【2023年更新】脱炭素社会を作るバイオ/新技術スタートアップ企業9選

2020年、日本政府が2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにすると宣言したことをきっかけに度々ニュースで目にするようになった「脱炭素社会」。脱炭素社会に向けて注目されているのが、バイオスタートアップ企業や、生産時に炭素を出さない新技術を開発しているスタートアップ企業です。

経済産業省は「バイオものづくり革命の実現」と題してバイオテクノロジー分野の技術革新を支援する戦略を打ち出しています。さらに、環境省は脱炭素事業に意欲的に取り組む民間企業向けの脱炭素化支援機構の創設を検討するなど、脱炭素に貢献する企業への投資が増えています。

今回は、脱炭素社会への貢献が期待されているバイオテクノロジー、新技術スタートアップ企業を9社ご紹介します。

Contributing to sustainable well-being ~Spiber株式会社~

Spiber株式会社(スパイバー)

Spiber株式会社は、取締役兼代表執行役の関山和秀氏が、慶應大学在学中にクモ糸の人工合成の研究を開始し、その実用化のため2007年博士課程在学中に創業したスタートアップ企業です。

クモ糸の再現で培った知見をもとに、人工たんぱく質を製造できる技術を持ち、石油や動物に依存しないサステナブルな新素材を提供しています。

2021年には、米投資会社のカーライル・グループなどから143億円を調達。2022年3月までにタイ工場を本格稼働し、2023年には米国工場を立ち上げる予定です。日本経済新聞の「21年スタートアップ調達額ランキング」では3位、「NEXTユニコーン調査」では5位と、これから活躍する企業として注目されています。
【CEOインタビュー】https://amater.as/article/interview/technology-spiber/

過去を活かして未来を創る。100 年後でも持続可能な循環型イノベーション。 ~株式会社TBM~

株式会社TBM

株式会社TBMは、代表取締役CEOの山﨑敦義氏がグローバルで勝負が出来て100年後も継承される人類の幸せに貢献できる1兆円事業を興したいと、起業したスタートアップ企業です。

枯渇リスクの低い石灰石を主原料にプラスチック・紙の代替製品の成形、リサイクルが可能なLIMEXを開発。水をほぼ使用せずに紙代替製品を製造できる他、石油由来プラスチックと比較して、石油の使用量を削減し、CO2の排出を抑制することができる点で、脱炭素社会に貢献しています。

2021年には、⽇本経済新聞NEXTユニコーン調査企業価値ランキング4位。国内スタートアップ資金調達金額ランキングでは、調達金額188.2億円で3位と、高い評価と実績を得ています。2022年には、使用済みLIMEX製品やプラスチック製品の資源循環サービス「MaaR」、CO2を含む温室効果ガス排出量を可視化するクラウドサービス「ScopeX」の提供を開始し、幅広いサービス展開に力を入れています。
【企業情報】https://amater.as/online/companies/1064/
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バイオテクノロジーで、 昨日の不可能を今日可能にする ~株式会社ユーグレナ~

株式会社ユーグレナ

株式会社ユーグレナは、東京大学卒の代表取締役社長CEOの出雲充氏が、栄養失調なバングラデシュの子どもたちの栄養を手軽に補えるミドリムシの大量培養と実用化を目指し、創業したスタートアップ企業です。

起業後にユーグレナ(ミドリムシ)の世界初の屋外食用大量培養に成功。現在は、ヘルスケア事業からバイオ燃料事業までユーグレナを活用した幅広い事業を展開しています。

2021年には、第5回ジャパンSDGsアワードにて
「SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞」を受賞。国土交通省が保有・運用する飛行検査機において、バイオ燃料を使用した初フライトを実現しました。
2022年には、JR東海と在来線の車両に次世代バイオディーゼル燃料を使う試験を開始し、脱炭素社会に向けて開発を加速させています。

To Become the Global Leader in Clean Technology「世界No.1のクリーンテック企業になる」 ~株式会社アルガルバイオ~

株式会社アルガルバイオ

式会社アルガルバイオは、取締役CSO竹下毅氏が、東京大学における20年以上の研究成果を基に創業した藻類バイオテックスタートアップ企業です。

『藻類』を活用し、健康・美容領域の素材開発、食料領域の大量生産とコストダウンを実現する技術開発、バイオエネルギーの開発と、藻類の幅広い実用化に取り組んでいます。

2021年には、藻類の一貫培養設備を備える「Clean Technology Lab+(クリーンテックラボプラス)」を開設し、約3000種類もの様々な藻類の大量培養体制の実現を目指しています。

創造的な技術力、提案力でバイオリファイナリー分野を牽引し、常識を変革する企業になる。 ~Green Earth Institute株式会社~

Green Earth Institute株式会社(グリーンアースインスティチュート)

Green Earth Institute株式会社は、地球環境産業技術研究機構(RITE)のコリネ菌という微生物を使った革新的バイオリファイナリー技術の実用化のため、日本初の公益財団法人発スタートアップ企業として創業されました。現在は、経済産業省でエネルギー政策を担当した伊原智人氏が代表取締役社長を務めています。

食料や飼料と競合しない、植物の茎や葉などを原料とし、カーボンニュートラルなバイオ燃料、飼料添加物になるようなアミノ酸、石油化学由来ではないグリーン化学品を作っています。

