ロボティクス スタートアップ・ベンチャー企業17選

吉田響
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ロボットといえば、今までは工場などで働く産業用ロボットが多く、あまり身近な存在ではありませんでした。しかし、新型コロナウイルスの蔓延によって非接触化が推進され、飲食店などのサービス業界でもロボットが導入されるようになりました。また、従業員間でのクラスターを避けるため、従来より繊細な動きができる産業用ロボットの需要も高まっています。

2020年の産業用ロボットの世界的な市場規模は約8587億円、2025年には2兆2727億円に達する見込みです。飲食店や介護施設など工場以外で働くサービスロボットの2019年の世界市場規模は1兆9819億円、2025年には4兆6569億円まで拡大していくことが予想されています。

今回は、これからますます拡大するロボット業界で活躍中のスタートアップ企業を17社ご紹介します。

===ロボティクス スタートアップ企業一覧===

1.株式会社Mujin(産業用ロボット)
2.株式会社XTIA(製造)
3.株式会社ミューラボ(精密動作)
4.株式会社ソラリス(清掃・点検)
5.株式会社未来機械(清掃)
6.株式会社ZMP(輸送)
7.株式会社人機一体(人型重機)
8.コネクテッドロボティクス株式会社(調理)
9.TechMagic株式会社(調理)
10.株式会社Finger Vision(視触覚)
11.株式会社イノフィス(マッスルスーツ)
12.CYBERDYNE株式会社(装着型サイボーグ)
13.BionicM株式会社(義足)
14.Telexistence株式会社(テレイグジスタンス/遠隔存在)
15.株式会社オリィ研究所(分身ロボット)
16.ユカイ工学株式会社(家庭用ロボット)
17.GROOVE X株式会社(家庭用ロボット)

 

Liberate humans from manual labor to allow them to focus on creativity, innovation and making the world a better place.

株式会社Mujin(ムジン)

株式会社Mujinは、2011年にロボット工学の権威であるロセン博士と、製造業出身の滝野一征氏が共同創業したスタートアップ企業です。

ロセン博士が開発した産業向けモーションプランニングAI技術をもとに「Mujinコントローラ」を提供しています。主要メーカーのロボットに接続することで、プログラミングを必要としない自律動作を可能にし、これまで人力で行わざるを得なかった複雑な工程の自動化を実現しています。

2021年には、日本オープンイノベーション大賞で内閣総理大臣賞を受賞するなど高い評価を得ており、米国に子会社「Mujin Corp.」を設立するなど海外展開にも力を入れています。

世界の誰もなし得ていない愛される商品・サービスを世に届けます

株式会社XTIA(クティア)

株式会社XTIAは、現 取締役名誉フェロー 興梠元伸氏(工学博士)が1993年に発見し、ノーベル賞を受賞したレーザー技術「光コム」を実用化するため、2002年に興梠氏が創業した東京工業大学発の技術スタートアップ企業です。現在は、東京大学出身で、ソニー株式会社、JAIを経て参画した村木洋介氏が代表取締役社長を務めています。

光コムを活用することで、複雑な構造の部品も高精度かつ高速に全数計測でき、傷やバリなど、わずかな凹凸の検知も可能になります。

5年連続自動車部品外観検査市場でシェア1位を獲得(2021年時点)。2020年には、株式会社ニコン、JUKI株式会社、双日株式会社、株式会社INCJの4社と資本業務提携を締結し、総額17億円調達するなど、大手メーカーとの協業で事業拡大を加速させています。
【企業情報】https://amater.as/online/companies/521/
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1家に1台のロボットがある時代のベースとなる新しい機構を福島から世界へ発信していく

株式会社ミューラボ

株式会社ミューラボは、精密機械や半導体の製造会社でキャリアを積んできた代表取締役社長 伏見雅英氏が、福島大学の高橋隆行教授と創業した初の福島大学発スタートアップ企業です。

福島大学の独自技術であるロボットの関節を曲げるための「立体カム機構」と、モーターの回転を減速・倍力させる「クラウン減速機」、さらにこれらを組み合わせた装置「ロボットチャック」を事業化しています。

経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラム「J-Startup」企業に採択され、医療や航空宇宙など様々な分野への活用を目指しています。

ソフトロボティクスによってイノベーションを起こし、持続可能な社会に貢献する

株式会社ソラリス

株式会社ソラリスは、2017年に中央大学理工学部教授の中村太郎氏が設立した、初の中央大学発スタートアップ企業です。現在はキヤノン株式会社やロボティクススタートアップ企業での開発部長を経て、参画した梅田清氏が代表取締役CEO兼COOを務めています。

