOもうまく回りだして、ビジネスが好転しはじめました。単月黒字化までは3年くらいかかりました。

時間がかかった理由としては営業組織の構築に苦労したことです。PVが増えることによってバナー広告収入は上がっていくのですが無料会員の店舗様に有料会員になってもらい、定額利用料金を頂くというビジネスを推進する営業組織の方が大赤字でした…。赤字が続くとチームの雰囲気も悪くなり、何人か惜しい人材がいなくなってしまいました。もうちょっと我慢すればよかったのにと今でも悔しく思いますね。最初の頃は営業の仕方も手探りでみんなで飛び込み営業して1か月間1つも売れなかった時期もありました。弟が辛抱強く営業組織を牽引し、会員獲得数が損益分岐点を超えるまでに3年かかりました。

株式会社アマテラス:デザインワン様の直近、中長期の経営課題を教えてください。

高畠:直近では、エンジニアの採用です。
やりたいことはたくさんあるのですが、エンジニアのリソースが足りていないです。いいものをスピーディに創れるような体制を作っていきたいです。

中長期の課題としては、当社はまだ小さいので会社を大きく成長させていく基盤を作っていくことだと思っています。そこで必要なのが、事業をゼロから立ち上げて、大きく組織を動かしていくような人の採用や育成です。
成長するための組織作りをこれからどうやって作っていくのかという点が課題ですね。

「モノづくり的な発想の持ち主」、「考えて動ける人」求む。

株式会社アマテラス:デザインワンさんが求める人物像について教えてください。

高畠:地域活性化といった社会貢献的な部分に共感して参画してくる方が多いので、真面目な人、誠実な人が多いです。肉食系か草食系かといえば草食系と呼ばれる人が多いように思います。

一方で、イノベーティブなプロダクトも創っていかなくては、と思っており、エッジの効いた人材がこれから必要だと考えています。基本マインドとして、何かを何もないところから創り出したいとか、モノづくり的な発想をしている人と一緒に働きたいですね。

エンジニアのところでは、自分たちで創って、社会にインパクトを起こしたいという発想の人がいいと思います。このサービスを立ち上げようとか、考えて動けるような人ですね。
あとはサイトの最適化などにのめりこめるような人が向いていますね。やはり、こだわりのある人でないと、というところはあります。

また経営層に理系出身者が多いので、数字に強い方が良いです。数字のセンスは必要だと思います。

地域活性化を実感できる。“エキテン”のおかげで潰れずに済んだ店から感謝の声。

株式会社アマテラス:デザインワンさんで、働く魅力について教えてください。

高畠:“エキテン”は自社メディアですので、自分たちで企画して実行することができます。自分たちで企画したものをサービスに反映させればすぐにレスポンスがあるというところは、やりがいがあるのかなと思います。

やはり、“エキテン”を通じて地域活性化に貢献できたという実感を得られやすいというのはあります。“エキテン”のおかげで店が潰れずに済んだという感謝の声をいただくことがあります。
社員全員が日報を書くのですが、このような事例を全員でシェアすることでモチベーションを共有する仕組みがあります。

社内はアットホームな雰囲気で、組織体制も非常にオープンです。
席はフリーアドレスで、社長の私もそうなのですが役員も特に場所が決まっているわけではないです。

“エキテン”=地域活性化のためのスーパーコンピュータへ

株式会社アマテラス:最後に高畠さんの夢を教えてください。

高畠:私がずっとやっていきたいのは何かを創るということです。会社を創るところから始めて、ようやく形になってきたので、今後はいろんな領域で、大きな規模で何かを創っていきたいと思っています。

“エキテン”もそうなのですが、地域のお店のITのインフラを目指してやっているので、その延長線上でお店の業務全体がシステム化されるというITのサポートまで携わっていけるようなプラットフォームに育てていきたいです。

最初に私が起業した時もそうなのですが、お金がないという不安は人生において、とても大きいものだと思っています。
商売をされている店舗の経営者はお客様が来ないことを恐怖として捉えています。
お客様が常に来店するような状態を作ることが大事なので、“エキテン”をその経済的な不安を解消するためのプラットフォームにしていきたいです。

もう一つは、情報の流通を滑らかにすることです。
誰でも情報発信できる場所を創っていくことによって、情報が広がり、日本だけでなくて、世界中に広がっていく。その中で、経済の交流が起きて、人の行き来が発生していけば、もう少し良い社会になるのかなと考えています。

個人的にはテクノロジーの進歩に興味があるので、いまの“エキテン”のプラットフォーム上のデータを使って、人工知能的に新しいナレッジを生み出していきたいなと思っています。
具体的には“エキテン”上の口コミ情報から店舗がもっと有益な情報を吸い上げられるようにとか、こんな口コミがあるからもうちょっと商品メニューこうした方がいいよとか、店舗をこう変えた方がいいよというのが、店舗に提案できるようなコンサルティングの領域に踏み込んでいきたいです。
それがデータベースとしてもっと充実していくことで、その地域を活性化させるための人工知能を持つスーパーコンピュータのようなものに“エキテン”がなっていければいいなと考えています。

今いるところに勝手に、おすすめの情報が飛んできて、リコメンドされて、ここに行ったら次はここ行くのがいいよという風に、位置情報と紐づいた広告メディアや情報提供をもっとアグレッシブにできるような人工知能のようなものが創れたらいいと思っています。

株式会社アマテラス:高畠さん、素敵なお話ありがとうございました。 “エキテン”を通じた地域活性化、応援しています!

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edited by 藤岡 清高

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