バイオエタノールの化粧品原料としての実用化や、「10万着で飛ばそう!JALバイオジェット燃料フライト」を成功させるなど、バイオマスの活用の幅を広げています。2021年にはマザーズ上場を果たし事業拡大を加速させています。
【企業情報】https://amater.as/online/companies/459/
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FERMENTING a Renewable Society 発酵で楽しい社会を! ~株式会社ファーメンステーション~

株式会社ファーメンステーション

株式会社ファーメンステーションは、代表取締役酒井里奈氏が、「世の中にあふれるゴミがもっと活用できたら面白いのに」「事業性と社会性を両立させたビジネスを創りたい」という想いから東京農業大学で発酵技術を学び、その活用のため創業したスタートアップ企業です。

独自の発酵技術で未利用資源を再生・循環させる社会を構築しています。発酵・蒸留技術でエタノールやサステナブルな化粧品原料を製造販売する原料事業、食品・飲料工場の製造過程等で出る副産物・食品残渣などの様々な未利用資源を活用しアップサイクルする事業共創などを展開しています。

2021年には2億円の資金調達を実施。中国銀行等の地域事業者と未利用資源再生・循環パートナーシップを締結するなど、事業を拡大しています。さらに、内閣府「スタートアップシティ・アクセラレーションプログラム」に採用され、グローバル展開へチャレンジを進めています。
【企業情報】https://amater.as/online/companies/899/
【CEOインタビュー】https://amater.as/article/2021/06/29/daiyanogenseki-01/
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Make Wave, Make World. 世界が知らない世界をつくれ ~マイクロ波化学株式会社~

マイクロ波化学株式会社

マイクロ波化学株式会社は、代表取締役社長CEO吉野巌氏が、三井物産株式会社での化学品業務、米国企業でのエネルギー業務を経て、大阪大学でマイクロ波化学の研究をしていた取締役CSO塚原保徳氏と、「世界中の化学産業を変革しよう」と起業したスタートアップ企業です。

マイクロ波を活用し、化学反応を分子レベルでデザインすることで「省エネルギー」「高効率」「コンパクト」なものづくりや従来の方法では作れない新素材の開発を進めています。

2022年には、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構と、マイクロ波加熱を用いたレアメタルの省エネ精製技術の実証試験に関する共同研究契約を締結。住友化学株式会社と、省エネルギーで高効率な水素製造プロセスの共同開発に着手するなど、脱炭素社会に向けて産学官連携で研究を進めています。
【CEOインタビュー】https://amater.as/article/interview/microwave-chemical/

独創的な技術を活用することで環境・食糧問題にかかる人類課題を解決し、持続可能な社会を実現する ~つばめBHB株式会社~

つばめBHB株式会社

つばめBHB株式会社は、東京工業大学の細野秀雄栄誉教授グループが開発した、エレクトライド触媒技術を基に設立された大学発スタートアップ企業です。

現在市場に出回っているアンモニアの生産には、高温・高圧、大規模プラントを必要とし、アンモニアの原料となる水素の生産時にはCO2を排出しています。そこで、つばめBHB株式会社は、低温・低圧条件下で高効率のアンモニア合成が可能であるエレクトライド触媒を用いた小型アンモニア製造装置を開発し、CO2フリー水素を活用することで脱炭素社会への貢献を目指しています。

2021年には総額4億円の資金調達を実施。2022年には、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の「グリーンイノベーション基金事業・燃料アンモニア サプライチェーンの構築プロジェクト」に参画。大規模アンモニアプラントに用いられる非貴金属触媒の量産化開発を開始するなど、実用化に向けた開発を進めています。
【企業情報】https://amater.as/online/companies/855/
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エグゼキューションで時代を未来へ ~株式会社カーボンフライ~

株式会社カーボンフライ

株式会社カーボンフライはカーボンナノチューブを製造するスタートアップで、2022年に設立されました。

引張強度・導電性・熱伝導性などにおいて従来の常識をはるかに超える優れた性質を持ち、「奇跡の素材」とも呼ばれるカーボンナノチューブ(CNT)。
カーボンナノチューブとはグラフェンをある軸に対して丸めてチューブ状にしたナノ材料であり、一層のものを単層カーボンナノチューブ、複数層のものを多層カーボンナノチューブといいます。​
直径は0.6~数十nmであるのに対し、長さはミクロンオーダーであり、一次元のナノ材料といわれています。カーボンナノチューブは従来の常識を超える多くの物理的性質(力学・電気・熱)や科学的特性を持っています。
特に力学的性質は​人類が発見した材料の中でも最も優れていると言われています。
例を挙げると、鋼鉄と比較して引張強度は100倍、ヤング率は5倍もあり、密度は6分の1です。​これらの性質は同じ炭素原子からなる炭素繊維生地も上回っています。

カーボンフライは独自の技術と製法により高品質で安価なカーボンナノチューブの製造に成功し、バッテリー産業や車両・航空・宇宙産業など様々な分野での社会実装の実現を目指しています。

【企業情報】https://amater.as/online/companies/1095/
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おわりに

今回ご紹介したスタートアップ企業は、独自の技術を持ち、脱炭素社会に向けて技術の実用化を目指し開発を進めています。脱炭素化社会を作っていくバイオテクノロジー、新技術関連スタートアップ企業に関心のある方はぜひアマテラスの「サステナビリティ・環境 スタートアップ企業一覧」「新素材・バイオテクノロジー スタートアップ企業一覧」をご覧ください。

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吉田響