最先端の空気圧人工筋肉を用いた生物型のソフトロボット(柔らかいロボット)技術の事業化・実用化を目指しています。

2022年には、合計1.6億円の資金調達を実施。ミミズ型ロボットなどソフトロボットを製造現場や土木・建設現場などで実用化するため、開発を進めています。

未来の課題を先進ロボットテクノロジーで解決する

株式会社未来機械

株式会社未来機械は、ロボット研究で世界的に評価を得ている三宅徹氏が、香川大学在学中に創業したスタートアップ企業です。

2008年から海外乾燥地域向けソーラーパネルの清掃ロボットの開発を始め、2020年からアラブ首長国連邦の太陽光発電所に60台以上のロボットを提供してきました。

現在は、日本の気候やパネルの構造に合わせた国内市場向けのロボットを開発しており、2022年に販売開始予定と、国内外で事業を拡大しています。

Robot of Everything あらゆるものにロボット技術を応用し、安全で、楽しく、便利なライフスタイルを創造する

株式会社ZMP(ゼットエムピー)

株式会社ZMPは、2001年に代表取締役社長 谷口恒氏が創業した自動運転ロボットを開発するスタートアップ企業です。

ヒトの移動は『RoboCar』、モノの移動は『CarriRo』、低速自動運転ロボット『RakuRo』『DeliRo』『PATORO』、それらのロボットの自動化のコアエンジン『IZAC』を提供しています。

新型コロナウイルス感染者の宿泊療養施設に、物流支援ロボットCarriRoを提供するなど、新型コロナウイルスによる非接触化に追い風を受け、事業を拡大しています。2022年には、パナソニックやホンダなど大企業と「ロボットデリバリー協会」を発足するなど、自動運転ロボットの第一線で活躍しています。
【CEOインタビュー】https://amater.as/article/interview/mobility-robotics-zmp/

あまねく世界から、フィジカルな苦役を無用とするためのロボット工学の社会実装

株式会社人機一体

株式会社人機一体は、立命館大学客員教授の金岡博士が創業した「人型重機」を開発・社会実装する立命館大学発リアルテックスタートアップ企業です。

「Man-Machine Synergy Effector = 人間機械相乗効果器」のコンセプトのもと、操縦型の大型ロボットの開発に取り組んでいます。

2021年には、経済産業省の「地域復興実用化開発等促進事業費補助金」に採択され、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)、日本信号株式会社と、高所重作業対応の人型重機の開発プロジェクトを開始するなど、事業を拡大させています。
【CEOインタビュー】https://amater.as/article/interview/jinkiittai/

調理をロボットで革新する

コネクテッドロボティクス株式会社

コネクテッドロボティクス株式会社は、東京大学工学部出身の代表取締役 沢登哲也氏が、飲食店の立ち上げと、MIT発のスタートアップ企業でロボットコントローラ開発責任者の経験を経て創業した、調理ロボットを開発するスタートアップ企業です。

AI・画像認識技術を用いた、フライドポテトやソフトクリームなどの調理ロボット、検品や盛り付けなど食品工場向けロボットを開発しています。

JR東日本スタートアップと駅そばロボットを開発するなど様々な企業と連携し、事業を拡大しています。農林水産省の「食品製造イノベーション推進事業」に採択されるなど、これから拡大する分野として注目されています。
【企業情報】https://amater.as/online/companies/778/
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テクノロジーによる持続可能な食インフラを創る

TechMagic株式会社(テックマジック)

TechMagic株式会社は、ボストンコンサルティング出身のCEO白木裕士氏が、2018年にGoogle元名誉会長の村上憲郎氏と「持続可能な食インフラを創造する」ため立ち上げたスタートアップ企業です。

ハードウェアとソフトウェアを融合し、知能である機械学習を搭載することで食産業の課題解決をしています。

2021年には、15億円の資金調達を実施。キユーピー株式会社や味の素株式会社、日清食品株式会社などの大手企業と協働し、事業拡大を進めています。

人とロボットの可能性を広げ、社会システムをアップデートする

株式会社Finger Vision(フィンガービジョン)

株式会社Finger Visionは、ボストンコンサルティング出身の代表取締役社長濃野友紀氏が2021年10月に創業した、視触覚センサーFingerVisionの実用化を目指す東北大学発スタートアップ企業です。

FingerVisionの特徴は、マルチモーダル(広範囲で圧力やその分布、滑りの情報を捉える)センサーで、簡単に作ることができ、物理的に頑丈であり、かつ安価なことです。

FingerVisionを用いて、ロボットや機械の実社会における適用領域を広げ、様々な社会課題を解決することを目指しています。現在は、食品加工業界向けに、様々な種類、形、重さの食品を掴み盛り付ける技術を開発中です。

世の中の問題から開発をスタートする「人のためのロボット」を創り、人を支える何事も正面から取り組む

株式会社イノフィス

株式会社イノフィスは、東京理科大学教授の小林宏氏が腰の補助に特化した「マッスルスーツ」の実用化を目指し創業した大学発スタートアップ企業です。

2021年には、マッスルスーツの累計出荷台数が2万台を突破し、介護、農業、製造や物流など、様々な作業現場で働く人達の「腰」を支えています。

2022年には欧米、アジア計10カ国でマッスルスーツの販売を開始するなど、海外展開にも力を入れています。さらに、「生きている限り自立した生活を実現する」ための体の動きを補助する装置を目指し、マッスルスーツを用いたリハビリ方法の研究を進めています。

サイバニクスで未来を拓く

CYBERDYNE株式会社(サイバーダイン)

CYBERDYNE株式会社は、サイバニクス(人・ロボット・情報系の融合複合)技術を創生した山海嘉之筑波大学教授により2004年に筑波大発ベンチャーとして設立されました。

世界初の装着型サイボーグHALを、介護・重作業現場における腰痛の予防や、患者の歩行支援向けに提供しています。

2014年に東証マザーズに上場し、2021年にはマレーシアに子会社を設立するなど、国内外で事業を拡大させています。

Powering Mobility for All – すべての人々のモビリティにパワーを –

BionicM株式会社(バイオニックエム)

BionicM株式会社は、東京大学出身で義足ユーザーである孫小軍氏が、義足の不便さを感じた実体験から、より良い義足を作ることを目指し創業した東大発スタートアップ企業です。

ロボット工学と生体工学を融合し、人々のモビリティに力を与えるパワード義足を開発しています。

2020年には5.5億円の資金調達を実施し、公益財団法人鉄道弘済会義肢装具サポートセンターや、精密モータなどを開発しているシナノケンシ株式会社と協働し、開発を進めています。

地球上、いや様々な惑星に存在しえる全ての人に、ロボティクス革命による利益を届ける

Telexistence株式会社(テレイグジスタンス)

Telexistence株式会社は、三菱商事出身の富岡仁氏と、東京大学名誉教授 舘暲氏が「テレイグジスタンス(Telexistence/遠隔存在)」の実現を目指し創業したスタートアップ企業です。

Telexistenceとは、舘暲氏が1980年に世界で初めて提唱した技術概念です。遠隔地にいるロボットが自分のアバターとなり、まるで自分が現地にいるかのように、物を見たり、感じたり、動かすことができるようになります。

2021年には約22億円の資金調達を実施。遠隔操作で商品の陳列作業ができるロボットModel-Tをファミリーマート店舗へ導入開始するなど事業を拡大しています。

コミュニケーションテクノロジーで人類の孤独を解消する

株式会社オリィ研究所

株式会社オリィ研究所は、早稲田大学出身の吉藤健太朗氏が、自身の不登校の体験をもとに開発した対孤独用分身コミュニケーションロボット「OriHime」の事業化ため、創業したスタートアップ企業です。

OriHimeは、重度の肢体不自由であっても、視線やワンクリックスイッチを使って簡単に操作ができ、ベッドの上に居ながら、会いたい人と会い、社会に参加できる未来の実現を目指しています。

モスバーガーやNTT東日本の受付などにOriHimeが導入されており、外出困難な方が各地から遠隔操作で働いています。2021年にはクラウドファンディングで4500万円を越える支援を受け、「分身ロボットカフェDAWN ver.β 常設実験店」をオープンするなど事業を拡大しています。

ロボティクスで、世界をユカイに

ユカイ工学株式会社

ユカイ工学株式会社は、東京大学在学中に、チームラボ株式会社を設立、CTOに就任した青木俊介氏が創業したスタートアップ企業です。

ライフスタイルで活用されるロボットの開発を目指し、家族をつなぐコミュニケーションロボット「BOCCO」や、しっぽのついたクッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」などを開発しています。

2022年には、RIZAP株式会社と株式会社JDSCと3社合同で、高齢者向けの健康寿命延伸サービスの構築と検証を開始するなど、様々な分野でのロボット活用に力を入れています。
【企業情報】https://amater.as/online/companies/551/
【CEOインタビュー】https://amater.as/article/interview/yukaikougaku/
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人間とロボットの信頼関係を築き、生活を潤いと安心で満たす存在をつくる

GROOVE X株式会社(グルーヴエックス)

GROOVE X株式会社は、トヨタ自動車のエンジニアを経て、ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」の開発に携わった林要氏が創業したスタートアップ企業です。

役に立たない、でも愛着がある新しい家庭用ロボットLOVOTの開発を行なっています。
2020年には、SOMPOホールディングス株式会社、日立グローバルライフソリューションズ株式会社との資本業務提携を締結し、総額18億円の資金調達を実施。介護分野での活用や、生活家電との連動など研究開発を進めています。

おわりに

今回ご紹介したように、産業用ロボットから、コミュニケーションロボット、遠隔操作ロボットまで、スタートアップ企業が開発する様々な種類のロボットが、工場やコンビニ、飲食店、家庭など様々な場所で活用されています。VRや5Gなど最先端技術の発展に伴い、さらに新しい開発が進められているロボティクス業界に関心のある方は、ぜひアマテラスの「モビリティ・ロボティクス スタートアップ企業一覧」をご覧ください。

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吉田響

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